PCを長年使っていると、突然起動しなくなったり、頻繁にフリーズするなどのトラブルが増えることがあります。
こうしたトラブルへの対処法の一つがHDDリカバリーです。しかし、トラブルの原因によっては、リカバリー作業中にデータがすべて消えてしまうリスクがあります。
そこで今回の記事では、HDDリカバリーの手順や注意すべきリスク、そしてそれに対する解決策について詳しくご紹介します。
目次
HDDリカバリーとは?その目的
HDDリカバリーとは、PCに内蔵されているハードディスク(HDD)を購入時の状態、すなわち工場出荷時の状態に戻すプロセスを指します。
この操作は、システムの不具合や動作の遅延、ウイルス感染などでPCが正常に動作しない場合に、問題解決の一手段として利用されます。
データが消えるリスクがある
リカバリーを行うとHDD内のすべてのデータが消去されます。これは、購入後に保存したアプリケーションや写真、文書なども含まれます。そのため、事前に別のデバイス(外付けHDD、クラウドストレージなど)にバックアップを取ることが最重要です。
もしバックアップが取れていない状態でデータを守りたい場合や、HDDに物理的な問題がある場合は、自分でリカバリーを行わずに専門業者に相談するのが最も安全な選択です。専門業者は、トラブルの原因を徹底的に調査し、データを安全に復旧するための最適な方法を提案してくれます。
デジタルデータリカバリーでは、24時間365日体制で無料相談を受け付けており、初期診断やお見積もりも無料で行っています。
46万件以上の相談実績(算出期間:2011年1月1日~)を持つ、当社の経験豊富なアドバイザーが、データを守るためのベストな解決策をご提案します。HDDトラブルでお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
HDDが物理的に故障している場合、リカバリーを試みることで症状が悪化する可能性がある
HDDリカバリーは便利な機能ですが、HDDが物理的に故障している場合、リカバリーを試みることで症状がさらに悪化する可能性があります。
リカバリーを始める前に、HDDに異音がないか、システムが正常にHDDを認識しているかを確認してください。
専門業者は、クリーンルームと呼ばれる特別な環境でHDDを開封し、壊れた部品を交換しながらデータを回収します。費用は故障の程度によりますが、大切なデータを守るための最善の選択です。
データ復旧で最も重要なのは「正確な診断」
PCやHDDの故障時、重要なのは「原因の正確な診断」。ソフトウェアかハードウェアの問題かを見極め、特に物理障害では一度しか復旧のチャンスがないため、早期診断が必須です。
当社では46万件以上の相談実績(期間:2011年1月以降)から、15,000件以上の障害事例をもとに原因を特定。一部復旧を含む復旧件数の割合は91.5%で、初期診断・見積もりは無料。24時間365日体制でご対応しています。
「いつもと違う」と感じたら、すぐご相談ください。最適な解決策をご提案いたします。
* 内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績
HDDリカバリーの手順
以下では、HDDリカバリーの具体的な手順、注意点、そしてデータの取り出し方法について詳しく解説します。
多くのPCにはリカバリー領域があらかじめ用意されています。この領域には、工場出荷時の状態に戻すためのシステムデータが保存されています。NEC製PCでは「再セットアップ領域」と呼ばれることもあります。リカバリーを実行するには、以下の手順を行います。
- PCの電源を切り、起動時に特定のキー(例:F11やAlt+F10など)を押すことでリカバリーメニューにアクセスします。
- メニューから「リカバリー」または「初期化」を選択し、指示に従います。
- PC購入時に付属していたリカバリーディスクを利用。
- PCの設定ツールからリカバリーディスクを作成(新品のディスクが必要)。
- リカバリー領域またはリカバリーディスクを使用し、OSを再インストールします。このプロセスにより、PCは出荷時の状態に戻ります。
ここからはより詳しい手順と方法を解説します。
HDDのリカバリー領域を利用する方法
内蔵HDDのリカバリー領域を利用する方法は、メーカー・OSによって異なります。
正確な手順は取扱説明書やメーカーのHP等を確認してください。
ここでは、代表的なWindows8/8.1/10での手順を紹介します。
■HDDリカバリー領域を利用してリカバリーする方法(Windows8/8.1/10の場合)
1.ACアダプタを接続します。アプリを全て終了します。PCの設定からインターネット接続・スクリーンセーバー・スリープ機能を全てOFFにします。外付けHDD、USB、SDカードなどは全て抜いておきます。
2.スタート画面から[設定]→[更新とセキュリティ]→[回復]をクリックします。
3.「このPCを初期状態に戻す」という項目が出てくるので、[開始する]をクリックします。
4.目的に合わせて「個人用ファイルを保持する」「すべて削除する」を選択します。
※個人用ファイルを保持する…個人用ファイル以外が初期化されます。OSやドライバー、アプリはすべて削除されますが、ユーザーアカウントや個人ファイル等は保持されます。
※すべて削除する…ほぼ完全に工場出荷状態に戻ります。OSやドライバー、アプリだけでなく、個人用ファイルも含めて全てのデータが削除されます。
リカバリーディスクを使用する方法
古い型のPCなどではHDDにリカバリー領域がないものもあります。その場合は、あらかじめ作成しておいたリカバリーディスクを利用します。
リカバリーディスクに使用できるメディアはUSB、CD-R、DVD-R、BD-Rなどがあります。オススメはUSB(32GB以上の容量があるもの)です。
USBをオススメする理由として、どの型のPCでもほぼ確実に対応しているという点があります。
CD-R、DVD-Rなどの光学ドライブは対応していないPCもありますし、USBはコンパクトに収容できるというメリットもあります。
■リカバリーディスクを使用する方法
- リカバリーディスクを接続してPCの電源を入れます。
- 「オプションの選択」という画面の[トラブルシューティング]をクリックします。
- [詳細オプション]→[このPCを初期状態に戻す]をクリックして、目的に合わせて「個人用ファイルを保持する」「すべて削除する」を選択します。
リカバリーディスクを作成するのは、PC購入後すぐが望ましいです。 なお、USBでリカバリーディスクを作成すると、保存されていた個人データは自動的に削除されてしまいます。
USB内に必要なデータがある場合は事前に他の場所に移動させてから作業を行いましょう。
■USBを利用したリカバリーディスクの作成手順
- ACアダプタを接続します。アプリを全て終了します。PCの設定からインターネット接続・スクリーンセーバー・スリープ機能を全てOFFにします。外付けHDD、USB、SDカードなどは全て抜いておきます。
- [Windowsメニュー]を開き、[コントロールパネル]を検索して開きます。
- [システムとセキュリティ]→[管理ツール]→[回復ドライブ]をクリックします。
- 「システムファイルを回復ドライブにバックアップします」という項目にチェックを入れて[次へ]をクリックします。
- PCにUSBを差し、「使用可能なドライブ」に表示されたら[次へ]をクリックします。
- しばらく待ち、「回復ドライブの準備ができました」と表示されたら[完了]をクリックします。これで作成完了です。
修理業者へ依頼する
自分で実行するのが難しい方は、修理業者へ依頼することも可能です。
メーカーの保証などを利用できることもあるので、保証範囲内かどうか確認してみるとよいでしょう。
ただし、リカバリー作業を自分で行うときと同様に、修理に出すとデータは全て消えてしまいます。中のデータを取り出したい場合は、データ復旧の専門業者へ依頼することも検討してください。
HDDリカバリーができない原因
HDDのリカバリーを実行しようとしてもできない(PCがフリーズしたまま動かない等)場合は、何かしらの障害が起こっている可能性があります。
PCが不具合を起こす原因3種類
- 筐体不良
- 論理障害
- 物理障害
このうち、リカバリーで直せるのは「論理障害」のうち、軽いソフトウェア障害などに限られます。それ以外の原因で症状が起こっている場合は、リカバリーしても直らないということが起こります。
データ取り出したいときの注意点
データを取り出したいとき、守っていただきたいのは以下の2点です。
・通電しない
・初期化しない
トラブル発生初期は簡単にデータ復旧できることが多いのですが、むやみに作業や通電を続けるとデータ障害が進行してより復旧が難しくなります。
データ復旧の成功率は障害発生後の作業時間や対処法などで大幅に変わるため、上記の2点は守るようにしてください。
PCからデータを取り出す方法
データを失ってしまっては困る方のために、データを取り出す方法について説明します。 データを取り出す方法は大きく分けて2つです。
復元ソフトを使用する
1つ目は、市販の復元ソフトを使用して自力でデータを取り出す方法です。
データ復元ソフトを使えば、軽度の論理障害の場合はご自身で手軽に復元することができます。
しかし、重度の論理障害だったり、経年劣化をふくむ物理障害が発生していた場合はデータ復元ソフトでの復元はできません。
HDDのリカバリー作業と同様、もし物理障害が発生していた場合は復元ソフトの使用で逆に症状が悪化するリスクがあるため、注意してください。
復元ソフトを使用する場合は、事前に障害の程度を見極めなければなりません。ご自身での判断が不安な場合は、ソフトの使用を控えましょう。
データ復旧業者を利用する
もう一つの方法は、データ復旧の専門業者に依頼することです。専門業者はHDDやSSDに保存された大切なデータを復旧するプロフェッショナルであり、高度な技術でさまざまなトラブルに対応してくれるため、安心して任せることができます。
データ復旧業者を利用するメリット
- 幅広いトラブルに対応
論理障害から物理障害まで、高度な技術を駆使してデータを復旧。 - 安心感
専門知識を持った技術者が作業を行うため、データ損傷のリスクを最小限に抑えられる。
ただし一部の業者では、初期診断や見積もり時に費用を請求する場合があるため、事前に料金体系を確認することが重要。
デジタルデータリカバリーを利用する際の特徴
- 無料対応
電話やメールでお問い合わせいただければ、専門のデータ復旧アドバイザーが簡易診断と対応方法を無料でご案内します。 - 機器ごとの専門診断
機器別の専門エンジニアが無料で初期診断を実施。
トラブルが発生した際は、まずはお気軽にご相談ください。安心して対応をお任せいただけます。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーの強み
デジタルデータリカバリーは、「データ復旧専門業者14年連続データ復旧国内売り上げNo.1」の実績を持つデータ復旧業者です。データ復旧の技術力として、「データ復旧率最高値95.2%」を誇っています。
また、データ復旧業者の最後の砦と言われる所以として、「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」の実績を信頼いただいています。他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーの復旧技術であれば復旧できたという事例も多数ございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。