Windowsのエラー対処法を調べていると「CHKDSK /Fを実行しましょう」「/Rオプションも付けて検査しましょう」といった情報を目にし、実行しても大丈夫なのか、/Fと/Rのどちらを使うべきか不安になっていませんか?
CHKDSK /Fと/Rは、どちらもディスクのエラーをチェック・修復するための便利なコマンドですが、実際には役割や動き方が異なり、状態によっては実行することで障害を悪化させてしまうケースもあります。特に、HDDやSSDに物理的なトラブルが起きている場合に不用意にCHKDSKをかけると、データが消えてしまうリスクがあります。
本記事では、データ復旧の専門家の視点から、CHKDSK /FとCHKDSK /Rの違いと注意点、そしてデータを守るために知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
こうした状況の中で、対応に迷う方や安全に進めたい方も多いはずです。
次のどれか一つでも当てはまる方は、一度専門家に相談することをおすすめします。
- 大切なデータを失いたくないと感じている
- 自分だけの判断で進めるのが不安に感じる
- どこから手をつければよいか迷っている
- 安全に進めたい、確実に状況を知りたい
当社では、24時間365日、初期診断とご相談を無料で承っています。不安を感じた時点でお気軽にご連絡ください。
目次
CHKDSK /F /R コマンドの基本知識
CHKDSKとは「Check Disk」の略で、Windowsに備わっているエラーチェック用のコマンドです。ファイルの記録状態やディスクの問題を確認・修復するための基本的なツールで、軽度なトラブルのときに使われます。
/Fオプションの意味
/Rオプションの意味
/Rオプションは、HDDの中で壊れている部分(不良セクタ)を探し、まだ読めるデータを安全な場所へ移す処理を行います。不良セクタとは、ディスクの傷や経年劣化などで正常に読み取れなくなった領域のことです。
また、/Rには/Fの機能も含まれているため、ファイルシステムの修復と不良セクタのチェックを同時に行えます。ただし、ディスク全体をくまなく検査するため、完了までにかなりの時間がかかる場合があります。
/Fと/Rの違い
CHKDSKには複数のオプションがありますが、/Fと/Rの違いは主に「修正する範囲」と「処理時間」にあります。
| コマンド | 主な役割 | チェックする場所 | かかる時間 | データへの影響 |
|---|---|---|---|---|
| CHKDSK /F | ファイルの記録ルールの乱れを直す | ファイルの並びや保存ルール(MFTなど) | 比較的早い(数分〜) | 基本的に影響なし。ただし重い破損があると例外あり |
| CHKDSK /R | 壊れた部分(不良セクタ)を探して修復 | ハードディスク全体を細かくチェック | 長時間かかる(数時間以上) | 壊れた場所にあるデータが消える可能性がある |
Windowsの「chkdsk」で使える全オプション
「/f」「/r」「/x」などの修復系パラメータはディスク内容を変更するため、誤った操作はデータ損失を招く恐れがあります。
そこで、各オプションの機能と対応ファイルシステムを表にまとめました。
| パラメータ | 説明 | 対象ファイル システム |
|---|---|---|
| <volume> | ドライブ文字(コロン付き)、マウントポイント、またはボリューム名を指定します。 | 共通 |
| [<path>]<filename> | FAT/FAT32のみ。chkdskで断片化をチェックするファイルまたはファイル・セットを指定します。ワイルドカード ? および * 使用可能。 | FAT/FAT32 |
| /f | ディスク上のエラーを修正します。 | 共通 |
| /v | チェック中、すべてのディレクトリ内の各ファイル名を表示します。 | 共通 |
| /r | 不良セクターを特定し、読み取り可能な情報を回復します。/fの機能を含みます。 | 共通 |
| /x | 必要に応じてボリュームを強制的にマウント解除します。/fの機能を含みます。 | 共通 |
| /i | NTFSのみ。インデックスエントリのチェックを簡略化し、処理時間を短縮します。 | NTFS |
| /c | NTFSのみ。フォルダー構造のサイクルチェックを省略し、実行時間を短縮します。 | NTFS |
| /l[:<size>] | NTFSのみ。ログファイルサイズを変更。sizeを省略すると現在のサイズを表示します。 | NTFS |
| /b | NTFSのみ。不適切なクラスターリストをクリアし再スキャン。/rの機能を含みます。 | NTFS |
| /scan | NTFSのみ。オンラインスキャンを実行します。 | NTFS |
| /forceofflinefix | NTFSのみ(/scanと併用)。オンライン修復をスキップし、検出欠陥をオフライン修復キューに登録します。 | NTFS |
| /perf | NTFSのみ(/scanと併用)。システムリソースを多く使用し、スキャンを高速化します。 | NTFS |
| /spotfix | NTFSのみ。ボリューム上でスポット修正を実行します。 | NTFS |
| /sdcleanup | NTFSのみ。不要なセキュリティ記述子データを削除します(/fを意味します)。 | NTFS |
| /offlinescanandfix | オフラインスキャンを実行し、ボリュームの修正を行います。 | 共通 |
| /freeorphanedchains | FAT/FAT32/exFATのみ。孤立したクラスターを解放します。 | FAT/FAT32/exFAT |
| /markclean | FAT/FAT32/exFATのみ。破損がなければボリュームをクリーンとしてマークします。 | FAT/FAT32/exFAT |
| /? | コマンド プロンプトにヘルプを表示します。 | 共通 |
- 適用対象: Windows Server 2025 / 2022 / 2019 / 2016、Windows 11 / 10、Azure Local 2311.2以降
- 補足: Chkdskはローカルディスク専用で、ネットワーク経由のリダイレクトドライブには使用できません。管理者権限が必要で、中断は推奨されません。
CHKDSKを実行する前の注意点
「CHKDSK」は便利なコマンドに見えますが、実行する前に慎重になる必要があります。特にHDDやSSDに異常がある状態で使うと、かえって状態を悪化させてしまう可能性があります。
たとえば、パソコンが突然フリーズした、異音がする、データが一部消えているといった症状があるときにCHKDSKを実行すると、重要なファイルが削除されたり、起動不能になることがあります。
見た目ではわからない内部トラブルも多いため、「とりあえず試す」操作は危険です。データが大切な場合は自己判断を避け、早めに専門のデータ復旧業者へ相談することが安全です。
当社では、相談から初期診断まで24時間365日無料でご案内しています。まずはお気軽にご相談ください。
CHKDSK /FとCHKDSK /Rの使い分け
どちらのコマンドを使うべきかは、ディスクの状態によって異なります。
/Fはファイルが開けない・アクセスできない場合
ファイルが開けない、エクスプローラーで「ファイルシステムのエラー」が表示される場合は、CHKDSK /Fを実行すると解決する可能性があります。
- 「Windowsキー + R」を押し、「cmd」と入力して管理者として実行。
- コマンドプロンプトで次のコマンドを入力し、Enterを押す。
chkdsk /F C:
- 「次回の再起動時に実行しますか?」と表示されたら「Y」を入力し、Enterを押す。
- PCを再起動すると、自動的にCHKDSKが実行される。
/Rはディスクの動作が遅い・エラーが頻発する場合
ハードディスクの動作が極端に遅くなったり、「不良セクタが検出されました」といった警告が出る場合は、CHKDSK /Rを実行して物理的なディスクの状態をチェックしましょう。
- 「Windowsキー + R」を押し、「cmd」と入力して管理者として実行。
- 次のコマンドを入力し、Enterを押す。
chkdsk /R C:
- 「次回の再起動時に実行しますか?」と表示されたら「Y」を入力し、Enterを押す。
- PCを再起動し、CHKDSKが完了するまで待つ(数時間かかることもある)。
CHKDSKの限界とリスク
CHKDSKは、軽度なエラーを自動で修正できる便利な機能ですが、すべてのトラブルに対応できるわけではありません。
たとえば、HDDから異音がする、認識されないといった物理的な故障には効果がなく、無理に実行するとデータが失われる可能性があります。また、修復中に壊れたファイルが削除されるリスクもあります。
ウイルス感染やパーティションの消失など、深刻な障害には対応できないため、無理な操作は避け、まず電源を切って専門業者に相談することが重要です。
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※1 期間:2011年1月以降
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この記事を書いた人

デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。









































