・Windows 10へのアップグレード中に「このツールを実行できません」と表示されて先に進めない
・エラーコード「0x80072f8f 0x20000」が表示され、理由も示されず処理が中断された
・Windows 7や8.1からアップグレードしたいが、方法がわからず足止めされている
このエラーは、Media Creation Toolやインストールアシスタントの実行時に、システムの互換性や証明書の期限、時刻設定の不整合などが原因で発生することが多く、
特にWindows 7/8.1環境でよく報告されるアップグレードトラブルのひとつです。
原因を特定せず何度も実行を繰り返すと、アップグレードに失敗するだけでなく、データ破損やシステムの不安定化を招くおそれもあるため、慎重な対応が必要です。
本記事では、「0x80072f8f 0x20000」エラーが表示される原因と、その状況に応じた具体的な対処法をわかりやすく解説します。
アップグレード対象のPCに重要なデータが残っている場合は、操作前にバックアップを取り、必要に応じて専門業者への相談もご検討ください。
目次
「0x80072f8f 0x20000|このツールを実行できません」が表示されるときの主な症状
「0x80072f8f 0x20000|このツールを実行できません」が表示されるときの主な症状は次の通りです。
- Windows 7や8.1環境でMedia Creation Toolを実行すると、すぐにエラーが出て停止する
- ツール起動後に「理由は不明ですが、このツールを実行できません」とだけ表示される
- エラーコード「0x80072f8f 0x20000」が表示され、処理が進まない
- Windowsの時刻設定がズレていたり、証明書エラーが発生していることがある
- セキュリティソフトやネットワークの影響でMicrosoftのサーバーと通信できない
同じ症状でも、原因はさまざまです。機器を正常に使用するには適切な対処法を実行する必要があります。状況を見誤り、適切でない対処法を実行してしまうと状況が悪化し、最悪2度と解決できなくなる可能性があります。
「0x80072f8f 0x20000|このツールを実行できません」が表示される原因は、見た目や使用感から判断できるようなもの(起動ランプ・異音など)だけではないため、自己判断では原因を見誤ってしまうケースが多いです。そのため正確な原因を把握し起動させるには知見を持った業者の診断を受ける必要があります。
当社では相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。ぜひ気軽にご相談ください。
エラー「0x80072f8f 0x20000」が発生する主な原因
このエラーは、システムのセキュリティ設定や通信環境が原因で、Media Creation ToolがMicrosoftサーバーに安全に接続できない場合に発生します。解決には複数の設定確認が必要です。
インターネット接続の不安定・遮断
通信が途中で遮断されたり、セキュリティソフトがブロックしていると、Microsoftのサーバーと接続できずエラーが発生します。
TLS 1.1/1.2が無効(特にWindows 7)
安全な通信を行うためのTLSが無効だと、Media Creation Toolがサーバーにアクセスできません。
日付と時刻設定の不一致
PCの時刻がずれているとセキュリティ証明書との整合性が取れず、TLSエラーにつながります。
管理者権限で実行していない
Media Creation Toolは一部システム操作を行うため、管理者として実行しないとエラーになります。
Windows Updateサービスの異常
Media Creation Toolは内部でUpdateサービスを利用しており、これが停止または無効だと実行に失敗します。
システム要件を満たしていない
PCがWindows 10の動作要件を満たしていない場合、このツールは正常に動作しません。
エラー「0x80072f8f 0x20000」の対処法
以下の方法を順に試すことで、多くのケースでエラーを解消できます。Windows 7など古いOSを使用している場合は特にTLS設定に注意してください。
TLS 1.1/1.2を有効にする方法(Windows 7/8)
TLS(暗号化通信プロトコル)が無効な場合、Microsoftのサーバーと安全な通信ができません。
- 「スタート」→「regedit」と入力しレジストリエディタを開く
- 以下のキーを追加(なければ作成):
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecurityProviders\SCHANNEL\Protocols\TLS 1.1\Client
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecurityProviders\SCHANNEL\Protocols\TLS 1.2\Client
- それぞれに「DWORD値:DisabledByDefault=0」と「Enabled=1」を設定
- PCを再起動
インターネット接続とセキュリティソフトの確認
安定した回線を使用し、セキュリティソフトやファイアウォールによるブロックを回避してください。
- 有線LANまたは高速なWi-Fiを使用
- ウイルス対策ソフトやファイアウォールを一時的に停止
- プロキシやVPNの使用を停止し、直接通信できる状態にする
日付と時刻を正確に設定する方法
PCの時刻が大きくずれているとセキュリティ証明書がエラーになることがあります。
- 「コントロールパネル」→「日付と時刻」へ進む
- 「インターネット時刻」タブで「設定の変更」を選択
- 「インターネット時刻サーバーと同期する」にチェックを入れて「今すぐ更新」をクリック
管理者としてMedia Creation Toolを実行する方法
管理者権限でないと、システムに必要な処理が行えずエラーになります。
- MediaCreationTool.exeを右クリック
- 「管理者として実行」を選択
- ユーザーアカウント制御の確認が出たら「はい」を選択
Windows Updateサービスの確認・再起動
Media Creation Toolは一部処理でWindows Updateサービスを利用します。
- 「Win + R」で「services.msc」と入力しEnter
- 「Windows Update」「Background Intelligent Transfer Service」が「実行中」か確認
- 止まっている場合は右クリック→「開始」を選択
メディア作成ツールを再ダウンロードして実行
ツールが破損していたり古い場合は、公式サイトから再ダウンロードすることで改善されます。
- Microsoft公式サイトにアクセス
- Media Creation Toolを最新バージョンでダウンロード
- ダウンロード後は、必ず右クリックで「管理者として実行」