「Windows 11 Homeなのに、BitLockerの回復キーを求められた」──そんな予想外のトラブルに直面して戸惑っていませんか？
- Homeエディションなのに「BitLocker 回復」画面が表示された
- 48桁の回復キーを求められたが、そもそも設定した覚えがない
- Microsoftアカウントにも回復キーが見つからない
実は、Windows 11 Homeでも「デバイス暗号化」が有効な場合、BitLockerと同様の保護機能が自動で動作しており、特定の条件を満たすと回復キーの入力が求められることがあります。
知らぬ間に暗号化が有効化されていたPCでは、マザーボードの交換やファームウェア更新などがトリガーとなり、突然ロックがかかってしまうケースも。慌てて操作を誤ると、大切なデータへのアクセスを完全に失う可能性もあります。
この記事では、「なぜHomeでも回復キーが求められるのか」という仕組みと、見分け方・対処法・そして今後同じトラブルを避けるための予防策までを、専門的な視点でわかりやすく解説します。
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目次
なぜWindows 11 Homeで回復キーが求められるのか
Windows 11 Homeでは通常BitLocker設定が表示されませんが、実際には「デバイスの暗号化」という機能を通じて同様の保護が行われています。以下のような要因で、正当なユーザー確認のために回復キー入力が求められることがあります。
デバイス暗号化（自動BitLocker）が有効
一部メーカーPCや要件を満たすWindows 11 Homeでは、初期セットアップ時に「デバイスの暗号化」が自動的にオンになります。この暗号化はBitLockerと同等の仕組みで、48桁の回復キーが自動生成・保存されます。ユーザーが設定を意識していなくても、既に保護が有効になっている場合があります。
ハードウェアや設定の変化を検知
BIOS／UEFIの更新、TPM・Secure Boot設定の変更、SSD交換、USB機器の構成変化など、セキュリティ上の要素に変化があると、「環境が変わった」と判断され、本人確認のため回復キーが求められます。特に特定のWindows Update（例：KB5012170系）適用後に発生した事例もあります。
Windows更新や不具合による誤作動
近年のWindows 11（バージョン24H2や25H2）では、更新プログラムの影響により、通常は不要な場面でもBitLockerの回復キー入力を求められる事例が複数報告されています。特に企業や教育機関など、暗号化機能を標準で有効にしている環境では、突然のロックにより業務が停止するリスクもあります。
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まず確認すべきポイント
回復キー入力画面が出たら、次の2点を確認することで原因を特定できます。
エディションと暗号化の状態を確認
- [設定] → [システム] → [バージョン情報] で「Windows 11 Home」と表示されているか確認します。
- 続けて [設定] → [プライバシーとセキュリティ] → [デバイスの暗号化] を開き、オンになっているかチェックします。
- オンの場合、BitLocker同等の暗号化が自動的に有効になっており、回復キーが設定済みです。
表示されている画面の文言を確認
起動時の青い画面で「BitLocker回復」「このドライブの回復キーを入力してください」と表示されている場合、システムドライブが暗号化されており、回復キーの入力が必須です。
回復キーを探す方法（Homeでも共通）
回復キーは、Windows 11 Proと同様に複数の場所に保存されています。以下の順で確認すれば見つかる可能性が高いです。
Microsoftアカウント
- 別のスマートフォンやPCでブラウザを開きます。
- Microsoft アカウントの回復キー管理ページ にアクセスします。
- Windowsにサインインしているアカウントでログインします。
- デバイス一覧から該当PCを選び、「回復キーID（先頭8桁）」が一致する項目を探します。
- 表示された48桁の回復キーをメモして入力します。
PC内のBitLocker設定
Windowsが起動できる場合、以下の手順で確認できます。
- [設定] → [プライバシーとセキュリティ] → [デバイスの暗号化／BitLocker設定]を開きます。
- [回復キーのバックアップ] または [ファイルに保存する] を選択します。
- テキストや保存ファイル内に48桁のキーが記載されています。
紙・PDF・USB・クラウドストレージ
セットアップ時に「印刷」「ファイル保存」「USB保存」を選んでいる場合、次のような場所を探します。
- 「BitLocker 回復キー ○○○○」というテキストファイルまたはPDF
- USBメモリ上の .txt または .bek ファイル
- OneDriveやクラウドストレージ上のメモファイル
企業・学校PCの場合
Azure ADやIntune管理下にあるPCでは、管理者ポータルに回復キーが保存されています。自分で見つけられない場合は、PC名と回復キーIDを添えてシステム管理者に連絡しましょう。
個人PCで回復キーが見つからない場合、暗号化ドライブのデータを復号する手段はありません。Windowsを初期化（クリーンインストール）する必要があります。この際、ドライブ内の既存データはすべて失われます。
こうしたトラブルに対応するには、システム状態の正確な診断と、状況に応じた専門的な対処が求められます。その点、当社では最新のWindows環境に関する知見をもとに、各種不具合の原因調査から最適な対応策のご提案まで一貫してサポートしています。
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起動後に行う再発防止策
回復キーで起動できた場合は、再発防止のため次の対策を行いましょう。
回復キーのバックアップを増やす
設定 → プライバシーとセキュリティ → デバイスの暗号化／BitLocker → [回復キーのバックアップ] から以下に保存できます。
- Microsoftアカウント
- USBメモリや外付けディスク
- 印刷またはクラウドストレージ
デバイス暗号化を無効化する（Homeでも可能）
暗号化が不要な場合、設定 → プライバシーとセキュリティ → [デバイスの暗号化] → [オフ] を選択します。暗号解除（復号）が完了するまで電源を切らないよう注意してください。なお、無効化すると盗難時のデータ保護は低下します。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
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HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
