SSDのクローンとは、「今使っているSSDやHDDの中身(OS・アプリ・設定・ファイルなど)を、まるごと別のSSDにコピーして使えるようにする作業」です。SSDのクローン作成を試みた際にエラーが出たり、進行途中で止まってしまったりするトラブルは決して珍しくありません。以下のような症状が確認されることがあります。
- クローン作成中に「失敗しました」と表示される
- クローン完了後にSSDが起動しない
- コピー先のSSD容量が不正確に表示される
こうした症状が現れた場合、誤った手順や設定ミスによってSSDクローンが正常に行えていない可能性があります。クローン作業が失敗すると、大切なシステム環境や保存データにアクセスできなくなるだけでなく、再起動不能なトラブルに発展することもあります。
ただし、原因に応じた正しい対処法を実践すれば、再試行によってクローン作成を成功させることが可能です。
本記事では、SSDクローン作成に失敗した際の原因を解説するとともに、再チャレンジに向けた具体的なチェックポイントや推奨手順について、わかりやすくご紹介します。
万が一、ご自身での対応に不安がある場合でもご安心ください。私たちは24時間365日体制で無料診断を承っております。まずはお気軽にご相談いただき、今の状態を正確に見極めましょう。
目次
SSDでクローン作成が失敗する主な原因
クローン作業は多くの要素が絡み合うため、原因を正確に把握することが再試行成功の鍵となります。ここではよくある失敗原因を分類し、それぞれの背景を詳しく説明します。
接続不良
USBケーブルやポートの物理的な接触不良により、クローン処理が途中で停止するケースがあります。特にUSB変換ケーブル経由での接続では、安定性が低下しやすく、途中切断の可能性もあるため注意が必要です。
容量不足や相性問題
クローン先となるSSDの容量が、元ディスクよりも小さいと処理は正常に完了しません。また、一部のSSDではマザーボードやチップセットとの相性問題により、データ転送が不安定になる場合もあります。
ソフト設定ミス・システム干渉
クローンモードの誤設定や、セキュリティソフトによる干渉、OSのスリープ設定などが原因で失敗することもあります。これらは見落としがちな要因であり、事前に対策することで成功率を高められます。
ディスク障害や暗号化の影響
クローン元ディスクに不良セクタ(読み書き不能な領域)が存在する場合、またはBitLockerなどでディスクが暗号化されている場合には、正常なクローン処理は困難となります。特に暗号化されたデータは正しく読み取れないことが多いため、注意が必要です。また、ディスクから異音が発生したりPCの動作が通常より遅くなっている場合には、深刻な物理障害が発生している可能性が高くなります。
このような障害が発生したストレージは、一般的な操作では復旧が難しく、誤った対応は状態をさらに悪化させます。対応に不安がある場合や、重要なデータが保存されている場合には、早期にデータ復旧の専門業者に相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーでは、46万件以上の相談実績(期間:2011年1月以降)を持ち、一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(※)と高い成果を誇ります。相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。
※(内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績)
クローン作成に失敗後に準備すべきこと
まず、元のHDDやSSDに保存されているデータが正常に残っているかを確認しましょう。ファイルが開ける、OSが起動できるといった基本動作に問題がなければ、再度のクローンは可能です。
次に、クローン先として使用するSSDを初期化し、再作業に備えた準備を行います。失敗後のSSDは「未割り当て」や「不明」状態になっている場合があり、そのままではうまく再クローンできません。以下の手順で状態を整えてください。
- 元ディスクの状態を確認
元ディスクがPCに正常に認識され、ファイルが問題なく開けるかを確認します。クローン失敗後も元データが壊れていなければ、やり直しは可能です。 - ディスクの管理を開く
「Windowsキー + X」→「ディスクの管理」を選択。SSDが「未割り当て」や「不明」となっていないかを確認します。 - 初期化とフォーマット
「不明」「オフライン」と表示されたSSDを右クリックして「ディスクの初期化」を選択し、MBRまたはGPTを選択。続けて「新しいシンプルボリューム」でフォーマットを行います。 - Diskpartで初期化(うまくいかない場合)
「cmd」を管理者として起動し、以下のコマンドを実行:
diskpart
list disk
select disk X
clean
create partition primary
format fs=ntfs quick
assign
exit
- 確認
初期化後、エクスプローラーや「ディスクの管理」でSSDが正しく認識され、ドライブレターが割り当てられているか確認します。
市販のクローンソフトでは、不良セクタや暗号化されたデータに対応できず、失敗やデータ破損のリスクがあります。大切なデータがある場合は、無理に進めず専門業者への相談をおすすめします。
クローン作成をやり直す方法
クローン作成前にセキュリティソフトの影響やスリープ設定の干渉を防ぐことで、作業の安定性が大きく向上します。ここではそれぞれの設定変更手順を詳しく説明します。
セキュリティソフトを無効化する
クローン作成中にセキュリティソフトがディスク操作を妨げることで、処理が途中で失敗するケースがあります。作業前に一時的に無効化し、完了後に再有効化することで、安定した作業が可能になります。
- PC右下の通知領域からセキュリティソフトのアイコンを右クリックします。
- 「設定」や「コントロールパネル」を開きます(製品により名称は異なります)。
- 「リアルタイム保護」または「ウイルス保護」などの項目を選択し、「一時的に無効化」を選びます。
- 無効化時間を「15分」「1時間」「次回再起動時まで」などから選択します。
- クローン作業完了後、必ず同じ手順でリアルタイム保護をオンに戻してください。
スリープ設定を無効化する
クローン作業中にPCがスリープ状態になると、ディスク操作が中断されて失敗の原因となります。作業中はスリープ機能を一時的に無効にしておきましょう。
- 「スタートメニュー」→「設定(歯車アイコン)」を開きます。
- 「システム」→「電源とスリープ」を選択します。
- 「スリープ」の項目で「次の時間が経過後にスリープする」の設定を「なし」に変更します。
- ノートパソコンの場合、「バッテリー駆動時」と「電源接続時」両方を「なし」に設定します。
セクタバイセクタクローンを試す
通常のクローンモードで失敗する場合は、「セクタバイセクタクローン」機能の利用を検討してください。これは元ディスクのセクタ情報をそのままコピーするモードで、不良セクタの回避やパーティション構造の不一致によるエラーを防ぐ効果があります。
- 使用しているクローンソフトを起動し、クローン元とクローン先のディスクを選択します。
- 「詳細設定」や「高度なオプション」などの項目から「セクタバイセクタクローン」を選択します。
- 確認画面でディスク構成をチェックし、問題がなければ「開始」または「実行」をクリックします。
- 作業完了後、クローン先のSSDを取り外し、BIOSでブート順を変更して起動を確認します。
BIOS設定を確認する
クローン完了後もSSDから起動しない場合は、BIOS設定の確認が必要です。SSDが正しく起動デバイスとして認識されているか、またUEFI/Legacyの起動モードが合っているかを確認します。
- PCの電源を入れ直し、起動直後に「F2」「DEL」などのキーを押してBIOS設定画面に入ります。
- 「Boot(起動)」タブを選択し、「Boot Priority」または「Boot Order」でクローン先のSSDを最上位に設定します。
- 必要に応じて「UEFI」または「Legacy」モードを切り替えます。通常はクローン元と同一モードが推奨されます。
- 設定後、「F10」で保存して再起動し、SSDからの起動を確認します。
スタートアップ修復を実行する
BIOSで正しく設定してもSSDが起動しない場合、Windowsのスタートアップ修復機能を利用することで起動トラブルを解決できる場合があります。
- Windowsインストールメディア(USBまたはDVD)をPCに挿入します。
- PCを起動し、メディアから起動(BIOSで起動順を変更しておく必要があります)。
- 「Windowsのセットアップ」画面が表示されたら、「次へ」→「コンピューターを修復する」を選択します。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ修復」を選択します。
- 修復が完了したら再起動し、SSDからの起動を確認します。
クローン作成に失敗した際は、以下の点に注意してください。
- データバックアップ: 元のHDDのデータは必ずバックアップを取る。
- 十分な時間を確保: クローン作成には時間がかかるため、作業時間を確保する。
- 互換性の確認: ソフトウェアやハードウェアの互換性を確認する。
これらの方法を試してもクローン作成が成功しない場合は、SSDやソフトウェアの互換性の問題、またはハードウェアの不具合の可能性があります。その場合は、別のソフトウェアを試すか、専門家に相談することをお勧めします。
なぜデジタルデータリカバリーでは復旧困難なSSDの復旧事例が多いのか

SSDのデータ復旧は、削除データが即座に消去されるTRIM機能や、コントローラ・ファームウェアによる複雑な管理構造などにより、HDDに比べて難易度が高いとされています。
それにもかかわらず、デジタルデータリカバリーはこれまで数々のSSDの復旧に成功してきました。SSDの復旧事例が多いのには、理由があります。
データ復旧専門のトップエンジニアが在籍
SSDの復旧事例が多い理由の一つは、2,000件以上のSDカードやSSDの復旧を手がけてきたメモリ媒体の専門エンジニアが在籍していることです。基板の移植や回路修復といった独自の技術を駆使し、これまで復旧が難しいとされていた障害にも多数対応。さらに、PCやサーバー環境を含む高難度な復旧を120件以上こなしてきた実績もあり、こうした高度な技術力がSSD復旧の成功率の高さにつながっています。
メーカーから復旧不可とされたSSDの復旧事例

メーカーで「素子障害により復旧不可」と診断された外付けSSDから、90%以上のデータ復旧に成功した事例があります。
このSSDは特殊なUSB接続型で、一般的なSSD用・USB用どちらの復旧ツールでも対応できない構造でした。そこで当社では、専用の復旧ツールを自社で開発。約15日間の作業のうち半分をツール作成に充て、ファームウェア修復とデータ抽出に成功しました。
メーカーで断られたケースでも、独自技術によって復旧できる可能性があります。
国内最高峰の復旧設備

SSD復旧の成功事例の多さはデジタルデータリカバリーの技術力の高さを象徴しています。復旧成功の要因として、次の点が挙げられます:
- 蓄積された知見に基づき、障害箇所を正確に特定
- 最新技術を駆使した独自の復旧手法を開発
- 精密な環境での復旧作業(専用クリーンルーム完備)
これらの要素が、他社では対応が難しいケースでも「不可能を可能に」しています。
「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」ですので、他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーでは復旧できる可能性もございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。