突然パソコンが起動しなくなったり、保存していた大切な写真や仕事のデータにアクセスできなくなった──そんなとき、多くの方が強い不安や焦りに駆られます。
- 電源は入るが、画面が真っ暗なまま進まない
- 「Operating System Not Found」と表示される
- カタカタと異音がするが、パソコンが反応しない
こうした症状が出た場合、HDD(ハードディスク)が深刻なダメージを受けている可能性があります。状態によっては、通電や操作を続けることで、内部の精密部品を損傷し、データを二度と復元できなくなるリスクもあるのです。
「修理や買い替えは高額になりそうで迷っている」「できるだけ自力でなんとかしたい」と思う気持ちも理解できます。しかし、すべてのケースが自己対応で解決できるとは限りません。
この記事では、HDD修理が必要なケースと、自力で試せる対処法と注意点、専門業者に依頼する場合の流れや費用相場について、わかりやすく解説します。
「これって自分で対処しても大丈夫?」と少しでも不安を感じたら、無理せずにご相談ください。当社では24時間365日、無料診断を受け付けております。安全かつ確実なデータ保護の第一歩として、ぜひご活用ください。
目次
HDD修理が必要な主な症状
まずは、どのような症状が出ているときにHDDの故障や異常を疑うべきかを整理しておきましょう。症状を知っておくことで、単なる一時的な不調なのか、深刻な障害につながる前兆なのかを判断しやすくなります。
HDDのトラブルでよく見られる症状には、次のようなものがあります。
- HDDや外付けHDDがパソコン上で認識されない
- パソコン全体の動作が急に遅くなり、フリーズが増える
- カラカラ、カチカチ、ジジジといった異音がする
- 本体やHDD周辺が異常に熱くなる
- CRCエラーなどの読み書きエラーが頻発する
- 「ディスクをフォーマットしてください」などのエラーメッセージが表示される
一時的な負荷であれば、(不要なアプリ終了/再起動)で改善することもあります。
ただし、以下のような症状があれば、HDDに障害が起きている可能性が高くなります。
- 何度も認識されない
- ポートやケーブルを変えてもダメ
- カチカチといった異常音/焦げたようなにおい
これらは内部の損傷や電気的トラブルが進行しているサインです。
この状態で電源を入れ続けると、磁気ディスク(プラッター)に傷がつき、データの復旧が困難になる恐れがあります。見た目や動作だけで正確な判断はできません。
「少しでもおかしい」と感じたら通電を止め、早めに専門業者へご相談ください。当社では、相談と初期診断は24時間365日無料で対応しています。ご不安なときは、どうぞお気軽にお問い合わせください。
HDDが故障したように見える主な原因
まずは、HDDが故障したような状態に見えるとき、内部でどのようなトラブルが起きているのかを整理しておきましょう。
実際にはHDDそのものが損傷している場合もあれば、ソフトウェアの不具合や別パーツのトラブルが影響し、その結果として「HDDが壊れたように見えている」だけのケースも少なくありません。
原因は大きく分けると、次の3つに分類できます。
HDD以外の部品トラブルや設定不良
一見HDDが原因だと思えるトラブルでも、実は別の部品や設定の問題が影響しているケースがあります。たとえば、次のような状態です。
- 電源ユニットの故障でパソコン本体に電源が入らない
- マザーボードの不具合によってHDDが認識されない
- ケーブルの断線や接触不良で外付けHDDだけが表示されなくなっている
このような場合、HDD自体は正常なことが多く、適切な部品交換や設定の見直しによってトラブルが解消される可能性があります。
ただし、原因がはっきりしないまま何度も分解したり、BIOS設定やパーティション設定を手探りで変更していくと、その行為自体が新たな物理障害・論理障害を招いてしまうことがあります。特に、次のような操作はHDDに負担となる恐れがあります。
- 筐体を無理にこじ開けることで生じる歪み
- 静電気対策をしないまま内部パーツへ触れる行為
- コネクタやケーブルの抜き差しを何度も繰り返す作業
このように、見た目は同じ「起動しない」「認識しない」という症状でも、裏側にある原因はいくつも考えられます。そして原因が違えば、選ぶべき対処法もまったく変わってきます。自己流の対応を続けるほどデータを失うリスクは高まるため、大切なデータが入ったHDDでトラブルが起きたときは、安易な操作を重ねる前に、これから紹介する対処法や専門業者への相談を早めに検討することが重要です。
論理障害によるデータやシステムの異常
論理障害とは、HDD本体の部品には物理的な損傷がないものの、内部のデータ構造やシステム情報に異常が発生している状態を指します。次のようなきっかけで起こることが多くあります。
- 誤って重要なシステムファイルやデータを削除してしまった
- アップデートや処理の最中に電源を切ってしまった
- ウイルス・マルウェアに感染し、システム領域が書き換えられた
- 停電などで突然電源が落ち、処理が中断された
論理障害の代表的な症状
具体的な症状としては、次のようなトラブルが代表的です。
- パソコンが途中まで起動したあとフリーズして先に進まない
- 起動時や操作中にエラーメッセージが頻繁に表示される
- HDDにアクセスしようとすると「フォーマットが必要です」と表示される
- フォルダ構成は見えるのに、中身のデータだけが見えなくなっている
このような論理障害の場合、HDD自体は壊れていないため、専門的なツールや適切な手順によって論理構造を修復することで、データを取り出せる可能性が残されています。
一方で、自己判断で市販の復旧ソフトを片っ端から試したり、何度もフォーマットやOSの再インストールを繰り返すと、まだ残っていたデータ領域を上書きしてしまい、復旧可能な範囲がどんどん狭まってしまうことがあります。
いわゆる「軽いトラブル」に見える論理障害ほど、自力で何とかしようとして障害レベルを悪化させてしまうケースが少なくありません。
物理障害によるHDDそのものの故障
物理障害とは、HDD内部の部品そのものが破損・劣化している状態です。HDDは高速回転するプラッターと、それにデータを読み書きするヘッド、回転を制御するモーターなどからなる非常に繊細な装置で、わずかな衝撃や環境変化でも故障につながることがあります。典型的には、次のようなケースが挙げられます。
- ノートパソコンや外付けHDDを落下させてしまった
- 動作中の本体を持ち上げたり、強くぶつけてしまった
- 高温多湿・ホコリの多い環境で長期間使用し続けた
- 飲み物などの液体をこぼして内部に浸水させてしまった
物理障害の代表的な症状
代表的な症状としては、次のような異常が見られます。
- 電源を入れるとカラカラ・カチカチなどの異音が鳴り続ける
- 内部から焦げたような臭いがする
- そもそもパソコンがまったく起動しない
- BIOSやOS上でHDDそのものが認識されない
このような症状が出ている場合、内部でヘッドがプラッターを傷つけていたり、モーターが正常に回転できなくなっている可能性が高く、通電を繰り返すほど状態が悪化し、短時間で取り返しのつかないダメージになることもあります。
物理障害は、一般の方が手持ちの工具だけで安全に修理できるものではありません。クリーンルームのような塵を極力排除した専用環境で、適合するドナー部品や専用治具を使いながら慎重に作業する必要があります。
自己判断で分解やパーツ交換を行うと、プラッタに傷が入ったり内部の状態がさらに悪化したりする可能性があります。最悪の場合はデータ復旧そのものが不可能になるリスクがあるため、物理障害が疑われるときほど安易な通電や分解は避け、専門業者による診断と対応を優先することが重要です。
HDD故障時のメーカー修理・データ復旧の選び方
HDDの故障は見た目では分かりにくく、異音や異臭、発熱、落下などの症状があっても、自力で正確に判断するのは難しいものです。安易な操作を繰り返すと、もともと救えたはずのデータまで失われてしまうリスクがあります。
こうしたトラブルに対処するうえで大切なのは、「製品としての修理」と「中のデータを守る復旧」は目的がまったく異なるという点です。
ここではメーカー修理・データ復旧の選び方について解説します。
電源を切り、症状と状況を整理する手順
ここでは、HDDが故障したと感じたときに、データを守るために意識したい基本的な流れを三つのステップに分けて説明します。
どのケースでも共通するのは、通電をむやみに繰り返さず、状況を整理したうえで、メーカー修理とデータ復旧のどちらを優先するか判断することです。
電源を切り、症状と状況を整理する手順
最初のポイントは、焦って再起動や操作を繰り返さないことです。特に異音や異臭、エラー表示が出ているHDDに通電を続けると、障害レベルが一気に進行し、復旧の難易度や費用が大幅に上がることがあります。まずは落ち着いて電源を切り、今どのような症状が出ているのか、どのタイミングからおかしくなったのかを整理しておきましょう。
- HDDの動作中であっても、異音や異臭、エラーメッセージが出た場合は、作業を中断してパソコンの電源をシャットダウンします。外付けHDDの場合は、OSのシャットダウン後にUSBケーブルや電源ケーブルを抜きます。
- 「いつから」「どの操作をした後に」おかしくなったかを簡単にメモします。例えば、アップデート中だったか、ソフトのインストール中だったか、落下や衝撃がなかったかなどを思い出しておきます。
- 症状を整理しながら、画面に表示されるエラーメッセージや警告文があれば、スマートフォンで写真に撮っておきます。後で専門業者に相談するときの重要な手がかりになります。
- この段階では、ディスクチェックや自動修復、フォーマットの実行といった操作は避けます。特に物理障害の疑いがある場合、こうした処理はHDDに負荷をかけ、プラッターにさらに傷を増やしてしまう可能性があります。
メーカー修理とデータ復旧の優先順位を決める手順
次に考えるべきなのは、「何を一番守りたいか」という点です。パソコン本体を使える状態に戻せればよいのか、それとも中に入っているデータが最優先なのかによって、取るべき選択肢は変わります。
メーカー修理の多くは、HDDの交換や初期化が前提となり、保存されているデータは原則として元に戻りません。一方で、データ復旧はHDDからデータを救出することが目的であり、メーカー修理とは役割が異なります。
- HDDの中に入っているデータを思い出し、「二度と用意できないデータ」と「再取得できるデータ」を分けて考えます。家族写真や業務データ、設計図面、会計データなど、失うと困るものが含まれているかを確認します。
- 同じデータが別のHDDやクラウドなどにバックアップされているかを確認します。バックアップがあり、そこから元の状態を再構築できる場合は、メーカー修理を優先してもデータ面のリスクは小さくなります。
- メーカー保証や延長保証の内容を確認し、「HDD交換時のデータ保持」は対象外であることを理解しておきます。多くの場合、修理過程でHDDは初期化または交換され、データは戻ってきません。
- バックアップがなく、重要なデータが入っている場合は、メーカー修理よりも先にデータ復旧の可否を専門業者に相談します。先にメーカー修理に出してしまうと、HDDが初期化されて残っていたデータが消去されたり、交換後のHDDだけが戻ってきて、元のHDDが手元に残らないことがあります。
データ復旧専門業者に相談・依頼する手順
データを最優先で守りたい場合は、自己流の復旧やメーカー修理よりも先に、データ復旧専門業者に相談することが重要です。
HDDのトラブルは、見た目の症状が似ていても内部で起きている原因や復旧の難易度が大きく異なり、自己判断で電源のオンオフを繰り返したり、フォーマットや分解を行うと、本来であれば取り出せたはずのデータまで失ってしまうおそれがあります。
異常を感じた段階で無理を続けず、早いタイミングで専門家の診断を受けることが、データを守るうえでの大きな分かれ目になります。
デジタルデータリカバリーの特長
専門業者であれば、物理障害と論理障害を切り分けたうえで、どこまでデータを取り出せそうかを診断し、費用や期間の目安を具体的に確認できます。デジタルデータリカバリーでは、HDDやSSD、USBメモリ、SDカード、RAID、NAS、サーバーなど幅広い機器のデータ復旧に対応しています。
- 相談実績は50万件以上(期間:2011年1月以降)
- 官公庁・大手企業を含む「1万社以上」との取引実績
- 一部復旧を含む復旧件数割合 91.5%(2023年10月実績。一部復旧は復旧希望データの一部が復旧できた場合、完全復旧は復旧希望データを100%復旧できた場合)
国内最大級のデータ復旧ラボとクラス100のクリーンルーム環境を備え、微細なホコリも徹底的に排除した環境でHDDの開封作業を行っています。
傷ついたHDDからの復旧技術など、従来は難しいとされてきたケースにも研究開発を通じて取り組み続けており、その姿勢が評価されて東京都の「経営革新優秀賞(2021年)」も受賞しています。こうした研究開発型の体制により、新しい復旧技術や迅速な対応方法を日々生み出している点も特徴です。
対処法:HDD故障時に試せる対策と復旧方法
ここからは、HDDにトラブルが起きたときにどのような対処を行えばよいかを、段階ごとに整理していきます。
軽度の障害であれば、Windowsに備わっている機能や設定の見直しで改善することもありますが、症状や状況によっては自力での対応がかえって状況を悪化させる場合もあります。
ここからは
- 自力で試せる確認・修復方法、
- HDDを扱う際の注意点、
- 専門業者に依頼する場合の流れや費用の目安
について順番に見ていきましょう。重要なデータが含まれている場合や、物理的な異常が疑われる場合は、無理に自分で操作せず、早めにプロの判断を仰ぐことが大切です。
自力で試せるHDDの確認・修復方法
まずは、比較的軽い論理障害が疑われる場合に、自力で試すことができる確認・修復方法をまとめます。
ここで紹介する方法は、主にWindowsの標準機能を使用するもので、操作の難易度はそれほど高くありません。ただし、異音や強い発熱を伴う場合、落下など明確な物理的トラブルがあった場合は、自力での修復を試さず、通電を避けて専門業者に相談してください。
Windowsのディスクチェックでエラーを確認する手順
ディスクチェック機能は、Windowsに標準で備わっているエラーチェック機能です。ファイルシステムの整合性や不良セクター(読み書きがうまくできない領域)を検査し、軽度の論理的なエラーであれば修正できる可能性があります。
ただし、物理障害が進行しているHDDに対して無理に検査や修復を行うと、状態が悪化することもあるため注意が必要です。
- エクスプローラーを開き、「PC」から問題が起きているドライブを右クリックし、「プロパティ」を選択する。
- 「ツール」タブを開き、「エラーチェック」欄の「チェック」または「チェックする」をクリックする。
- 表示される画面の指示に従い、必要に応じて「ドライブのスキャン」や「スキャンと修復」を選択する。
- 再起動が求められた場合は案内に従ってパソコンを再起動し、検査と修復が完了するまで待つ。
- 完了後、結果のメッセージを確認し、エラーが多い場合や症状が改善しない場合は、重要なデータの保護を優先し、自力での操作を控える。
デバイスマネージャーでドライバーを再インストールする手順
HDDが突然認識されなくなったり、「不明なデバイス」と表示されたりする場合、ドライバーや接続情報に問題が生じている可能性があります。デバイスマネージャーからドライバーを一度削除し、再検出させることで改善することがあります。
- Windowsのスタートボタンを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択する。
- 「ディスクドライブ」または「記憶域コントローラー」などの項目から、問題のHDDを探す。
- 対象のHDDを右クリックし、「デバイスのアンインストール」または「アンインストール」を選択する。
- アンインストール後、パソコンを再起動するか、「ハードウェア変更のスキャン」を実行してドライバーを再検出させる。
- 再起動後にHDDが正常に認識されているかを確認し、症状が続く場合は他の対処法や専門業者への相談を検討する。
Windows自動修復機能で起動トラブルを確認する手順
Windowsが途中でフリーズして起動できない、再起動を繰り返すといった場合は、自動修復機能でシステムの問題を確認できることがあります。ただし、内部でHDDの読み書きが繰り返されるため、物理障害が疑われる場合は利用を避けた方が安全です。
- 電源ボタンを押してWindowsの起動画面を表示し、途中で電源ボタンを長押しして強制終了する操作を数回繰り返すと、自動的に「自動修復を準備しています」と表示される場合がある。
- 「自動修復」や「回復」画面が表示されたら、「詳細オプション」から「スタートアップ修復」などのメニューを選択する。
- 画面の指示に従い、システムの問題が自動的に検査され、修復可能な場合は処理が実行される。
- 処理が完了したら、パソコンが正常に起動するかどうかを確認する。
- 何度も自動修復と再起動を繰り返す場合や、異音・異臭を伴う場合は、無理に続行せず電源を切り、専門業者へ相談する。
コマンドプロンプトでファイルシステムを確認する手順
コマンドプロンプトから「chkdsk」などのコマンドを使うと、ディスクの状態やファイルシステムのエラーを詳しく確認できます。誤ったオプション指定や、物理障害のあるHDDに対して強制的な修復を行うと状態が悪化する可能性があるため、実行は慎重に行いましょう。
- スタートメニューの検索ボックスに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を管理者として実行する。
- コマンドプロンプトが開いたら、「chkdsk X:」のように、Xの部分に対象ドライブのドライブレターを指定して入力する。
- 結果を確認し、エラーの種類や不良セクターの有無などを把握する。
- 修復を伴う「/f」オプションや「/r」オプションは、状態によっては負荷が大きくなるため、重要なデータがある場合は安易に実行しない。
- 内容が判断できない場合や、エラーが多く表示される場合は、結果を控えたうえで専門業者へ相談し、適切な対応方針を検討する。
ドライブレターを変更して認識不良を改善する手順
外付けHDDや新しく接続したHDDが、エクスプローラーに表示されない場合でも、ディスクの管理上は認識されていることがあります。その際、ドライブレター(CやDなどのアルファベット名)の重複や割り当ての問題を解消することで、正常にアクセスできるようになる場合があります。
- スタートボタンを右クリックし、「ディスクの管理」を選択して起動する。
- 一覧の中から問題のHDDを探し、ボリューム名や容量を確認する。
- 対象のボリュームを右クリックし、「ドライブ文字とパスの変更」を選択する。
- 「変更」をクリックし、他と重複していないドライブレターを指定して「OK」を押す。
- 変更後、エクスプローラーを開いてHDDが表示されるか、フォルダーやファイルにアクセスできるか確認する。
HDDを扱うときの注意点
自力での修理や設定変更を試す際には、HDDをできるだけ傷つけず、後から専門業者が復旧しやすい状態を保つことが重要です。ここでは、HDD障害時に守っておきたい注意点を、具体的な行動レベルで整理します。
可能な範囲でデータのバックアップを行う手順
HDDに異常が出ている場合でも、まだ読み取れるファイルが残っていることがあります。そのまま作業を続けると、症状の進行によって重要なデータまで開けなくなることがあるため、アクセスできるうちにバックアップを取っておくことが大切です。ただし、異音や異臭がある場合はバックアップのためであっても通電を控えた方が安全です。
- 異音や異臭がなく、通常どおりパソコンが起動するかを確認し、問題がなければ作業を開始する。
- 外付けHDDやSSD、NASなど、バックアップ用の保存先を用意し、接続する。
- 写真や書類、業務データなど、失いたくない重要なフォルダーから優先してコピーを行う。
- コピー中にフリーズやエラーが増える場合は、無理に続けず、コピーできた範囲を確認してから専門業者へ相談する。
- バックアップ完了後は、問題のHDDへの新たな書き込みを控え、必要に応じて診断を依頼する。
電源のオンオフを繰り返さないためのポイント
トラブルが起きると、つい「もう一度再起動すれば直るかもしれない」と何度も電源のオンオフを繰り返してしまいがちです。しかし、通電するたびにHDD内部ではヘッドの移動や回転が行われ、損傷が広がる可能性があります。特に物理障害が疑われる場合は、必要以上の再起動や強制終了を避けることが重要です。
- HDDから異音がする、エラー表示が繰り返されるなどの症状に気づいた時点で、いったん電源を切る。
- 再起動が必要かどうかを冷静に判断し、やみくもに電源を入れ直さないようにする。
- どうしても再起動が必要な場合は、その前に可能な範囲で重要データのバックアップを検討する。
- 再起動後も状況が改善しない場合は、これ以上の電源操作を控え、状態をメモしておく。
- 記録した症状やエラー内容をもとに、専門業者に相談し、適切な対応方針を確認する。
HDDを分解せずに保管する手順
インターネット上には、HDDを自分で分解して修理する方法や、部品を直接交換するような手順が紹介されていることがあります。しかし、HDD内部は非常に繊細で、わずかなホコリや指紋が付着しただけでも復旧が難しくなる可能性があります。専門のクリーンルーム以外で分解することは避けた方が賢明です。
- HDDに異常があると感じたら、まず電源を切り、ケーブルや電源コードを抜いておく。
- HDDを取り外す場合は、静電気が発生しにくい環境で慎重に行い、基板や端子部分を必要以上に触らないようにする。
- 分解は行わず、そのままの状態で、衝撃や振動の少ない場所に保管する。
- 可能であれば、購入時の箱や緩衝材を利用し、輸送時に揺れや衝撃が加わらないようにする。
- 専門業者へ送付する際は、指示された梱包方法に従い、安全に送り出せるよう準備する。
フォーマット操作を避けるための注意点
HDDに異常があると、「フォーマットしますか」「フォーマットする必要があります」といったメッセージが表示されることがあります。フォーマットを行うと、HDDを使用できる状態に初期化する代わりに、中身のデータには通常アクセスできなくなります。誤ってフォーマット操作を行うと、復旧難度が一気に高まるため注意が必要です。
- フォーマットを促すメッセージが表示されても、すぐに「はい」や「実行」を押さず、一度画面を閉じるかキャンセルを選択する。
- その状態で、他のパソコンや別のケーブルを利用して、同じメッセージが出るか確認する。
- 複数の環境で同様のメッセージが出る場合は、自力での操作を控え、フォーマットを行わないまま専門業者に相談する。
- 誤ってフォーマットしてしまった場合は、それ以上の書き込みや保存操作を行わず、すぐに電源を切る。
- フォーマットを行った日時や操作内容をメモしておき、復旧を依頼する際に業者に伝える。
専門業者にHDD修理・データ復旧を依頼する方法と費用の目安
自力での対処が難しい場合や、重要なデータが含まれている場合は、早めに専門のデータ復旧業者へ相談することが、データを守るうえで最も確実な選択肢になります。ここでは、依頼までの流れと費用の目安、相談時に押さえておきたいポイントを解説します。
無料の初期診断を依頼する手順
HDDやパソコンが起動しない原因を、見た目だけで正確に判断することは困難です。物理障害か論理障害かによって必要な技術や費用が大きく変わるため、まずは専門業者による初期診断を受けることが重要です。デジタルデータリカバリーでは、初期診断と見積りを無料で行っており、状態を正確に把握したうえで対応方針を検討できます。
- 現在の症状やエラーメッセージ、異音の有無、これまでに試した対処などを紙やメモアプリに整理しておく。
- デジタルデータリカバリーの問い合わせ窓口に電話やメール、ウェブフォームから連絡し、症状を伝える。
- 案内に従い、持ち込み・宅配・出張などから希望の受付方法を選択する。
- 宅配の場合は、HDDやパソコン本体を緩衝材でしっかりと梱包し、指定の住所へ送付する。
- 到着後、専門スタッフによる初期診断が行われ、結果と復旧の可否、費用の目安などが案内される。
見積もりから復旧作業までの流れ
初期診断の結果を踏まえて、実際に復旧作業を依頼するかどうかを決めることになります。復旧プロセスを理解しておくと、依頼時の不安を減らしやすくなります。
- 初期診断の結果をもとに、故障の種類(物理障害・論理障害)と復旧の難易度、想定される復旧範囲が説明される。
- 復旧費用の見積りと、作業に必要なおおよその日数が提示されるので、内容に納得できるかを確認する。
- 依頼者が復旧作業を正式に依頼すると、クリーンルームや専用ツールを用いてデータの抽出作業が行われる。
- 復旧が完了すると、どのデータがどの程度取り出せたかの報告を受け、内容を確認する。
- 復旧データは、別のHDDやSSD、DVDなど指定のメディアに保存され、返送または手渡しで納品される。
デジタルデータリカバリーでは、初期診断とお見積りを無料で実施し、内容に納得いただいてから復旧作業に進む流れを採用しています。大まかな流れは次の通りです。
- 電話・メール・専用フォームから相談する
- 故障した機器を送付または持ち込む
- 専門ラボで診断とお見積りを受ける
- 内容に納得した場合のみ復旧作業を正式依頼する
- 復旧済みデータを新しい媒体で受け取る
まずは電話やメール、専用フォームなどから相談します。その際、以下の情報を分かる範囲で伝えると、スムーズに状況共有ができます。
- 機器の種類(パソコン、外付けHDD、NASなど)
- おおよその容量
- 現在の症状(起動しない、認識しない、異音がするなど)
- トラブルが発生したきっかけ(落下、異音、アップデート中の停止、電源トラブルなど)
その後、案内に沿ってHDDや故障した機器を送付または持ち込みます。
輸送中の衝撃を避けるため、エアクッションや緩衝材でしっかり包み、通電を行わない状態で預けることが大切です。到着後は専門ラボでHDDの状態を診断し、物理障害か論理障害か、またどの程度の損傷があるのかを確認します。
診断結果として、次のようなポイントについて説明と見積りが提示されます。
- どの程度データを取り出せそうか
- 想定される障害レベル
- 概算の復旧料金
- 作業にかかる日数の目安
デジタルデータリカバリーでは、診断とお見積りは無料で、内容を確認したうえで復旧を行わないと判断した場合でもキャンセル料はかかりません。
見積りに納得した場合のみ、正式に復旧作業を依頼します。作業完了後は、復旧できたデータを新しい外付けHDDやSSDなどの媒体にコピーして納品します。
その際、再発防止のためのバックアップ方法や、故障予測ソフト、S.M.A.R.T.情報のチェック方法についても案内を受けておくと安心です。
なぜデジタルデータリカバリーでは復旧困難な機器の復旧事例が多いのか
デジタルデータリカバリーはこれまで数々の復旧に成功してきました。復旧事例が多いのには、理由があります。
業界トップクラスの実績
私たちデジタルデータリカバリーは、17年連続で国内売上No.1(※1)。累計50万件以上(※2)の相談実績をもとに、あらゆるデータトラブルと向き合ってきました。
「データが戻ってくるかどうかは、最初の診断で決まる」
そう言っても過言ではありません。
最大の強みは、その“症例データの蓄積数”。
すべての相談内容を電子カルテのように管理し、障害のパターンと復旧手法を社内でデータ化。
これにより、問題の切り分けが圧倒的に早くなり、対応スピードと成功率の向上につながっています。
その結果、48時間以内に対応を完了した件数は全体の約80%。
一部復旧を含む復旧件数割合は91.5%(※3)と、業界でも高水準の成果を出し続けています。
国内最高峰の復旧設備
復旧の成功事例の多さは、デジタルデータリカバリーの技術力の高さを象徴しています。復旧成功の要因として、次の点が挙げられます:
- 蓄積された知見に基づき、障害箇所を正確に特定
- 最新技術を駆使した独自の復旧手法を開発
- 精密な環境での復旧作業(専用クリーンルーム完備)
これらの要素が、他社では対応が難しいケースでも「不可能を可能に」しています。
「他社で復旧できなかった機器のご相談件数8,000件超(※4)」ですので、他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーでは復旧できる可能性もございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数50万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
※1:データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを提供し、その売上が総売上の50%以上を占める企業のこと ※第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(算出期間:2007年~2023年)
※2:期間:2011年1月1日~
※3:2023年10月実績。一部復旧:完全復旧に至らなかったが、一部復旧できた場合。完全復旧:復旧希望データを100%復旧できた場合。
※4:算出期間:2016年6月1日~
法人向けデータ復旧サービスをお探しの方へ
法人のお客様では、社内サーバやRAID構成のストレージ、業務用PCや外付けHDDといった社内のデータ環境でトラブルが起きると、単なるデータ損失だけでなく、業務停止や情報漏えいリスクにつながるおそれがあります。
「自分で試してよいのか」「どのタイミングで専門業者に相談すべきか」判断に迷われる法人ご担当者様も少なくありません。当社では、法人専任のアドバイザーが状況を伺い、最適な復旧プランをご案内します。
サーバやNASなど機器を社外に持ち出せない場合は、専門エンジニアによる出張訪問での診断・復旧にも対応しています。セキュリティ体制や復旧事例、よくある質問は、以下の法人向け専用ページにまとめています。業務データの復旧でお困りの際は、こちらもあわせてご覧ください。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人

デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。










































