「PCのファンから異音がして、動作が鈍くなった」
このような場合、適切な対応を取ることで、ファンがうるさかったり、動作が鈍かったりするPCでもサクサクと動かせるようになるかもしれません。しかし、不適切な対応を取ると、誤ってデータを消失させたり、機器を破損させたりする恐れがあります。
記事内で対処法を確認したうえ、適切な対応をとるようにしましょう。この記事では、PCファンから異音がする原因をはじめ、それぞれの対処方法をご紹介していきます。
目次
PC(パソコン)ファンから生じる異音の種類
PC(パソコン)ファンの異音の種類は、主に次の通りです。なお、故障ではない音も含まれています。
- 「キュルキュル・ギュイーン・ブーン」(→CDなどを読み込む音)
- 「チー・キーン」(→PCに電流が流れた時の振動音)
- 「ジジジ」(→PCのシーク音)
- 「カラカラ」(→ファンがケーブル等に接触している)
- 「ジー・ブーン・ブオオ」(→ファンの冷却性能が低下している)
- 「カチカチ・カタカタ・キュルキュル」(→HDDが物理的に故障している)
下3つの異音は状態がよくない時に生じます。特に「カチカチ・カタカタ・キュルキュル」という異音が生じている場合、パソコンの内蔵HDDに深刻な障害が発生している可能性が高いことから、ただちに操作を控えてください。
「キュルキュル・ギュイーン・ブーン」(→CDなどを読み込む音)
パソコンにCDなどを挿入している時に、以上のような音が鳴ったら、CDなどの読み込み中であるサインです。
何かが回っているような低音は、CDやDVD等を読み込む光学ドライブの音。ファンが原因ではない可能性があります。CDやDVDが入りっぱなしになっていないかチェックしてみましょう。
CDの読み込みが遅い、正常に再生されないなどの問題がある場合は修理が必要になります。
「チー・キーン」(→PCに電流が流れた時の振動音)
高音で「チー」「キーン」といった音が鳴る時は、PC内部のコイルに電流が流れて振動している状態です。
これは「コイル鳴き」と呼ばれるもので、故障ではありませんが、古いパソコンで発生することがあります。約5年以上パソコンを使用している場合、保存データのバックアップを早めに取っておくことをお勧めします。
「ジジジ」(→PCのシーク音)
PCの動作中に「ジジジ」という小さい音が鳴ることがあります。これは「シーク音」と呼ばれ、HDDでデータが書き込まれている音です。
ただし、「ジジジ」という音が大きいと感じた場合、HDDの残りデータ容量を確認してみましょう。データの保存量が増えて、容量の限界が近づいている可能性があります。
HDDのデータ容量が残り少ない場合、不要なデータの消去やデフラグを行うと状態が改善される場合があります。
もしもPCのファンから聞こえる音が正常か異常かわからない場合、PCの動作や保存データに不具合が発生していないか確認し、データに異常がある場合、専門家に相談しましょう。
「カラカラ」(→ファンがケーブル等に接触している)
これはPC内部でファンが何かに接触している時にたてる音です。この異音を放置すると、ファンと接触しているケーブル、部品が破損する可能性があります。
「ジー・ブーン・ブオオ」(→ファンの冷却性能が低下している)
負荷のかかりやすいソフトウェアを使用していないにもかかわらず、PCから「ジー・ブーン・ブオオ」という音が聞こえる場合、PC内部にあるファンの性能が低下している可能性があります。
この場合、PCを分解し、内部のファンを掃除することで解決することもありますが、他の故障も想定されるほか、ノートPCだと分解の難易度が高いため、個人での対応は極力控えてください。
「カチカチ・カタカタ・キュルキュル」(→HDDが物理的に故障している)
PCに内蔵されているHDDが故障すると「カチカチ・カタカタ・キュルキュル」という異音が生じたり、重度のフリーズを起こしたりします。
これはデータを読み書きする針(磁気ヘッド)に異常がおこり、データを記録する円盤(プラッタ)ないし、ストッパーに接触しているときに生じるものです。
このような異音がPCから聞こえてくる場合、データを記録する円盤が傷ついている可能性があります。放置して使用を続けると、データ消去に繋がる危険が非常に高いと考えられます。ただちにPCの使用を控え、データが必要であればデータ復旧の専門家に相談しましょう。
異音が全くしない場合も注意
PCから異音が全くしない場合も注意する必要があります。
ファンの回転音やシーク音が鳴ることは、パソコンが正常に動作している証拠です。全く音が鳴らない場合はパソコンの内部の部品が壊れている可能性があります。
また、パソコンの内蔵ストレージ(HDDやSSDなど)にも注意が必要です。
パソコンの内蔵SSDは故障しても音が鳴ることはありません。中にはHDDとSSDの両方を搭載しているノートパソコンがありますが、ファンやHDDが正常に稼働していてもSSDに障害が発生していたり、両方に障害が発生している場合もあります。
特にSSDの障害は早めに気づくことが困難です。ファンから異音がしていると同時に、何かしらのデータトラブルも発生している可能性もあります。大切なデータがPCに保存されている場合はデータ復旧の専門家まで相談してみましょう。
PC(パソコン)ファンから異音がする原因
PCは精密な機器であり、高温の状態が続くと、ファンから異音がするほか、再起動やフリーズなどのトラブルが発生しやすくなります。PCが高温になる、またはファンから異音がする原因は、おもに次の5つです。
このうち「フリーズして開けない」などの症状がみられる、または「5年以上使用している」といった場合、内蔵HDD/SSDに物理障害が発生している可能性が高いです。
このような状態だと、自力での修復・データ復元は困難です。無理に自力での修復を試みると、障害を悪化させ、データを完全に消失させてしまうリスクもありますので、安全にデータ復旧を行いたい場合、データ復旧の専門業者まで対応を検討するようにしましょう。
ファン自体が故障している(経年劣化・物理的な故障)
ファンが経年劣化を起こし、物理的に故障していると。排熱処理が正常に行われず、異音がする場合があります。すでに購入から5年以上経過しているなどの場合は、ファンの経年劣化も可能性のひとつとして想定しておきましょう。
PC内部にホコリや熱がたまっている
PCの通気フィルター、CPUクーラーファン、ヒートシンクにホコリが詰まっていると、排熱処理が正常に行われず、ファンがうるさくなることがあります。
この場合、掃除するだけでCPUの作動温度が下がり、CPU使用率も低下することもあるため、定期的な掃除はこまめに行いましょう。なお、ノートPCで排熱口に異物があると内部に熱がこもり、ファンが異常な動作を起こす場合がありますので、必ず冷却口を開放し、PCの環境を整備しておきましょう。
動作の重いソフトを使用している
動画編集やゲームなど負荷のかかりやすいソフトウェアを使用している場合、PC内部に熱がこもりやすく、ファンの音がうるさくなることがあります。
ただし、通常どおりの使用で、ファンの音がうるさくなっている場合、排熱パーツの経年劣化やホコリの蓄積などが考えられますので、正しく原因を切り分けましょう。
CPUを冷やすヒートシンクが故障している
PCの熱を逃がすヒートシンクが故障していると、CPUに熱がこもり、ファンがうるさくなる原因になります。この場合、PCの筐体を解体し、ヒートシンクを交換することで問題を解消することができます。
HDDが物理的に故障している
HDDから「カリカリ」「ジージー」という小さい音が聞こえることがありますが、これはデータの読み書きを行うときに発生する「シーク音」と呼ばれるもので、正常な状態です。
しかし、ファンがうるさく、同時に「カチカチ」と何かに接触する音が発生している場合、HDDが物理的に故障している可能性があります。理由として、HDDは熱に弱く、熱のこもりやすい環境でPCを使用していると、寿命も比例して縮んでしまうからです。その他、物理障害を起こす原因として 「落下などによる物理的な衝撃」などが考えられます。
HDDはナノ単位で動作する精密機器で、わずかなチリや傷が付着するだけで読み書きが不可能になってしまうため、物理障害を起こしたHDDからデータ復旧するには、次のようなものが必要不可欠となります。
- 精密機器を安全に開封・部品交換するためのクリーンルーム
- 膨大なデータ復旧件数に裏打ちされた解析技術
もし物理障害が発生したHDDで「安全かつ最速でデータを復旧したい」場合、自力で対処せず、信頼できるデータ復旧サービスに相談することをおすすめします。
ただし、お持ちの機器がデータ復旧できるか、料金はいくらかかるのか、すぐに復旧できるのかなどの判断はデータ復旧業者に相談しなければわかりません。データ復旧を検討しているのであれば、まずは相談してみることをおすすめします。
デジタルデータリカバリーでは「電話」および「メール」で、24時間365日相談を受け付けています。
PC(パソコン)ファンから異音がする時にやってはいけないこと
PCファンから異音がする時にやってはいけないことは次の3つです。
原因が分からない状態でPCを分解する
PCから異音がするからといって安易にPCを分解することは控えましょう。PCの分解には一定レベルのリテラシーが求められます。無理に分解を試みるとかえって故障を悪化させてしまうことが多くあります。ご自身での作業が不安な方は専門の業者に相談しましょう。
ファンがうるさい状態で使い続ける
PCのファンから異音がする時、そのまま使用を続けると、状態を悪化させる危険があります。また、電源のON/OFFや再起動も、PCに負担がかかってしまいます。PCから異音がする際は、故障の症状を深刻化させない為にも、通電は最小限にとどめましょう。
水滴がつきやすいものでPCを冷却する
異音発生時、PCを冷却することで改善されることがありますが、水滴が付着しやすい保冷剤などを使うと状態が悪化する恐れがあります。冷却するときは、基本的に空調まわりの調整にとどめておきましょう。
もしも保冷剤を使用してPCがひどく濡れてしまった場合、PCがショートしたり、保冷剤に含まれていた不純物がHDDを傷つけてしまう可能性があります。PCが濡れたら電源を切り、濡らして固く絞った布でくるんでいただき、ビニール袋などで密閉してください。
水没したPCの対処法に関して詳しくはこちらでも解説しています。
PC(パソコン)ファンから異音が聞こえた場合の対処方法
PCファンから異音が聞こえた場合の対処方法は、おもに次の5つです。
ただし、自力での対処で問題が解決されない場合、深刻な障害がPCに生じている可能性があります。
この場合、自力で分解を試したり、通電操作をおこなったりすると、さらなる状態の悪化を招く恐れがありますので、データの要不要に応じ、適切な専門業者まで対応を依頼することをおすすめします。
ファン周りの掃除をしてエアフローをよくする
PCは冷却ファンを使い、熱を外へ排出させています。この過程で、PCの内部にはホコリが溜まりやすく、CPUファン、マザーボード、メモリなどにホコリが溜まってしまうと、正常な放熱が行われず、パフォーマンスの低下を招く可能性があります。
デスクトップPCの場合、ケースを開封し、CPUファンやケーブル周りのホコリの掃除を行いましょう。ただし、ノートPCは自力での分解が難しいため、できるかぎり解体作業は控えましょう。また、掃除の際は静電気に注意して、感電やショートに気をつけてください。
冷却台を使用しPC本体を冷やす
ノートPCの場合、通気口(吸気口・排気口)が机に接触していると、熱がこもりやすく、ファンから異音が生じる原因となります。まず通気口の位置を把握し、熱がこもりやすい環境になっていないかを確認しましょう。最近はノートPCで熱がこもらないようにする、別売りの冷却台も発売されているので、一度チェックしておくことをおすすめします。
PCの再起動をする
PCから異音がする場合、CDやDVDを取り出して10度から35度の適切な環境で再起動してみましょう。特にPCが異常に熱い場合、熱暴走を起こしている可能性があります。電源を落とした後は30分以上放置してから起動しましょう。
ただし、「カチカチ」「カタカタ」「ギー」といった音がする場合、再起動を行うことでHDDが通電し、保存データが削除される可能性があります。上記の音が鳴っていたり、PCから異臭やフリーズといった異常が発生している場合は電源を落として専門家まで相談しましょう。
PCのデフラグで処理の負荷を減らす
HDDの容量が不足すると、異音が生じることがあります。この場合、デフラグを行うことで、処理の負荷を減らし、ファイルを読み込む手間が短くすることが出来ます。
デフラグ方法は、以下のとおりです。
- 検索ボックスに「デフラグ」と入力
- 検索結果ウィンドウにある「ドライブのデフラグと最適化」をクリック
- 接続されているHDDなどのドライブが一覧表示されるので「最適化」を実行
専門業者に対応を依頼する
上記の対処法で問題が解決しなかった場合、深刻な障害がハードウェア(HDD、CPU、マザーボード、ヒートシンク、メモリ)などに発生している可能性があります。
このような場合、データの要不要に応じて適切な専門業者に対応を依頼することをお勧めします。
メーカー・修理業者に相談する
たとえば「製造元のメーカーに修理依頼しよう」と考える方もいるかもしれませんが、メーカーでは故障したHDDを破棄し、対応するHDDの部品と交換して修理されます。したがって保存データは初期化される可能性が高いです。
初期不良や特に大切なデータがない場合は、メーカー・修理業者に相談しましょう。
データ復旧業者に相談する
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。