HDDのS.M.A.R.T.機能で「代替処理保留中のセクタ数」が異常な数値を示していませんか? これは放置するとデータ消失の危険があるサインです。
主な原因はソフトウェアの不具合やHDDの物理故障です。軽微な場合は対処可能ですが、データ消失リスクもあります。
この記事では原因や対処法、大切なデータを守る方法について詳しく解説しています。必要に応じて早めに専門業者に相談することをおすすめします。
目次
「05: 代替処理保留中のセクタ数」が示す危険信号とは?
HDDのS.M.A.R.T.情報に表示される「05: 代替処理保留中のセクタ数」は、不良セクタが検出されたが、まだ代替処理がされていない状態を示しています。
セクタ数によるリスク目安は次の通りです。
検出数 | 状態 | 推奨対応 |
---|---|---|
1つでも検出 | リスクあり | 早めのバックアップを推奨 |
10個以上 | 劣化進行中 | 交換や修理を検討 |
100個以上 | 故障寸前 | 緊急バックアップ+HDD交換が必須 |
この数値が増加しているということは、HDD内部にエラーが発生しており、データ消失リスクが高まっているというサインです。
特に、以下の症状が現れ始めた場合は、HDD内部の損傷が進行している可能性が高く、そのまま使い続けると復旧困難になることもあります。
- パソコンの動作が遅くなる
- ファイルの読み込み・保存ができないことがある
- 特定のファイルでエラーが発生する
- バックアップやコピー処理が途中で止まる
- データの破損・消失リスクが高まる
- HDDの状態がさらに悪化し、起動不能になる
無理な操作で状況が悪化することも

不良セクタが発生している状態で、無理に再起動やフォーマット、クローン作業などを行うと、データが完全に消失してしまう恐れがあります。
特に異常があるディスクに負荷をかける操作は、セクタの損傷を拡大させる可能性が高く、復旧の難易度を一気に引き上げてしまいます。
少しでも異変を感じたら、まずは現状の正確な診断を受けることが重要です。誤った判断や対応は、取り返しのつかない結果につながることもあるため、慎重な対応が求められます。
その点、当社「デジタルデータリカバリー」では、これまでに46万件以上のご相談実績(算出期間:2011年1月~)をもとに、HDDの状態を正確に診断しています。専門の技術者が対応し、データ損失を最小限に抑えるための最適な方法をご提案します。
初期診断とお見積りは無料で、24時間365日体制でご相談を受け付けています。大切なデータを守るためにも、早めのご相談をおすすめします。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
代替処理保留中のセクタ数で異常値が表示される原因
代替処理保留中のセクタ数に警告が出る主な原因は、以下の2つに分類されます。
ソフトウェアの不具合

ソフトウェアの問題により、HDDが正常にファイルシステムを管理できなくなる場合、代替処理保留中のセクタ数が増えることがあります。
たとえば、作業中にシステムを強制終了したり、適切に終了操作を行わなかった場合、データが完全に書き込まれず、セクタにエラーが発生することがあります。これが代替処理保留中のセクタ数の増加に繋がる一因となります。
物理的な故障

HDDは落下や経年劣化によって内部パーツが損傷し、「代替処理保留中のセクタ数」が急激に増えることがあります。特に磁気ヘッドが故障すると、記録面に物理的な傷がつき、そこが不良セクタとなって読み書きできなくなります。
- 異音や異臭がする(カチカチ・ジー音など)
- ファイルやフォルダが開けない
- HDD自体が認識されない
- エラーメッセージが頻繁に表示される
このような症状を放置すると、不良セクタが増加し、HDD全体が破損するリスクが高まります。最悪の場合、データが完全に消失してしまうこともあります。
物理的な故障には「専門設備」と「高度な技術」が必要
物理障害は、市販のソフトウェアや修復ツールでは対応できません。
正確な復旧には、クリーンルームのような防塵環境と専用機器、そして専門的な技術が必要です。
そのため、個人での修復はほぼ不可能と考え、できるだけ早く信頼できるデータ復旧の専門業者へ相談されることを強くおすすめします。
当社では、以下の復旧体制で機器を開封せずに非破壊で初期診断を行い、経験豊富な専門スタッフが的確なアドバイスと最適な復旧プランをご案内します。
- 防塵性能クラス100のクリーンルームを完備
- 7,000台以上のHDDドナー部品を保有
- 46万件以上の相談実績(算出期間:2011年1月1日~)
- 15,000種類以上の障害パターンをデータベース化
- 初期診断・お見積り無料/24時間365日対応
データの安全を守るには「早めの診断」がカギです。違和感を覚えた段階で、まずはお気軽にご相談ください。
ソフトウェアに問題があり「代替処理保留中のセクタ数」と表示される場合の対処法
ソフトウェアに問題がある場合、以下の3つを実行することで改善する可能性があります。
ディスクスキャンツールで代替セクタをクリアする
ハードディスクにはデータが読み取れなくなったセクタを、代替セクタに自動的に置き換える機能があります。しかし、代替セクタが多くなると使用可能な容量が減少します。
するとパソコンのパフォーマンスが低下するため、代替セクタを消去することで問題を解決します。このとき市販のディスクスキャンツールを使用すると簡単です。
市販のディスクスキャンツールを使用し、代替セクタをクリアする方法は以下の通りです。
- ディスクスキャンツールを起動
- スキャンの種類を「スキャン&修復」や「表面スキャン」などに設定
- スキャン対象となるドライブを選択
- 「詳細設定」や「オプション」などから「代替セクタをクリアする」などの設定を選択し、スキャンを開始する
- スキャン終了後、結果を確認し、必要に応じて修復やクリアを行う
ディスクスキャンツールで代替セクタを消去した後にディスクを再利用するには、以下の手順で新しい記憶領域を作成する必要があります。
- スタートボタンをクリックし、「ディスクの管理」を選択する
- 消去したドライブのハードディスク上の未割り当て領域をクリックする
- 「新しいシンプルボリューム」をクリックし、「新しいシンプルボリュームウィザード」を開く
- 指示に従い、ボリュームサイズ、ドライバ文字、ファイルシステム、ユニットサイズ、ボリュームラベルを決定する
- 「次へ」をクリックしたら設定を確認し、「完了」をクリックする
以上の方法で消去されたディスクが利用できますが、そもそも代替セクタを無暗に消去すると、データの損失やハードディスクの物理的な損傷を引き起こすリスクがあります。
パソコンの頻繁なフリーズやエラーメッセ―ジの表示など、異常が発生している場合はおすすめできません。データが必要ならば、データ復旧業者に相談し、根本的に障害を取り除いてもらいましょう。
chkdskを実行する
Windowsに標準搭載されているchkdskツールを使って、HDD全体のセクタを検査してみましょう。
chkdskはHDDのエラーを自動で検出し、修復を行うことができます。
ただし、物理的な故障が疑われるHDDに対しては、chkdskの実行により状態が悪化する可能性があるため、使用しないよう注意してください。
- WindowsPCで、Windowsの検索ボックスにcmdと入力してコマンドプロンプトを開き、管理者として実行を選択
- コマンドプロンプトのウィンドウが表示されたら、コマンド「chkdsk e: /f /r X」を入力(e:はスキャンするドライブの文字)
- Yを入力して処理を続行
- 処理が完了したら、PCを再起動する
以上の操作を行い、操作が終了したら、現代替処理保留中のセクタ数の警告が表示されるか確認してください。
チェックディスク(chkdsk)が終わらない|原因と対処法を解説
フォーマットを実行する

セクタ数の計測が誤っている場合、強制的に保留中のセクタを再読み込みして値を修正しようとすることがあります。その方法の一つにフォーマットの実行があります。
フォーマット手順は次の通りです。
- エクスプローラーを開く
「エクスプローラー」を開き、左側のサイドバーからフォーマットしたいHDDを選択します。 - フォーマットを実行する
フォーマットしたいHDDを右クリックし、表示されたメニューから「フォーマット」を選択します。 - フォーマットの設定
- ファイルシステムを選択(通常「NTFS」または「exFAT」)。
- クイックフォーマットを選択するかどうかを設定します。通常「クイックフォーマット」ではセクタの完全なスキャンは行われません。
- セクタエラーを修正したい場合
「クイックフォーマット」のチェックを外すとフルフォーマットが実行され、より時間がかかりますが、セクタのチェックも行われます。
設定が完了したら「開始」をクリックし、フォーマットを実行します。フォーマットが完了するまで、PCの操作は控えましょう。フォーマット後のデータ復元は困難なので、実行には十分な注意が必要です。
ただし、フォーマットを行うと全てのデータが消去され、アクセスできなくなります。
物理的な故障がある場合、フォーマットでは解決できないどころか、状態が悪化することがあります。データを守るためにも、原因がはっきりしていない場合や重要なデータがある場合は、フォーマットせずに専門業者に相談することをおすすめします。
なぜデジタルデータリカバリーでは復旧困難なHDDの復旧事例が多いのか

デジタルデータリカバリーはこれまで数々のHDDの復旧に成功してきました。HDDの復旧事例が多いのには、理由があります。
復旧の研究開発が活発
従来、記録面に傷があるHDDは復旧が極めて困難とされ、対応を断念せざるを得ない状況でした。
しかし弊社では、専用設備の導入や海外研修を通じた技術開発により、記録面を安全に処理する独自の研磨技術を確立。これにより、傷のあるHDDからのデータ復旧率を大幅に高めることに成功しています。
東京都経営革新優秀賞を受賞

過去不可能とされていた傷のついたHDDからのデータ復旧率を大幅に向上させたことや、市場ニーズに迅速に対応し、復旧対象媒体を拡大した取り組みが認められ、2021年11月25日に東京都経営革新優秀賞を受賞しています。
国内最高峰の復旧設備

HDD復旧の成功事例の多さは、デジタルデータリカバリーの技術力の高さを象徴しています。復旧成功の要因として、次の点が挙げられます:
- 蓄積された知見に基づき、障害箇所を正確に特定
- 最新技術を駆使した独自の復旧手法を開発
- 精密な環境での復旧作業(専用クリーンルーム完備)
これらの要素が、他社では対応が難しいケースでも「不可能を可能に」しています。
「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」ですので、他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーでは復旧できる可能性もございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。