Windows 11の不具合を安全に修復できる方法として知られる「上書きインストール(インプレース修復)」ですが、実際に試みると次のようなトラブルに直面することがあります。
- setup.exeが起動しない/反応しない
- 「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」オプションが選べない
- 途中でエラーコードが表示され、ロールバックされてしまう
こうした症状は、システムファイルの破損やディスクエラー、互換性の問題など、複数の要因によって引き起こされます。誤った手順で進めると、現状よりも悪化し、データ消失や起動不能に陥るリスクがあります。
この記事では、インプレース修復がうまく進まない原因と、それに対する具体的な対処法を順を追って解説します。手順を間違えずに進めることで、データを守りながら安全に修復できる可能性が高まります。
もし「自分で進めるのが不安…」という方は、初期診断・見積もりを完全無料でご利用いただけます。24時間365日いつでも専門スタッフが対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
目次
上書きインストールができない原因
Windows 11の上書きインストールが失敗する場合、その多くは環境条件やセットアップの実行方法に起因しています。以下に主な原因を整理しました。
Windowsが正常に起動していない
上書きインストール(個人用ファイルとアプリを保持する修復インストール)は、Windowsが通常起動している状態でsetup.exeを実行することが前提です。セーフモードや回復環境から実行すると、「この操作は実行できません」などのメッセージが表示され、修復が開始できません。
また、起動時にブルースクリーンやループ再起動が発生している場合は、ファイル保持を伴う修復は不可能な状態です。その場合は起動不良の根本原因(破損ファイルやストレージ障害)を先に修復する必要があります。
ISO/インストールメディアのバージョンが古い
上書きインストールでは、現在稼働中のWindowsよりも同じか新しいビルドのインストールメディアを使用する必要があります。古いビルドのISOを使うと、「このバージョンではアップグレードできません」と表示され、続行できません。
Microsoft公式サイトから最新のWindows 11ディスクイメージ(ISO)をダウンロードして使用することで、バージョンミスマッチを回避できます。
Cドライブの空き容量不足
上書きインストールでは、一時的に多くの作業用ファイルが作成されます。Cドライブの空き容量が20GB未満の場合、途中でエラーコードが出てロールバックすることがあります。特に大型アップデートを伴う場合は、最低でも30GB以上の余裕を確保しておくことが推奨されます。
起動方法やメディアの使い方が誤っている
USBメディアをブートしてインストールを開始した場合、それは「新規インストール(カスタム)」扱いとなり、既存環境を保持した上書きインストールにはなりません。上書きインストールを行う場合は、必ずWindowsを起動した状態でISOをマウントし、エクスプローラーからsetup.exeを実行します。
ドライバ・セキュリティソフトなど環境要因
古いストレージドライバやGPUドライバ、さらには一部のサードパーティ製セキュリティソフトが、Windowsのセットアップを妨げることがあります。特に常駐型のウイルス対策ソフトは、インストーラのアクセスを制限し、エラーコード(例:0x8007000d)を表示してセットアップをロールバックさせてしまうケースが確認されています。
このような問題を放置すると、起動不良やシステムの不安定化を引き起こし、最悪の場合はデータ消失につながるおそれがあります。環境に応じた正しい対処が求められるため、操作に不安がある場合は、専門業者に相談することをおすすめします。
【要注意】自力対応が招くデータ損失のリスク
Windowsの不具合は、見た目の問題や操作上の違和感にとどまらず、環境によっては深刻なシステム障害に発展する可能性があります。こうした状況で、自力での修復や不具合解消を試みた結果、大切なデータが失われてしまうケースが後を絶ちません。
最も安全な選択は、無理に操作を続けるのではなく、専門のデータ復旧業者に相談することです。症状の原因がソフトウェアかストレージ障害かを正確に見極めるには、高度な診断環境と技術が必要です。
デジタルデータリカバリーでは、システム不具合への対応も含め、次のような体制で安心してご相談いただけます。
- 相談実績50万件以上(2011年1月~)の豊富な対応経験に基づき、個人・法人問わず幅広いトラブルに対応
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- 他社で「復旧不可」とされた機器の対応実績が7,300件越えにものぼり、独自の復旧技術を保有
大切なデータを守るには、まずは自力対応よりも専門的な判断が欠かせません。操作を誤る前に、まずは当社にご相談ください。
上書きインストールの対処法
上書きインストールが進められない場合は、以下の手順で環境を整えることが重要です。前提条件を満たしたうえで、正しい方法でsetup.exeを実行すれば多くのケースで解消します。
前提条件をチェックする
まず、上書きインストールを実行するための基本条件を確認します。
- Windows 11が通常起動していること(セーフモード不可)
- ISOまたはUSBメディアが最新ビルドであること
- Cドライブに20GB以上の空き容量があること
正しい方法で上書きインストールを開始する
手順を誤ると新規インストール扱いになり、データが保持されません。以下の手順で実施します。
- Microsoft公式からWindows 11のISOをダウンロードする。
- ISOファイルを右クリックして「マウント」を選択。
- 仮想DVDドライブとして開き、中の「setup.exe」をダブルクリックして実行する。
環境要因を減らす
セットアップを妨げる要因を取り除くことで、エラーの発生率を大きく下げられます。
- 常駐型のウイルス対策ソフトやチューニングツールを一時的にアンインストール。
- 外付けドライブや周辺機器(プリンタ、USBメモリなど)をすべて外す。
- ストレージ・GPU・チップセットドライバを最新に更新する。
Windows Update経由の再インストールを試す
Windows 11では、「設定」→「システム」→「回復」にある「Windows Updateを使って問題を修正する(再インストール)」機能でも同様の修復が行えます。通常の上書きインストールができない場合の代替手段として有効です。
- [設定]を開く。
- [システム] → [回復]を選択。
- [Windows Updateを使って問題を修正する]をクリックし、画面の指示に従う。
それでもできない場合の最終手段
上書きインストールが繰り返し失敗する場合、システム内部の破損やストレージ障害が進行している可能性があります。このようなときは、データを保護するためのバックアップを優先し、クリーンインストールまたは専門業者による診断を検討します。
- 大切なデータを外部メディアやクラウドにバックアップする。
- 回復ドライブまたはUSBインストールメディアを用意する。
- ストレージの不良が疑われる場合は、専門業者で診断を受ける。
何度試しても上書きインストールが途中で止まる場合、OSやストレージ自体に障害が発生している可能性があります。特にHDDやSSDのエラーを伴うケースでは、自力対応を続けることでデータが完全に消失する危険があります。
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※2:2023年10月実績。一部復旧:完全復旧に至らなかったが、一部復旧できた場合。完全復旧:復旧希望データを100%復旧できた場合。
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初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
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よくある質問
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この記事を書いた人

デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。









































