CRCエラー(巡回冗長検査エラー)とは、HDDやSSD、DVD、SDカード、USBメモリなどのデータ記録面に致命的なエラーが起き、修復不能となってしまった状態です。
CRCエラーは、原因を特定し、適切な対処をとらなければ、機器・データが完全に破損してしまいます。この記事ではCRCエラー発生時の解決方法と注意点をご紹介します。
目次
CRCエラー(巡回冗長検査)とは?
CRCエラー(巡回冗長検査エラー)発生時の注意点
CRCエラー(巡回冗長検査エラー)発生時の注意点は以下のものが挙げられます。
電源のオンオフを何度も繰り返す
電源のオンオフを何度も繰り返すと、記憶メディアの内部部品に負荷がかかり、さらに損傷を悪化させる可能性があります。出来る限り控えましょう。
チェックディスク(Chkdsk)コマンドは原則使用しない
「Chkdsk」とは、WindowsでCRCエラーを修復するツールです。軽度の論理エラーは修復可能ですが、CRCエラーの多くは物理エラーによるものです。Chkdskはファイルシステム修復機能しかなく、物理エラーには対応できません。
Chkdskの実行は記憶メディアに大きな負荷をかけ、CRCエラーを増やし、最悪の場合、記憶メディアが起動しなくなり、データ復旧が不可能になる恐れがあります。
システムファイルチェッカー(SFC)を繰り返し実行しない
システムファイルチェッカー(sfc)は、Windowsのシステムファイルをチェックし、破損を修復するツールです。管理者権限でコマンドプロンプトを開き、「sfc /scannow」を実行します。
これにより、破損したシステムファイルが最新のファイルに置き換えられます。ただし、CRCエラーの原因が物理障害の場合、sfcを実行しても問題は解決せず、メディアの状態が悪化する可能性があります。CRCエラーが発生した場合、コマンドの繰り返し実行は避けましょう。
フォーマットしない
フォーマットはファイルシステムを再構築する操作で、CRCエラーを解決できることもありますが、データはすべて消去されます。
データの上書きや再フォーマットにより、復旧はさらに困難になります。誤ってフォーマットを実行した場合は、データ復旧専門業者に相談しましょう。
CRCエラー(巡回冗長検査エラー)への対処法
CRCエラー(巡回冗長検査エラー)の対処方法は次の通りです。
データ復元ソフトを使う
論理エラーに起因するCRCエラーが起きている場合、リカバリーソフトでデータをサルベージできることがあります。
データ復元ソフトをダウンロードし、ハードディスクやUSBフラッシュドライブなどのデバイスをPCに接続してスキャンを開始します。対応が可能なのは軽度の論理障害のみで、経年劣化を含む物理的なエラーには対応できず、状態が悪化する恐れがあるため、注意が必要です。大切なデータを保存している場合はデータ復旧専門業者に依頼することをおすすめします。
データ復旧専門業者に依頼する
CRCエラーが発生した場合、物理障害や重度の論理障害が原因である可能性が高いため、データ復旧業者に相談することが確実です。
データ復旧業者では、発生している症状を元にエンジニアによる正確な初期診断を行い、故障原因の特定が可能です。プロが対応するため、修復ツールでは対応できない障害でも、データ復旧に失敗するリスクを抑えることができます。
もし絶対に取り出したい大事なデータがあれば、確かな技術力を持つ業者に依頼することをおすすめします。
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よくある質問
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数41万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。