いきなりHDDが開けなくなり、「RAW形式です」「フォーマットする必要があります」などと表示されてしまった──
- 「ディスクはフォーマットされていません」と表示される
- 「アクセス中にエラーが発生しました」と警告が出る
- エクスプローラーでドライブ名が「RAW」になっている
このような状態はHDDが「RAW化」してしまった可能性が高く、通常の操作では中のデータにアクセスできなくなります。
ただし、適切な対応を行えば、データの損失を避けて正常に復旧できるケースもあります。一方で、誤ってフォーマットを実行してしまったり、不適切なソフトを使って復旧を試みると、重要なデータを完全に失ってしまう危険もあるため、慎重な判断が必要です。
本記事では、HDDがRAW状態になる主な原因や、認識されないドライブからデータを安全に復旧するための方法について、専門的な視点から詳しく解説します。
現在すでにRAW状態になっている場合は、まずは無料診断をご利用ください。24時間365日対応で、安全かつ迅速な解決をサポートいたします。
目次
RAWとはどういう状態か
HDDを開いたとき「フォーマットしますか?」などと表示される場合、HDDのファイルシステムが「RAW」(未フォーマット)という状態になっている可能性があります。
HDDがRAWになっているかどうかは「ディスクの管理」から確認することが出来ます。これは、画面左下の検索窓に「ディスクの管理」と打ち込んだあと「ハードディスクパーティションの作成とフォーマット」に進むと表示されます。

RAWは、パソコンがHDDの存在を認識しているものの、ドライブ情報が不明で内部のデータにアクセスできない状態です。
この問題は、HDDの管理情報を修復することで解消される場合もありますが、HDDに深刻な障害が発生している場合、修復できず、状態が悪化する恐れがあります。
問題が解消されなかった場合、自力での対処は控え、データの要不要に応じ、専門業者まで対応を依頼するようにしましょう。
HDDでRAWになる原因
HDDでRAWになってしまう原因としては、次の6つをあげることが出来ます。
このうち、「異音がする」「5年以上使用している」ケースだと、物理障害が発生している可能性が高く、この場合、自力での修復・データ復元は困難です。また、無理に自力での修復を試みると、障害を悪化させ、データを完全に消失させてしまうリスクもありますので、安全にデータ復旧を行う場合、データ復旧専門業者まで相談を検討するようにしましょう。
USBポート・コネクタの電力不足
外付けHDDとパソコンをつなげるUSBポートや接続コネクタが破損していると、HDDの構成情報が正常に読み込まれず、フォーマットを要求されたり、管理情報が「RAW」になってしまったりすることがあります。
ファイルシステムが破損している
ファイルシステムとは、データを管理する本棚のようなものです。ファイルシステムは強制終了、HDDの不適切な取り外しが原因で破損しやすく、このような状態だと、データを読み込めなくなってしまいます。
パーティションテーブルが破損している
「パーティションテーブル」とは、HDD内のデータを仕分けする敷居のようなものです。ここが壊れていると、データを読み取れず、ディスク内にどんなデータが入っているのかを認識できません。ただし、この場合、データは正常であることがほとんどなので、パーティションテーブルを正しく修正すれば、データ復旧できる可能性は高いとされています。
フォーマットが完了していない
新品のHDDを接続時、フォーマットが完了していないと、「RAW」と表示されることがあります。また、Windowsで使用していたドライブをMacに接続する場合、フォーマット形式の違いにより認識できないケースがありますが、この場合、HDD内のデータを優先する場合は、フォーマットを控えるようにしましょう。データが消失してしまいます。
ウイルスに感染している
パソコンがウイルスに感染している場合、HDDが正常に認識されず、「RAW」と表示される場合があります。とくに身代金を要求するメッセージ画面に表示されている場合、ご使用のパソコンはランサムウェア(身代金要求型マルウェア)に感染していますので、二次被害を防ぐためにも、ウイルス感染時、該当する端末は必ずオフラインにしておきましょう。
HDDが物理的に故障している

HDDがRAW状態となり、「フォーマットされていません」と表示される現象は、物理障害が原因となっているケースもあります。たとえば、HDD内部パーツの破損や劣化、制御基板の不良などが原因で、ファイルシステムが正常に読み取れず、OSがRAWとして認識する状態です。
このような障害に対して市販の復旧ソフトを使ったり、フォーマットを試みると、状況が悪化し、復旧の可能性を下げるリスクがあります。特に異音や発熱を伴う場合は、物理障害の疑いが強く、専門業者による診断と処置が最も安全かつ確実な対応です。
デジタルデータリカバリーでは、46万件以上の相談実績(期間:2011年1月以降)を持ち、一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(※)と高い成果を誇ります。相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。
※(内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績)

RAWになったHDDからデータ復旧する方法
以下に紹介する方法は、いずれもデータを失わずに復旧を目指すことが目的です。まずは安易な操作を避け、慎重に進めてください。
別のUSBケーブルに交換
外付けHDDのUSBケーブルをUSBポートではなく直接、PCにつなげましょう。これで問題が解決しない場合、USBケーブルやPCの端子が破損している恐れがあるので、別のコネクタに接続するか、別のUSBケーブルに交換しましょう。
RAWをNTFSに変換する
RAWというのは、フォーマット形式が未確定の状態です。そのため、WindowsOSの場合、フォーマット形式「NTFS」に変換することで、元通りHDDが使えることがあります。
RAWをNTFSに変換する手順は、次のとおりです。
- パソコンで「ディスクの管理」を開きます。
- RAWになったHDDで「フォーマット」を選択します。
- ボリュームラベルを設定し、ファイルシステムを「NTFS」に指定します。

TestDisk(コマンドプロンプト)から復旧する

TestDiskは、データを正しく書き換えるためのソフトであり、破損したパーティションテーブルなどの修復に使われます。
この際、特別なコマンド入力は必要なく、ドライブの容量などを手掛かりに、パーティションを復元するドライブを選択し「Proceed」→「Enterキー」→「Quit」に進むだけでOKです。
ただし、異音が起きていたり、長時間使用HDDを使用していたりする場合は、物理障害の可能性が高いと考えられるため、TestDiskでの対応は困難です。むしろ、TestDiskをかけると状態が悪化する恐れがあるため、むやみに修復ツールをかけることは控えてください。
データ復旧業者まで対応を依頼する
上記の対処で改善しない場合、HDD内部で深刻な障害が発生している可能性があります。無理な対応を重ねると、データ消失や機器の破損リスクが高まるため注意が必要です。
メーカーに依頼する選択肢もありますが、多くの場合は「交換対応」が基本で、保存データは初期化されてしまいます。そのため、データを優先したい方は、操作を続ける前に専門業者への相談を検討すべきです。
デジタルデータリカバリーでは、これまでに対応してきた46万件以上の相談実績(期間:2011年1月以降)と、15,000件以上の障害事例を基に、初期診断・お見積りはすべて無料。24時間365日体制で受付を行っており、最短での対応を行います。
なぜデジタルデータリカバリーでは復旧困難なHDDの復旧事例が多いのか

デジタルデータリカバリーはこれまで数々のHDDの復旧に成功してきました。HDDの復旧事例が多いのには、理由があります。
復旧の研究開発が活発
従来、記録面に傷があるHDDは復旧が極めて困難とされ、対応を断念せざるを得ない状況でした。
しかし弊社では、専用設備の導入や海外研修を通じた技術開発により、記録面を安全に処理する独自の研磨技術を確立。これにより、傷のあるHDDからのデータ復旧率を大幅に高めることに成功しています。
東京都経営革新優秀賞を受賞

過去不可能とされていた傷のついたHDDからのデータ復旧率を大幅に向上させたことや、市場ニーズに迅速に対応し、復旧対象媒体を拡大した取り組みが認められ、2021年11月25日に東京都経営革新優秀賞を受賞しています。
国内最高峰の復旧設備

HDD復旧の成功事例の多さは、デジタルデータリカバリーの技術力の高さを象徴しています。復旧成功の要因として、次の点が挙げられます:
- 蓄積された知見に基づき、障害箇所を正確に特定
- 最新技術を駆使した独自の復旧手法を開発
- 精密な環境での復旧作業(専用クリーンルーム完備)
これらの要素が、他社では対応が難しいケースでも「不可能を可能に」しています。
「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」ですので、他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーでは復旧できる可能性もございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
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SSDのメーカーと寿命の対応表
SSD(ソリッドステートドライブ)は、使用を重ねることで内部のセルが劣化していくため、使い方や環境によって寿命が大きく変わります。
一般的に数年の耐用年数があるとされますが、高負荷や長期間の使用により、予想より早く故障することもあります。特に外付けSSDでは、「認識されない」「アクセスできない」といった症状が突然出ることもあります。
こうした不具合はセルの劣化や制御チップの異常など、寿命に起因するケースが多く、SSDはHDDと違って前兆が見えにくいため注意が必要です。用途に合った耐久性のある製品を選ぶことが、データ消失を防ぐポイントです。
代表的なSSDメーカーと主なモデル、そして耐用年数の目安は以下の通りです。
メーカー | 主な機種 | 耐用年数の目安 |
Crucial(クルーシャル) | Crucial T500・MX500 | 5〜7年 |
KIOXIA(キオクシア) | EXCERIA PLUS G3・EXCERIA SATA | 4〜6年 |
Samsung(サムスン) | 980 PRO・990 PRO | 7〜10年 |
Western Digital(ウエスタンデジタル) | WD Blue SN580・WD Black SN770 | 4〜6年 |
Seagate(シーゲート) | FireCuda 530 など | 3~5年 |
SSDは精密な電子部品で構成されており、経年劣化とともに保存できるデータの書き換え回数にも限界があります。特に寿命が近づくと、ファイルのコピーや保存が途中で止まる、システムがフリーズするといったトラブルが現れることがあります。故障したSSDをメーカー修理に出すと、保存データが完全に初期化・消去されるケースがほとんどです。
SSDのデータ復旧は自力で可能?
「なんとか自分でデータを取り戻せないか」と考える方も少なくありません。しかし、SSDのデータ復旧はHDD以上に難易度が高く、誤った操作によってチップレベルでの障害を悪化させてしまう可能性もあります。
市販のデータ復元ソフトは、一部の軽度な論理障害(誤削除、軽度なファイルシステムエラーなど)には対応できますが、すべての状況に有効というわけではありません。とくに以下のようなケースでは、ソフトによる復元は困難です。
- SSDが認識されない、突然アクセスできなくなった
- 制御チップやメモリセルに障害が発生している
- 誤ってフォーマット・初期化したが、上書きされている可能性がある
データが必要な場合はデータ復旧業者に依頼するべき
仕事の資料や思い出の写真など、大切なデータが保存されたSSDにトラブルが発生した場合、自力での対応には大きなリスクがあります。
SSDはHDDと異なり、故障時に異音などの兆候が出にくく、突然認識されなくなるケースも多いため、原因の特定が困難です。また、誤った操作や復旧ソフトの使用により、チップ内部の状態がさらに悪化し、データが完全に失われてしまう恐れもあります。
確実にデータを取り戻すためには、専用設備と高度な技術を持つデータ復旧業者へ相談することが、最も安全かつ現実的な方法です。
当社では24時間365日体制で、相談から初期診断・お見積りまで無料で対応しております。お気軽にご相談ください。