パソコンの電源が突然落ちたり、起動しないといった問題は、作業の中断だけでなく、大切なデータが失われる可能性を伴う深刻なトラブルです。
このような事態に直面した際、原因を正しく理解し、適切な対処を行うことが不可欠です。中途半端な対処は、問題を悪化させ、最悪の場合、データを完全に失うリスクもあります。
そこでこの記事では、パソコンの電源トラブルの主な原因とその対処法をわかりやすく解説します。なお当社は、これまでに 46万件以上の相談実績 を誇り、個人から法人まで幅広いお客様のデータを守り続けてきました。お困りの際は、ぜひ私たちにご相談ください。
目次
トラブルの原因:電源が落ちる、起動しない、その理由とは?
電源トラブルにはさまざまな症状があります。例えば次のような状況に心当たりはありませんか?
- 電源ボタンを押しても反応がない
- 電源が入るが画面が真っ暗なまま
- ロゴ画面で止まり、先に進めない
- ビープ音が鳴る、またはLEDランプが点滅する
- エラーメッセージが表示される
これらのトラブルの原因は、単なる接触不良やソフトウェアエラーだけでなく、以下のような 物理的な障害 が関係している場合があります。
- 衝撃や落下による部品破損
- 水没などの液体によるダメージ
- 長時間の高負荷処理による熱暴走
- 経年劣化による寿命(約5~7年が目安)
特に物理障害の場合、表面的な操作や修復ツールでは解決が難しく、さらに状況を悪化させる危険があります。例えば、ハードディスクやSSDの内部パーツに少量でも埃が侵入すると、復旧不可能な状態に陥ることがあります。また、誤った修復ソフトの使用でデータが上書きされ、取り返しがつかなくなるケースも少なくありません。
最悪の事態を防ぐためにも早い段階で専門業者に相談することをおすすめします。
こうした事態を避けるためにも、早い段階で専門業者に相談し、正しい対処を行うことが重要です。
パソコンの電源が急に落ちる原因と対処方法
パソコンの電源が急に落ちる原因と対処方法は次の通りです。
パソコンの電源が入らない・つかない原因や対処法は下記でも詳しく解説しています。
①過熱
過熱はパソコンの電源が突然落ちる主な原因の一つです。
パソコン内部の温度が一定の限界を超えると、システムは自動的にシャットダウンして、ハードウェアの損傷を防ぐように設計されています。過熱の原因には、ファンの動作不良、ホコリの蓄積、または冷却系パーツの劣化が考えられます。
- パソコンを一度シャットダウンし、コンセントを外します。
- ファンや冷却系パーツに付着したホコリを取り除くために、エアダスターを使用します。
- ホコリの蓄積がひどい場合は、ファンやヒートシンクを分解し、徹底的に清掃します。
- 冷却系パーツが劣化している場合は、新しいパーツに交換します。
- 通気性の良い場所でパソコンを使用し、過熱を防ぐ環境を整えます。
②電源供給の問題
電力供給が不安定な場合、パソコンの電源が突然落ちることがあります。特に、電源タップを経由して複数のデバイスを接続している場合、電力不足が原因となることがあります。また、劣化した電源ユニットも原因の一つです。
- パソコンを壁のコンセントに直接接続します。
- 電源タップを使用している場合は、消費電力の大きい機器を別のコンセントに移動させます。
- 電源ユニットが劣化していると感じた場合は、新しい電源ユニットに交換します。
③ハードウェアの故障
パソコンの内部ハードウェア、特にメモリやストレージの故障が原因で電源が落ちることがあります。ハードウェアが正しく動作しないと、システムはシャットダウンしてしまいます。このような場合、問題の特定が必要です。
まず最小限の機能で動作する「セーフモード」で起動し、正常に動作するか確認します。ハードウェア故障が疑われる場合、データの要不要に応じて専門家に対応を依頼しましょう。
セーフモードで起動する
セーフモードは、システムの基本的な機能だけを使用して起動するモードで、通常の起動時に読み込まれるドライバーやアプリケーションが制限されます。これにより、ソフトウェアの不具合や設定の問題を診断しやすくなります。
セーフモードでの起動手順は次の通りです。
- [Windows] + [I]キーを押して設定を開きます。
- [システム] → [回復] を選択します。
- [詳細な起動] の下にある [今すぐ再起動] をクリックします。
- [トラブルシューティング] → [詳細オプション] → [スタートアップ設定] → [再起動] を選択します。
- 再起動後、F4キーを押してセーフモードを選択します
セーフモードで起動できた場合、システムの復元を実行するなどの対処法を取りましょう。
ただし、セーフモードで起動できない場合、OSやハードウェアに重大な問題がある可能性が高いことを意味します。
このような状況でデータ消失のリスクを最小限に抑え、確実にデータを取り出すためには、自己診断や修復を試みず、速やかに専門家に相談することが重要です。
ブルースクリーンが発生する場合
ブルースクリーンが発生する場合、エラーコードを検索すれば、どのようなエラーが起きているか推定可能です。
ブルースクリーンのエラーコードは「STOPコード」と呼ばれ、パソコン内部で何らかのトラブルが発生している場合に表示されます。
ブルースクリーンが発生した場合は、以下の手順でSTOPコードを確認してください。
- パソコンを再起動します。
- ブルースクリーンが表示されたら、エラーコードを確認します。
- 別の端末の検索エンジンで該当するエラーコードを入力し、検索を実行します。
STOPコードには、以下のような種類があります。
- 0x0000001E:メモリやドライバーの問題が原因である可能性がある。
- 0x0000007F:ハードウェアの問題が原因である可能性がある。
- 0x00000050:メモリやドライバーの問題が原因である可能性がある。
- 0x0000007B:ハードディスクの問題が原因である可能性がある。
- 0x00000024:ファイルシステムの問題が原因である可能性がある。
- 0x0000007E:ハードウェアの問題が原因である可能性がある。
STOPコードを確認することで、エラーの原因を特定し、解決策を見つけることができます。ただし、STOPコードを確認しても解決できない場合は、専門家に相談することを検討してください。
特に下記のエラーコードは極めて重篤なハードウェア障害と考えられるため、不用意な操作は控えて専門業者まで対応を依頼しましょう。
- 0x0000007F
- 0x0000007B
- 0x0000007E
ハードウェアの問題は複雑で、正確な診断には専門知識が必要な場合があります。自力で問題が解決しない場合、重要なデータがある場合は、ず、必要に応じて専門家のアドバイスを求めることが重要です。
46万件以上の相談経験(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社では、経験豊富な技術者が機器を開けずに「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。機器別エンジニアによる無料初期診断も行っていますので、お気軽にご相談ください。
④ソフトウェアの問題
OSやアプリのエラーが原因でパソコンの電源が突然落ちることがあります。特に、ソフトウェアの不具合や未更新のプログラムが原因で、この問題が発生することがよくあります。
ソフトウェアの問題は下記の対処法で問題が解決する場合があります。
システムの復元を実行する
システムの復元は、Windowsパソコンに搭載された重要な機能で、パソコンの設定を過去の特定の時点(復元ポイント)に戻す機能です。システムファイルや設定を復元することで、パソコンの動作不具合を解決できる可能性があります。
システムの復元を実行する手順は以下の通りです。
- スタートメニューを開き、「設定」をクリックします。
- 「システム」をクリックします。
- 左側のメニューから「詳細情報」を選択し、「関連設定」の「システムの保護」をクリックします。
- 「システムのプロパティ」ウィンドウが開くので、「システムの保護」タブをクリックします。
- 「システムの復元」をクリックします。
- 「システムの復元」ウィンドウが表示されるので、「次へ」をクリックします。
- 利用可能な復元ポイントの一覧が表示されます。復元したいポイントを選択し、「次へ」をクリックします。
- 選択した復元ポイントの詳細を確認し、「完了」をクリックします。
- 警告メッセージが表示されるので、内容を確認して「はい」をクリックします。
- システムの復元が開始され、完了後にPCが再起動します。
- 再起動後、システムの復元が正常に完了したことを確認します。
システムの復元を実行する前に、重要なデータのバックアップを取っておくことをお勧めします。また復元ポイントを定期的に作成しておくと、問題発生時に対処しやすくなります。
CMOSをクリアする(BIOS初期化)
BIOS(パソコン起動時のハードウェアを認識し、OSを起動させるプログラム)の設定に問題がある場合、マザーボード上のボタン電池(CMOS電池)を付け替えることで、BIOS設定を初期化し、問題を解決できる場合があります。
CMOS電池を取り外してBIOS設定を初期化する手順は次の通りです。
- コンピュータをシャットダウンする: コンピュータの電源を切り、電源ケーブルを外します。
- ケースを開ける: ドライバーを使用してパソコンケースを開けます。
- 静電気対策を行う: 静電気防止用リストバンドを装着するか、金属部分に触れて静電気を放電します。
- CMOS電池を探す: マザーボード上にあるボタン電池(通常は銀色の円形のもの)を探します。
- CMOS電池を取り外す: 小さなレバーを押し下げて電池を取り外します。工具を使用せずに手で行うことができます。
- 数分待機する: 約5〜10分間待機して、CMOSが完全にリセットされるのを待ちます。
- 新しいCMOS電池を取り付ける: 取り外した電池と同じ型番の新しい電池を用意し、元の位置に取り付けます。
- ケースを閉じる: パソコンケースを元に戻し、ネジを締めます。
- 電源ケーブルを接続する: 電源ケーブルを再接続し、コンピュータを起動します。
BIOSに問題がある場合は、これでコンピュータが元の状態になるはずです。
デバイスマネージャーでディスプレイドライバを更新する
デバイスドライバーが古かったり破損していたりすると、デバイスマネージャーで問題が発生し、ブルースクリーンエラーにつながる可能性があります。
この場合、ディスプレイドライバを最新バージョンに更新することで問題が解消されることがあります。
ディスプレイドライバの更新手順は次の通りです。
- スタートメニューを開く: 左下のスタートボタンをクリックします。
- デバイスマネージャーを開く: 検索バーに「デバイスマネージャー」と入力し、結果から「デバイスマネージャー」を選択します。
- ディスプレイアダプターを展開する: 「ディスプレイアダプター」の項目をダブルクリックして展開します。
- ドライバを更新する: 使用しているディスプレイアダプターを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択します。
- ドライバーソフトウェアの最新版を検索する: 「自動で更新されたドライバーソフトウェアを検索」を選択し、システムが最新のドライバーを検索・インストールするのを待ちます。
- 再起動する: ドライバの更新が完了したら、システムを再起動します。
最後にインストールしたソフトウェアをアンインストールする
セーフモードで起動に成功した後は、直近もしくは異常発生直前にインストールしたソフトウェアをアンインストールしておきましょう。
インストールしたソフトウェアが起動を干渉している可能性があります。この場合、ソフトウェアとPCに互換性がない可能性も高いため、ソフトウェアの使用可能条件もあらかじめ、確認しておくことをおすすめします。
SFCでWindowsのシステムファイルを修復する
システムファイルとは、Windows(OS)の動作に必要なデータです。ここが破損していると、パソコンの起動に支障が生じ、立ち上がらない場合があります。
この場合、OS内蔵の「システムファイルチェッカーツール」(SFC)を実行すると、システムファイルの異常をスキャン・修復することで問題が解決できる場合があります。
システムファイルチェッカーツールは以下の手順で実行できます。
- 「Windowsマーク」を右クリックします。
- 検索窓に「Windows PowerShell」と入力し、当該アプリを開きます。
- 「sfc /scannow」を入力してEnterキーを押します。
この際、問題のあるシステムファイルが見つかれば自動修復されます。「検証100%が完了しました」のメッセージが表示されたら完了です。
ただし、システムファイルチェッカーツールは、多くの破損したシステムファイルを修復することはできますが、全てを完全に修復することはできません。
ここまでの対処法で問題が解決できなかった場合、自力では修復不可能なほど深刻な障害が発生している可能性が高いです。この場合、操作は控え、データの要不要に応じ、適切な専門業者まで対応を依頼するようにしましょう。
⑤バッテリーの問題(ノートパソコンの場合)
ノートパソコンでは、バッテリーの劣化や充電不足が原因で電源が落ちることがあります。特に、古いバッテリーや正しく充電されていないバッテリーは、このような問題を引き起こすことがあります。
- バッテリーを十分に充電してから、パソコンを起動します。
- 可能であれば、ACアダプターを接続して使用します。
- バッテリーが劣化している場合は、新しいバッテリーへの交換を検討します。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーの強み
デジタルデータリカバリーは、「データ復旧専門業者として14年連続国内売上No.1」の実績を誇る信頼できる業者です。
一部復旧を含む復旧件数割合は91.5%を達成しており、これまでに他社で復旧が困難とされた機器のご相談が7,300件以上寄せられています。こうしたケースでも、デジタルデータリカバリーが復旧に成功する可能性は十分にございます。大切なデータを諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。