Windows10/11でのフリーズは、よくあるトラブルの1つです。多くは一時的な問題ですが、頻繁に発生する場合は、深刻な内部不具合が原因かもしれません。特にストレージが破損すると、データ損失のリスクが高まります。
本記事では、Windowsのフリーズ原因、データの取り出し方法について解説します。適切な対処法を知り、安全な対処を行いましょう。
目次
Windows PCがフリーズするパターン
PCがフリーズする際には、さまざまなパターンがあります。
例えばアプリの負荷による一時的なものから、ストレージの破損など深刻なものも含まれます。それぞれのパターンを把握することで、原因の特定や適切な対処法を選択しやすくなります。以下に、代表的なフリーズパターンを紹介します。
特定のアプリケーションのみがフリーズ
特定のアプリケーションのみがフリーズし、他のアプリケーションは正常に動作している場合、フリーズしているアプリケーション自体に問題がある可能性があります。
この場合、メモリの使用状況や、アプリケーションのアップデートの確認が必要です。
Windowsエクスプローラーのフリーズ
Windowsエクスプローラー(パソコンのファイルやフォルダを見るツール)がフリーズすると、スタートメニューやタスクバーが反応しなくなります。
これはシステムリソースの過負荷やドライバの不具合が原因であることが多く、再起動やドライバの更新で改善されることがあります。
システム全体のフリーズ
システム全体がフリーズし、マウスやキーボードが全く反応しない場合、ハードウェアの問題やシステムリソースの極端な消費が原因である可能性が高いです。この場合、強制終了が必要となり、その後、ハードウェア診断やシステムの修復を行うことが推奨されます。
一時的なフリーズ
処理が重い時に一時的に固まるが、しばらくすると回復する状態は、PCのリソースが一時的に限界に達していることが原因です。大容量のファイル処理やメモリ消費が高いタスクを管理することで、この問題を回避できます。
特定の操作時のフリーズ
アプリケーションのインストールやファイル操作など、特定の操作を行った時にフリーズする場合、その操作に関連するファイルや設定に問題がある可能性があります。この場合、操作環境を確認し、必要に応じてアプリケーションやファイルの修復が必要です。
起動時のフリーズ
Windowsの起動途中でフリーズしてしまう場合、システムファイルの破損や起動時に読み込まれるデバイスドライバの不具合が原因である可能性があります。
システムの修復ツールやセーフモードでの起動を試みてください。
定期的なフリーズ
一定時間ごとにフリーズが発生する場合、システム内でのリソース競合やスケジュールされたタスクが原因であることが考えられます。タスクマネージャーを使用して問題のあるプロセスを特定し、不要なタスクを無効化することが対策となります。
Windows PCがフリーズする主な原因
PCがフリーズする原因はさまざまです。以下に、考えられる主な原因を紹介します。
メモリ不足
PCがフリーズする最大の原因の一つは、メモリ不足です。複数のアプリケーションを同時に使用していると、メモリが足りなくなり、PCが動作しなくなることがあります。メモリが限界に達すると、システムがフリーズしてしまいます。
ハードディスクの故障または容量不足
HDDやSSDの故障や容量不足もフリーズの原因になります。特に物理的な故障がある場合、データ消失のリスクが高まります。
HDD/SSDの寿命は平均3~5年と言われ、長期使用で異音がする場合は物理的破損の可能性が高いため、早急な対応が必要です(特にSSDの物理障害では、システムエラーと区別が難しいことがあります)。
物理障害が発生した場合は、状態悪化やデータ消失を防ぐため、専門業者に相談することをおすすめします。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が46万件以上の相談実績(算出期間:2011年1月1日~)をもとに「初期診断」を行い、障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
過熱
PCの内部温度が高くなりすぎると、システムがフリーズすることがあります。冷却システムの不具合やホコリの蓄積による排熱不足が原因です。
ドライバの不具合
ハードウェアのドライバが古くなっている、または不適切にインストールされていると、システムの動作が不安定になり、フリーズの原因となります。
ウイルス感染
ウイルス感染によるシステムの不具合も、フリーズを引き起こすことがあります。特に悪質なマルウェアは、システムリソースを大量に消費し、PCの動作が停止してしまうことがあります。
システムファイルの破損
重要なシステムファイルが破損すると、Windowsが正常に動作しなくなり、結果としてPCがフリーズすることがあります。たとえば、システムファイルの一部が消失したり、破損した場合、必要なプロセスが実行できず、OS全体の安定性が損なわれることがあります。
この場合、システムの修復や再インストールが必要です。
Windows PCがフリーズ時の対処法
PCがフリーズしてしまった場合、適切な対処法を試みることで、問題を解決できることがあります。以下に、フリーズに対処するための具体的な手順を紹介します。
①メモリ不足の対処法
メモリ不足が原因でフリーズしている場合、以下の対処法を試してください。
- 「Altキー+F4キー」でフリーズしたソフトウェアを終了する
- 「Ctr」+「Alt」+「Del」でタスクマネージャーを開き、システムを再起動する
- パソコンを強制終了/再起動する
- メモリ診断を行う
- セーフモードで起動する
手順①「Altキー+F4キー」でフリーズしたソフトウェアを終了する
動画・画像編集ソフトの使用や複数のソフトウェア起動、ブラウザのタブを大量に開いている場合、パソコンのスペック不足でフリーズが起こることがあります。
カーソルが遅い場合は「Alt+F4キー」でタスクマネージャーを開き、不要なタブやメモリを大量に使用しているソフトを確認し、終了またはアンインストールするのが効果的です。
特にセキュリティソフトやマルウェアが原因となることもあるため、注意が必要です。
手順②「Ctr」+「Alt」+「Del」でタスクマネージャーを開き、システムを再起動する
キーボードが使える場合、「Ctrl」+「Alt」+「Del」でタスクマネージャーを開くか、シャットダウンを行いましょう。再起動するとメモリ使用量がリセットされ、一時的な不具合が改善することが多いです。
パソコンが起動しない・立ち上がらない場合の対処法についてはこちら
※メモリの使用率は50%以下が理想的
メモリの使用率は50%以下が理想的です。70%以上になると、メモリ不足によるフリーズが発生しやすくなります。もっとも、メモリの使用状況は用途により大きく異なります。まず使用用途を確認し、過度な負荷をかけていないかを把握しておくことが重要です。
メモリ容量 | 使用用途 |
4G | インターネットの閲覧やYouTube試聴程度 |
8G | エクセルやワード、プログラミングを学ぶ場合 |
16G | PCゲームのプレイ |
32G | 画像編集や動画編集 |
ただし、これでも改善しない場合は、内蔵ストレージの故障が考えられます。
フリーズが頻発し、すでにデータにアクセスできない状態で操作を続けると、データ消失のリスクが高まるため、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
手順③ パソコンを強制終了/再起動する
パソコンのフリーズで、マウスカーソルやキーボードが一切動作しない場合は、Windows10/11が完全にフリーズしています。
このような場合は、パソコンの電源ボタンを長押しして強制的にシャットダウンすると、データの読み書き中にフリーズした場合、データが正常に保存できない可能性があります。
手順④ メモリ診断を行う
メモリのチップが故障している場合、マザーボードがメモリを正しく参照できず、不具合がが発生することがあります。この場合、メモリ診断で不具合を調べることが可能です。
メモリ診断を行う手順は以下の通りです。
- スタートメニューの検索ボックスに「Windows メモリ診断」と入力する
- 管理者として実行を選択し、「Windows メモリ診断」を開く
- 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」をクリックし診断が開始
メモリ診断が実行されると、メモリの状態や問題の有無が調べられます。、故障が判明した場合はメモリを交換しましょう。
手順⑤ セーフモードで起動する
セーフモードは、必要最小限の環境でPCを起動する機能です。軽度な論理障害なら、マウスが動かない問題を回避できます。
- Windowsが起動しない場合、「スタートアップ修復」が表示されます。
- 修復できない場合、「詳細オプション」から「トラブルシューティング」に進みます。
- 「スタートアップ設定」から「再起動」を選びます。
再起動後、「4)セーフモードを有効にする」を選択します。
もしセーフモードでも起動できない場合、致命的な障害の可能性があり、無理に起動を試みるとPCが壊れるリスクがあります。データが必要な場合、専門家に相談してください。
②HDD関連の問題解決
HDDの容量不足によりPCがフリーズしている場合は、以下の対処法を試してください。
- 不要なファイルを削除し、ディスク容量を確保する
- HDDをSSDに換装する
- ディスクのエラーチェックを実行し、問題を解消する
- chkdskをかける
手順① 不要なファイルを削除してディスク容量を確保する
不要なファイルを削除してディスク容量を確保する手順は次の通りです。
- デスクトップや「ドキュメント」フォルダを見直し、不要な大容量ファイル(動画、画像、古いプロジェクトなど)を確認します。
- 不要なファイルはゴミ箱に移動し、右クリックで「ゴミ箱を空にする」を選択して完全に削除します。
- Windowsの「ストレージセンサー」機能を利用して、ディスクを自動的にクリーンアップすることもおすすめです。これにより、キャッシュや一時ファイルなども削除できます。
手順② HDDをSSDに換装する
HDDをSSDに換装する手順は次の通りです。
- 新しいSSDを購入し、対応するクローンソフトを用意します。
- パソコンのHDDデータをSSDにクローンする準備を行います。クローンソフトを起動し、画面の指示に従ってHDDの内容をSSDにコピーします。
- クローンが完了したら、HDDを取り外し、SSDに換装します。換装方法はパソコンのモデルにより異なるため、メーカーのマニュアルを参照し、必要に応じて専門家に依頼することも検討してください。
- SSD換装後、パソコンを再起動し、動作が改善されたか確認します。
ただし、バックアップを取っていないデータは消失してしまうため、重要なデータが含まれている場合、データ復旧の専門家に相談することが最も安全で確実な方法です。
業者では症状に基づいてエンジニアが正確な初期診断を行い、故障の原因を特定できます。プロが対応するため、データ復旧に失敗するリスクを抑えられます。
手順③ ディスクのエラーチェックを実行する
ディスクのエラーチェックを実行する手順は次の通りです。
- エクスプローラーを開き、HDDを右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「ツール」タブをクリックし、「エラーチェック」の「チェック」ボタンを押します。
- WindowsがHDDのエラーをチェックし、自動的に修正を試みます。これにより、セクタの問題やファイルシステムのエラーが原因で発生するフリーズを改善できる場合があります。
- チェックが完了したら、パソコンを再起動して、フリーズが解消されたか確認します。
手順④ chkdskをかける
Windowsには、HDDを修復するコマンド「chkdsk」が搭載されています。これはHDDのシステムに破損がないかをチェックし、自動で修復を試みるコマンドです。
ただし、chkdskはHDD全体をスキャンするため負荷がかかりやすく、物理障害が起きている場合、chkdskをかけるとHDDが完全に破損してしまう可能性があります。この点に留意したうえで下記の対処法をお試しください。
チェックディスクのコマンドを実行する方法は次のとおりです。
- Win+Rキーを同時に押しファイル名を指定して実行のウィンドウを開きます。
- cmdと入力しコマンドプロンプトを起動します。
- 「chkdsk d/f」を入力し、Enterで実行します。
これらの対処法を試すことで、HDDに関連する問題が解決し、PCのフリーズが改善される可能性があります。
ただし、物理障害が原因でフリーズが発生している場合、エラーチェックはHDDやSSDに大きな負担をかけ、状況を悪化させる可能性があるため、無闇に実行するのは危険です。重要なデータがある場合は操作を中止し、データ復旧の専門家に相談することが最善です。
デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
③過熱対策
PCが過熱している場合、冷却システムを見直す必要があります。
- PCのホコリを取り除き、冷却ファンの動作を確認する。
- PCの設置場所を改善し、通気性の良い場所に置く。
- 必要に応じて冷却パッドやファンを使用する。
④ドライバの更新
ドライバの不具合は、ハードウェアが正常に動作せず、システム全体の不安定さやフリーズを引き起こす原因になります。
古いドライバはOSやソフトウェアとの互換性が低く、バグも多いため、最新バージョンに更新することでこれらの問題が解消され、システムの安定性が向上します。更新はデバイスマネージャーから簡単に行え、更新後は再起動して問題が解決するか確認します。
ドライバを最新バージョンに更新する手順は次の通りです。
- デバイスマネージャーを開き、更新が必要なドライバを選択する。
- 右クリックし、「ドライバーの更新」を選択する。
- 最新のドライバが自動的にダウンロードされるまで待つ。
⑤ウイルス対策
ウイルス感染が原因でフリーズしている場合、ウイルス対策ソフトを使用してシステムをスキャンし、感染したファイルを除去します。
- ウイルス対策ソフトを最新バージョンに更新する。
- 完全スキャンを実行し、感染ファイルを特定する。
- 感染ファイルを削除または隔離する。
⑥システムの修復
システムファイルの破損が原因でフリーズしている場合、以下の方法で修復を試みてください。
- sfc /scannow コマンドを入力し、システムファイルをスキャンして修復する
- Windowsの再インストールを行う(データは消失します)
手順① sfc /scannow コマンドを入力し、システムファイルをスキャンして修復する
コマンドプロンプトで「sfc /scannow」と入力し、Enterキーを押します。
これによりシステムファイルがスキャンされ、破損したファイルが自動的に修復されます。完了するまで待ちます。
ただし、いつまでも修復が終わらない場合、より重度の障害が起きている可能性があります。この場合、個人での操作は控えてください。もし、データが必要な場合、データ復旧の専門業者まで対応を依頼しましょう。
手順② Windowsの再インストールを行う(データは消失します)
データが必要な場合は、データ復旧の専門業者に相談する
フリーズが頻発してデータを取り出せない場合、自力での修復は困難です。自己判断で修復を試みると、データ消失のリスクが高まるため、重要なデータが含まれている場合、無理に操作せず、データ復旧専門業者に依頼することが最も安全です。
専門業者は、適切な診断ツールと経験を活かし、データを安全に取り出すための最善の方法を提供します。機器の状態を正確に診断し、問題の根本原因を特定することで、データ復旧に失敗するリスクを最小限に抑えられます。
デジタルデータリカバリーでは、24時間365日無料で初期診断やお見積もりを行っています。まずは専門のアドバイザーにご相談ください。
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よくある質問
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弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数41万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。