通常のフォーマットでは修復できない物理的なディスク障害に直面したとき、
- 何度フォーマットしてもエラーが再発する
- ディスクの読み書き速度が極端に遅くなる
- 不良セクタの増加でOSから認識されない
このような深刻な状況に対して、「ロー・レベル・フォーマット(Low Level Format)」は、ディスク構造そのものを初期化する最終手段として用いられます。表面的なフォーマットとは異なり、セクタ単位でデータ構造を再構築するため、一部の物理障害を回避できる可能性があります。
ただし、誤った手順で実行するとディスクそのものが完全に使用不能になるリスクもあるため、慎重な判断が必要です。
本記事では、ロー・レベル・フォーマットの基本的な仕組みから、実施すべきタイミング、そして作業時の注意点まで、専門知識がない方にも理解できるよう丁寧に解説しています。
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目次
ロー・レベル・フォーマットを行う主な理由
ロー・レベル・フォーマットが必要とされる状況には、主に「ディスクの物理的な異常」や「確実なデータ消去」のニーズが背景にあります。以下にその代表的な原因を挙げます。
不良セクタの検出と隔離
物理的に読み書きできなくなったセクタがある場合、ロー・レベル・フォーマットを実施することで、それらの不良セクタを検出・隔離し、以降の使用時にOSがアクセスしないよう設定されます。
記録面のエラー・ファイルシステムの異常
クイックフォーマットでは修正できない物理層のエラーに対し、ロー・レベル・フォーマットは直接ディスクの全領域に書き込みを行うため、問題領域を除外し、健全な領域だけを再構成できます。
ディスクの安全な初期化・情報漏洩防止
ディスク全体にゼロや特定パターンのデータを書き込むため、過去のデータを復元されにくい形で完全に消去できます。個人情報や機密データの完全破棄にも利用されます。
再利用前のストレージのリフレッシュ
中古機器や長期使用後のメディアなど、状態を一度リセットして再使用したい場合に、「新品同様」に近づける処理として活用されます。
MBRやGPTなど管理領域の異常
ブートセクタやパーティション情報が破損している場合も、ロー・レベル・フォーマットにより、ディスク全体が初期化され、新しい構成で再利用可能となります。
ロー・レベル・フォーマットを使うべきケース
ロー・レベル・フォーマットは、通常のフォーマットでは解決できない物理層の問題にアプローチできるため、最終的な回復手段として効果的です。ただし、すべての状況で有効というわけではないため、適切な判断が必要です。
不良セクタが発生し始めたディスクへの対処
読み込みエラーやファイル破損が増えてきたHDD/SSDは、ロー・レベル・フォーマットで不良セクタの検出・隔離を行うことで、一部のエラーは回避できます。
- 対象ディスクをUSBなどで接続し、フリーのロー・レベル・フォーマットツールを起動
- ゼロフィルモードを選択して書き込み検査を開始
- 不良セクタが検出された場合、自動的に除外処理される
データ消去とディスク健全性の検査を同時に行いたい場合
情報漏洩防止と物理障害チェックを1回の作業で済ませたいときに有効です。
- 全データが消去されるため、事前にバックアップを必ず実施
- 処理時間は大容量メディアほど長くなる(数時間〜十数時間)
- 完了後は新たに論理フォーマットを実施して使用開始
通常フォーマット・初期化で直らない異常への対処
OSインストール失敗や、ファイルシステムのエラーが繰り返される場合、物理的な異常が疑われます。
- 初期化に失敗するディスクに対し、ロー・レベル・フォーマットを実行
- MBRやパーティション情報を削除し、全領域を初期状態に戻す
- 完了後、改めてパーティション作成・OSインストールを行う
MBR/GPT障害・管理領域破損の修復
ディスクがOSから認識されない場合、MBRやGPT破損の可能性があり、完全初期化でリセットできる場合があります。
- 通常のパーティション削除では修復できないため、物理層からの初期化を実施
- 管理領域を含めた書き換えにより、再認識を促す
- 再フォーマット後、ディスクがOSに認識されれば成功
リユースや廃棄前のセキュアなデータ消去
再利用・譲渡・廃棄前に個人情報や業務データを完全消去したい場合、安全な方法として有効です。
- 全セクタにゼロまたはFFを書き込み、復元不能な状態にする
- NSA/DOD準拠の消去方式をサポートするツールも検討
- 処理完了後、外部復元ツールで内容確認テストを行うと安心
ロー・レベル・フォーマットは、ストレージの物理的な問題にアプローチできる貴重な手段ですが、処理には時間がかかり、すべてのデータが完全に失われます。そのため、誤操作や未保存の重要データには十分注意が必要です。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。