BitLockerで暗号化されたドライブを解除しようとした際に、「ユーザー名またはパスワードが正しくありません」というエラーメッセージが表示され、アクセスできなくなるケースがあります。
この問題は、入力ミスだけでなく、システムの状態やドライブの設定によっても発生します。本記事では、エラーの原因を解説し、解除につながる具体的な対処法を紹介します。
目次
エラーの主な原因
「BitLocker ユーザー名またはパスワードが正しくありません」エラーは、パスワードのミスだけでなく、システム構成や入力環境による影響も大きく、以下のような原因が考えられます。
パスワードの入力ミス・キーボード設定の違い
BitLockerの入力画面はUSキーボード配列が初期状態のため、@や:など一部の記号の位置が異なり、誤入力につながることがあります。
CapsLockやNumLockの影響
大文字と小文字の区別があるパスワードでは、CapsLockがオンになっていると入力ミスになりやすく、NumLockが影響するケースもあります。
異なるドライブやアカウントの情報を使用
複数の暗号化ドライブやアカウントを使用している環境では、誤って別のパスワードや回復キーを入力している可能性があります。
システム変更によるBitLocker回復モード移行
Windowsアップデートやマザーボードの変更後などはBitLockerが回復モードに移行し、通常のパスワードでは解除できず回復キーが必要になります。
ドライブやBitLocker設定の不整合
主な対処法
以下の方法を順に試すことで、BitLockerの解除に成功する場合があります。まずは入力環境や回復キーの有無など、基本的な点から確認していきましょう。
キーボードのレイアウト・入力状態を確認
キーボード配列の違いで文字が正しく入力できていない可能性があります。スクリーンキーボードを利用して、画面上で正しいキー入力を行ってみてください。
パスワード・回復キーの再確認
思い当たるパスワードを再確認し、複数のキーを試してみましょう。回復キー(Microsoftアカウント、USB、紙、BEKファイル等)がある場合は、そちらの利用も検討してください。
ドライブと回復キーIDの一致を確認
複数の暗号化ドライブがある場合は、間違った回復キーを入力していないか確認しましょう。BitLockerの回復画面に表示される「キーID」と一致する回復キーを使用してください。
システムの再起動と外部機器の切断
一時的なシステムエラーでBitLockerが正しく動作していないこともあります。PCを再起動し、必要のないUSB機器や外部ストレージを外してから再度試みます。
コマンドプロンプトによる解除
BitLockerの通常画面で解除できない場合は、コマンドプロンプトから以下のコマンドを試してください。
manage-bde -unlock C: -rp <回復キー>manage-bde -protectors -disable C:
OSとBitLockerのバージョン互換性を確認
異なるWindowsバージョン間でBitLocker暗号化・解除を試みている場合、正常に動作しないことがあります。暗号化に使用したOSと同じバージョンで解除を試してください。
再フォーマットによる初期化(データ不要の場合)
データ復旧が不要で、解除が不可能な場合は、ドライブを再フォーマットすることでエラーを解消できます。ただし、この操作によりデータは完全に消去されます。
「BitLocker ユーザー名またはパスワードが正しくありません」エラーは、パスワードの入力ミスだけでなく、入力環境の違い、システムの構成や回復キーの不一致など、複数の要因が絡んでいます。まずは、キーボード設定やCapsLockの状態を確認し、仮想キーボードの使用や回復キーによる解除を試みましょう。
それでも解除できない場合は、コマンドプロンプトの活用やバージョンの見直し、最終的には再フォーマットによる初期化も視野に入れる必要があります。データが重要な場合は、無理に操作を続けず、早めに専門業者への相談をご検討ください。
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この記事を書いた人

デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計ご相談件数50万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。





































