Windowsパソコンを使用中に突然「BIOS（またはUEFI）を起動してください」と表示されて戸惑った経験はありませんか？
- 電源を入れてもOSが立ち上がらず、黒い画面のまま止まっている
- 再起動を繰り返すだけで、通常の操作ができない
- 「Insert Boot Media」などのメッセージが表示される
こうした状況が発生する場合、パソコンの根本的な設定や起動ディスクの指定に問題がある可能性があり、「BIOS（またはUEFI）」を操作する必要があります。
誤った操作は、システム障害やデータ消失など取り返しのつかないリスクにつながるため、慎重な対応が求められます。
本記事では、BIOSを起動する必要がある代表的なケースと、それぞれの場面で行うべき基本操作について、初心者にもわかりやすく詳しく解説しています。
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目次
BIOSを起動する必要がある原因
BIOS（またはUEFI）は、Windowsの起動前に動作するファームウェアで、ストレージやメモリなどのハードウェア構成を制御する重要な機能です。特定のトラブルや設定変更が必要なときには、ユーザー自身がBIOSを起動して確認や修正を行う必要があります。以下に代表的なシチュエーションを具体的に紹介します。
OS再インストールや外部メディアからの起動が必要なとき
Windowsが正常に動作しない場合や、新しいシステムをクリーンインストールしたいときには、USBメモリやDVDからの起動が必要になります。その際、BIOSでブート優先順位を設定し、外部メディアを最上位に設定しなければなりません。これにより、OSインストール用のデバイスから正しく読み込まれ、再インストールが可能になります。
起動順の変更を行いたいとき
新たにSSDを増設した場合や、一時的に外付けHDDから起動したいといったケースでは、BIOSで起動順（Boot Priority）を切り替える必要があります。誤った順序のままだと、OSがインストールされていないデバイスにアクセスし、起動エラーを引き起こす可能性があります。
パスワード・セキュリティ設定の変更時
セキュリティ対策としてBIOSパスワードを設定したり、TPM（Trusted Platform Module）を有効にする場合は、BIOS設定画面にアクセスする必要があります。特に法人用途や暗号化設定（BitLocker）などと連動する場合には、正確な設定が求められます。
ハードウェア診断やメモリ確認を行うとき
PCの挙動が不安定な場合や増設メモリが正常に認識されているか確認したいときには、BIOSを開いて構成情報を確認します。POST（Power On Self Test）での診断情報も確認でき、問題切り分けの手がかりとなります。
Windowsが起動できずハードウェアを確認したいとき
システムエラーやストレージ障害でWindowsが立ち上がらない場合、まずBIOSでストレージやメモリが認識されているかを確認します。デバイスが未認識であれば、ケーブルの抜け・ハードディスクの故障が疑われ、適切な対処の判断材料となります。
【要注意】メーカーや修理業者に依頼することのリスク
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BIOSを手動で起動する方法とその後の対処法
以下では、Windowsから意図的にBIOSを起動する方法と、目的別の設定操作を解説します。メーカーによって細かな表記が異なることもありますが、基本的な流れは共通しています。
WindowsからBIOSを起動する方法
通常、電源投入時の特定キー操作またはWindowsの設定メニューからBIOSを起動できます。
- 「スタートメニュー」から「設定」を開きます。
- 「システム」→「回復」→「今すぐ再起動（高度なスタートアップ）」を選択します。
- 表示される画面で「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「UEFIファームウェア設定」を選びます。
起動順位を変更する手順
USBからのブートや新しいストレージから起動するには、Boot Priorityの設定変更が必要です。
- BIOS画面を開いたら「Boot」メニューに移動します。
- 「Boot Priority」や「Boot Order」などの項目で、起動デバイスの順番を変更します。
- USBやSSDを最上位に設定し、「Save & Exit」で保存・再起動します。
パスワード設定を変更する手順
セキュリティ保護や盗難対策でBIOSパスワードを設定・変更したい場合は、以下の手順で行います。
- BIOS画面で「Security」または「Password」タブに進みます。
- 「Set Supervisor Password」「Set User Password」などを選択します。
- 新しいパスワードを入力し、確認後「Save & Exit」で保存します。
メモリ・ストレージの認識状況を確認する方法
ハードウェアトラブルの初期診断として、メモリやストレージが正常に認識されているかをBIOSで確認します。
- BIOSに入り、「Main」や「Information」メニューを確認します。
- 搭載メモリ（RAM）の容量やストレージの型番が表示されているか確認します。
- 未表示の場合、接続不良や物理障害の可能性があります。
BIOSを初期化して設定をリセットする方法
設定が複雑になってしまった場合や、不具合があるときは、初期設定に戻すことで改善する場合があります。
- BIOS画面の「Exit」タブへ進みます。
- 「Load Setup Defaults」または「Optimized Defaults」を選びます。
- 保存して終了し、再起動します。
BIOSの操作は慎重に行う必要があります。特に、ストレージが認識されない、起動できない状態では、誤った設定や操作によってデータが失われる可能性もあります。そうしたリスクを避けるためにも、トラブルの兆候があれば早めに専門業者への相談をおすすめします。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
