ヒューレット・パッカード(hp)製パソコン電源で「電源が入らない」「起動しない」場合、誤った対処法を選択するとデータが失われるか、機器自体が壊れる可能性があります。
もっとも、起動時にトラブルが発生しても、症状に基づいて原因を特定し、適切な対処を行うことで問題が改善されることが多くあります。
この記事では、hp製パソコンが起動しない・電源がつかない原因とその対処法について解説します。
目次
hp製PCが起動しない主な症状と原因
hp製PCの電源が入らない・起動しない時の主な症状は次の通りです。
電源供給の問題は比較的簡単に確認できますが、パソコン内部の故障は専門的な知識や機器が必要です。それぞれの原因に応じた適切な対応が重要ですが、トラブルが併発していると原因の特定が難しくなります。
修理を依頼するとデータが消失する可能性もあるため、「データ復旧できるか知りたい」「どこが故障しているかわからない」方は技術力のある専門業者に対応を依頼しましょう。
電源が全く入らない
この場合、下記の原因が考えられます。
- バッテリー切れまたはバッテリーの故障
- ACアダプタや電源ケーブルの断線や接触不良
- バッテリーの劣化または故障
- 内部ハードウェアの故障(電源ユニットまたはマザーボード)
このケースでは、電源ケーブルやコンセントの確認、異なる電源コンセントの使用、電源ユニットの点検が必要になることがあります。また、メーカーの保証サービスを利用して修理を依頼することも考えられます。
しかし、修理を行うとストレージが交換される可能性もあるため、データを安全に取り出したい場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーでは「電話」および「メール」で、24時間365日相談を受け付けています。初期診断は最短5分、ご依頼いただいた機器の約8割が48時間以内に復旧完了しています。ご相談・初期診断・お見積りまで無料でご案内しています。
電源は入るが画面が真っ黒
この場合、下記の原因が考えられます。
- ディスプレイの故障(バックライトや液晶パネル)
- グラフィックカードの不具合
- BIOS設定ミスや破損
- メモリの不具合
ディスプレイが黒い画面のまま(ブラックアウト)やブルースクリーンが表示される場合、ハードウェアの故障(マザーボード、CPU、ビデオメモリなど)が原因かもしれません。
また、ファンが動いていても「no signal」のエラーメッセージが表示されない場合は、ディスプレイまたはビデオカードの損傷が考えられます。別のディスプレイを試して問題が解決するか確認し、問題がどこにあるかを特定してください。パソコンが起動しない場合の対処法については、関連する記事を参考にしてください。
パソコンが起動しない・立ち上がらない場合の対処法についてはこちら
hpのロゴ画面から進まない
この場合、下記の原因が考えられます。
- ハードウェアの問題:メモリ、ハードディスク、マザーボードなどのハードウェアの故障が原因で起動が停止することがあります。
- 起動デバイスの設定ミス
- 周辺機器の影響:USBデバイスや外部ドライブが接続されている場合、それがブートプロセスを妨げることがあります。
- BIOS設定の問題:BIOS設定が不適切な場合、起動プロセスが正常に進行しないことがあります。
- ソフトウェアの問題:オペレーティングシステムの破損や重要なファイルの欠落が原因で、起動が停止することがあります。
- 内蔵ハードディスク/SSDの障害
起動デバイスの設定を確認し、正しいデバイスから起動するよう設定しましょう。またハードドライブの診断をおこない、故障がないか確認することをおすすめします。
LEDランプが点滅する
hp製PCでは点滅の回数によって異なるエラーが発生します。
- 2回点滅: BIOSが破損している
- 赤3回点滅/白4回点滅: CPUに障害がある
- 4回点滅: グラフィック関連の障害
- 5回点滅: 電源関連の障害
- 6回以上の点滅: メモリ関連の障害
特に赤色ランプが点滅する場合、ハードウェアエラーが発生している恐れが高く、不用意に操作を行うと機器がに完全破損する恐れもあります。
ビープ音が鳴る
ビープ音は、音のパターンにより異なる問題を示しており、大抵の場合、マザーボードやメモリ、グラフィックカードなどのハードウェアの故障が考えられます。
BIOSの種類によって音のパターンが異なるため、使用しているPCのBIOSに対応したビープ音の意味を理解することが重要です。問題を早期に特定し、適切な対応をすることが推奨されます。
AWARD BIOSとAMI BIOSのビープ音パターンと主な原因は次の通りです。
- 短音1回: 正常起動
- 短音2回: CMOS(CPU基本回路)のエラー
- 長音1回短音1回: メインメモリ異常またはBIOS/マザーボード不具合
- 長音1回短音2回: グラフィックボードとモニターの接続エラー
- 長音1回短音3回: GPU(グラフィックメモリ)の問題
- 高い長音: 冷却不足による過熱
- 長音連続: メモリ接続不良または破損
- 短音連続: 電源供給不良
- 高音と低音の連続: CPU不具合
- 長音1回: 正常起動
- 短音1回: メインメモリ異常
- 短音2回: メインメモリICの問題
- 短音3回: メインメモリ不具合またはマザーボードトラブル
- 短音4回: システム時計(タイマー)不具合
- 短音5回: CPUまたはマザーボード問題
- 短音6回: 複数箇所での不具合
- 長音2回: CMOS設定問題
- 長音1回短音2回: グラフィックボード接続エラー
これらのビープ音パターンを理解することで、PC起動時の問題をより迅速に診断し、適切な対処を行うことができます。ただし、ビープ音だけでなく、他の症状や状況も考慮して総合的に判断することが重要です。
ストレージの(HDD/SSD)論理障害
論理障害とは、物理的な破損ではなく、システムやデータの問題によってデータへのアクセスができなくなる状態を指します。
論理障害の症状には、以下が含まれます。
- フォーマットや初期化の要求
- OSの起動失敗や過度なフリーズ
- 勝手にファイル名が変更される
- ロゴで停止する
主な原因は読み書き中の強制終了によるファイル破損です。軽度の論理障害の場合はセーフモードでの起動やシステム修復などで起動しない問題を解消できる可能性があります。
ただしストレージの物理障害が併発している可能性もあります。物理障害は自力で対応できませんが、論理症状と類似した部分もあるため、専門家による正確な診断が重要です。
もっとも、どの専門家を選ぶかは目的ごとに異なります。起動を優先する場合は「修理」を、保存されたデータを優先する場合は「データ復旧」を行いましょう。
デジタルデータリカバリーでは、経験豊富なエンジニアと、累計41万件以上のご相談実績(*期間:2011年11月1日以降)から算出されたデータをもとに、他社様でデータ復旧不可能とされた機器でも、経験豊富なエンジニアが、高い精度での復旧を実現しています。
ストレージ(HDD/SSD)の物理障害
ストレージが物理的に破損する「物理障害」では以下のような症状が見られます。
- 「カチカチ」や「カタカタ」という異音
- 焦げたにおい
- 頻繁な再起動やフリーズ
ストレージは精密な機械であり、HDDの耐用年数は約3~5年程度です。明確に衝撃を与えたなどの自覚がなくてもデータ記録面が傷つく恐れがあります。復旧作業ともなると殊更に精密さを必要とするため、不用意に自己修復を試みるのは危険です。悪化を招いてしまう可能性があります。
物理障害からのデータ復旧ではHDDの場合、開封や修復作業が必要不可欠で、静電気対策や防塵対策が施された「クリーンルーム」などの特殊な環境が求められます。
確実にデータを取り出したい場合、もしくは障害の程度が分からない場合は、復元ソフトは使用せず「データ復旧の専門家」に相談することをおすすめします。
ただし業者によっては技術力の差が激しく、中にはSSDからのデータ復旧には対応していない業者もありますので、あらかじめ復旧実績の多いデータ復旧業者を選んでおきましょう。
hp製PCが起動しないときの対処法
hp製PCが起動しない理由として、よくあるパターンが「充電切れ」や「ケーブルの劣化・断線」です。
この項目の対処法は、パソコンの知識がほぼ不要なものも多いですので、ぜひ試してみましょう。
①電源ケーブルを差し直す
hp製パソコンが起動しない場合、電源ケーブルが正しく差し込まれているか確認し、もう一度差し直してください。
また電源タップが劣化している場合、電力供給が不安定になっていることもあります。古くなった電源ケーブルや断線したケーブルは新しいものと交換しましょう。
②hpのパソコンから周辺機器を取り外す
周辺機器による起動の干渉やUSBポートの不具合が起きていると起動しない場合があります。このとき、hpのパソコンに接続されているUSBメモリや、モニターケーブルといった周辺機器を取り外してから起動すると、起動トラブルが解消されることがあります。
③ハードリセットを実行する
パソコンは長時間使用すると内部に電気が溜まり、動作が不安定になることがあります。が、ハードリセットを実行することで、内部の電気を放電し、起動トラブルを解消できることがあります。
ハードリセットを実行する手順は以下の通りです。
- パソコンをシャットダウン、または強制終了する
- 電源コード、周辺機器を全てパソコンから取り外す
- 電源ボタンを10秒押し続けてから放す
- 電源コードを接続し、パソコン本体の電源を入れる
④セーフモードで起動する
スタートアップ修復に失敗した場合、セーフモード上でWindowsの修復ツールを実行することで、システム上のエラーを解消できる場合があります。
セーフモードとは、必要最小限のシステム環境でパソコンを起動する、Windows診断用の起動モードです。
逆に、セーフモードで起動できない場合、個人では対応できない深刻な障害が発生している恐れがありますので、データの要不要に応じて専門業者に対応を依頼してください。
- 「詳細オプション」を選択
- オプションの選択画面から「トラブルシューティング」を選択
- トラブルシューティング画面の「詳細オプション」を選択
- 詳細オプション画面から「スタートアップ設定」をクリック
- スタートアップ設定画面の、「4) セーフモードを有効にする」 または「5)セーフモードとネットワークを有効にする」を選択
セーフモードでしか起動できない不具合が発生している場合は以下の記事を参考にしてください。
⑤スタートアップ修復を試す
HP製PCが立ち上がらない場合、スタートアップ修復で対処可能なことがあります。
スタートアップ修復とは、起動トラブルを解決する機能です。Windowsの起動に失敗後、スタートアップ修復は自動で行われますが、詳細オプションから再び行うことも可能です。
しかし、スタートアップ修復は、パソコン上の不具合の箇所を全体的にチェックするため、パソコンに負荷をかけやすく、何度も繰り返すことは控えてください。また修復に失敗した場合、より深刻な問題がパソコンに発生している恐れがあります。
このような状態で修復ツールを実行すると、パソコン内で発生している障害を悪化させる可能性もありますので、複数の対処法を試して解決するよりも、操作をせず電源を切り、データを安全に取り出したい場合は、データ復旧の専門家まで相談することをおすすめします。
⑥ハードウェア診断を実行する
HP製PCが起動しない場合、ハードウェアの問題を診断するために「HP PC Hardware Diagnostics UEFI」を使用できます。このツールは、ハードドライブやメモリ、その他のハードウェアの問題を検出するために設計されています。以下は、具体的な実行手順です。
- PCの電源を入れ、すぐに「Esc」キーを連続して押します。
HPロゴが表示されたら、すぐに「Esc」キーを何度か押して「Startup Menu」を表示させます。 - 「F2」キーを押して「System Diagnostics」を選択します。
これにより、「HP PC Hardware Diagnostics UEFI」ツールが起動します。 - 「System Tests」または「Component Tests」から実行したい診断を選びます。
- System Tests: コンピューター全体の診断を実行します。通常、クイックテスト(Quick Test)と完全テスト(Extensive Test)の2つのオプションがあります。
- Component Tests: 特定のハードウェアコンポーネント(ハードドライブ、メモリ、CPU、グラフィック、オーディオなど)を個別にテストします。
- 診断テストを開始します。
テストの進行状況は画面に表示され、完了すると結果が表示されます。エラーコードやメッセージが表示された場合、それをメモしておくと、HPサポートに問い合わせる際に役立ちます。 - 問題が検出された場合の対応:
診断結果に基づいて、特定のハードウェアが故障していることが確認された場合は、その部品の修理や交換が必要です。データ保護のために、問題が発生した際は速やかにバックアップを行うことをおすすめします。
この診断ツールは、多くのHP製PCに標準で搭載されており、インターネット接続なしで使用できるため、ハードウェアの問題を迅速に特定するのに非常に便利です。
⑦システムファイルチェッカーツールを使用する
システムファイルとはOSの起動に必要なデータで、ここが破損するとOSが起動できなくなります。何らかの原因で破損したシステムファイルを修復するのが「システムファイルチェッカーツール(SFC)」です。
システムファイルチェッカーはOSに内蔵されているSFCをコマンドプロンプトや「Windows PowerShell」で実行することで異常なファイルを修復できます。
システムファイルチェッカーツールは以下の手順で実行できます。
- Windowsマーク」を右クリックします。
- 検索窓に「Windows PowerShell」と入力し、当該アプリを開きます。
- 「sfc /scannow」を入力してEnterキーを押します
- 問題のあるシステムファイルは自動修復され、完了後に「検証100%が完了しました」と表示されます
ただし、システムファイルチェッカーツールは、全てのシステムファイルを完全に修復できない場合があります。特にストレージの物理的な破損や水没、経年劣化が原因のエラーは解決できません。
システムファイルチェッカーツールで問題が解決できない場合、自力では修復不可能なほど深刻な障害が発生している可能性が高いです。
操作や修復によって、データ・機器共に完全にクラッシュさせてしまう恐れがありますので、操作を控え、データの要不要に応じ、適切な専門業者まで対応を依頼するようにしましょう。
⑧詳細オプションから「システムの復元」を実行する
詳細オプションからは「システムの復元」という機能を実行することが可能です。
これはバックアップ機能の一つで、パソコンのシステムを、以前保存したポイントまで戻す機能です。 復元ポイントが作成されていれば、「システムの復元」を利用して復旧できる可能性があります。
詳細オプションから「システムの復元」を実行する方法は以下の通りです。
- 「詳細オプション」を選択
- オプションの選択画面から「トラブルシューティング」を選択
- トラブルシューティング画面の「詳細オプション」を選択
- 詳細オプション画面から「システム復元」を選択
ただし、システムの復元を実行すると、システムが不安定になることがあるほか、削除データは、システムの復元を実行しても復旧できません。
また、システム復元で問題が解決しない場合、より深刻な障害が起きている可能性が高いので、この点は注意しておきましょう。
データ復旧専門業者に依頼する
これらの方法を試しても起動しない場合は、ハードウェアの故障や深刻なシステムの問題が考えられます。もしHPのパソコンが起動せず、それでもデータを確実に取り戻したい場合、技術力の高い専門のデータ復旧業者に依頼することを推奨します。
ただし、ご自身の機器がデータ復旧可能かどうか、費用はどれくらいかかるのか、復旧にどれほどの時間が必要かなどの情報は、直接データ復旧業者に相談しないと分かりません。データ復旧を検討している場合は、一度相談してみることをおすすめします。
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前回、本当に何とか治して欲しいと思って銀座のオフィスに持ち込みました。
誠意を持って復旧していただき、技術力は確かだと感じました。
ネットでは色々言われているようですが、
今回も、前回の体験を信じて、六本木に持ち込みました。
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私が貴社に復旧を託したことが、微力ながら貴社の技術力の蓄積に役立つのであれば、これほど嬉しいことはありません。
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2023.05.30
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よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数41万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。