Windows 11の起動時に以下のような症状が発生していませんか？
- 「自動修復を準備しています」と表示されたまま進まない
- 自動修復が繰り返され、デスクトップが表示されない
- 再起動を繰り返すだけで、操作ができない状態が続く
これらの症状が現れた場合、多くは「自動修復ループ」と呼ばれる深刻な不具合であり、以下のような原因が考えられます。
- システムファイルの破損
- Windowsアップデートの失敗
- HDD/SSDの物理的な異常
このまま放置すると、最悪の場合、OSが起動できなくなり、保存されていたデータに永久にアクセスできなくなるリスクもあります。
本記事では、こうした自動修復ループの原因を見分ける方法や、安全に状況を改善するためのコマンド操作、そして大切なデータを守るための適切な対応策を、専門的な視点から詳しく解説します。
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目次
Windows 11 が「自動修復を準備しています」を繰り返す原因
Windows 11で「自動修復を準備しています」と表示され、再起動を繰り返してしまう場合、多くはブート領域やシステムファイルの破損、アップデート失敗、ドライバ不具合などが関係しています。 一見するとOSの不具合に見えますが、内部で読み込みエラーが発生しており、自動修復が毎回失敗してループに入る状態です。
システムファイルやブート領域の破損
強制終了や停電、アップデート中の電源断などが起きると、Windowsの重要なシステムファイルやブート情報（EFI、MBR、BCD）が破損します。
これにより、Windowsが正常に起動できず、毎回「自動修復」を試みるものの、修復が途中で失敗して再起動を繰り返す状態になります。
このような場合、コマンドプロンプトでシステムファイル修復（sfc /scannow）やブート構成修復（bootrec系コマンド）を行うことで改善することがあります。
Windows Updateやドライバ更新の失敗
機能更新やドライバの自動更新が中途半端に適用され、起動に必要なドライバやサービスが壊れているケースです。更新ファイルの一部が破損していると、Windowsが正しく読み込めず、自動修復が毎回走るようになります。
特にグラフィックドライバやストレージドライバが原因となるケースが多く、セーフモードや復元ポイントから更新を戻すことで解決することもあります。
HDD/SSDの物理障害・不良セクタ
HDDやSSDに不良セクタが発生していると、起動に必要なシステム領域を正常に読み取れず、自動修復が途中で止まってしまうことがあります。このような状態で何度も再起動を繰り返すと、ディスクの損傷が進行し、保存されているデータが失われる危険性が高まります。
特に、ストレージから異音がする場合や、極端に読み込みが遅いといった症状が出ている場合は、無理に修復コマンドを実行しないことが重要です。データの上書きを避け、まずは安全に復旧することを最優先に判断する必要があります。
こうした状況では、専門的な診断と適切な処置が求められます。少しでも異常を感じたら、早めに専門業者に相談することをおすすめします。
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Windows 11 が「自動修復を準備しています」を繰り返すときの対処法
Windows 11の起動時に「自動修復を準備しています」と表示され、再起動を繰り返す状態が続くと、通常の手順では起動できません。
以下では、原因別に確認すべきポイントと具体的な修復方法を詳しく解説します。
自動修復ループの主な原因
「自動修復を準備しています」が何度も繰り返される場合、単なるエラーではなく、システム構成そのものが破損している可能性があります。特に、更新中の電源断やストレージの劣化によってWindowsの起動に必要な情報が読めなくなると、自動修復が失敗して再起動を繰り返す状態になります。代表的な要因は以下のとおりです。
- システムファイル／ブート領域の破損
強制終了や停電、更新中の電源断などでシステムファイルやブート構成（EFI/MBR/BCD）が壊れると、自動修復が毎回失敗してループします。 - Windows Updateやドライバ更新の失敗
更新が中途半端に適用された結果、起動に必要なドライバが壊れ、正常起動できなくなります。 - HDD/SSDの物理障害
不良セクタや読み取りエラーがあると、修復が途中で止まり、ループを繰り返します。
コマンドプロンプトからの修復手順
自動修復ループから復旧するためには、「詳細オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンド プロンプト」を開き、手動でシステム修復を行います。インストールメディアを利用する場合も同様の操作が可能です。次の手順を順に実行していきましょう。
1. ディスクとファイルシステムのチェック
まずはWindowsが保存されているドライブを特定し、ファイルシステムの整合性を確認します。不良セクタの修復も同時に行えます。
- 「dir C:」「dir D:」を実行し、Windowsフォルダ（Windows）があるドライブを特定します。
- 該当ドライブに対して次を実行：
chkdsk C: /f /r - ファイルシステムと不良セクタの修復を行います。時間がかかる場合があります。
- 異音があるディスクでは実行を控え、物理障害の可能性を疑います。
2. システムファイルの修復（SFC）
システムファイルの破損が疑われる場合は、SFCコマンドでWindowsの主要ファイルを検査・修復します。
- オフライン環境から実行する場合：
sfc /scannow /offbootdir=C:\ /offwindir=D:\Windows - 通常の環境で起動できる場合は：
sfc /scannow - 破損したシステムファイルを自動的に修復します。
3. システムイメージの修復（DISM）
SFCで修復できない場合、DISMコマンドでWindowsイメージ全体を再構築します。OSの基盤部分が壊れているケースで有効です。
- 以下を実行：
Dism /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth - イメージ全体の破損を修復します。通常の起動環境で実行可能です。
4. ブート構成（BCD）の修復
ブート領域の破損が原因で起動できない場合は、ブート情報を再構築します。
- 以下のコマンドを順に実行します。
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /scanos
bootrec /rebuildbcd - ブート情報を再構築し、起動ループを解消します。
5. 自動修復を一時的に無効化（応急処置）
何度も再起動を繰り返す場合は、一時的に自動修復を止めて、セーフモードなどへのアクセスを試みます。
bcdedit /set {default} recoveryenabled No- 実行後に再起動し、セーフモードや通常起動が可能か確認します。
それでも直らない場合の対応策
上記コマンドで解消しない場合は、Windowsのシステム回復機能を利用します。原因が更新プログラムやドライバにある場合は、復元やアンインストールで改善することがあります。
- システムの復元・更新のアンインストール
「詳細オプション」→「システムの復元」または「更新プログラムのアンインストール」を選び、正常時の状態に戻します。 - セーフモードでの削除
「スタートアップ設定」→セーフモードで起動し、直前に入れたドライバやセキュリティソフトをアンインストールします。 - このPCを初期状態に戻す／再インストール
個人ファイルを保持したまま再インストールするか、完全初期化を行います。
データを守るための注意点
修復を繰り返しても改善しない場合は、ストレージ自体の故障が疑われます。特に異音や極端な遅延がある場合、修復操作を続けることで状態が悪化し、データ復旧が難しくなることがあります。次のポイントを確認しましょう。
- 異音や認識不良があるディスクでは、chkdskや再起動を繰り返さない。
- データを優先する場合は、HDD/SSDを別PCに接続し、重要データをバックアップする。
- 物理障害が疑われる場合は、データ復旧業者に相談する。
- 自力での修復を続けると、復旧率が下がる恐れがあります。
少しでも不安を感じたら、データ復旧専門業者への相談をおすすめします。
デジタルデータリカバリーでは、法人向けサーバー・RAID・NAS のデータ復旧を中心に、50万件以上（期間：2011年1月以降）のご相談実績があります。初期診断・お見積りは無料、24時間365日対応で、トラブルの早期解決をサポートします。
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※2：2023年10月実績。一部復旧：完全復旧に至らなかったが、一部復旧できた場合。完全復旧：復旧希望データを100％復旧できた場合。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
