BitLockerで「保護の再開」をしようとした際に、「ウィザードの初期化に失敗しました」というエラーメッセージが表示され、操作がストップしてしまった経験はありませんか?
- 再起動後にBitLockerの保護を再開できず、エラーで止まる
- 「保護の再開」ウィザードが開かず、先に進めない
- TPMの初期化やブート構成の不一致が疑われる
こうした状態を自己判断で操作し続けると、OS起動に支障が出たり、暗号化されたデータへのアクセスが完全に失われる危険性があります。
このエラーは一見シンプルに見えますが、実際にはTPMの構成不整合やセキュアブート設定、システム更新後の影響など、複数の要因が複雑に絡み合って発生しています。原因に応じた適切な対応を行わなければ、問題は解消されません。
本記事では、「ウィザードの初期化に失敗しました」というBitLocker特有のエラーについて、よくある原因とその対処法をステップごとに詳しく解説しています。
復旧や設定に不安がある場合は、誤った操作でデータを失う前に、BitLocker対応の専門業者にご相談ください。当社では24時間365日、無料で状況の診断を承っています。
目次
BitLockerエラー「ウィザードの初期化に失敗しました」の原因
このエラーは、BitLockerが正しく動作するために必要な構成要素に問題がある場合に発生します。放置すると暗号化の解除・再開ができず、業務やデータ保護に支障をきたす恐れがあります。
もし原因が当てはまらない場合や、大切なデータがある場合は、専門業者に相談するのをおすすめします。

BCD(ブート構成データ)の不整合
BitLockerは起動時にブート構成データ(BCD)を参照します。このBCDに不整合があると、暗号化の保護を再開する際に「ウィザードの初期化に失敗しました」というエラーが表示されます。主に「bootmgr」や「memdiag」のdevice設定が不明(unknown)になっている場合に発生しやすく、コマンドプロンプトからの修正が必要です。
TPM(トラステッドプラットフォームモジュール)の異常
TPMはBitLockerの暗号鍵を安全に保管する役割を担っています。このTPMの状態が「無効」や「所有されていない」場合、保護の再開処理に失敗します。また、ドライバーの不一致や初期化が適切に行われていない場合も、TPM関連のエラーが生じます。
ストレージデバイスの故障
ストレージデバイスに障害が発生すると、BitLockerの保護情報と実際のシステム構成にズレが生じ、暗号化解除に必要な処理が正しく実行されなくなることがあります。とくにSSDやHDDに物理的な故障や不良セクタ(読み書きできない領域)があると、保護再開処理が失敗し、「ウィザードの初期化に失敗しました」といったエラーが表示されるケースがあります。
こうしたトラブルは、見た目には通常のアップデートや構成変更の影響にも見えるため、原因に気づかず誤った設定変更を行い、さらに状態を悪化させてしまうこともあります。ストレージに不調の兆候がある状態で無理に操作を続けると、システムが起動しなくなったり、暗号化されたデータにアクセスできなくなるリスクが高まります。大切なデータを守るためにも、異常を感じた時点で速やかに専門業者に相談するのが安全です。
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BitLockerエラーを解決する対処法
「ウィザードの初期化に失敗しました」というエラーは、主にブート構成データ(BCD)やTPMに起因するため、以下の手順で修復・確認を行うことで解決できる場合があります。順を追って、正しく実施していきましょう。
BCD構成の修正手順
最も多い原因が、BCDの構成不備です。以下の手順でブート構成を修正しましょう。
- 「管理者として実行」でコマンドプロンプトを開きます。
- 以下のコマンドを入力し、デバイスの状態を確認します。
bcdedit /enum {bootmgr}
bcdedit /enum {memdiag}
- 続けて、diskpartを起動してシステムパーティションを特定します。
diskpart
list volume
→ Systemラベルを確認後、exit
- システムパーティションがVolume 4だった場合:
bcdedit -set {bootmgr} device partition=\Device\HarddiskVolume4
bcdedit -set {memdiag} device partition=\Device\HarddiskVolume4
- 再度BitLockerの「保護の再開」を実行します。
TPMの状態確認と初期化
TPMの状態に問題があると、BitLockerの保護再開に失敗します。状態を確認し、必要に応じて初期化を行ってください。
- 「ファイル名を指定して実行」で
tpm.msc
を入力し、TPM管理ツールを開きます。 - TPMのステータスが「使用可能」かどうかを確認します。
- BIOSまたはUEFI設定画面でTPMが「有効」かどうか確認し、必要に応じて「TPMの初期化」または「クリア」を実行します。
システムの再起動とWindows Update
一時的な不整合が原因でエラーが出ている場合は、システムの再起動やWindows Updateの適用で解消することがあります。
- パソコンを再起動し、エラーが解消されるか確認します。
- Windows Updateを開き、未適用の更新がある場合はすべてインストールします。
- 更新後に再起動し、BitLockerの「保護の再開」を再試行します。
コマンドで保護の再開を実行する方法
GUI操作でエラーが解消しない場合は、コマンドラインから保護を再開できるか試してみましょう。
- コマンドプロンプト(管理者)を開きます。
- BitLockerの状態を確認します。
manage-bde -status
- 保護を再開するには、
manage-bde -resume C:
(C:は該当ドライブ)を実行します。
自力で解決できない場合は専門業者に相談を
BCD修正やTPMの設定を試してもエラーが解消しない場合や、誤操作が不安な方は、BitLocker対応の専門業者に相談することが最も安全な選択です。BitLockerエラーは、データ消失やPC起動不能といった重大なリスクに発展する恐れがあるため、早期の対処が重要です。
当社では、BitLocker暗号化状態でも対応可能な診断・復旧サービスを提供しています。初期診断・お見積りは無料、365日年中無休で24時間対応しています。トラブルに気付いた時点で、まずはお気軽にご相談ください。データを安全に守るための最適な解決策をご提案いたします。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。