Chromebook(クロームブック)は、Googleが開発した独自OS「Chrome OS」を搭載しているPCです。
従来のPCと比較して安価な上、動作が早く、ビジネス面でもよく使われていますが、一般的にPCは消耗品であるため、「画面が真っ暗になった」「エラーメッセージが表示された」ということは珍しくありません。
またChromebookは、Windows搭載の修復ツールが利用できないため、故障時における一般的な対処法が使えないこともあります。この記事では、状況に合わせた具体的な対処方法と、Chromebookを対象とした、最も適切な復旧方法をご紹介します。
Chromebookが正常に起動しない状態を放置すると、完全にデータが消去される恐れがあります。適切な方法でデータを取り出すようにしましょう。
大切なデータが入っており、確実にデータを取り出したい方は自力での操作は控え、専門業者への相談をおすすめします。
目次
Chromebook(クロームブック)が起動しない原因
まずは起動しなくなってしまう原因から解説していきます。
Chromebook(クロームブック)が起動しない原因は、次の5つです。
液晶パネル・出力装置のトラブル
電源を入れても、メッセージすら表示されない場合、液晶パネルが故障している可能性があります。この場合、メーカーでの修理を受けることになりますが、修理交換時にHDDやSSDが初期化される可能性がありますので、注意してください。
電力不足
![電源装置](https://www.ino-inc.com/data_check/wp-content/uploads/2022/07/switch.jpg)
これはストレージ(HDD,SSD)以外に発生しているトラブルです。原因としては「ケーブルが断線している」「差込口が汚損している」「モニターやケーブルが劣化している」
「USBポートが破損している(外部接続機器が認識しない場合)」などが原因で、そもそも通電が困難な状況というわけです。
ただ、これらを改善しても、PCが正常に起動しない場合、OSが格納されているストレージ 部分(HDD・SSD)に後述する「物理障害」「論理障害」など深刻なデータ障害が発生している恐れがあります。
![PC(パソコン)の電源が落ちる場合の原因と対処法](https://www.ino-inc.com/data_check/wp-content/uploads/2022/05/pc25_01-320x180.jpg)
ハードウェア(モニター・メモリ・マザーボード)の破損
![マザーボード](https://www.ino-inc.com/data_check/wp-content/uploads/2022/07/mother.jpg)
「電源が入らない」「ビープ音が鳴る」「起動するがディスプレイがつかない」。このような場合、モニターやメモリ・マザーボードなどが破損している恐れがあります。
これらは起動や画面出力にかかわるパーツであり、修理・交換すると、元どおり起動することが可能ですが、場合によっては、機器そのものが交換され、データが初期化されてしまう恐れがあるため、この点については修理業者に依頼時、よく注意してください。
論理障害(OSが破損している)
![システム破損](https://www.ino-inc.com/data_check/wp-content/uploads/2022/07/system.jpg)
これはパソコンの起動にかかわるデータやプログラムが何らかの理由によって破損した状態で、「論理障害」とも呼ばれています。
論理障害は「異音」など物理現象が起きないため、物理障害と比べると、故障の発見や発覚が遅れてしまうことがあります。 システムが破損する原因としては「データ読み書き中の強制終了」「ユーザー自身の誤操作によるデータ消去・初期化」「OSのアップデートエラー」などを挙げることができます。
特に、データを誤って削除した場合、PCの起動・通電だけでも、データの上書きが行われることがあります。上書きされたデータは、復旧できる可能性は著しく低くなってしまうで、注意しましょう。
この場合、エラーメッセージやブルースクリーンが表示されることが多くあります。たいていの場合は、「スタートアップ修復」「セーフモード起動」「初期化」で解消することも多いのですが、同時に物理障害も併発している可能性がありますので、自力で対処できない場合、正確な診断が必要となります。
物理障害(HDD/SSDが破損している)
![物理障害](https://www.ino-inc.com/data_check/wp-content/uploads/2022/07/HDDSSD.jpg)
Chromebookの内蔵ストレージは「高所からPCを落とす」「約5~10年使う(経年劣化)」「隋没した」などで物理的に故障します。この状態を「物理障害」と呼び、急なシャットダウンを繰り返すだけでなく、場合によっては、PCから異音がするなどの症状を引き起こします。
物理障害が疑われる場合、内部のデータを個人作業で取り出すのは非常に困難です。またHDDやSSDは精密機器のため、障害が発生した状態で再起動を繰り返すと、大きな負荷をかけてしまい、機器が完全に破損するなど取り返しのつかない事態につながりかねません。
「Chrome OSが存在しないか破損しています」と表示される場合
「Chrome OSが存在しないか破損しています」と表示される場合、文字どおりの意味でChrome OSが破損しているか、ストレージが故障している恐れがあります。
この場合、Chrome OSのリカバリーツールを使用して、OSを再インストールする必要があります。ただし、この方法を実行するとデータが完全に消失してしまうため、データが必要な場合、データ復旧の専門業者まで対応を依頼するようにしましょう。
ただし、業者によって技術力の差が激しく、中には「重度物理障害」のデータ復旧には対応していない業者もありますので、あらかじめ、信頼できるデータ復旧業者を選定しておきましょう。
Chromebook(クロームブック)が正常に起動しないときの対処法
Chromebook(クロームブック)が正常に起動しないときの対処法は次のとおりです。
まずは再起動する
一時的な不具合の場合は、再起動で対処できることがあります。ただし、再起動はシステム的なエラーを解消するのに役立ちますが、物理障害には対応することができません。繰り返しの再起動は、機器の状態悪化につながるので、極力控えるようにしましょう。
外部接続機器を外す
マウス、キーボード、プリンター、外付けHDDなどのデバイスが干渉すると、Chromebookが正しく起動しないことがあります。 一度、接続されている機器をすべて取り外してください。
新品のACアダプタを購入する
ACアダプタが劣化・断線していると、Chromebookは正しく起動しないことがあります。目視で破損が見られる場合は、ACアダプタを別のものに差し替えて起動してみましょう。
ここまでの対処法を実行しても画面が点かない場合は、以下の記事も参考にしてください。画面に何も表示されない場合の対処法について解説しています。
パソコンが真っ暗(黒い画面)で操作できない場合の対処法はこちら
リカバリする
エラーメッセージが表示され、正しく起動できないChromebookは、リカバリを行うことで対処できる場合があります。なお、リカバリモードには下記の2種類があります。
- リカバリモードに移行する(オンラインの場合)
- リカバリメディアを使用する(オフラインの場合)
ただし、ここで紹介している対処法を行うと、ローカルのデータは削除されます。内部のデータを重視する際は、データ復旧の専門業者まで相談されることをおすすめします。
リカバリモードに移行する(オンライン)
Chromebookでエラーが発生していても、オンラインに接続できる場合は、リカバリモードに移行することで対応できることがあります。
- 接続されているデバイスをすべて取り外す。
- 「Esc」 +「更新キー」を押した状態で「電源ボタン」を押す→放す。
- 「インターネット接続を使用して復元します」を選択する
リカバリモードに移行する(オフライン)
![Chromebook の識別](https://www.ino-inc.com/data_check/pc/images/chrome/image9.png)
オフラインの場合、上記の方法では「インターネット接続を使用して復元します」が表示されません。よって、アナログな方法になりますが、正常に動作する別のパソコンから「リカバリメディア」を準備し、Chromebookに直接インストールするという方法を取ります。
- chromeのウェブストアから「リカバリ拡張機能」をインストールします。
- リカバリするChromebook のモデル番号を直接入力します(エラーメッセージに記載されていることが多いです)
- リカバリメディアを「USBフラッシュメモリ」にインストールします。
- エラーが起きたChromebookに「USBフラッシュメモリ」を差し込み、「esc」「Refresh」「電源」を同時に押し続けます。すると、リカバリ画面が表示されるので、表示される指示に従ってください。
- スキャンが完了すると、自動的にリカバリが開始されます。(リカバリ中は、電源を付けたままにしてください)
ハードリセットを実行する
上記の対処法で解消できなかった場合、ハードリセットを行うと解決することがあります。ただし、ローカルフォルダのデータが消失する恐れがあるため、ハードリセットの実行はあまり推奨できません。
ハードリセットを行う方法は次のとおりです。
- 「更新」ボタンを長押し+「電源」を押す
- Chromebook が起動したら「更新」 を放す
下記の記事でもパソコンが立ち上がらない原因や対処方法について解説しているため、参考にしてください。
どうしても解決できない場合は専門業者に相談する
Chromebookは基本的に、クラウドにデータを保存する前提で設計されていますが、もしローカルフォルダに重要なデータを保存した状態で「起動しない」など故障した場合、どのようにデータを取り出せばいいのかとお困りの方もいるかもしれません。
上記の対処法で解決しない場合、PCの起動を優先する場合は「修理」を、保存されているデータを優先する場合は「データ復旧」を行いましょう。
Chromebook(クロームブック)が起動しない場合の注意点
注意点を確認せずに対処を行うと、誤った操作により障害を悪化させデータを失ってしまう可能性があります。 データ復旧は一発勝負とも言われているため、必ず復旧前に確認しましょう。
通電や繰り返しの電源ON/OFF
![](https://www.ino-inc.com/data_check/wp-content/uploads/2022/05/nng02.jpg)
電源のON/OFFする瞬間は、HDDに大きな負荷がかかりやすく、新たな障害の発生や症状悪化につながります。HDD内に物理的な破損がある場合はさらに障害を悪化させる危険があるため控えましょう。 また、通電を行っただけでもデータの読み込みは行われるため、データが上書きされてしまいデータが復旧が難しくなってしまう場合もございます。
OSの再インストール
![](https://www.ino-inc.com/data_check/wp-content/uploads/2022/05/nng01.jpg)
OSの再インストール(リカバリー)を行うと既存のデータは上書きされてしまい消えてしまいます。上書きされてしまうとデータ復旧は難しくなってしまうのでOSの再インストールには注意が必要です。
過度な強制終了
![](https://www.ino-inc.com/data_check/wp-content/uploads/2022/05/nng03.jpg)
過度な強制終了はデータを失う危険性があります。HDDは常にデータの読み書きを行っており、その更新が上手く行えない状態で強制終了してしまうとデータ消失につながります。
自力でのデータ修復
![](https://www.ino-inc.com/data_check/wp-content/uploads/2022/05/img-a.png)
修復を行うとデータが消えることがあります。Chromebookが故障した場合、WindowsやMacの修復ツールは使えないので、基本的にリカバリー(初期化)を試すことが多いです。
Chromebookのデータは、クラウドに保存される前提なので、修復(リセット)すると、基本的にローカルのデータは消失します。 そのためクラウドに必要なデータを保存せずにリカバリー(初期化)を試した場合は、データ復旧の専門業者まで相談されることをおすすめします。
データ復元ソフトを使用後にChromebookの状態が悪化した場合はこちら
メーカーに修復を依頼する
お使いのパソコンに不具合が発生した場合、メーカー保証期間の範囲内であれば、比較的安価で修理・交換を行うことができます。ただし、メーカーは修理を請け負いますが、データ復旧を行うわけではありません。データは、原則として全て初期化されてしまいます。
データを失っても構わず修理を行いたい方はこちら
メーカーやショップに修理依頼を出す前に、パソコン内に必要なデータがある場合は、データ復旧の専門業者に依頼することを検討しておきましょう。
データが必要な場合は、データ復旧の専門業者に相談する
Chromebookの中に失いたくない大切なデータがあれば、データ復旧の専門業者に相談することを強くおすすめします。データ復旧業者では、今回紹介した復元ソフトでは対応できない物理障害や、重度の論理障害からのデータ復元・復旧が可能です。
これまでの対処方法は、ごく「軽度の論理障害」しか対応できず、「中高度の論理障害」あるいは「経年劣化を含む物理障害」には対応できませんでした。
データ復旧業者では、PCに発生している症状を元にエンジニアによる正確な初期診断を行い、故障原因の特定が可能です。プロが対応するため、データ復旧に失敗するリスクを抑えることができます。
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よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数41万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。