・Linux環境でHDDの動作が不安定になった
・ファイルシステムエラーが出て起動できなくなった
・fsckやsmartctlなどのコマンドを試したいけれど、どこまで自分で対応できるのか不安
LinuxではHDDに不具合が発生した際、専用のコマンドで修復を試みることが可能ですが、コマンドの使い方を誤ると、復元可能だったデータまで失われてしまうリスクがあります。
特に、ファイルシステムや物理的な損傷が関係している場合、軽い修復のつもりで打ったコマンドが致命的な結果を招くこともあるため注意が必要です。
本記事では、LinuxでHDDに不具合が生じた際に使用できる代表的な修復コマンドと、それぞれの正しい使い方・注意点を専門業者の視点でわかりやすく解説します。
自力での対応が難しいと感じた場合や、重要なデータが関わっている場合は、無理をせず早めに専門業者へ相談することをおすすめします。
目次
Linux搭載HDDに不具合が発生したときに対処できるコマンド

Linux搭載HDDに不具合が発生したときに、パソコンに命令文を書いてエラーを修復する方法があります。その前段階として、コマンドプロンプトを開く必要があります。
コマンドプロンプトを開く方法は以下の通りです。
- 「Windowsキー + Rキー」を押して「ファイル名を指定して実行」のボックスを表示させる
- 「名前」に「cmd」と入力する
- 「OK」をクリックすると、コマンドプロンプトが開く
コマンドプロンプトを表示させた後に様々なコマンドを使い分けて異常を特定・修復できます。異常に対処できるコマンドは以下のとおりです。
extundelete コマンド
誤って消してしまったデータを復元させることができるコマンドです。
データの日付を入力し、復元させたいファイルを見つけることができれば復元することができます。
fsckコマンド
このコマンドでは保存ファイルや各種に発生しているシステムの不具合の検査と復元を行うことができます。
しかし、復元データの精度はあまり高くないため、重要なデータが保存されている方は専門業者に相談することをおすすめします。
lsofコマンド
ユーザーが開いているファイルを一覧で確認することができるコマンドです。
このコマンドを利用すれば、誤って削除してしまったデータを開き、バックアップを取ることができます。
しかし復元能力が低く、HDD(ハードディスク)の物理障害やOS起動障害には対応していません。物理障害は経年劣化も含まれるため見た目で判断しきるのは難しいです。物理障害が生じているHDDに下手に手を加えてしまうと悪化してしまうため、判断が難しい際は専門業者の診断を受けてみましょう。
デジタルデータリカバリーでは相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
badblocksコマンド
badblocksコマンドは不良セクタをチェックできるコマンドです。
不良セクタとはデータを正常に読み書きできなくなったHDDの記憶領域です。主に初期不良や経年劣化によって発生します。
badblocksコマンドをかけるとHDDのデータ容量に比例して、チェック時間が長くなります。最長で4時間ほどかかる場合があります。
fdiskコマンド
「fdisk」というコマンドは、HDDのパーティション(領域)を管理する機能があります。fdiskコマンドでは、HDDのパーティションテーブルを表示、編集、作成、削除することができます。
ただし、 fdiskコマンドを使用する際は、誤操作によりデータが消失する場合がありますので、注意して操作してください。
もしデータを誤って消した場合はすぐに操作を中止し、当社にご相談ください。
※1:算出期間:2016年6月1日~
Linux搭載HDDに不具合が発生する原因

Linux搭載HDDに不具合が発生する原因は以下のとおりです。
周辺機器の破損
HDD(ハードディスク)自体に異常がなくても、周辺機器が破損することで不具合が発生することがあります。
接続ケーブルが接続不良や故障していると、サーバーが動作しなかったりネットワーク障害が発生したりすることがあるのです。
そのため、まずは「ケーブルがしっかりと接続されているか」「ネットワークに問題がないか」を確認しましょう。
論理障害
論理障害とはHDDの保存データや、Linuxを動作させるシステムファイルが破損することによって生じるデータ障害のことです。
この障害は、データ読み込み中の強制終了、誤操作によるフォーマット、マルウェア感染することによって発生します。
論理障害が疑われる場合は、下記のような症状が発生することがあるため、確認してみましょう。
- フォーマットを要求される
- OSが起動しない/フリーズする
- ブルースクリーンが表示される
- 勝手にファイル名が書き換わる
- ファイルやフォルダが開けない
軽度の論理障害は個人で復元できることもありますが、フォーマット後にデータを繰り返し上書きするなどすると、一般的に復元は難しく、データが消失してしまうことがあります。重要なデータが保存されている方は専門業者に相談することをおすすめします。
物理障害
物理障害とは、HDDやそれらを構成している部品が、強い衝撃や水没、経年劣化などによって物理的に破損することを指します。
わかりやすく異音や異臭がする場合や、論理障害と同様に「フォーマットしますか?」というエラーメッセージが表示される場合があります。
物理障害が疑われる場合は、下記のような症状が発生することがあるため確認してみましょう。
- カチカチ、カタカタ、ジーなどの異音がする
- サーバー自体が動いていない
- 読み書きできない
- 異臭がする
- フォーマットを促される
物理障害は、個人での復旧は極めて困難です。なぜならHDDの開封を行うと空気中のチリやホコリが付着し、破損が更に進行するおそれがあるからです。最悪の場合、データが全て消えるため、修復作業は手術室並みの清潔な空間で行う必要があります。
したがって、データを確実に取り出したいのであれば、「クリーンルーム」と呼ばれる設備を保有するデータ専門復旧業者へ相談しましょう。適切な設備を保有するデータ復旧業者に依頼すると、機器返却後にトラブルが発生するリスクを抑えられます。
Linux搭載HDDに不具合が発生したときの注意点
Linux搭載HDDに不具合が発生したときの注意点は以下のとおりです。
個人で対処しない
Linux搭載HDDに不具合が発生している場合、自力で対処しないようにしましょう。
特に重度の論理障害や物理障害や発生しているときに再起動を繰り返したり、開封や分解を行ったりすると、損傷が深刻化しデータが復旧できなくなる恐れがあります。
そのため、HDDに問題が生じている場合は個人で対処するのはやめましょう。
修理に出す前にバックアップを取る
ある程度操作が可能な際は、メーカーや修理業者に修理を依頼する前にバックアップを取っておきましょう。
メーカーや修理業者へ修理に出されたHDDは初期化されてしまいます。
初期化されると保存されているデータは全て消えてしまうため、データを消失させたくない場合は、修理に出す前にバックアップを忘れず取るようにしましょう。
通電を続けない
Linux搭載HDDの使用中に何かしら異常が発生した場合、再起動やコマンドを使用して自力で修復を試みる方もいると思います。
しかし、Linux搭載HDDに異常があると、再起動やコマンド入力によって発生させた負荷が障害を進行させる場合もあります。
可能であればすぐに使用を中止しましょう。もし、対処法を試す場合は、一度きりにしてデータ復旧業者など、専門の業者に相談しましょう。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。