データ復旧(復元)ソフトでデータ復旧できる?気をつけたい思わぬ落とし穴

パソコンや外付けHDDのデータが消えてしまった・見られなくなってしまったトラブルの際、データ復旧の手法の一つに「データ復旧ソフト」があります。しかし、データ復旧ソフトがどのようなものなのか・本当にデータを安全に復旧できるのか、よく分からないといった方も多いかと思います。
記憶媒体は精密機器であるため、誤った処置をしてしまうと更なるトラブルさえ招いてしまう可能性があります。
このページでは、データ復旧ソフトの用途や使用法について、29万件を超えるデータ復旧のご相談をいただいてきたプロの視点から注意点や実例を紹介します。
目次
- 1. データ復旧・復元ソフトとは
- -1-1.データ復旧ソフトが有効な場合
- -1-2.データ復旧ソフトの使用法
- 2. データ復旧・復元ソフトの注意点
- -2-1.データを復旧できない可能性がある
- -2-2.症状を悪化させてしまう場合がある
- -2-3.障害全般の復旧の可能性(復旧率)が分からない
- -2-4.データが取り出せなくても費用は戻らない
- 3. ”復旧できなかった” データ復旧・復元ソフトの失敗事例
- -3-1.実は物理的な故障が原因だった
- -3-2.復旧ソフトを使用したが、全て文字化けしてしまった
- -3-3.データ復旧ソフトを使用したが、復旧できなかった
- 4. 大切なデータの復旧はデータ復旧業者へ相談を
- 5. まとめ
目次
- 1. データ復旧・復元ソフトとは
- -1-1.データ復旧ソフトが有効な場合
- -1-2.データ復旧ソフトの使用法
- 2. データ復旧・復元ソフトの注意点
- -2-1.データを復旧できない可能性がある
- -2-2.症状を悪化させてしまう場合がある
- -2-3.障害全般の復旧の可能性(復旧率)が分からない
- -2-4.データが取り出せなくても費用は戻らない
- 3. ”復旧できなかった” データ復旧・復元ソフトの失敗事例
- -3-1.実は物理的な故障が原因だった
- -3-2.復旧ソフトを使用したが、全て文字化けしてしまった
- -3-3.データ復旧ソフトを使用したが、復旧できなかった
- 4. 大切なデータの復旧はデータ復旧業者へ相談を
- 5. まとめ
1. データ復旧・復元ソフトとは
データ復旧・復元ソフトとは、誤って削除してしまったファイルや、アクセスできなくなってしまったデータを検出し、元あった形に復元させるソフトウェアです。「文書データを削除してしまった」「ファイルが壊れてしまって開くことができない」などのトラブルに対処する際に選択肢の一つになります。
軽微な症状であれば復旧ソフトで解決できることがありますが、場合によっては状況を悪化させる可能性があるので、実行には注意が必要です。
まずは、データ復旧ソフトの概要を理解していただくために、データ復旧ソフトで復旧が試せる場合や、データ復旧ソフトの特徴について説明します。
データ復旧ソフトが有効な場合
市販のデータ復旧ソフトは「軽度の論理障害」にのみ有効な復旧方法です。
そもそも、データ復旧を行う際、故障した機器の障害原因には、以下の2つがあります。
① 論理障害
ファイルシステム(データを管理し、操作するための機能)の破損など、システム面の故障が原因
② 物理障害
データを読み書きする部分の破損や基板破損など、記憶媒体自体の物理的な故障が原因
このうち、データ復旧ソフトでは「論理障害のみ、かつその中でも軽度の症状である場合」に復旧の可能性があると言えます。データ復旧ソフトはあくまでシステムやファイルの修復をするものであるため、物理障害には対応できません。
機器から異音がしている場合や、落とした、水没した、経年劣化などの心当たりがある場合には、物理的な故障が原因となっている可能性が高いです。
物理的な障害が少しでも疑われる場合には、ソフトを試す前にデータ復旧の専門家に相談してください。
データ復旧ソフトの使用法
データ復旧ソフトは、自身で復旧の操作をする必要があります。インストールしただけではデータの復旧はできません。データを復旧できるかどうかは使用者の知識に大きく依存します。復旧ソフトを使用するのであれば、ある程度の知識は必要だと言えるでしょう。また、復旧ソフトには有料・無料のものがあります。
■無料ソフト
必要最低限の機能が備えられている簡易的な復旧ソフトである場合がほとんど。復旧できる症状パターンは少ない。
■有料ソフト
無料ソフトと比較して、多くの機能が備わっている場合が多い。ただ、使用難度も高くなり使用者のスキルも求められるため、高ければ良いというものでもない。
データ復旧ソフトは知識量や対応範囲によった扱いづらさはあるものの、費用面では気軽に試すことができるといったメリットもあります。しかし、復旧ソフトには思わぬ落とし穴も存在しています。以降に、データ復旧のプロの視点から、復旧ソフトの使用に関する注意点をまとめていきます。
2. データ復旧・復元ソフトの注意点
データ復旧ソフトを使う際の注意点は以下のようなものがあります。
①データを復旧できない可能性がある
②症状を悪化させてしまう場合がある
③障害全般の復旧の可能性(復旧率)が分からない
④データが取り出せなくても費用は戻らない
それぞれ簡単にご説明します。
① データを復旧できない可能性がある
そもそもデータ復旧に失敗する可能性は低くはありません。上にも記したように、物理的な故障がある場合にはデータ復旧ソフトで復旧することはできないうえ、論理障害であったとしても復旧の保証はありません。(症状によっては人の手で細かく修正する必要があるため)つまり、ソフトを使ってのデータ復旧・復元には限界があるということです。
② 症状を悪化させてしまう場合がある
復旧ソフトの使用は、機器やシステムが壊れた状態で動作させるため、症状悪化の危険性があります。症状を悪化させてしまうと復旧業者でも復旧が難しくなったり、復旧費用が上がってしまうことが多いので注意が必要です。
■論理障害の場合
ファイルシステム障害などの影響で、復旧ソフトのインストールや復旧データの保存先のミスで、本来復旧したかったデータが上書きされてしまった事例があります。
■物理障害の場合
壊れた部品がそのまま動いてしまうことにより、プラッタに傷が付き、スクラッチ障害(最重度障害)に変異する事例は少なくありません。

次のようなケースの場合には、データ復旧ソフトを使用することで、症状が悪化してしまう可能性があります。失ってもいいデータの場合には復旧を試みてもいいかもしれませんが、重要なデータである場合にはまずデータ復旧の専門家に相談することをおすすめします。
異音がする場合、高確率で物理的な障害が発生しています。
データ復旧ソフトの使用はもちろん、通電すること自体が状態の悪化につながってしまいます。
すぐに使用をやめ、データ復旧の専門家に相談してください。
カチカチ、カタカタ異音がしているトラブルについて詳細はこちら
CRCエラーが発生している場合は、データのエラーを検出する仕組みがうまく動作していない状態です。このエラーが発生しているときは、ハードディスク本体に読み込み不良(不良セクタ)が発生している可能性があります。この状態でソフトを使用してもデータの復旧は難しく、状態を悪化させてしまうこともあります。
「フォーマットする必要があります」というメッセージが出る原因が物理的な障害である場合があります。その場合にデータ復旧ソフトを無理に使用すると状態を悪化させる可能性があります。
③ 障害全般の復旧の可能性(復旧率)が分からない
データ復旧ソフトの紹介ページでは復旧率が掲げられていることがありますが、あくまで”復旧ソフトの対応範囲での復旧率”という点に注意してください。復旧できるかの判別がつかない状態での使用は①や②の危険もあるため、大切なデータであれば、まず専門家の無料診断を受けることをお勧めします。
④ データが取り出せなくても費用は戻らない
データ復旧ソフトの場合は費用に対する復旧が担保されません。無料もしくは比較的安価に提供されるため、復旧できなかった場合のコストリスクがあります。復旧ソフトで復旧できなかった案件も持ち込まれており、「ダブルコストになるくらいなら初めからこちらに持ち込めば良かった」というケースもあるほどです。
まとめると、データ復旧ソフトは復旧の保証が薄く、症状を悪化させてしまう場合があることに注意が必要です。ソフトを使用して自力で復旧しようとするとかえってデータを壊してしまう可能性があり、復旧可能性を下げることにも繋がりかねません。本当に大切なデータである場合には、データ復旧事業者にまず相談することが最善の選択と言えるでしょう。
3. ”復旧できなかった” データ復旧・復元ソフトの失敗事例
データ復旧ソフト使用後にご相談いただいたケースを一部ご紹介します。弊社では、一度データ復旧ソフトを使用してしまった後の機器についても対応可能です。
①「実は物理的な故障が原因だった」

■機器:外付けハードディスク
■ご相談内容:画面にフォーマット要求のメッセージ出た。 PC再起動したら治ったが、翌日PCが重くなり、その後データが見られない。 復旧ソフト上でみるとデータは入っている様子だが、何度試しても変わらずデータは見られない。
■診断/復旧結果:磁気ヘッドに物理的な異常あり。専門設備内で部品交換を行い、無事復旧完了。
→復旧ソフトでは対応できない症状であり、通電を続けていた場合、症状が悪化し復旧困難に陥っていた可能性が高いので、大変危険な行為です。
②「復旧ソフトを使用したが、全て文字化けしてしまった」

■機器:外付けハードディスク
■ご相談内容:機器が高温の環境にあり、フォーマット要求が出るようになった。復旧ソフトの復元機能を利用して、救出対象データを復元したものの、文字化けで元のデータが全く読み取れない。
■診断/復旧結果:機器の異常によるシステム障害。専門ツールを用いた復旧作業を施し、無事復旧完了。
→機器の異常が発生しており、復旧ソフトが有効に働かない状態。上書きしてしまう可能性もあったため注意が必要です。
③「データ復旧ソフトを使用したが、復旧できなかった」

■機器:外付けSSD
■ご相談内容:復旧ソフトを試すも「ファイルまたはディレクトリが壊れているので開けません」のエラーメッセージが表示される。一度シャットダウンを試したが状況が変わらない。
■診断/復旧結果:ファイルシステム異常。弊社で論理作業を実施し無事復旧完了。
→復旧ソフトに対応していない異常タイプの場合、いくら試したところで復旧はできません。原因が明確でない場合、プロに診断してもらうのが確実です。
このように、データ復旧ソフトでは復旧ができず、データ復旧のご依頼をされるお客様は少なくありません。復旧ソフトの使用によってデータが復旧できない状態まで症状が悪化してしまったり、症状の悪化によって費用が増大してしまう可能性があるため、十分な注意が必要です。大切なデータであるならば、最も安全に復旧するにあたって、まずはデータ復旧の専門家に相談をして、正確な診断結果を得た上でのご判断をお勧めします。
4. 大切なデータの復旧はデータ復旧業者へ相談を
失いたくない大切なデータであれば、データ復旧は専門業者に相談することを強くおすすめします。データ復旧ソフトは無料で利用できるものや、自分だけで完結するなど、気軽に手を出しやすい一方で、取り返しのつかない自体に陥るリスクをはらんでいます。
データ復旧サービスは、機器や症状に寄らず対応が可能で、成功報酬制を取り入れている業者もあります。その点は失敗のリスクや状態が悪化してかつ費用が発生する復旧ソフトに比べると安心できるポイントです。
また、データ復旧を業者に相談しようと思っても、「どこに相談すればいいのかわからない」と迷うケースも多いです。そのような場合には、以下のポイントを抑えて業者を選定するのがおすすめです。
データが復旧できるかどうかは、その会社の技術力に大きく依存します。「A社では復旧できなかったのにB社だと復旧できた」なんてことはざらにあるのがデータ復旧です。信頼できる技術力を持っているかどうかはしっかりチェックしましょう。
データ復旧で取り扱うのは超精密機器です。たとえばHDDなどは、極小のホコリですら故障の原因になることもあるほど繊細な内部構造を持っています。すでにトラブルの起きている機器はデリケートです。精密機器を扱い安全かつ迅速に復旧できる設備を整えている業者を選ぶことが大切です。
業者によっては、成功報酬制を取り入れていたり、初期診断を無料で実施しているところもあります。
5. まとめ
突然データが消えてしまったり、見れなくなってしまうと焦って様々なことを試してしまいがちですが、大切なデータを失ってしまうことがないように専門家に相談してみることが確実です。本当に大切なデータである場合、復旧方法の裏側にあるリスクを十分吟味した上で行動選択していきたいですね。後から後悔しないよう、最善の選択を検討してみてください。
もし、データ復旧業者への依頼を検討されていましたら、データ復旧率95.2%(注1)・11年連続国内売上シェアNo.1(注2)のデジタルデータリカバリーにお任せください。
どのようなデータトラブルにも、データ復旧アドバイザーが無料でご相談に対応させていただきます。初期診断無料、24時間、365日お電話でご相談いただけますので、お気軽にお電話ください。
注1)復旧率=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数(2017年12月~2020年10月の各月復旧率の最高値)
注2)第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(集計期間:2007年〜2017年)