・HDDを増設したのに、PCがまったく反応しない
・ディスクの管理画面にも表示されず、初期化もできない
・増設作業はうまくいったはずなのに、ドライブとして使えない
こうしたトラブルは、一見単純な接続ミスや設定忘れのように思えますが、中にはHDD自体の初期不良やフォーマット不整合、さらにはマザーボードやOS側の深刻なトラブルが隠れているケースもあります。
誤った操作を続けたり、無理に初期化を試みることで、HDD内部に保存されたデータを失ってしまうリスクもあるため、慎重な対応が必要です。
本記事では、HDDを増設してもPCが認識しない場合に考えられる原因と、状況に応じた正しい対処法をわかりやすく解説します。
もし重要なデータが関わっている場合や、初期化や認識に不安がある場合は、無理に操作をせず、専門業者への相談も検討しましょう。
目次
HDDをPCに増設する手順
初めにHDDをPCに増設する正しい手順を記載します。間違った手順で増設作業を行っていないか確認しましょう。
①PCとHDDの規格を確認する
HDDをPCに増設する前に、PCとHDDに互換性があるか確認する必要があります。PCのマザーボードに適したインターフェース(SATAやIDEなど)を確認し、増設するHDDがこの規格に対応しているかをチェックしましょう。
また、PCの種類に合ったサイズのHDDを選ぶことも重要です。PCに付属している説明書やオンライン上のマニュアル、HDDの取り扱い説明書を作業前に確認しておきましょう。
②PCの周辺機器を取り外す
ケーブル、取り付け用ネジ、ドライバーを用意したら次にPCの電源を切り、電源ケーブルも抜いてください。キーボード、マウス、モニター、アダプター、バッテリーなどの周辺機器も全て取り外しましょう。
③HDDの取り付け作業を行う
次に以下の手順でHDDの取り付け作業を行います。
- PCの側面のネジをドライバーで外すか、レバーを引いてPCケースを開ける
- HDDを取り付けるスロットを見つけ、HDDをスロットに合わせて設置する
- ネジや取り付けブラケットを使用して、増設するHDDをしっかりと固定させる
- SATAケーブルやIDEケーブルをHDDとマザーボードの対応するポートに接続する
- PCケースを元に戻し、電源ケーブルをHDDに接続する
④「ディスクの管理」からHDDが認識されているか確認する
HDDの物理的な取り付けが完了したら、PCでHDDが認識されているかを確認します。よく使われるWindowsOSの場合は、以下の操作方法でHDDが認識されるか確認します。
- PCを起動し、デスクトップ画面で「このPC」を右クリックし、「管理」を選択する
- 「コンピューターの管理」ウィンドウが開いたら、「ディスクの管理」をクリック
- 「ディスクの管理」で、新しく増設したHDDが表示されていることを確認する
- 新しいHDDが未割り当ての領域として表示されている場合、右クリックで「新しい単純ボリューム」の作成を選択
- ドライブ文字を割り当て、ファイルシステムを選択してフォーマットを完了させる
- フォーマットが完了したら、「このPC」で新しいドライブが表示されていることを確認する
HDDの増設後にPCで認識されない原因
正しい手順でHDDを増設してもPCで認識されない場合、考えられる原因は以下の通りです。
HDDが認識されない場合の対処法は下記で詳しく解説しています。

ケーブルや増設したHDDの接続に問題がある
HDDがPCに認識されない場合、ケーブルやHDDの接続に問題がある可能性があります。ケーブルが正しく接続されていない、または劣化や破損によって電流が流れなければHDDは認識されません。最初に全てのケーブルがしっかりと接続され、損傷がないことを確認してください。必要であれば、新しいケーブルと交換して使用してみることも有効です。
また、メモリ交換後に起動できない場合は以下の記事で対処法解説していますので、是非参考にしてください。

BIOS設定の誤り
新しく増設したHDDがBIOSによって認識されていない場合、システム起動時にドライブが検出されません。BIOSとはPCの周辺機器を管理するプログラムです。
BIOS設定が適切でない場合、PCからBIOSメニューにアクセスし、ストレージデバイスの設定を確認し、新しいHDDが正しく表示されたか確認してください。なおBIOSのバージョンが古い場合は、最新のファームウェアに更新することで問題が解決することがあります。
ドライブ文字の重複
HDDには各ストレージデバイスに固有のドライブ文字が割り当てられます。新しく増設したHDDに割り当てられるべきドライブ文字が既に他のデバイスで使用されている場合、システムは増設したHDDを正しく認識できません。
HDDの物理的な破損
HDDを正しく取り付けてもPCでまったく認識されない場合、HDD自体が物理的に故障している可能性があります。新品であっても、輸送中の衝撃や製造上の不具合によって、すでに内部に異常を抱えているケースは珍しくありません。
また、増設作業時に過度な圧力がかかったり、静電気によるダメージを受けた場合も、基板やヘッド、制御チップが損傷し、認識不能になることがあります。
無理に初期化や診断を行おうとすると、初期不良では済まなかった可能性のあるデータ領域まで破損させてしまうリスクもあります。
HDD内部の異常が疑われる場合は、早めにデータ復旧の専門業者に相談し、慎重に対応することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が46万件以上の相談経験(算出期間:2011年1月1日~)をもとに「初期診断」を行い、障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
増設したHDDがPCで認識されない時の対処法
増設したHDDがPCで認識されない場合、BIOSの問題やドライブ文字の重複などであれば個人で解決できる場合もあります。増設したHDDがPCで認識されない時の対処法は以下の通りです。
ケーブルの再接続や交換
PCの電源を切り、電源ケーブルを抜いてから、増設したHDDに接続されているSATAケーブルを一度外します。ケーブルに損傷がないか確認し、劣化や破損が見られる場合は新しいケーブルに交換してください。その後、しっかりとケーブルを接続し直し、PCを再起動します。
増設したHDDを再接続する
ケーブルに劣化や破損が見られない場合は、増設したHDD自体を一度取り外し、再度ドライバーとネジを使用して取り付け直しましょう。HDDを固定する場所や、接続の向きに注意し、ネジでしっかりと固定されていることを確認してください。
BIOSの設定を見直す
再度HDDの取り付け直してもPCでHDDが認識されない、あるいはOSが正しく起動しない場合はBIOSの設定を見直し、HDDの起動順位などを確認して正常に認識させる必要があります。BIOSの設定の見直しと起動順位を変更させる方法は以下の通りです。
- PCを起動させメーカーのロゴが表示されたら、BIOSに入るためのキー(説明書に書かれたF2、F10、Delキーなど)を押す
- BIOSの設定画面に入ったら、「Boot」「Storage」「Advanced」のタブを確認して接続したHDDが全て認識されたか確認する
- HDDが認識されていなければ、「詳細設定」から「ブートオプション」を選択
- 「UEFI ブート順序」から、変更したいデバイスを選択して起動順位を変更する
ドライブ文字を変更する
増設したHDDのドライブ文字と内蔵HDDのドライブ文字が重複していた場合、増設したHDDのドライブ文字を変更しましょう。
HDDのドライブ文字を変更する方法は以下の通りです。
- スタートメニューから「コンピュータの管理」を開く
- 「ディスクの管理」に進む
- ドライブ文字が割り当てられていないドライブをクリックする
- 「ドライブ文字とパスの変更」を選択
- 利用可能なドライブ文字に変更する
デバイスマネージャーからドライブの再インストールを行う
デバイスマネージャーからドライブの再インストールを行うと、ドライバーの不具合が修正され、システムとデバイスを再同期させることができます。これにより、OSとHDD間の正確な通信が回復し、認識不良を解消できることがあります。具体的な操作方法は以下の通りです。
- スタートメニューから「デバイスマネージャー」を開く
- 「ディスクドライブ」セクションから認識しないドライブをクリックする
- 「デバイスのアンインストール」を選択してPCを再起動する
- OSが自動的にドライバーをインストールする
修理業者に相談する
購入した直後のHDDやPCが互いを認識しない場合、いずれか片方、あるいは両方に初期不良が発生している可能性が考えられます。メーカーや修理業者に相談して、デバイスの修理・交換を行ってもらいましょう。保証書があれば安価に修理が可能です。
ただし、デバイスの修理・交換では保存データの初期化・破棄が行われるため、データは消失してしまいます。PCやHDDに必要なデータが残っている場合はデータ復旧業者まで相談しましょう。
データ復旧業者に相談する

増設したHDDがPCで認識されない原因として、HDDの劣化や物理的な衝撃による障害が考えられます。
物理障害が発生したHDDからデータを復旧するには、清潔な専用環境での作業や、ハードウェアを制御するファームウェアの修復が必要になる場合があります。このような作業は高度な技術と専門設備が必要であり、個人での対応は難しいです。再接続やBIOS設定を試しても認識されない場合は、データ復旧業者への相談を検討しましょう。
デジタルデータリカバリーでは、多くの復旧実績があり、24時間365日対応可能です。
なぜデジタルデータリカバリーでは復旧困難なHDDの復旧事例が多いのか

デジタルデータリカバリーはこれまで数々のHDDの復旧に成功してきました。HDDの復旧事例が多いのには、理由があります。
復旧の研究開発が活発
従来、記録面に傷があるHDDは復旧が極めて困難とされ、対応を断念せざるを得ない状況でした。
しかし弊社では、専用設備の導入や海外研修を通じた技術開発により、記録面を安全に処理する独自の研磨技術を確立。これにより、傷のあるHDDからのデータ復旧率を大幅に高めることに成功しています。
東京都経営革新優秀賞を受賞

過去不可能とされていた傷のついたHDDからのデータ復旧率を大幅に向上させたことや、市場ニーズに迅速に対応し、復旧対象媒体を拡大した取り組みが認められ、2021年11月25日に東京都経営革新優秀賞を受賞しています。
国内最高峰の復旧設備

HDD復旧の成功事例の多さは、デジタルデータリカバリーの技術力の高さを象徴しています。復旧成功の要因として、次の点が挙げられます:
- 蓄積された知見に基づき、障害箇所を正確に特定
- 最新技術を駆使した独自の復旧手法を開発
- 精密な環境での復旧作業(専用クリーンルーム完備)
これらの要素が、他社では対応が難しいケースでも「不可能を可能に」しています。
「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」ですので、他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーでは復旧できる可能性もございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
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営業時間は以下の通りになっております。
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電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
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復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。