旧PCから取り出したHDDや、OSを再インストールした後に接続したディスクでユーザーフォルダを開こうとした際、「アクセス拒否」と表示されることがあります。この症状は、アクセス権限の設定変更やOS環境の相違が原因で発生するケースが多く、特に次のような状況に心当たりがある場合は注意が必要です。
- 旧PCと現在のPCでユーザー名やSID(セキュリティ識別子)が異なる
- フォルダやファイルの所有者が旧環境のままになっている
- 管理者権限が付与されていないアカウントで操作している
この状態を放置すると、必要なデータにアクセスできないまま作業が滞るだけでなく、誤った権限操作によりデータ消失やセキュリティリスクが生じる可能性があります。
本記事では、「アクセス拒否」エラーの主な原因と、アクセス権を安全に修正するための手順を専門的な視点で解説します。
もし自力での対応に不安がある場合や操作中に異常が発生した場合は、当社の技術スタッフが24時間365日・無料で初期診断を行っています。大切なデータを守るため、早めにご相談ください。
目次
ユーザーフォルダが開けない主な原因
ユーザーフォルダにアクセスできない場合、その原因はソフトウェア的な設定ミスからハードウェアの障害まで多岐にわたります。誤った対処を避けるためにも、まずはどのような問題があるかを把握しましょう。
アクセス権限の問題
ユーザーフォルダはセキュリティ上の理由から、特定のユーザーにのみアクセスが許可されています。アカウントを変更したり、別のPCにHDDを接続した場合、アクセス権限が不足していることでフォルダが開けないことがあります。
所有権の不一致
OSの再インストールやアカウントの切り替えを行うと、フォルダの所有者が別のユーザーに設定されてしまうことがあります。
この場合、現在のユーザーはフォルダを開くことができず、「アクセスが拒否されました」と表示されることがあります。
ファイルシステムのエラー
HDD上のユーザーフォルダが開けない原因のひとつに、ファイルシステムのエラーがあります。ファイルシステムは、パソコンがデータを整理して保存・読み出しするための仕組みで、これに異常が生じると実際にはデータが残っていてもアクセスできなくなることがあります。
原因としては、HDDの取り外しミスやデータアクセス中の強制終了、ウイルス対策ソフトの影響などが挙げられます。「フォルダが空になっている」「ファイル名は表示されているのに開けない」といった症状が出ている場合は注意が必要です。
自己判断で復元ソフトを使用すると、データ構造が上書きされて状況が悪化するおそれがあります。見た目だけで判断せず、早い段階で専門業者に相談することが重要です。
HDDの物理的な故障

HDD上のユーザーフォルダが開けない原因として、HDDの物理的な故障が挙げられます。落下や衝撃による損傷のほか、長期間の使用による劣化や摩耗によっても発生します。
「通電はするがファイルを開けない」「異音がする」「突然認識されなくなった」といった症状がある場合、内部部品が故障している可能性があります。HDDは精密な構造のため、わずかな損傷でもデータが読み取れなくなることがあります。
物理障害は外見から判断しにくく、通電や分解を繰り返すと悪化するおそれがあります。異常を感じたら電源を切り、早めに専門業者へ相談することが重要です。
当社では、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日無料でご案内しています。まずはお気軽にご相談ください。
【要注意】自力対応が招くデータ損失のリスク

「旧PCと現在のPCでユーザー名やSID(セキュリティ識別子)が異なる」「フォルダやファイルの所有者が旧環境のままになっている」――そんなトラブルに直面したとき、まずは自力で何とかしようと対応する方が多いと思います。
誤ってアクセス権限を変更したり所有者情報を上書きしてしまうケースは少なくありません。特にユーザー名やSIDの不一致、所有者が旧環境のままの場合、自己判断での操作は権限を複雑化させ、データアクセスを困難にする恐れがあります。
専門業者であれば、正確な診断に基づいて最適な方法で復旧を進めるため、データ消失を最低限に抑えることができます。中でもデジタルデータリカバリーは、以下の理由から多くの方に選ばれています。
- 相談実績46万件以上(2011年1月~)の豊富な対応経験に基づき、個人・法人問わず幅広いトラブルに対応
- 一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(※内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績)という業界トップクラスの技術力
- 他社で「復旧不可」とされた機器の対応実績が7,300件越えにものぼり、独自の復旧技術を保有
大切なデータを守るには、まずは自力対応よりも専門的な判断が欠かせません。操作を誤る前に、まずは当社にご相談ください。
ユーザーフォルダが開けない場合の対処法
以下に、各原因に対応した実践的な対処法を紹介します。順に試していくことで、問題の特定と解決が可能です。
アクセス権限と所有権の変更
フォルダにアクセスできない場合、最初にアクセス権限と所有権を確認・変更しましょう。
- ユーザーフォルダを右クリックし「プロパティ」を選択。
- 「セキュリティ」タブを開き、「編集」をクリックして、現在のユーザーにフルコントロールを許可。
- 「詳細設定」を開き、「所有者」を現在のユーザーアカウントに変更。「サブコンテナとオブジェクトの所有者を置き換える」にチェック。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを順に実行:
takeown /f "D:UsersExampleUser" /r /d y
icacls "D:UsersExampleUser" /grant YourUserName:F /t
ファイルシステムの修復(chkdsk)
ファイルシステムエラーが疑われる場合、chkdskコマンドで修復を試みましょう。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
- 以下のコマンドを入力し、Enterを押します:
chkdsk D: /f /r
D:は対象ドライブに置き換えてください。 - チェックが必要なシステムドライブの場合、再起動後に自動で処理が開始されます。
システムの復元は有効な方法ですが、復元ポイントが破損していたり、途中でエラーが出ると状態が悪化する恐れがあります。操作に不安がある場合や復元で改善しないときは、無理をせず専門業者に相談することが安全です。
HDDの接続状態を確認
外付けHDDなどを使用している場合は、物理的な接続も確認が必要です。
- USBケーブルを別のものに交換し、再接続を試みます。
- PCのUSBポートを変更してみます。可能なら別のPCに接続してみてください。
- HDDのランプや回転音など、物理的な動作状況も確認します。
セーフモードでの起動
ソフトウェアの競合やセキュリティソフトが原因でアクセスできない場合、セーフモードでの起動が有効です。
- PCを再起動し、起動中にF8キーまたはShift + 再起動を選択します。
- 「トラブルシューティング」>「詳細オプション」>「スタートアップ設定」>「再起動」を選択。
- メニューから「セーフモードで起動」を選択し、アクセスできるか確認します。
データ復元ソフトの使用
論理障害によりファイルにアクセスできない場合、復元ソフトを使ってデータの救出を試みることができます。
- Recuva や EaseUS Data Recovery Wizard を別のドライブにインストール。
- 問題のHDDをスキャンし、復旧可能なファイルが表示されたら、必要なデータを別の場所に保存。
- 作業中に上書きしないよう、保存先には別ドライブを使用してください。
復元ソフトの使用中に誤って上書きすると、データが復旧できなくなる恐れがあります。重要なデータは、作業を始める前に専門業者へ相談することが安心です。
専門業者に相談する
紹介した対処法を試してもユーザーフォルダが開けない場合、HDD内部のファイルシステムやアクセス権限情報が破損している可能性があります。このまま自己判断で修復や設定変更を繰り返すと、保存データが上書きされ、復旧が難しくなる恐れがあります。大切なデータを守るためには、早めに専門業者へ相談することが安全です。
デジタルデータリカバリーでは、他社で「復旧不可」とされたケースも含め、これまでに7,300件以上のご相談(※1)に対応してきました。一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(※2)という高い成果を維持しております。
初期診断とお見積りは無料で、24時間365日対応しています。データ損失のリスクを最小限に抑えるためにも、異常を感じたらすぐにご相談ください。
※1:算出期間:2016年6月1日~
※2:内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績
なぜデジタルデータリカバリーでは復旧困難なHDDの復旧事例が多いのか

デジタルデータリカバリーはこれまで数々のHDDの復旧に成功してきました。HDDの復旧事例が多いのには、理由があります。
復旧の研究開発が活発
従来、記録面に傷があるHDDは復旧が極めて困難とされ、対応を断念せざるを得ない状況でした。
しかし弊社では、専用設備の導入や海外研修を通じた技術開発により、記録面を安全に処理する独自の研磨技術を確立。これにより、傷のあるHDDからのデータ復旧率を大幅に高めることに成功しています。
東京都経営革新優秀賞を受賞

過去不可能とされていた傷のついたHDDからのデータ復旧率を大幅に向上させたことや、市場ニーズに迅速に対応し、復旧対象媒体を拡大した取り組みが認められ、2021年11月25日に東京都経営革新優秀賞を受賞しています。
国内最高峰の復旧設備

HDD復旧の成功事例の多さは、デジタルデータリカバリーの技術力の高さを象徴しています。復旧成功の要因として、次の点が挙げられます:
- 蓄積された知見に基づき、障害箇所を正確に特定
- 最新技術を駆使した独自の復旧手法を開発
- 精密な環境での復旧作業(専用クリーンルーム完備)
これらの要素が、他社では対応が難しいケースでも「不可能を可能に」しています。
「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」ですので、他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーでは復旧できる可能性もございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。