次のような症状に心当たりはありませんか?
- 突然パソコンの電源が入らなくなった
- ファンや内部から異音がする
- 焦げ臭いにおいが漂ってくる
これらの症状が見られる場合、多くは電源ユニット(PSU)の故障が原因と考えられます。電源が不安定になると、最悪の場合パソコン内部のパーツにも深刻なダメージが及び、取り返しのつかないトラブルに発展する恐れがあります。
大切なデータを守るためには、PSUの状態を正しく見極め、適切な対処を迅速に行うことが不可欠です。本記事では、PSUの故障を見分けるポイント、具体的な診断方法と安全な対応策、そして注意すべき落とし穴について、専門家の視点でわかりやすく解説します。
自力での判断が難しい場合でもご安心ください。私たちは24時間365日体制で無料診断を行っています。パソコンのトラブルにお困りの方は、今すぐお気軽にご相談ください。
目次
電源ユニット(PSU)の故障原因
電源ユニットが故障すると、パソコンが起動しなくなったり、再起動を繰り返したりといった深刻なトラブルが発生します。以下のような症状が見られる場合、電源ユニットの不具合が疑われます。
特にPSUは、故障の兆候を見逃すとマザーボードやHDDなど他の重要パーツにも影響を及ぼす可能性があります。次のような原因に注意が必要です。
経年劣化・コンデンサ不良
電源ユニットは内部に電解コンデンサを多く使用しており、長期間の使用によりこれらが劣化すると電圧の安定性が失われ、正常に動作しなくなります。
過熱・冷却不良
ホコリの蓄積やファンの停止により排熱が不十分になると、PSU内部の回路が高温状態になり、部品の破損や寿命の短縮につながります。
電圧変動・雷・停電
落雷や停電などの急激な電圧変動は、電源ユニットに過剰な負荷を与え、ショートや破損を引き起こすことがあります。
過負荷・出力不足
グラフィックカードやHDDなどのパーツを増設すると、電源容量が不足することがあります。これにより安定した動作ができなくなり、電源が落ちる原因となります。
ケーブル断線・接続不良
電源ユニットの故障診断と対処法
ここでは、電源ユニットに不具合があるかどうかを見分ける診断手順と、その結果に応じた対処法を解説します。
主に以下の方法で確認・対応を行います。
電源ケーブル・接続の確認方法
まずは、最も基本的な確認から始めましょう。コンセントや電源ケーブル、マザーボードやHDDへの接続状況をチェックすることで、単純な接触不良を除外します。
- PC本体と電源ケーブルがしっかり接続されているか確認する
- 延長コードやタップではなく、壁のコンセントに直接挿してみる
- マザーボードやHDDへの24ピン・8ピンケーブルの差し込みを確認
放電処理の実施手順
内部に残った電気が誤作動の原因となることがあります。すべてのケーブルを外して放電処理を行うことで、正常に起動することもあります。
- PCの電源を完全に切り、すべてのケーブルを外す
- 電源ボタンを30秒以上長押しする
- 再びケーブルを接続して、起動を試みる
最小構成での起動確認方法
周辺機器や拡張カードを一旦すべて取り外し、CPU、メモリ、マザーボード、電源だけの構成で起動することで、他のパーツが原因かどうかを切り分けます。
- グラフィックカードやHDDなど、追加パーツをすべて外す
- CPU、マザーボード、電源、1枚のメモリだけで構成
- 起動ボタンを押し、ファンやLEDの反応を確認する
ペーパークリップテストの実行手順
電源ユニット単体で動作確認を行う方法です。ショートさせる際は安全に十分注意してください。
- 電源を完全に切り、24ピンメインコネクタを抜く
- 緑(PS_ON)と黒(COM)のピンをペーパークリップで接続
- 電源スイッチを入れ、ファンが回るか確認
電源テスターを使用した診断手順
市販の電源テスターを使えば、電圧が正常かを正確にチェックできます。
- 電源テスターに24ピン・CPU用コネクタなどを接続
- 電源をONにし、電圧表示を確認(±5%以内が正常)
- 12V、5V、3.3Vそれぞれの値をチェック
電源ユニットの交換手順
診断結果によりPSUの故障が確定した場合は、同等または上位の電源ユニットへ交換を行います。
- PCの電源を完全に切り、全ケーブルを外す
- ケース内の固定ネジを外し、PSUを取り外す
- 新しいPSUを取り付け、各ケーブルを正しく接続
コンデンサ交換の方法(専門家向け)
膨らみや液漏れを起こしているコンデンサは、交換により修理できる可能性もあります。ただし、高度なはんだ技術と知識が必要なため、一般ユーザーにはおすすめしません。
- 該当のコンデンサのスペック(電圧・容量)を確認
- はんだごてを使って故障したコンデンサを取り外す
- 新品のコンデンサを極性を合わせてはんだ付け
煙や異臭が出る、または内部部品が破損している場合は、速やかに使用を中止し、電源ユニットの交換を行ってください。自力での復旧が難しい場合は、無理に作業せず、信頼できる修理業者への相談を推奨します。
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よくある質問
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。