共有フォルダとは、複数のユーザーが同じファイルやデータにアクセスし、編集や閲覧を行えるように設定されたフォルダのことを指します。主に企業やチーム内での業務効率化を目的に利用され、ネットワークやクラウドを通じてアクセス可能な形式が一般的です。
しかし、共有フォルダに突然アクセスできなくなると、日々の業務に大きな支障が生じ、最悪の場合、取引先との信頼関係にも影響を及ぼす可能性があります。特にNASサーバーやRAID環境での問題は、原因を誤認して復旧作業を行うと、取り返しのつかないデータ消失を招く危険性があります。
本記事では、共有フォルダにアクセスできなくなる主な原因を詳しく解説し、それぞれのケースに応じた具体的なデータ復旧方法をご紹介します。
目次
共有フォルダにアクセスできない主な症状
共有フォルダにアクセスできない主な症状は次の通りです。
- アクセス拒否のエラーメッセージが表示される
- フォルダやファイルが見つからない
- ネットワークパスが無効であると表示される
- フォルダにアクセスするとタイムアウトする
- ユーザー認証画面が何度も表示される
- 共有フォルダ内のファイルが空白または部分的に表示される
- 「ネットワーク名が見つかりません」との表示される
- 他の端末からは正常にアクセスできる など
同じ症状でも、原因はさまざまです。共有フォルダにアクセスするためには適切な対処法を実行する必要があります。状況を見誤り、適切でない対処法を実行してしまうと状況が悪化し、最悪2度と解決できなくなる可能性があります。
共有フォルダにアクセスできないときに、自己判断では原因を見誤ってしまうケースが多いです。そのため正確な原因を把握するには、知見を持った業者の診断を受ける必要があります。
当社では相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。ぜひ気軽にご相談ください。
【必見】対処が難しい物理障害とは
共有フォルダにアクセスできない原因として、まず懸念すべきなのが、「物理障害」です。物理障害とは以下を指します。
- 落下などの衝撃(部品破損)
- 電源のつけっぱなしや高負荷な処理による過熱(熱暴走)
- 経年劣化によるパソコンの寿命(~5年程度)
物理障害が発生すると、ソフトウェアツールや再起動などを試しても効果がなく、むしろ損傷が拡大することもあります。
物理障害からの復旧には専門的な知識と特殊な設備が必要なため、原則自力での対応は不可能です。パソコンを起動させるためには、専門家に対処してもらう必要があります。
デジタルデータリカバリーは、国内最大級のデータ復旧ラボを有しており、通常の物理障害の復旧だけでなく、他社で復旧できないほど難易度の高い機器のご相談を7,300件以上(算出期間:2016年6月1日~)いただいております。お困りの際は是非ご相談ください。
共有フォルダにアクセスできない原因
共有フォルダにアクセスできない原因は大きく分けて次の4つです。
ネットワークの問題
共有フォルダにアクセスできない原因として、ネットワーク設定の不備が考えられます。正しいIPアドレスの未割り当てやサブネットの不一致、ルーター設定の問題が主な要因です。また、ホストPCやサーバーのIPアドレスが動的に変わることでリンクが無効になる場合もあります。
ファイアウォールの設定
ファイアウォールが共有フォルダへの通信を遮断すると、アクセスできなくなります。WindowsファイアウォールやセキュリティソフトでSMBなど必要なプロトコルが許可されていない場合や、ポート445や137〜139がブロックされている場合が主な原因です。企業ネットワークではセキュリティ強化のため、これらのポートが閉じられることがよくあります。
セキュリティおよびワークグループ名の不一致
Windowsネットワークでは、共有フォルダを利用するPCが同じワークグループに所属していないとアクセスできない場合があります。設定不備や共有設定の無効化により、「安全でないため接続できません」や「認証に失敗しました」といったエラーが表示されることがあります。
資格情報の問題
資格情報(ユーザー名やパスワード)が正しくない場合、共有フォルダにアクセスできません。特に、一度入力した資格情報が間違っていた場合、それが保存されていると再度アクセスを試みても失敗することがあります。また、資格情報が変更されている場合にも同様の問題が発生します。
ファイルサーバーの問題
共有フォルダを提供しているファイルサーバーが停止している、故障している、またはサービスが正常に稼働していない場合、アクセスができなくなります。例えば、サーバーがシャットダウンしている、ディスク容量が不足している、またはファイル共有に必要なサービス(例: Windowsの「サーバー」サービス)が無効になっている場合が考えられます。この場合は自力で復旧するのが難しいため、データ復旧業者に相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーならRAIDのご相談実績1.4万件(※1)いただいております。データ復旧は失敗を重ねるごとに完全復旧への難易度があがるため、最新の設備と、復旧率最高値95.2%(※2)を実現させる技術力を持つ当社までご相談ください。
※1:算出期間:2011年1月1日~
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共有フォルダにアクセスできない時の対処法
共有フォルダにアクセスできない場合、原因はさまざまですが、迅速かつ適切な対処を行うことでデータを守りながら問題を解決できます。ここでは具体的な対処法を順にご紹介します。
他のデバイスから共有フォルダにアクセスできるか確認する
アクセス不能な問題が特定のPCに限られているのか、共有フォルダ全体に影響しているのかを確認するために、別のデバイスからアクセスを試みます。別のPCやスマートフォンで同じ共有フォルダに接続できる場合は、問題が該当PCに限定されることがわかります。
他のデバイスから共有フォルダにアクセスする手順は以下です。
- 共有したいフォルダを右クリック
- プロパティを選択
- 共有タブを開き、「共有」をクリックして、必要な権限を設定します。
- ネットワーク共有の確認: 別のデバイスからWindowsエクスプローラーを開き、アドレスバーに「[ホストコンピュータの名前またはIPアドレス]」を入力します。共有したフォルダが表示されれば、アクセスできる状態です。
ネットワーク(VPN)の接続を確認する
VPNを使用している場合、VPN接続が共有フォルダにアクセスするネットワークと競合している可能性があります。VPN接続中は、通常のネットワーク設定が変更されることが多いため、共有フォルダのIPアドレスが認識されない場合があります。
VPN接続を確認する方法は以下の通りです。
- パソコンのタスクバーのシステムトレイを見て、インストールされたVPNクライアントが正しく起動しているか確認する
- アイコンが表示されていない場合、VPNクライアントを起動する
- VPNクライアントを起動したら、正しいVPNプロファイルを選択し、接続ボタンを押して接続を確立する
- VPN接続が確立されたら、接続が正常であるかどうかを確認し、共有フォルダに再アクセスする
ネットワークの設定を「パブリックネットワーク」から「プライベートネットワーク」に変更する
Windowsのネットワーク設定が「パブリックネットワーク」になっている場合、共有機能が制限されることがあります。このため、ネットワークを「プライベートネットワーク」に変更することで、共有フォルダへのアクセスが可能になる場合があります。
ネットワークの設定を「プライベートネットワーク」に変更する手順は次の通りです。
- パソコンの「設定」を開く。
- 「ネットワークとインターネット」のオプションを選択する。
- 「プライベートネットワーク」に切り替える。
- 「保存」をクリックする。
- 共有フォルダに再度接続する。
アクセス権限の設定を変更する
共有フォルダにアクセスできない場合、そもそも、共有フォルダにアクセス権限が与えられているか確認しましょう。共有フォルダにアクセス権限を与える手順は次のとおりです。
- 管理者として共有フォルダを開く
- 「プロパティ」をクリックする
- 「セキュリティ」タブをクリックする
- 「ユーザー」をクリックする
- 「新規」をクリックする
- アクセス権を付与したいユーザーを選択・入力する
- 「OK」をクリックする
- 「権限の選択」ウィンドウで、アクセス権限を設定する
- 「OK」をクリックして設定を保存する
Windows10のホームエディションは、Windowsのシステムやソフトの設定を記録しているレジストリを編集する必要があります。レジストリでゲストログオンを許可する方法は以下の通りです。
- スタートメニューの検索欄で「コマンドプロンプト」と入力する
- 「コマンドプロンプト」を「管理者として実行」で開く
- 「ipconfig」と入力してEnterキーを押す
- ツリーから「コンピューターHKEY_LOCAL_MACHINESYSTEMCurrentControlSetServicesLanmanWorkstationParameters」ファイルを探す
- 「Parameters」をクリックし、「新規」の「DWORD(32ビット)値」を選択する
- 値の名前を「AllowInsecureGuestAuth」に変更する
- 「AllowInsecureGuestAuth」をダブルクリックし、値のデータに「1」を入力
- 値のデータに「1」を入力してOKをクリックする
- PCを再起動する
以上の手順を踏むことでWindows10でゲストユーザーが共有ファイルにアクセスすることができます。
ファイル共有の詳細設定を見直す
ファイル共有の詳細設定とは、ネットワーク内でファイルやフォルダを他のユーザーと共有する際に、アクセス権限やセキュリティ設定を細かく調整するための設定です。NASの共有フォルダにアクセスできない場合、ファイル共有の詳細設定を見直すことが有効です。ネットワークの詳細設定を確認する次の通りです。
- コントロールパネルを開きます。
- 「ネットワークとインターネット」を選択します。
- 「ネットワークと共有センター」をクリックします。
- 左側のメニューから「共有の詳細設定の変更」を選択します。
- プライベートネットワークの設定で、「ネットワーク検出」と「ファイルとプリンターの共有」をオンにします。
- 変更を保存するには、「保存して閉じる」をクリックします。
上記の手順は、一般的なネットワーク設定の場合です。お使いのネットワーク設定によっては、異なる手順が必要になる場合があります。ネットワーク設定を変更しても問題が解決しない場合、機器に不具合が生じている可能性が高いです。PCやNASの不具合が疑われる場合、次に紹介する専門家まで相談しましょう。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
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初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
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来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。