劣化が進むと、次のような症状が現れることがあります。
- 書き込み速度が遅くなる
- 保存したはずのファイルが消える
- 機器に差しても認識されなくなる
このような症状が見られた場合、SDカード内部でデータが破損している可能性があります。無理に再フォーマットを行うとデータが上書きされ、復旧が困難になるおそれがあるため注意が必要です。
SDカードのトラブルの切り分け方
SDカードが認識しない主な原因
SDカードが認識されない原因は、大きく「受け側の問題」「論理障害」「物理障害」の3つに分けられます。原因を切り分けることで、誤った操作による悪化を防げます。
受け側(スロット・リーダー・USB・設定)
SDカードではなく、読み取る側の機器が原因のケースです。USBポートの接触不良やドライバ不具合、設定ミスなどで認識されないことがあります。別の機器やポートで確認し、切り分けを行います。
論理障害(ファイルシステム破損など)
転送中の抜き差しや強制終了により、内部情報が破損すると認識されなくなることがあります。「フォーマットしますか?」と表示される場合も多く、安易なフォーマットはデータ消失の原因になります。
物理障害(破損・経年劣化)
折れ・端子不良・経年劣化などにより、SDカード自体が故障している状態です。
- 端子の剥がれ・腐食
- カードの変形・破損
- 長期使用後に突然認識されなくなった
通電や操作を続けると状態が悪化するおそれがあります。
物理障害は市販ソフトでの対応が難しいため、無理をせず専門業者へ相談することをおすすめします。初期診断は24時間365日無料で対応しています。
SDカードが認識しない時の対処法
SDカードが認識しないときは「SDカード側(劣化・破損・ファイルシステム不良など)」か「読み取り側(端末・カードリーダー・設定など)」かで、やるべきことが変わります。
焦ってフォーマットや復元ソフトを試すと上書きにつながり、取り出しにくくなることがあります。まずは安全に切り分けを進め、もし一瞬でも認識できたら、その時点でデータをすぐ退避させてください。
物理的な状態を確認する手順
最初に、SDカード本体の破損や汚れがないかを確認します。端子面の汚れやカードの反りは、読み取り不良のよくある原因です。清掃や挿し直しで一時的に認識が戻ることもあるため、まずは安全な範囲で確認します。
- 端末の電源を切り、SDカードを取り外します。通電中の抜き差しは状態悪化につながることがあるため避けます。
- SDカードの表面・角・端子部分を目視で確認し、ひび割れ、欠け、反り、端子の汚れ(皮脂・ホコリ)がないかを見ます。
- 端子は柔らかい布で軽く拭き、スロット側はブロアーでホコリを飛ばします。液体や研磨剤は使わず、強くこすらないようにします。
- 乾いた状態を確認してから、正しい向きで奥まで挿し込み、認識するかを確認します。認識した場合は、その時点でデータを別媒体へ退避します。
接点やカードリーダーを確認する手順
カードが正常でも、カードリーダーやスロット、USBポート側の不具合で認識しないことがあります。読み取り側を変えることで切り分けができ、問題箇所が絞り込みやすくなります。
- 内蔵スロットの場合は、カードの向きと挿し込みの深さを確認し、最後まで差し込まれているかを見直します。
- USBカードリーダーの場合は、USBポートを別の差し込み口に変え、可能ならUSBハブを介さず直接接続します。
- カードリーダー本体やケーブルに折れ・断線・接触不良が疑われる場合は、別のカードリーダーに交換して認識状況を確認します。
- 別リーダーで認識した場合は、すぐにデータをコピーして退避します。コピー中にエラーが出る場合は、無理に繰り返さず次の切り分けに進みます。
別の端末で読み込みを試す方法
最短で原因を絞るには、別の機器で読み込めるかを確認します。別端末でも認識しないならSDカード側のトラブルの可能性が高く、逆に別端末で認識できるなら元の端末やリーダー側の要因が疑われます。
- 別のパソコン、別のカードリーダー、可能なら別OS(WindowsとMacなど)で読み込みを試します。
- どの機器でも認識しない場合は、SDカード本体の故障やファイルシステム破損の可能性が高いと判断し、以降は操作量を増やしすぎないよう注意します。
- 一部の機器でだけ認識する場合は、その機器でデータを優先的に退避します。動画や写真など重要フォルダから順にコピーします。
- 退避中にエラーが出た場合は、何度も同じ操作を繰り返さず、次の確認(OS側の認識状況確認)に切り替えます。
Windows/Macで認識状況を確認する手順
画面上では見えなくても、OS内部ではストレージとして検出されていることがあります。ここでの目的は「検出されているか」「容量が見えているか」「未割り当て扱いになっていないか」を確認し、次の判断材料を得ることです。
- Windowsの場合は「ディスクの管理」を開き、SDカードに該当するディスクが表示されるか確認します。容量が不自然、または未割り当て表示の場合は、操作を止めて状況を控えます。
- Macの場合は「ディスクユーティリティ」を開き、左側の一覧にSDカードが表示されるか確認します。表示されてもマウントされていない場合があります。
- 表示はされるが開けない場合、フォルダ操作や修復機能を安易に実行せず、まずは次の手順(マウントやドライブ文字の見直し)で改善するかを確認します。
- OS上でもまったく表示されない場合は、読み取り側(リーダー、スロット、端末)を変えて再確認し、それでも同じならカード側トラブルとして扱います。
ドライブ文字・マウントを見直す手順
SDカードが検出されているのに「エクスプローラーに出てこない」「Finderに表示されない」ケースでは、ドライブ文字やマウント状態が原因のことがあります。データ領域へ余計な書き込みを増やさず、表示状態を整えることでアクセスできる場合があります。
- Windowsで「ディスクの管理」にSDカードが表示されている場合、ドライブ文字が割り当てられているか確認します。割り当てが無い場合は、状況を控えた上でドライブ文字の割り当てを検討します。
- Macで「ディスクユーティリティ」に表示されている場合は、マウント状態を確認します。マウントされていない場合、マウント操作で表示が戻ることがあります。
- 表示が戻ったら、まずは読み取り中心の操作(コピー)に徹し、移動や整理、削除は後回しにします。
- 表示が戻らない、または操作中にエラーが増える場合は、操作を続けず、次の手順(ロック確認や端末別対処)に進みます。
書き込み禁止ロックの確認手順
SDカード(特にSD/SDHCのサイズ)には、側面に書き込み禁止ロックが付いているものがあります。ロック状態だと保存や更新ができず、アプリや端末によっては異常扱いになって認識が不安定になることがあります。
- SDカード側面の小さなスイッチ(ロック)を確認し、意図せずロック側になっていないかを見ます。
- ロックが入っていた場合は、解除側に戻してから、再度挿し直して認識状況を確認します。
- ロックの切り替えが緩い、戻してもすぐ動く場合は、カード側の物理的な劣化の可能性もあるため、認識できたタイミングでデータを退避します。
スマホで認識しない時の確認手順
スマホはSDカードを内部ストレージとして使っていることがあり、認識しないとアプリや写真にアクセスできなくなる場合があります。スマホ側は設定や再起動で戻ることもありますが、抜き差しは必ず電源を切ってから行うのが安全です。
- 端末を再起動し、起動後にSDカードが認識されるか確認します。再起動で一時的な不具合が解消することがあります。
- 改善しない場合はスマホの電源を切り、SDカードを取り外して端子の汚れを確認し、乾いた布で軽く拭きます。
- 再度挿入して電源を入れ、ストレージ設定やSDカードの表示状態を確認します。
- スマホで戻らない場合は、パソコンや別端末で読み込みを試し、認識できた端末でデータ退避を優先します。
デジカメやビデオカメラで認識しない時の確認手順
カメラで「カードエラー」が出る場合、SDカード側のファイルシステム破損や、端子接触不良が疑われます。カメラ側の操作(初期化など)を行う前に、まずは読み取り環境を変えてデータが取り出せないかを確認することが重要です。
- 電源を切ってからSDカードを抜き、向きや挿入口の異物を確認し、再度挿し直します。
- 同じカメラで別のSDカードを試し、機器側のスロットや設定が原因かどうかを切り分けます。
- 問題のSDカードが別端末で認識するか確認し、認識できた場合は撮影データを最優先でバックアップします。
- 一度認識しても再発することがあるため、退避が完了したらそのカードの継続使用は避け、交換を検討します。
どうしても認識しない場合にやってはいけないこと
認識しない状態が続くと、ついフォーマットや復元ソフトを試したくなります。しかし、状況によってはデータ領域への書き込みが増え、復旧の難易度を上げることがあります。大切な写真や業務データがある場合は、作業を増やしすぎない判断も重要です。
- 認識しないまま何度も抜き差しや再起動を繰り返し、端子や内部状態に負荷をかけ続けることは避けます。
- データが必要な状態で、安易にフォーマット(初期化)を実行しないようにします。初期化後の復旧は難易度が上がることがあります。
- 復元ソフトの長時間スキャンや、書き込みが発生する修復操作をむやみに繰り返さないようにします。状況の記録(いつから、どの機器で、どんな表示か)を残し、必要なら専門家に相談できる形に整えます。
上記を順に確認しても改善しない場合、SDカード内部の物理障害やファイルシステム破損が原因である可能性が高くなります。必要なデータがあるときは、無理な操作を増やさず、状況を整理したうえでデータ復旧の専門業者に相談することが安全です。
デジタルデータリカバリーは、累計50万件以上の相談実績(※1)を持ち、一部復旧を含む復旧件数割合92.6%(※2)という高い成果を上げています。相談・初期診断は無料で、24時間365日対応していますので、不安を感じた時点でお気軽にご相談いただけます。
※1 期間:2011年1月以降
※2 2025年9月実績。一部復旧:完全復旧に至らなかったが、一部復旧できた場合。完全復旧:復旧希望データを100%復旧できた場合
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する

自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断まで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーの強み

デジタルデータリカバリーは「データ復旧専門業者17年連続データ復旧国内売上No.1」(※1)の実績を持つデータ復旧業者です。
データ復旧の技術力として、一部復旧を含む復旧件数割合92.6%(※2)を誇っています。
他社で「復旧不可能」と判断された機器を、当社が復旧に成功した事例は数えきれません。実際に、他社復旧不可相談件数でも8,000件超 (算出期間:2016年6月1日~) を超えています。
これこそが“データ復旧の最後の砦”と呼ばれる理由です。どんな状態でも、諦める前にまずはご相談ください。最善を尽くしてデータを取り戻します。
※1:データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを提供し、その売上が総売上の50%以上を占める企業のこと。第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(算出期間:2007年~2023年)
※2:2025年9月実績。一部復旧:完全復旧に至らなかったが、一部復旧できた場合。完全復旧:復旧希望データを100%復旧できた場合
相談から初期診断まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数50万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人

デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計ご相談件数50万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。










































