大切なファイルを間違えて「上書き保存」してしまい、以前の内容に戻せなくなって困っていませんか。特にExcelで資料や集計表を編集している際に誤って保存してしまうと、元のデータを失った不安は大きなものです。
- Excelファイルを上書きしてしまった
- 保存後に以前のデータが消えた
- 大事な文書を上書き保存して戻せない
こうしたトラブルは、Windowsの「以前のバージョン」やバックアップ機能、Excel自体の「バージョン履歴」で復元できる場合もあります。ただし条件によっては完全な復元が難しいこともあります。
上書き後に新しいデータが書き込まれると復元不能となるリスクがあるため、誤操作に気づいたらすぐに対応することが重要です。
本記事では、ファイル上書き全般の復元方法に加え、Excelで間違えて上書き保存した場合の具体的な対処法を紹介します。
もし自力での操作に不安がある場合や、失いたくないデータを上書きしてしまった場合は、私たちデジタルデータリカバリーが24時間365日体制で無料診断をご提供していますので、お気軽にご相談ください。
目次
上書きファイルが消える原因
ファイルの上書きは、同じ保存領域に新しいデータが書き込まれることで以前の情報が見えなくなる現象です。Excelなどのアプリでも、保存ボタンを押した瞬間に内容が置き換えられてしまいます。以下では代表的な原因を解説します。
手動での上書き保存
最も多いケースが、誤って「上書き保存」を押してしまうことです。ExcelやWordでは、一瞬で以前の内容が消え、元に戻せなくなります。
自動保存機能による上書き
Office 365やGoogleドライブなどでは自動保存が有効になっており、意図せずファイルが更新されてしまう場合があります。特にExcelでは気づかぬうちに上書きが進むことがあります。
クラウド同期による更新
OneDriveやDropboxを利用している場合、別の端末からの保存で自動的にデータが置き換えられるケースがあります。共同編集の環境では注意が必要です。
ストレージ障害による誤記録
ストレージに障害があると、エクセルの保存時に正しくデータが書き込まれず、誤った内容で上書きされてしまうことがあります。原因としては、HDDやSSDの経年劣化や衝撃による物理的な故障が挙げられます。
障害が進行すると「保存できない」「ファイルが破損する」といった不具合が発生し、結果的に誤記録やデータ消失につながることがあります。HDDは異音や読み取り不良といった前兆が出やすい一方、SSDは突然認識されなくなる場合も少なくありません。
物理的な障害は外から判断するのが難しく、操作を繰り返すと状態を悪化させる恐れがあるため、異常を感じたら早めの対応が必要です。
当社では、相談から初期診断まで24時間365日無料でご案内しています。まずはお気軽にご相談ください。
【要注意】自力対応が招くデータ損失のリスク

「Excelファイルを上書きしてしまった」「保存後に以前のデータが消えた」――そんなトラブルに直面したとき、まずは自力で何とかしようと対応する方が多いと思います。
多くの方は慌てて自力で復元を試みますが、誤った操作を重ねることでデータが完全に上書きされ、復元が難しくなる危険があります。特に保存直後の状態では、自己流の対応が状況を悪化させる原因になりやすいため注意が必要です。
専門業者であれば、正確な診断に基づいて最適な方法で復旧を進めるため、データ消失を最低限に抑えることができます。中でもデジタルデータリカバリーは、以下の理由から多くの方に選ばれています。
- 相談実績46万件以上(2011年1月~)の豊富な対応経験に基づき、個人・法人問わず幅広いトラブルに対応
- 一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(※内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績)という業界トップクラスの技術力
- 他社で「復旧不可」とされた機器の対応実績が7,300件越えにものぼり、独自の復旧技術を保有
大切なデータを守るには、まずは自力対応よりも専門的な判断が欠かせません。操作を誤る前に、まずは当社にご相談ください。
復元パターン①:同じファイル内での上書きは「バージョン履歴」を利用する

WordやExcelで誤ってデータを上書きした場合、バージョン履歴を利用することで元のデータを復元できる可能性があります。ただしバージョン履歴を利用するには、自動保存の設定を有効にして作業中の編集履歴が自動的に保存される必要があることに気を付けましょう。
Wordの場合
Wordのデータ復元の場合、以下に具体的な手順を示します。
- ファイルを開く: 上書きしてしまったWordファイルを開きます。
- バージョン履歴を確認: メニューから「ファイル」を選択し
- 「情報」をクリックします。次に「バージョン履歴」を選択します。
- 復元したいバージョンを選択: 表示されたバージョンの中から復元したい日時のものを選び、「復元」をクリックします。
Excelの場合

Excelのデータ復元の場合、以下に具体的な手順を示します。
- ファイルを開く: 上書きしてしまったExcelファイルを開きます。
- バージョン履歴を確認: メニューから「ファイル」を選択し
- 「情報」をクリックします。次に「バージョン履歴」を選択します。
- 復元したいバージョンを選択: 表示されたバージョンの中から復元したいものを選び、「復元」をクリックします。
Adobeデータの場合
Adobeデータの場合には自動保存機能があり、一定間隔でファイルコピーを保存します。例えばAcrobatデータの場合、通常は以下のディレクトリに保存されています。
- Windows:
C:Users$$ユーザー名]AppDataRoamingAdobeAcrobat$$バージョン]AutoSave
- Mac:
~/Library/Application Support/Adobe/Acrobat/[バージョン]/AutoSave
上記から自動保存ファイルを開き、必要なデータを復元しましょう。
ただし上記の解決方法は、あくまでも一般的なものです。これら手順を試しても正しく認識されない場合は無理に自分で解決しようとせず、専門家に相談することをおすすめします。
復元パターン②:異なるファイル内で上書きは「OSのバックアップ機能」を利用する
異なるファイル内で上書きしてしまった場合、MS製品のバージョン履歴は利用できません。ここではまずOSのバックアップ機能を利用する復元方法をご紹介いたします。
Windows10で外付けHDDのデータが消えた場合の対処法はこちら
Windows10/11の場合

Windows 10/11では、誤ってファイルを上書きした場合、「ファイル履歴」機能を使って復元できることがあります。
この機能はファイルのバックアップを自動保存するため、失う前のバージョンを簡単に復元することが可能です。ただし、あらかじめ機能がオンにされていないと履歴は保存されないので注意してください。
- デスクトップ画面左下のスタートボタンから「設定」を開く
- 「設定」内の「更新とセキュリティ」を開く
- 「更新とセキュリティ」で開いたウインドウから「バックアップ」を開き、表示されたファイル履歴の操作画面から「その他のオプション」をクリックする
- 「その他のオプション」で開いたバックアップオプションから一番下にある「現在のバックアップからファイルを復元」をクリックする
- ファイルの履歴が表示されたら復旧したいファイルを選択し下の緑色の復元ボタンでファイルを復元する
Windows 8の場合
Windows8では「以前のバージョンを復元」機能から復元を行うことができます。
- スタートメニューの検索欄から復元したいファイルを検索する
- ファイルが見つかったらそのファイルを右クリックする
- ②の右クリックで表示された「以前のバージョンの復元」をクリックしする
- 「以前のバージョン」の欄を確認し、復元したいファイルをクリックして復元を行う
Windows 7の場合
Windows 7の場合も8と同様に「以前のバージョンを復元」機能から復元をします。
- スタートメニューを開いて現在ログイン中のユーザー名をクリックする
- ログイン中のユーザーが使用しているフォルダ、ファイルの一覧が表示されたら復元したいファイルが入っているフォルダを開く
- フォルダから復元したいファイルを探し右クリックする
- ③の右クリックで表示された「以前のバージョンの復元」をクリックする
- 過去履歴から遡りたい時期を選択し「開く」ボタンをクリックする
【Mac】Time Machineで上書きされたデータを復元する
TimeMachineとは、Mac独自のバックアップ作成機能です。Time Machineで上書きされたデータを復元する方法は以下の通りです。
- 「アプリケーション」フォルダの「ユーティリティ」から移行アシスタントを開く
- 情報の転送方法を確認する画面で、「Mac、Time Machine バックアップ、または起動ディスクから」を選択し、「続ける」をクリック
- Time Machine バックアップを選択し「続ける」をクリック
- リストからバックアップを選択して「続ける」をクリック
- 転送する情報を選択し、「続ける」をクリックすると、データが復元される
【Mac】オートセーブ機能を利用する
Macでは、ファイルが自動的に上書き保存されるオートセーブ機能が搭載されています。
データのコピーはMacに保存されるため、適切な操作を行えば復元できる可能性があります。
オートセーブ機能で上書きされたデータを復元する手順は以下の通りです。
- Macで上書きしたファイルやソフトを開く
- アップルメニューのファイルタブから「バージョンを戻す」にカーソルを合わせ、「すべてのバージョンをブラウズ」をクリック
- タイムラインのチェックマークをクリックし、上書きされたデータを探す
- 復元したいデータのバージョンと内容を確認して、「復元」をクリック
- 復元したいファイルを保存する場所を指定して保存する
復元パターン③:上記の方法を試しても復元出来なかった場合
上記の方法を試しても復元出来なかった場合、下記2パターンの復元方法があります。状況に応じて最適な復元方法を選択してください。