パソコン起動時、「Inaccessible Boot Device」というエラーが表示され、操作できなる場合、何らかの原因により、Windowsが正常に起動しなくなっていると考えられます。
起動するたび、このようなエラーが発生すると、まともに作業ができないため、お困りの方も多いことでしょう。この記事では「Inaccessible Boot Device」というエラーが表示される原因や対処法を解説します。
目次
Inaccessible Boot Deviceと表示される原因
「Inaccessible Boot Device」は、PCの起動時(Windows起動時)に発生するエラーです。このエラーが起きている場合、次のようなトラブルが起きていると考えられます。
Windowsのアップデートにより不具合が起きている
Windows10から11にアップデートした後に、再起動を行うと、Windowsが立ち上がらず、このエラーが発生することがあります。
これは、アップデートしたファイルに何らかのバグが起きている可能性が高いため、直近でアップデート・更新したプログラムをアンインストールするようにしましょう。
MBRやシステムファイルが破損している
MBRとは、Windowsが搭載されているHDDを起動するためのプログラムです。ここが破損すると、BIOSが起動しても、Windowsを起動することは出来ません。ただ、MBR自体は、OSの修復ツールをおこなうことで、改善できる場合があります。
「No bootable device」と表示された時の対処法はこちら
BIOSに問題が発生している
通常のパソコンは、BIOS→ハードウェア→Windowsの順に起動します。しかし、何らかの理由でBIOSが破損していると、USBメモリや外付けHDDなど別のハードウェアから起動するように設定が変更されるようになり、Windowは正常に起動することはできません。
「operating system not found」と表示された時の対処法はこちら
内蔵ストレージ(HDD/SSD)に物理障害が起きている
内蔵HDD/SSDに物理的衝撃が加わったり、経年劣化を起こしていると「Inaccessible Boot Device」というエラーが発生することがあります。
特にHDDの場合、内部の部品が破損すると「カチカチ、ギギギ、ガガガ、カカッカカッ」など、今までしなかった音がすることがあります。このような状態で何度も電源を入れ直すと確実に故障が進み、最悪の場合、HDDのデータ記録面(プラッタ)に傷が入ってしまい完全にデータを読み出せなくなる恐れがあります。
物理障害を起こしたHDDは、クリーンルームという専門設備で開封・部品交換する必要がありますが、これは個人での対応が難しく、不要に操作すると、HDDが完全に破損してしまう恐れがあります。確実にデータを取り出したい場合は、個人でのデータ対応は控え、データ復旧の専門業者まで相談することをおすすめします。
Inaccessible Boot Deviceと表示された際の注意点
注意点を確認せずに対処を行うと、誤った操作により障害を悪化させデータを失ってしまう可能性があります。 データ復旧は一発勝負とも言われているため、必ず復旧前に以下の3点を確認しましょう。
- ①通電や繰り返しの電源ON/OFF
- ②OSの再インストール
- ③過度な強制終了
①通電や繰り返しの電源ON/OFF
新たな障害の発生や症状悪化につながります。
電源のON/OFFする瞬間は、HDDに大きな負荷がかかります。HDD内に物理的な破損がある場合はさらに障害を悪化させる危険があるため控えましょう。
また、通電を行っただけでもデータの読み込みは行われるため、データが上書きされてしまいデータが復旧が難しくなってしまう場合もございます。
②OSの再インストール
既存のデータが上書きされてしまいます。
OSの再インストール(リカバリー)を行うと既存のデータは上書きされてしまい消えてしまいます。上書きされてしまうとデータ復旧は難しくなってしまうのでOSの再インストールには注意が必要です。
③過度な強制終了
過度な強制終了はデータを失う危険性があります。
HDDは常にデータの読み書きを行っています。データを更新するためには複数のデータ情報を更新しなければなりませんが、 その更新が上手く行えない状態で強制的に終了してしまうとデータ消失につながります。
パソコンが起動しない原因と対処法は、以下の記事で詳しく解説しています。
Inaccessible Boot Deviceに対する個人で可能な対処法
Inaccessible Boot Deviceと表示されるときの個人で可能な対処法は次のとおりです。
外部機器をすべて取り外す
PCに次のデバイスを取り付けている場合は、すべて取り外しましょう。
- USBメモリ
- 外付けHDD
- マウス
- プリンター
BIOSの設定に問題がある場合、Windowsより先にこれらの外部機器を読み込むことで「Inaccessible Boot Device」エラーが起きている可能性があります。
「デバイスの準備ができていません」と表示された時の対処法はこちら
BIOS設定を確認・再設定する
BIOS(バイオス)は「Basic Input Output System」の略称で、パソコンに実装されている様々なシステムの基軸になるものです。原因でも述べたように、BIOSの設定に異常・不具合があると、パソコンは正常に起動しません。
ここでは次の対処法でBIOS設定を確認・再設定することが可能です。
起動順位の確認
ハードウェアが干渉したり、あるいは、何かのはずみでBIOS設定が変更されたりすると、起動優先順位が入れ替わり、Windowsが起動しなくなってしまいます。
BIOSの起動順位の確認は以下の通りです。
- 起動後「F2キー」を押す。
- 「BIOSセットアップユーティリティ」が起動したら、[←][→]キーで[Boot]に移る。
- 「Boot Device Priority」→「1st Boot Device」に移る。
- Windowsがインストールされているドライブを選択する。
SATAモードを「AHCIモード」に変更する
BIOSの設定における動作モードには、インテルの「IDEモード」とWestern Digitalの「AHCIモード」の2種類があります。
SATAコントローラは、デフォルトで「AHCIモード」になっていることが多いのですが、何らかの原因で「IDEモード」に変わっている場合、BIOSに異常が生じます。
「動作モード」を確認・変更する手順は次の通りです。
- 電源ボタンを押してPCを起動しましょう。
- PCの起動画面で「UEFI/BIOS起動キー」を押してUEFI/BIOSを起動しましょう。
- 「Advanced」を選択しましょう。
- 「SATA Configuration」を選択しましょう。
- 「SATA Mode Selection」を「AHCI」に変更しましょう。
- 保存して終了し、再起動しましょう。
「NTFS_FILE_SYSTEM」と表示された時の対処法はこちら
Windowsの回復環境を使用する
Windowsは、システムに発生したエラーを自動修復する機能がいくつか存在します。ここでは、その機能をつ紹介します。
スタートアップ修復
スタートアップ修復では、Windowsの起動を妨げている問題を診断・修復することが出来ます。
スタートアップ修復を行う手順は、次の通りです。
- 「詳細オプション」を選択しましょう。
- オプションの選択画面から「トラブルシューティング」を選択しましょう。
- 「詳細オプション」を選択しましょう。
- 「スタートアップ修復」を選択しましょう。
直近のアップデート・更新パッケージをアンインストールする
Windowsのアップデートにより、エラーが起きている場合は、直近でアップデートした更新パッケージをアンインストールすることで、エラーが解消される可能性があります。
アンインストール手順は、次のとおりです。
- 「詳細オプション」を選択しましょう。
- オプションの選択画面から「トラブルシューティング」を選択しましょう。
- トラブルシューティング画面の「詳細オプション」を選択しましょう。
- 「コマンドプロンプト」をクリックしましょう。
- コマンドプロンプトが起動したら、次のコマンドを入力してEnterキーを押しましょう。「Dism /Image:C: /Get-Packages」(Cの部分には、ドライブ名を入れましょう。)
- 更新パッケージがインストールした日付とともに表示されます。その際、該当の「更新パッケージのID」を控えておきましょう。
- 該当の更新パッケージに対し、次のコマンドを入力し、アンインストールしましょう。「dism.exe /image:c: /remove-package /PackageName:パッケージID」
- PCを再起動しましょう。
MBRの再構築を行う
MBRが破損している場合、再構築を行うことで、「Inaccessible Boot Device」エラーを解消できる可能性があります。
MBRの再構築を行う手順は以下の通りです。
- 「詳細オプション」を選択しましょう。
- オプションの選択画面から「トラブルシューティング」を選択しましょう。
- トラブルシューティング画面の「詳細オプション」を選択しましょう。
- 「コマンドプロンプト」をクリックしましょう。
- コマンドプロンプトが起動したら次のコマンドを入力してEnterキーを押しましょう。
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /scanos
bootrec /rebuildbcd - BIOS設定画面から起動順序を元に戻します。
- PCを再起動しましょう。
「Invalid system disk」と表示された時の対処法はこちら
システム復元を行う
復元ポイントが作成されている場合、「システムの復元」からシステムを復旧できる可能性があります。復元ポイントとは、パソコンのシステムを、以前保存したポイントまで差し戻す機能です。
ただし、システム復元では、データを復元することは出来ません。あくまでもシステムを復元し、変更された設定などを差し戻すための機能であることに留意しましょう。
システム復元を行う手順は、次の通りです。
- 「詳細オプション」を選択しましょう。
- オプションの選択画面から「トラブルシューティング」を選択しましょう。
- トラブルシューティング画面の「詳細オプション」を選択しましょう。
- 詳細オプション画面から「システム復元」を選択しましょう。
セーフモードでデバイスドライバを更新する
セーフモードとは、OSの機能を限定し、必要最小限のシステム環境でパソコンを起動する機能であり、「診断モード」とも呼ばれます。
セーフモードは「スタートアップ修復」の失敗画面から起動が可能ですが、セーフモードでも起動できない場合、パソコンに致命的な障害が起きていると考えられます。
このような場合、個人では対応できない上、むやみに起動しようとすると、パソコンが壊れてしまう恐れもあります。内部に残されたデータが必要な場合、私たちデータ復旧の専門家までご相談ください。
セーフモードを起動する手順は、次のとおりです。
- 「詳細オプション」を選択しましょう。
- オプションの選択画面から「トラブルシューティング」を選択しましょう。
- トラブルシューティング画面の「詳細オプション」を選択しましょう。
- 「詳細オプション」から「スタートアップ設定」を選択しましょう。
- 「スタートアップ設定」から「再起動」を行いましょう。
- キーボード上で「4」を選択し「4)セーフモードを有効にする」をクリックしましょう。
ドライバーの更新
デバイスドライバとは、パソコンに接続された周辺機器をコントロールするソフトウェアです。古いデバイスドライバのままだと、ブルースクリーンにおちいることがあるため、デバイスドライバは都度更新しておきましょう。
*デバイスドライバの更新方法*
1.セーフモードで起動後「デバイス マネージャー」と検索欄に入力します。
2.デバイス一覧から、更新するデバイスをダブルクリックします。
3.プロパディの「ドライバータブ」から「ドライバーの更新」を選択すると完了です。
データが必要な場合は、データ復旧の専門業者に相談する
ここまで、パソコンが正常に起動できない場合の対処法をご紹介しました。
これまでの対処方法は、ごく「軽度の論理障害」しか対応できず、「中高度の論理障害」あるいは「経年劣化を含む物理障害」には対応できませんでした。上記の方法でも問題が解決できなかった場合、内蔵ストレージに、より深刻な障害が発生している可能性が高いです。
特にパソコンの使用環境を整えても正常に動作しない、長年利用している、異音・異臭がする場合は、ご自身で対処できないほど障害が悪化してしまっているかもしれません。
PCの中に失いたくない大切なデータがあれば、データ復旧の専門業者に相談することを強くおすすめします。データ復旧業者では、復元ソフトでは対応できない物理障害や、重度の論理障害からのデータ復元・復旧が可能です。
データ復旧業者では、PCに発生している症状を元にエンジニアによる正確な初期診断を行い、故障原因の特定が可能です。プロが対応するため、データ復旧に失敗するリスクを抑えることができます。
デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで、無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
はじめてのデータ復旧業者は【技術力の高さ】で選ぶ
データトラブルの際、一番頼りになるのがデータ復旧業者です。しかし、初めてデータ復旧業者に依頼するとなると、どこに依頼したらいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
データ復旧業者を選ぶときの最大のポイントは、【技術力の高さ】です。
データ復旧は手術と同様、何度もできるものではありません。失敗してもやり直しがきくものではなく、繰り返すたびに復旧率が下がっていくので、最初の対応が復旧率を握るカギとなります。もし絶対に取り戻したい大切なデータがあれば、確かな技術力を持つ業者に依頼すべきでしょう。
技術力が高いデータ復旧業者を選ぶ3つのポイント
全国100社以上あるといわれるデータ復旧業者の中で技術力が高く、信頼できる業者を選ぶ3つのポイントを解説します。おさえておくべきポイントはこちらです。
- POINT:1 復旧実績や復旧率が数字で明記されている
- POINT:2 他社で復旧できなかった機器からも復旧実績がある
- POINT:3 復旧ラボを公開し、自社内に復旧設備を揃えている
POINT:1 復旧実績や復旧率が数字で明記されている
復旧実績や復旧率は、多くの場合、公式Webサイトで確認できます。特に実績が誰が見ても客観的に判断できる「数字」で明記されている企業は、信頼性が高いと言えます。
データ復旧業者の中には、明確な根拠数字を記載していないケースもあります。そのような業者は技術力を有していない可能性があるため、信頼できる業者とは言い難いです。
「国内最高レベル」など、曖昧な言葉のみで具体的な復旧実績について公開していない業者もあるため、過去の実績についてしっかり確認するようにしましょう。
POINT:2 他社で復旧できなかった機器からも復旧実績がある
「メーカーや他のデータ復旧業者で復旧できなかった機器から復旧実績がある業者」は技術力が高いと言えます。官公庁、国立大学法人、上場企業の復旧件数が多い業者も、信頼がおけます。
データ復旧は、機器の種類や障害の程度によって難易度が異なります。業者によって対応できる障害レベルにも差があるため、技術力の低い業者に依頼すると、復旧に失敗するリスクがあります。
他社で復旧できなかった機器でも復旧実績のある業者は、高難度の障害に対応している、技術レベルの高い業者と言えます。
POINT:3 復旧ラボを公開し、自社内に復旧設備を揃えている
データ復旧の業者の中には、自社で復旧作業を行なわず外注したり、自社内に専用設備を持たない業者も存在します。
そのような業者に依頼してしまうと、誤った処置が行われ、大切なデータを失う可能性があります。
復旧ラボを公開し、見学を受け付けている業者であれば、自社内できちんと復旧作業を行なっていることがわかるので安心です。
国内で復旧ラボを構えている業者は限られています。Webサイトの情報だけではわからないことも多く、実態を知るには直接ラボの様子を確認するのが一番安心です。
データ復旧は「デジタルデータリカバリー」にお任せください
当社はデータ復旧専門業者 14年連続データ復旧国内売上No.1(※)として多くのお客様に選ばれ続けています。そして技術力が高く、信頼できる業者を選ぶ3つのポイントをすべて満たしており、自信を持ってデータ復旧の作業をさせていただきます。
※データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと
※第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(集計期間:2007年~2020年)
- POINT:1 復旧実績や復旧率を数字で公開しています
- POINT:2 他社で復旧不可からも多数復旧に成功しています
- POINT:3 復旧ラボをすべて公開・自社内設備で復旧しています
POINT:1 復旧実績や復旧率を数字で公開しています
当社はデータ復旧国内トップクラスの実績を誇っており、復旧率最高値 95.2%(※1)の技術力をもって、あらゆるメディアからのデータ復旧に対応しています。また、官公庁や国立大学法人・上場企業を含めた、日本中のお客様のデータの復旧に対応しており、累計41万件以上のご相談実績(※2)があります。
しかし残念ながら、データ復旧業者の中には技術力が低いにも関わらず、「我々は高い技術力を持っています」など、明確な数字を出さずに曖昧な表現をしている復旧業者が多数あります。そのような復旧業者は、実績が少なかったり、社内に専用設備を持っていない可能性が高いため、注意しましょう。
当社では、「本当に技術力の高い会社であれば、復旧率で明確な根拠を示すべき」と考え、つちかった技術力に自信があるからこそ、復旧実績や復旧率を公開しています。
POINT:2 他社で復旧不可からも多数復旧に成功しています
当社では、同業他社では復旧不可能とされた機器のご相談も7,000件以上(※3)対応しており、重度障害からのデータ復旧に多数成功しています。
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当社は、他社様を上回る症例数を復旧しているからこそ、同業他社で復旧不可能な障害でも、当社で復旧が可能となっています。諦める前に、まずはご相談ください。
POINT:3 復旧ラボをすべて公開・自社内設備で復旧しています
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数41万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
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