BitLockerを有効化しようとした際に「このPCのスタートアップオプションが正しく構成されていません」というエラーが表示され、暗号化が進まないケースがあります。この問題は、グループポリシーの設定ミスや、ブート構成の不整合、または企業ネットワークでの一括管理によって引き起こされます。
この記事では、エラーの原因とその具体的な対処法をわかりやすく解説します。
目次
このエラーが発生する主な原因
BitLockerのスタートアップオプションに関するエラーは、主に以下のような構成・設定の不一致によって発生します。
グループポリシー設定の競合や未設定
BitLockerのスタートアップオプション(PIN認証、TPMとの併用など)に関するポリシー設定が不完全または相反していると、構成エラーとして検出されます。
Active Directoryなど組織管理による制限
企業や団体のネットワークに接続されたPCでは、グループポリシーが一括管理されており、ローカル側での設定変更が制限されていることがあります。
ブート構成データ(BCD)の不整合
主な対処法
このエラーを解消するためには、まずグループポリシーの設定を見直し、必要に応じてBCDの修正を行う必要があります。組織内で管理されているPCの場合は、IT管理者に相談が必要です。
グループポリシー設定の確認・修正
スタートアップ時のBitLocker動作が正しく設定されているか、ローカルグループポリシーエディターから確認します。
- 「Windowsキー + R」で
gpedit.mscを入力し、Enter。 - 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windows コンポーネント」→「BitLocker ドライブ暗号化」→「オペレーティング システムのドライブ」に進む。
- 「スタートアップ時に追加の認証を要求する」をダブルクリック。
- 「有効」に設定し、「互換性のあるTPMが装備されていないBitLockerを許可する」にチェックを入れて「OK」をクリック。
- 他のBitLockerポリシー(PIN制限やTPM必須設定など)で矛盾がないか確認し、必要に応じて「未構成」に戻す。
- PCを再起動して設定を反映。
ブート構成データ(BCD)の修正
BCDが誤ったパーティションを指していると、BitLockerのスタートアップが構成できないことがあります。コマンドプロンプトから正しい構成に修正可能です。
- 「スタートメニュー」→「コマンドプロンプト(管理者)」を起動。
- 以下のコマンドを実行:
bcdedit -set {bootmgr} device partition=S:
bcdedit -set {memdiag} device partition=S:
※S: はブートパーティション(通常は「システムで予約済み」など)に置き換えてください。 - 必要に応じて休止状態の設定なども確認・修正。
- PCを再起動し、BitLockerの再構成を試みる。
組織管理PCの場合は管理者へ相談
企業や教育機関などのドメイン参加PCでは、グループポリシーがサーバー側で強制適用されています。この場合、設定の変更にはシステム管理者の対応が必要です。
- IT管理者にBitLockerの設定方針と制限内容を確認。
- ポリシーに沿った構成変更を依頼(特にPIN認証やTPM不要構成の可否)。
- 設定変更後、再起動のうえでBitLockerを有効化。
「BitLocker このPCのスタートアップオプションが正しく構成されていません」エラーは、グループポリシーの設定不備や競合、ブート構成データの誤り、または管理ポリシーによる制限によって発生します。まずはローカル設定を見直し、それでも解決しない場合は、システム管理者と連携しながら構成を整えてください。
設定変更後は必ずPCを再起動し、反映された状態でBitLockerを再度有効化することを忘れずに実施しましょう。
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この記事を書いた人

デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
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