データが読み込めなくなったり、ファイルを削除してしまった場合
HDDの修理・復旧法手順
HDDの修理と復旧の鉄則は3つ

データが読み込めなくなったり、ファイルを削除してしまった場合、修理・復旧しようと原因を探してむやみにHDDをいじると、余計な故障の連鎖に繋がります。
特に物理障害は、個人で修理することはほぼ不可能です。論理障害も、複雑な障害の修理は専門知識を必要とします。
HDDの復旧は失敗すれば取り返しがつかないため、何度も作業を繰り返さず、自分でできないと感じたら素早く見切りをつけることが大切です。

この3原則を守り、最適な手段で復旧すれば、大体の場合HDDのデータはほぼ完全な状態で取り戻すことができます。
障害が発生したHDDはすぐに取り外して保護し、症状からどんな修理が必要なのかを見極める必要があります。

HDDは通電しない状態で安静に保存すれば、現状以上にデータが破損して読み込めなくなることはほぼありません。その状態で数年間の保存にも耐えるので、まずは障害発生時より被害を拡大しないため、すぐにパソコンの電源を落として取り外してください。
OSは起動しているあいだ、一見なにもしていなくてもリードライトを繰り返しています。
また再起動を繰り返す時、HDDに通電するたびに物理障害が拡大する可能性があるのです。
ハードディスクの修理とは
HDD(ハードディスク)の修理は、論理障害と物理障害で大きく異なります。
論理障害と物理障害
HDDの機能には問題がないが、データが破損している状態です。
修理は複雑で、比較的簡単な誤消去やフォーマットしてしまったHDDからのデータ復旧から、データ構造が破損してしまい断片化したデータからファイルを復旧する複雑な修復まで、さまざまです。
簡単な修理であれば、HDDをUSBで接続パソコンに繋ぐ機器を使用し、データ復旧ソフトから回復することができます。

しかし認識されるがデータが読み込めず、復旧ソフトでもデータが識別できないような複雑な障害が発生しているHDDでは、専用の解析ツールを使ってデータ構造の修復を試み、場合によってはセクタ単位からファイルをサルベージする必要があります。
その場合、何度も修復を試みてアクセスするとさらにデータが破損する可能性があるので、できるだけ早く専門業者に依頼したほうが良いでしょう。
HDDの基盤やモーター、磁気ヘッドなどのパーツの故障です。
落下や衝突などの外的要因によるほか、落雷などの天災や、経年劣化によるパーツ故障もあります。
物理障害の場合、プラッターが無事であれば、基本的にはパーツを交換することで内部のデータを読み出す事ができます。
しかしHDDのパーツは製造国や製造時期などによって異なり、数万種類以上と言われています。そのため、同じメーカーの同じ型番のHDDから単純にパーツを移植しても、合致しないケースが多々あります。

実は意外に多いのが、同時に両方の障害が発生しているケースです。
HDDの障害は、症状の見た目ではどちらの障害か区別がつきにくいものです。
ファイルの誤削除など原因が明確な場合以外は、まずは診断と見積もりを行ってくれる業者に依頼し、HDDの症状をはっきりさせましょう。
落下や衝突などの外的要因によるほか、落雷などの天災や、経年劣化によるパーツ故障もあります。
物理障害の場合、プラッターが無事であれば、基本的にはパーツを交換することで内部のデータを読み出す事ができます。
しかしHDDのパーツは製造国や製造時期などによって異なり、数万種類以上と言われています。そのため、同じメーカーの同じ型番のHDDから単純にパーツを移植しても、合致しないケースが多々あります。
交換が必要なもの。必要でないもの。
・誤って簡易フォーマットしてしまい、すぐに取り外したHDD
・ファイルを誤操作で削除してしまい、すぐに書き込みを止めたHDD
これらは復旧ソフトからすぐにファイルを修復することができます。
以下の場合は、一旦取り外してUSBでPCに接続し、症状を確認する必要があります。

OSが破損しているか、HDDのファームウェアが不具合を起こしている時に起きやすい現象です。
多くの場合、データは完全に残っているのでUSBでパソコンに繋げば吸い出しが可能です。
また、パソコンに接続しても認識されるがデータが見えない場合でも、市販の復旧ソフトで簡単に修理が可能です。
論理障害か物理障害のいずれか、または両方が起きかけており、非常に不安定な状態です。
HDDが起動している場合は電源を切らず、すみやかに新しいHDDにデータを移動してください。
また、無理な起動を繰り返すと障害が広がる可能性があるため、起動しない場合はすぐに取り外して専門業者に診断を依頼してください。
・カラカラ、ギギギ、カカッカカッなどの異音がするが起動しない

高い確率で物理障害が発生しています。
HDDの物理的な故障の修理は個人では非常に難しいため、すぐに電源を切って取り外し、専門業者に修理を依頼してください。
また、物理障害が発生しているHDDの修理はデータの復旧のための一時的な措置なので、データが戻ったらすみやかに新しいHDDと交換してください。
修理方法解説
論理障害
HDDの中に保存されているデータは、目次の役目をするMBRやGPTと呼ばれるデータ部分を検索して、HDDのプラッターのどこに保存されているかを探し、表示しています。
この目次の部分が壊れてしまうと、OSはデータがどこにあるのか探すことができません。
しかし、消えているわけではなく内部のデータはほぼ完全な状態で保存されているので、簡単に修復することができます。
実は、ゴミ箱に入れて削除してしまったデータもすぐに消えるわけではありません。目次から消えてOSから見えなくなっているだけで、データ自体は上書きされるまでHDDの中に保存されているのです。

HDDを取り外し、USB接続に対応したクレードルまたはケーブルを使用してパソコンに接続します。
マイコンピュータを開くと、HDDが認識されています。
もしここで認識されない場合、物理障害が発生しているので、すぐに取り外してください。
接続してもUSB大容量デバイスが表示されていません、この状態で通電を続けると危険です。

物理障害
HDDのパーツ交換が必要なので、個人での修理作業は基本的にできません。
絶対にHDDのネジを外して開封したり、自己判断で基盤を交換しないでください。
静電気の帯電を避けるため、購入時に入っていた袋などの絶縁素材に入れて、衝撃吸収材(なければタオルなど)で包み、業者に送ってください。
できるだけ衝撃を与えないことが、データ復旧率の向上に繋がります。
論理障害のほか、基盤の異常、通電状態、モーターや磁気ヘッドの音などから、どのような物理障害が発生しているのか診断します。
簡単な修理の場合は総ディスク容量1TBで10万前後、複雑な場合は40~50万以上になるケースがあります。
データの重要性などを考慮して復元を依頼してください。
自分で修復するリスクと業者に依頼するメリット
自分で修復すれば、業者に依頼するのに比べて費用は格段に安くすみます。
データ復旧ソフトは5000円から8000円程度に対し、業者によるデータ復旧料金はディスクの総容量が1TBで10万円と20倍の差があります。
その違いがあってもなお、大手企業や学術機関が自社で修復せず、業者に依頼するメリットはなんなのか。
それはすばり、自分で修復するにはリスクが大きすぎるということです。
認識しなくなったHDDは、いつデータが消えてもおかしくない状態にあります。
やみくもに故障原因を探ればさらに破損を広げ、本来なら取り戻せたデータが壊れてしまう可能性が高くなります。
また、HDDの故障は複数の原因が絡んでいるケースが多々あり、本当に必要な修復作業がなんなのか、症状からだけでは単純に判断できません。
例えば症状は一見データ構造が壊れた論理障害に見えても、実はそもそもの原因が物理障害にあったケースなどでは、修復しようとして復旧ソフトを使用したためにかろうじて起動していたHDDに致命的な障害を発生させる事があります。
その点、業者は複雑な故障に対応する豊富な経験と設備、保有する予備パーツによって、HDDのダメージを最小限に抑えながら原因を究明して迅速に修復し、最大限のデータを復旧できます。
業者にかかる料金は、サービスと技術に対する安心料と言い換えても過言ではありません。
・実名で実績を挙げて、データの復旧率を公開していること
・クリーンルームなどの専用施設を持っていること
・事前にHDDの診断を行い、見積もりが貰えること
・完全報酬であること
複雑な論理障害に対応できるか、修理用のパーツを多く保有しクリーンルーム作業が可能か。この二点は最優先です。
また、HDDの復旧はやり直せない分、事前にしっかりと状態を診断してくれる業者を選ぶ必要があります。