BitLockerは、パソコンのデータを暗号化して外部からの不正アクセスを防ぐ、高度なセキュリティ機能です。しかしその反面、一度トラブルが起きると、自分自身でもデータにアクセスできなくなるという深刻な状況に陥ることがあります。
- パソコンがブルースクリーンになり、BitLockerの解除ができない
- 回復キーを入力しても認識されず、データにアクセスできない
- 別のPCに接続してもBitLocker暗号化のままで開けない
こうした問題の原因は、OSの破損やストレージの異常などが多く、誤った対処によって状況が悪化する恐れもあります。特にBitLockerで暗号化されたデータは、専用の認証がなければ他の環境で読み取ることはできません。
この記事では、BitLockerによるロックが解除できなくなった場合の対処法や、安全にデータを取り出すための注意点を、専門知識に基づいて解説します。
大切なデータがBitLockerドライブ内にある場合は、無理な操作を避け、まずは専門業者による「無料初期診断」をご検討ください。正しい判断が、データを守る第一歩になります。
目次
BitLockerとは

BitLockerは、Windowsのデータ暗号化機能で、パソコンが紛失や盗難に遭っても内部のデータを守るための強力なセキュリティ手段です。ただし、設定後は48桁の回復キーが必要で、これを別の安全な場所に保管し、確実に管理することが欠かせません。もし設定したうえで回復キーが分からなくなってしまった場合は、専門業者に相談して解除を試みてください。

BitLockerを強制解除するリスク

BitLockerの暗号化解除は48桁の回復キーのトラブルを避ける手段ですが、解除により紛失・盗難時の不正アクセスリスクが高まるため、慎重に行うべきです。解除が難しい場合や重要なデータがある場合は、専門のデータ復旧業者への相談が安全です。
デジタルデータリカバリーでは、経験豊富なエンジニアが高度な技術や専用ツールを用いて、暗号化されたHDDやRAIDなどのデータ復旧を行います。国際基準のセキュリティ体制を整え、情報漏えいリスクも徹底排除しているため、安心して依頼可能です。
BitLockerに見せかけた「ランサムウェア」の被害も拡大

2023年後半から、BitLockerに似せた新しいタイプのランサムウェアが増えており、被害額が数千万円から数億円に及ぶこともあります。このランサムウェアは本物のBitLockerの画面にそっくりで、コンピュータがロックされたように見せかけ、データを元に戻すための「復号キー」の代償に数千ドルから数万ドルもの身代金を要求されるケースが頻発しています。
この手口は、通常の検出システムでも見逃されやすいため、常に警戒し、最新のセキュリティ情報に気を配ることが大切です。もし、BitLockerを装った不正アクセスの被害が疑われる場合は、サイバーセキュリティ専門家まで調査を依頼することをおすすめします。

BitLockerを強制解除する方法5選

パソコンの使用中にトラブルが発生した場合、管理者権限があれば、BitLockerを無効にすることが可能です。BitLockerを強制解除にする方法は以下の5通りです。
コントロールパネルからBitLockerを強制解除する
コントロールパネルからBitLockerを無効化する方法は以下の通りです。
- Windowsメニューを開く
- 「検索欄に「コントロールパネル」と入力し、検索する
- コントロールパネルを開く
- システムとセキュリティから「BitLockerドライブ暗号化」をクリックする
- 「BitLockerを無効化する」をクリックする
- 確認画面で「無効化」を選択すると、BitLockerの無効化が実行される
「サービス」からBitLockerを強制解除する
「サービス」の正式名称はBitLocker Drive Encryption Service
- 「Win」+「R」を同時に押し、「ファイル名を指定して実行」を開く
- 名前の欄に「services.msc」と入力してOKを押す
- 「サービス」の中から、「BitLocker Drive Encryption Service」を探してクリックする
- 「プロパティ」のスタートアップの種類を選択し、「無効」に変更する
- 「適用」ボタンを押し、パソコンを再起動する
グループポリシーエディタからBitLockerを強制解除する
グループポリシーエディタでは、利用者権限とセキュリティーの編集ができる機能です。
操作者が管理者に相当する場合、グループポリシーエディタからBitLockerを無効化する方法は以下の通りです。
- Windowsのスタートメニューの検索欄に「grou」と入力する
- 「グループポリシーの編集」をクリックして開く
- ローカルエディターポリシーから「コンピューターの構成」→「管理用テンプレ―ト」→「Windowsコンポーネント」→BitLockerドライブ暗号化→「リムーバブルドライブでのBitLockerの使用を制御する」の順番でファイルをクリックする
- 「リムーバブルドライブでのBitLockerの使用を制御する」の「無効」を選択し、OKボタンをクリックする
コマンドプロンプトでBitLockerの強制解除コマンドを実行する
コマンドプロンプトは、コマンドを入力することで、パソコンに直接指示を出すことが可能です。エラーチェックなどで使用されるコマンドBitLockerを強制解除することが可能です。
- 「Win」+「R」を同時押しし、「cmd」と入力する
- 「管理者として実行する」をクリックし、コマンドプロンプトを開く
- 「manage-bde -unlock Drive-Name: -RecoveryPassword (任意の回復キー)」と入力し、Enterキーを押すと暗号化されたドライブのロックが解除できる
- 「manage-bde -off (暗号化された任意のドライブレター):」と入力し、Enterキーを押すとBitLockerが無効化される
WindowsPowerShellでBitLockerの強制解除コマンドを実行する
WindowsPowerShellとはコマンドプロンプトと同様に、自身でコマンドを入力することで、パソコンに直接指示を出すことが可能なシートです。Windows PowerShellでBitLockerの強制解除コマンドを実行する方法は以下の通りです。
- Windowsのスタートメニューの検索欄に「powershell」と入力する
- 管理者として実行をクリックする
- 「Disable-BitLocker -MountPoint 任意のドライブ名:」と入力してEnterキーを押す
「BitLockerはアクティブ化を待機中です」と表示された時の対処法
Windows PowerShellもコマンドプロンプトと同様にパソコンに強い負荷をかけてしまいます。
パソコンから「カチカチ」といった音が鳴る場合や、エラーメッセージ、HDD/SSDの認識不良といったトラブルが複数発生している場合は、データ復旧業者まで相談しましょう。
BitLockerで暗号化された機器からデータを取り出す方法
セキュリティ上の観点からBitLockerを無効にせずに保存データを取り出したい場合は、以下の対処法が有効です。
データ復旧ソフトを利用する

BitLockerの暗号化を一時解除し、データ復旧ソフトを使用することでデータを復元できる場合があります。特にHDD/SSDが認識しない場合やエラーメッセージが表示される場合は、論理障害が原因である可能性があり、有料ソフトでの修復が可能な場合もあります。また、回復キーが不明な場合にはBitCrackerやPassware Kitなどの解析ソフトを使用してキーを発見し、その後データ復旧を試みる方法もあります。
ただし、データ復旧ソフトでも複数回上書きされたデータや物理的に破損したデバイスの復元は困難です。また、衝撃や水没、長年使用したパソコン、上書きやフォーマットが繰り返された場合は、データ復旧業者に依頼する方が、より完全なデータ復元が期待できます。
https://www.ino-inc.com/provision/recoverysoft.php
データ復旧業者に相談する

パソコンのトラブルで「システムエラーかな?」と思っている裏で、実はHDDやSSDが物理的に破損しているケースは少なくありません。データ復旧業者なら、論理エラーだけでなく、物理障害による破損も対応可能です。
物理障害とは?
物理障害とは、HDDやSSD内部の部品が破損した状態のことで、以下のような症状が代表的です。
- パソコンが突然フリーズや再起動を繰り返す
- HDDやSSDが認識されない、エラーメッセージが出る
- 異音(カチカチ音・ブーン音)がする
この状態を放置すると、保存データが完全に消失するリスクが高まります。少しでも異常を感じたら、すぐに専門業者への相談が必要です。
物理障害の修復は専門設備が必須

HDDやSSDの物理障害を安全に修復するには、手術室レベルに清潔な「クリーンルーム」や、専用の分析・復旧ツールが必要です。論理障害とはまったく違い、市販ソフトでは対応できません。
すでに市販の復旧ソフトを試してもうまくいかない場合は、修復を繰り返すことで状態を悪化させる前に、プロの手に委ねることが大切です。
当社「デジタルデータリカバリー」では、物理・論理どちらの障害にも対応できる体制を整えており、24時間365日体制で無料相談を受け付けています。不安なまま放置せず、今すぐご相談ください。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーの強み
デジタルデータリカバリーは、「データ復旧専門業者14年連続データ復旧国内売り上げNo.1」の実績を持つデータ復旧業者です。データ復旧の技術力として、「データ復旧率最高値95.2%」を誇っています。
また、データ復旧業者の最後の砦と言われる所以として、「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」の実績を信頼いただいています。他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーの復旧技術であれば復旧できたという事例も多数ございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。