イベントビューアに「Immersive Shell に関連する DistributedCOM エラー（イベントID 10016）」が繰り返し表示され、不安に感じていませんか？
このエラーは、Windowsの内部サービスがDCOMアクセス権限を持たない状態でCOMサーバーを起動しようとした際に発生します。特にImmersive ShellはスタートメニューやUWPアプリなどに関係するため、名前を見て驚かれる方も多いでしょう。
システム設定を誤るとWindowsのUI全体に影響する可能性もあるため、手順を慎重に確認する必要があります。
本記事では、このエラーの仕組みと、CLSIDやAPPIDの確認からDCOM設定まで、具体的な対処法をわかりやすく解説します。
繰り返しエラーが出て気になる方や、UI関連ファイルに不具合が発生している場合は、私たちデジタルデータリカバリーまでご相談ください。相談から初期診断まで24時間365日体制で無料でご案内しています。
目次
Immersive Shellエラーとは？内容と仕組み
Immersive Shellは、スタートメニューやUWPアプリなどの表示と連携するWindowsのシステムプロセスで、モダンUIの動作を支える重要なコンポーネントです。
このエラーは、COMサービスとして動作する際に、DCOM（Distributed Component Object Model）上の「ローカルアクティブ化」または「起動」の権限が不足している場合に記録されます。
適切なユーザー権限がないと、COMサービスが起動できず、イベントログにエラー10016が繰り返し記録されます。多くの場合は警告レベルのログで、実害はありませんが、環境によってはUI遅延や不具合の原因になることもあります。
Immersive Shellエラーの主な症状
このエラーは、Windowsの見た目や操作性に関係するImmersive Shellが正常に動作しない可能性を示唆するログです。以下のような症状がある場合は、対応が必要になるケースもあります。
- イベントビューアでイベントID 10016のエラーが頻発している
- スタートメニューや設定アプリの表示が遅い
- UWPアプリ（電卓など）の起動時にフリーズや応答遅延が発生する
- 仮想デスクトップや画面遷移時に一瞬固まる現象がある
- 再起動時に「アプリを閉じています」から進まない
Immersive Shellエラー（イベントID 10016）の原因
このエラーは、COMサーバーとして動作するImmersive Shellに対して、Windowsが正しいDCOMアクセス権限を付与できていないことが主な原因です。以下では、より詳細な構造的な原因を解説します。
DCOMアクセス許可の不足
Immersive Shellは、DCOMを通じて起動・アクティブ化される仕組みを持っています。LOCAL SERVICEやSYSTEMなどのユーザーに対して「ローカルからの起動とアクティブ化」が許可されていない場合、COMサーバーの起動がブロックされ、イベントID 10016が発生します。
レジストリ上の所有者と権限の不整合
CLSIDやAPPIDのレジストリキーの所有者がTrustedInstallerのままになっていると、アクセス権限の変更ができず、設定ミスが発生する原因となります。所有者をAdministratorsに変更してフルコントロールを付与する必要があります。
Windowsアップデート後の権限再構成
累積的なWindowsアップデートや機能更新によって、DCOM関連の構成が上書きされることがあり、以前付与されていた権限がリセットされてエラーが出るケースがあります。
システムプロセスとユーザー権限の競合
特定のCOMアプリケーションがSYSTEM権限で動作する場合、同一構成に一般ユーザーがアクセスしようとすると競合が生じ、結果的にサービスの起動が阻害されてしまうことがあります。
シェル関連データの破損による起動障害
Immersive Shellが保持するUI構成やUWPアプリのキャッシュに破損があると、DCOM（分散コンポーネント オブジェクト モデル）経由での起動プロセスが正常に完了せず、スタートメニューや設定画面が開かなくなるトラブルが発生することがあります。これにより、Windowsの基本操作が制限され、業務や作業に大きな支障をきたす恐れがあります。
このような不具合の背後には、スタートメニューの構成データやユーザープロファイルの破損が潜んでいる可能性があります。誤った手順でレジストリやシステムファイルに手を加えると、環境全体が不安定になり、最悪の場合はユーザーデータの消失につながります。安易な自己修復は避け、データ保護のためにも早めに専門業者への相談が求められます。
当社では、システム構成やUI関連の障害にも対応しており、相談から初期診断まで24時間365日無料でご案内しています。お気軽にご相談ください。
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Immersive Shellエラーを解決するための対処法
ここでは、Immersive ShellのDCOMエラー（イベントID 10016）を解消するために有効な対処法を、ステップごとに解説します。権限の扱いやレジストリ操作が含まれるため、操作に自信がない方は専門業者のサポートもご検討ください。
イベントビューアでCLSIDとAPPIDを確認
まず最初に、どのCOMオブジェクトがエラーを出しているのかを特定します。
- 「イベントビューア」を起動
- 「Windowsログ」→「システム」から、イベントID 10016のエラーを探す
- 該当エラーをダブルクリックし、「CLSID」と「APPID」をメモしておく
レジストリで該当キーの所有権を変更
次に、CLSIDおよびAPPIDのレジストリキーの権限を変更します。誤操作はシステム障害の原因になるため、慎重に行ってください。
- 「regedit」を管理者権限で起動
- 「HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{CLSID}」を開く
- 右クリック→「アクセス許可」→「詳細設定」で所有者を「Administrators」に変更
- 「フルコントロール」権限を付与
- APPIDも同様に設定する
コンポーネントサービスでDCOMアクセス許可を追加
レジストリ設定後、DCOM構成に対して正しいアクセス権限を付与します。
- 「dcomcnfg」を実行
- 「コンピュータ」→「マイコンピュータ」→「DCOMの構成」からImmersive Shellを選択
- 右クリック→「プロパティ」→「セキュリティ」タブへ
- 「起動とアクティブ化のアクセス許可」を「カスタマイズ」にし、該当ユーザー（例：LOCAL SERVICE）に「許可」を付与
専門業者に相談する
設定を誤ると、WindowsのUI全体に影響が出るリスクがあるため、操作に不安を感じる場合は無理に変更せず、早めに専門業者にご相談ください。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
