・PC起動時に「Fixing (C:)」と表示され、ステージ1…2…と進行する画面が出て不安になった
・chkdsk（チェックディスク）の処理が長引いていて、何ステージまで続くのか分からない
・突然始まったディスク修復で、データが消えないか心配している
この表示は、Windowsがストレージの整合性をチェック・修復する「chkdsk」コマンドを自動実行している状態です。
ただし、進行中の処理内容を把握していないと、「フリーズしているのでは？」「中断しても大丈夫？」と不安になる方も多いでしょう。
chkdskは最大5つのステージに分かれており、ステージごとに処理の内容や所要時間が大きく異なります。
特に不良セクタのスキャンが行われるステージ4以降では、数時間～数日かかることもあり、ストレージの状態によっては注意が必要です。
本記事では、「Fixing (C:)」の正体であるchkdskの全ステージの意味と進行目安、そして長時間進まない場合の対応や注意点について分かりやすく解説します。
重要なデータがある場合は、無理な中断を避け、慎重に判断しましょう。
目次
Fixing (C:)のステージは最大5段階
chkdskによる「Fixing (C:)」は最大で5つのステージから構成されています。各ステージはディスクの異なる項目を検査・修復しており、実行されたオプションやディスクの状態によって所要時間は大きく変わります。
Stage 1：ファイルシステム構造の検査
このステージでは、NTFSなどのファイルシステム構造が破損していないかを検査します。ファイルとディレクトリが正しく管理されているかをチェックし、論理的な破損があれば修復を試みます。
Stage 2：ファイル名リンクの検査
ディレクトリ構造とファイルのリンク関係が正しいかを確認する段階です。ファイル名の整合性や、重複・孤立ファイルなどがないかをチェックし、エラーがあれば修復します。
Stage 3：セキュリティ記述子の検査
各ファイル・フォルダに付与されているアクセス権限情報（セキュリティ記述子）を検査します。誤った権限設定などがあれば修復されます。
Stage 4：データファイルの検査（不良セクタのチェック）
ここでは実際のデータファイルが保存されているセクタを読み取り、物理的な損傷（不良セクタ）がないかを確認します。この工程は時間がかかることが多く、「Fixing (C:)」が長時間止まっているように見える場合のほとんどはこのStage 4です。この工程で異様に長引いている場合は機器に故障が発生している可能性があります。重要なデータが保存されている方は専門業者に相談することをおすすめします。
Stage 5：空き領域の検査（不良セクタのチェック）
最後に、現在は使用されていない空き領域に不良セクタが存在しないかをチェックします。この工程も時間がかかることがあり、ディスクの容量が大きい場合は特に注意が必要です。
どの条件でステージ5まで実行される？
通常、Windowsが自動でchkdskを実行した場合はStage 1～Stage 3までで完了するケースが多いです。しかし、手動で「/f」や「/r」オプションを付けて実行した場合は、Stage 5まで進む可能性が高くなります。
- /fオプション： ファイルシステムの論理エラーを修復（Stage 1～3）
- /rオプション： 不良セクタの検出とデータの回復（Stage 4・5も含む）
- 自動実行： Windows起動時のchkdskはStage 1～3までが一般的
処理に時間がかかりすぎる、ステージ4以降で停止する、異音や認識不良がある場合は、HDDやSSDに異常が起きている可能性があります。そのまま放置せず、専門業者への相談を検討しましょう。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
