Windowsのスタートアップとは、パソコン起動時に自動実行されるプログラム群を指し、セキュリティソフトなど、使用環境を整える役割を担います。しかし、
- 電源は入るがロゴ画面から進まない
- 「自動修復を準備しています」で停止
- 画面が真っ黒なまま反応しない
こうしたトラブルが発生すると、データ消失や復旧コスト増加のリスクが高まります。安易に初期化すると、大切なファイルが取り戻せなくなる可能性もあります。
本記事では、Windows 10が起動しない主な原因と、症状ごとの正しい対処法をデータ復旧の専門家が丁寧に解説。冷静な判断のための手順と知識をお伝えします。
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目次
Windowsがスタートアップ時に起動しない主な原因
Windows 10や11で起動が止まってしまう原因は、一見するとソフトウェア的な問題に見えますが、実は内部のハードウェア故障や構成のトラブルが影響していることも少なくありません。ここでは、代表的な原因を6つに分類し、それぞれの背景や特徴を詳しく解説します。
システムファイルの破損
Windowsの中核をなすシステムファイルが破損していると、起動時に必要な処理が実行できず、正常に立ち上がらなくなります。代表的な原因には、以下が挙げられます。
- 強制終了や電源断によるファイル断片化・破損
- Windows Updateの失敗
- ウイルスや不正なソフトウェアによる書き換え
こうした状態では、スタートアップ修復やコマンドプロンプトによる「sfc /scannow」などで復旧を試みることになりますが、重度の場合は再インストールが必要になることもあります。
ハードウェアの故障
パソコン内部の機器に物理的な不具合が発生している場合、OSの読み込み自体ができずに停止してしまいます。とくに以下のパーツに要注意です。
- HDD/SSD:異音やビジー状態、S.M.A.R.T.エラーなど
- メモリ:メモリエラーが起動時に重大な不具合を引き起こすことも
- 電源ユニット:電圧不足や不安定な電流供給で一時的な起動失敗を招く
特にHDD/SSDの物理障害は、データ消失を伴う重大なトラブルに発展しやすく、放置せず早急な診断が必要です。
ブートセクタの問題
Windowsの起動に必要な「MBR(マスターブートレコード)」や「EFI(Extensible Firmware Interface)」が壊れている場合、BIOSを抜けたあとに黒い画面のまま停止したり、ブートエラーが表示されます。主な原因は以下の通りです。
- 誤ったディスクの初期化・パーティション操作
- クローンソフトの操作ミス
- 不完全なOSインストールやマルウェア感染
このような場合、専用コマンド(bootrec)を用いた修復や、セキュアブートの設定見直しなどが必要になります。
ドライバーやソフトウェアの競合
新たに追加したドライバーやアプリケーションが、OSの起動プロセスと衝突してフリーズやブルースクリーンを招くケースです。特に以下のようなケースで注意が必要です。
- 古いデバイスのドライバーを使用している
- スタートアップに常駐するソフトが多すぎる
- 互換性がないまま更新プログラムを強制適用
安全モードでの起動に成功すれば、問題の切り分けと無効化が比較的容易になります。
ウイルス感染
悪意のあるプログラムが起動領域や重要なシステム構成を改ざんし、OSを起動不能にすることがあります。
- ブートキットによるMBR・EFIの改変
- セキュリティソフトの強制停止
- 自己複製型マルウェアによるファイル破損
感染が疑われる場合は、ネットワークから切り離した上で、ブートディスクからのウイルススキャンが必要です。
スタートアップフォルダの不具合
スタートアップに登録されているプログラムやサービスの中に、異常を引き起こすものがある場合、ログイン処理が途中で止まり、デスクトップが表示されなくなることがあります。
- アプリケーションの設定ファイル破損
- 存在しないパスの参照エラー
- 自動起動プログラムの多重起動による過負荷
一時的な回避策としては、セーフモードで起動してから、不要なスタートアップアプリの無効化が有効です。
このように、Windowsがスタートアップ時に起動しない原因には、ソフトウェア・ハードウェアを問わず多様な要素が関係しています。自己流での対処はさらなるトラブルを招く恐れがあるため、状況が深刻な場合やデータが重要な場合は、早めに専門業者への相談を検討してください。
その点、デジタルデータリカバリーでは、46万件以上の相談実績(期間:2011年1月以降)と、クリーンルームを備えた国内最大級の復旧ラボにより、多様な障害に迅速かつ的確に対応しています。一部復旧を含む復旧件数割合は91.5%(内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績)という高水準を維持しており、信頼性の高い復旧サービスを提供しています。
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スタートアップが起動しない時の対処法
ここでは、各原因に対応する具体的な対処法を説明します。手順に従って解決を試みてください。
システムファイルの修復
システムファイルが破損している場合、Windowsの回復環境(WinRE)を使用して修復を試みることができます。解決できなかった場合は重度の論理障害もしくは物理障害が生じている可能性が高いです。復旧したいデータがある場合は専門業者に相談することおすすめします。
- コンピュータを再起動し、起動時にF8キーを連打して回復オプションを表示します。
- 「スタートアップ修復」を選択し、自動的にシステムの修復を行います。
- これでも解決しない場合、コマンドプロンプトを開き、SFC /scannowを実行してシステムファイルの修復を試みます。
ハードウェアの診断
ハードウェアに問題があると、Windowsが起動できなかったり、パフォーマンスが著しく低下することがあります。
特にハードディスクやメモリの故障は、深刻なデータ損失を招く可能性があるため、早めに診断を行うことが重要です。以下の手順に従って、ハードウェアの診断を実施しましょう。
- コンピュータの電源を入れた直後、F12キーを数回押し、ブートメニューを表示します。
- ブートメニューが表示されたら、矢印キーを使用して「Diagnostics(診断)」オプションを選択し、Enterキーを押します。
- 「Pre-boot System Assessment(システムの事前診断)」が自動で開始され、メモリやハードディスク、グラフィックカードなどのハードウェアがチェックされます。これには数分かかる場合があります。
- 診断中、画面に異常が検出された場合は、エラーコードが表示されます。例えば、ハードディスクに問題がある場合は、「Error Code 2000-0142」といったコードが表示され、問題箇所を特定できます。
- もしも異常が検出された場合は、問題のあるハードウェアを交換する必要があります。ハードディスクやSSDに問題がある場合は、すぐに操作を中断し、データ復旧業者に依頼してデータを安全に取り出すことを強く推奨します。
ブートセクタの修復
ブートセクタとは、ハードディスクやSSDの最初のセクタに位置するデータで、OSの起動を開始するための重要な情報が含まれています。ブートセクタが破損していると、Windowsが正常に起動しなくなります。この問題は、主に突然の電源障害や不完全なシステム更新が原因です。以下の手順で、ブートセクタを修復することができます。
- まず、コンピュータを再起動し、Windows回復環境(WinRE)を起動します。これを行うには、起動時にF8キーを連打し、表示されるメニューから「トラブルシューティング」を選択します。その後、「詳細オプション」から「コマンドプロンプト」を選びます。
- 「コマンドプロンプト」が開いたら、次のコマンドを一つずつ順に入力してEnterキーを押します:
- bootrec /fixmbr – このコマンドは、マスターブートレコード(MBR)を修復します。MBRは、ディスクのパーティション情報を管理し、OS起動時に重要な役割を果たします。
- bootrec /fixboot – こちらは、ブートセクタ自体を修復し、破損した起動情報を上書きします。
- bootrec /rebuildbcd – これは、Windowsのブート構成データ(BCD)を再構築します。これにより、OSが正しく認識されるようになります。
- すべてのコマンドを実行したら、コマンドプロンプトを閉じてシステムを再起動します。これにより、ブートセクタが修復され、Windowsが正常に起動する可能性があります。
これらの手順でブートセクタを修復できない場合、物理的な障害や深刻なソフトウェアの問題が原因の可能性があります。この場合は、早急にデータ復旧の専門家に相談することをおすすめします。
ウイルスの除去
ウイルスが原因で起動できない場合、セーフモードで起動してウイルススキャンを行います。
- 電源を入れ、F8キーを押して「セーフモード」で起動します。
- ウイルス対策ソフトで完全スキャンを実行します。
- 検出されたウイルスやマルウェアを削除し、再起動します。
ドライバの更新・削除
ドライバが原因の場合、セーフモードで起動してドライバの更新または削除を行います。
- セーフモードで起動し、デバイスマネージャーを開きます。
- 問題のあるドライバを右クリックし、「更新」または「削除」を選択します。
- 再起動後に、ドライバを再インストールします。
スタートアップフォルダの修復
スタートアップフォルダが正常に動作しない場合、以下の方法で問題を修復します。
方法1:プログラムを再インストールする
スタートアップフォルダが機能しない原因となっているプログラムを再インストールすることで、問題を解決する場合があります。
- Cortanaの検索ボックスに「コントロールパネル」と入力し、メイン画面を開きます。
- 「プログラム」を選択し、「プログラムのアンインストール」をクリックします。
- 問題のあるプログラムを右クリックし、「アンインストール」を選択します。
- プログラムを再インストールし、エラーが解決されたか確認します。
方法2:レジストリの修正
スタートアップフォルダの問題が解決しない場合、レジストリエディタを使用して修正を行うことができます。
- 「Windows+R」キーを押し、「Regedit」と入力してレジストリエディタを起動します。
- 「Run」フォルダを探し、右クリックして「新規」→「文字列値」を選択します。
- 作成したファイルを右クリックし、「修正」を選び、起動時に実行したいプログラムのパスを追加します。
ここまでの対処法を試しても問題が解決しない場合や、機器自体が物理的に破損している可能性がある場合は、自力での修復は非常に困難です。特に重要なデータが保存されている場合、無理な操作は状況を悪化させる恐れがあるため、速やかにデータ復旧の専門業者に相談するのが最も安全な選択です。
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自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。