パソコンの内蔵HDDや外付けHDDは、経年劣化や操作ミス、予期せぬトラブルによってデータが消えたり、アクセスできなくなることがあります。年末の整理やPCの入れ替えでデータを削除してしまい、あとから「必要だった」と気づくケースも少なくありません。
HDDは削除直後であれば復元できる可能性がありますが、通電や操作を続けるほど上書きが進み、復旧は難しくなります。
そこで、本記事ではHDDのデータが消える原因と、状況別の正しい対処法を解説します。
目次
HDDのデータ保存と復元の仕組み
パソコンを使っていると、うっかり操作ミスでファイルを削除してしまうことは、誰にでも起こり得ます。
ですが、HDDからデータを削除したからといって、その瞬間に中身が完全に消えてしまうわけではありません。
削除してもデータが残っている理由
HDDでは、データは内部の円盤(プラッタ)に磁気情報として保存されています。
削除操作を行うと、実際には次のような処理が行われます。
- ファイルの「場所情報(管理情報)」だけが消される
- HDD上では「空き領域」として扱われる
- 実際のデータ自体は、上書きされるまで残り続ける
このため、削除後すぐであれば、専用の復旧作業によってデータを取り出せる可能性があります。
復元が難しくなるケース
一方で、次のような状況では、復元の難易度が一気に高くなります。
- 削除後もパソコンを使い続け、別のデータで上書きされてしまった
- HDD本体に物理的な故障があり、正常に読み取れない状態になっている
- 何度もフォーマットし直す/初期化をやり直す
- エラー修復目的でチェックディスクを安易に回す(状況によって悪化)
- 異音があるのに通電を続ける(カチカチ音・回転が止まる等)
特に上書きが発生すると、元のデータは完全に失われてしまい、復元はほぼ不可能になります。少しでも不安を感じた場合、通電を止めた状態で専門業者に相談することが大切です。
私たちデジタルデータリカバリーでは、24時間365日体制で、相談から初期診断・お見積もりまで無料で対応しています。「まだ復元できるのか分からない」という段階でも構いませんので、状況が悪化する前にご相談ください。
【結論】HDDのデータは「条件次第」で復元できるが、最初の動きが勝負
HDDのデータ復元は、消え方・壊れ方で難易度が変わります。目安は次のとおりです。
| 状況 | 復元の見込み | 最初にやること |
|---|---|---|
| ゴミ箱から戻せる削除 | 高い | ゴミ箱を確認して復元 |
| ゴミ箱を空にした/Shift+Delete | 中〜高(上書き次第) | 以降の保存・コピーを止める |
| フォーマット/初期化 | 中(上書き次第) | 絶対に使い続けない |
| 認識しない/異音/フリーズ | 自力は低い | 通電を止めて専門家へ |
要するに、HDDのデータは「まだ上書きされていない」「物理的に壊れていない」条件がそろえば復元できる可能性があります。
復元可能性は「最初の行動」で大きく変わる
ただし、その可能性は「最初の行動」で大きく変わるのが現実です。
- 削除・初期化に関わるトラブルの場合
└とにかく、その後は使い続けないことが重要です。 - 認識しない・異音がする場合
└無理に触らず、すぐに電源を切る判断が必要です。 - 判断に迷った場合
└その時点で専門家に相談するのが、もっとも安全な選択になります。
焦って操作を重ねるほど、復元できたはずのデータまで失われる可能性が高まります。「この対応で合っているのか」と少しでも迷いを感じた時点で、自己判断を続けず、専門家に相談することが結果的にデータを守る近道になります。
自力で出来るHDDのデータ復元方法
誤削除だけなら保存領域が残っていることが多く、Windows標準機能や同期サービスから復元できる可能性があります。上書きや操作を続ける前に、順番に確認しましょう。
ただし、自力での対応はリスクがあり、基本的には推奨しません。操作を増やすほど上書きや状態悪化につながることがあります。
重要なデータがある場合、早めに専門業者の診断を検討すると安全です。当社では初期診断とお見積りは無料、24時間365日対応しています。お困りの際はお気軽にご相談ください。
ゴミ箱から復元する手順
通常の削除操作であれば、ファイルはすぐに消えず、ゴミ箱に一時的に保管されています。この方法は最も安全で、データに負荷をかけずに復元できます。
- デスクトップにあるゴミ箱を開きます。
- 一覧から目的のファイルやフォルダを探します。
- 対象を右クリックし、「元に戻す」を選択します。
- 元の保存場所にファイルが戻っているか確認します。
クラウド同期先から確認する手順
デスクトップやドキュメントをクラウドと同期している場合、パソコン上では消えていても、クラウド側にデータが残っていることがあります。
- Webブラウザから利用しているクラウドサービスにログインします。
- メニュー内の「ごみ箱」や「削除済みファイル」を開きます。
- 目的のファイルを選択し、復元操作を行います。
- Officeファイルの場合は、バージョン履歴から以前の状態を選択します。
以前のバージョンやファイル履歴から戻す手順
Windowsのバックアップ機能を事前に有効にしていた場合、フォルダ単位で過去の状態に戻せることがあります。
- 削除されたファイルがあったフォルダを右クリックします。
- 「プロパティ」を開き、「以前のバージョン」タブを選択します。
- 一覧から復元したい日時のバージョンを選びます。
- 内容を確認したうえで、「復元」を実行します。
データ復旧ソフトを利用する
論理障害であれば、データ復旧ソフトで復元できる場合があります。
Windows向け「Recuva」は個人でも試せるフリーソフトですが、操作を誤ると状態を悪化させるおそれがあります。手順を理解したうえで、慎重に進めることが重要です。
Recuvaを安全にインストールする手順
復旧作業の成否は、最初のインストール方法で左右されることがあります。復旧対象のHDDを保護する意識が重要です。
- Recuvaの公式サイトにアクセスし、最新版のインストーラーをダウンロードします。
- 復旧したいHDDとは別のドライブ、もしくは別のパソコンにRecuvaをインストールします。
- インストール先として復旧対象HDDを指定していないことを確認し、セットアップを完了させます。
ウィザード設定とスキャン準備
Recuva起動後はウィザード形式で設定を進めます。ここでの選択が、スキャン精度や時間に影響します。
- Recuvaを起動し、最初に表示されるウィザードを開始します。
- 復元したいファイルの種類を選択します。判断が難しい場合は「すべてのファイル」を選びます。
- 「特定の場所を指定」を選択し、対象となるHDDのドライブレターを確認して指定します。
スキャン実行とデータ復元の進め方
スキャン中の操作や復元先の指定を誤ると、復旧できたはずのデータが失われることがあります。
- まず通常スキャンを実行し、復元可能なファイルが検出されるか確認します。
- 見つからない場合は「詳細スキャン」を有効にし、時間がかかることを理解したうえで実行します。
- 復元したいファイルを選択し、保存先として必ず別のHDDやUSBメモリを指定して復元を行います。
なお「HDDから異音がする」「認識が不安定」「フォーマット要求が表示される」などの症状がある場合、Recuvaによるスキャン自体が状態を悪化させる可能性があります。そのような場合は、個人での復旧を続けるのではなく、専門業者による診断を検討することが、結果的にデータを守る近道となります。
デジタルデータリカバリーでは、専門エンジニアが最新設備を用いて障害の原因を正確に特定し、最適な復旧方法を提案しています。初期診断とお見積りは無料で、24時間365日体制で受付を行っています。まずはお気軽にお問い合わせください。
なぜデジタルデータリカバリーでは復旧困難なHDDの復旧事例が多いのか
デジタルデータリカバリーはこれまで数々のHDDの復旧に成功してきました。HDDの復旧事例が多いのには、理由があります。
復旧の研究開発が活発
従来、記録面に傷があるHDDは復旧が極めて困難とされ、対応を断念せざるを得ない状況でした。
しかし弊社では、専用設備の導入や海外研修を通じた技術開発により、記録面を安全に処理する独自の研磨技術を確立。これにより、傷のあるHDDからのデータ復旧率を大幅に高めることに成功しています。
東京都経営革新優秀賞を受賞
過去不可能とされていた傷のついたHDDからのデータ復旧率を大幅に向上させたことや、市場ニーズに迅速に対応し、復旧対象媒体を拡大した取り組みが認められ、2021年11月25日に東京都経営革新優秀賞を受賞しています。
国内最高峰の復旧設備
HDD復旧の成功事例の多さは、デジタルデータリカバリーの技術力の高さを象徴しています。復旧成功の要因として、次の点が挙げられます:
- 蓄積された知見に基づき、障害箇所を正確に特定
- 最新技術を駆使した独自の復旧手法を開発
- 精密な環境での復旧作業(専用クリーンルーム完備)
これらの要素が、他社では対応が難しいケースでも「不可能を可能に」しています。
「他社で復旧できなかった機器のご相談件数8,000件超」(算出期間:2016年6月1日~)ですので、他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーでは復旧できる可能性もございます。是非ご相談ください。
相談から初期診断まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数50万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人

デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計ご相談件数50万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。








































