Windows 11の24H2アップデート後、一部のパソコンでNASや共有フォルダにアクセスできず、「ネットワークパスが見つかりません(エラー 0x80070035)」というメッセージが表示されるケースが増えています。
ファイル共有の機能自体に問題がなくても、セキュリティの仕組みが変わったことで、設定を見直す必要がある場合があります。このエラーを放置すると、社内ネットワークでのファイルのやり取りができなくなる恐れがあります。
この記事では、このエラーの原因と、接続を復旧させるための方法をわかりやすく紹介します。アップデート後に共有フォルダへアクセスできなくなった方は、ぜひ参考にしてください。
もし重要なデータが入ったNASにアクセスできなくなった場合でも、当社ではNASやRAIDの復旧を24時間365日、無料でご案内しています。データを守るためにも、早めの相談をおすすめします。
目次
「ネットワークパスが見つかりません(0x80070035)」とは?
このエラーは、パソコンがネットワーク上のフォルダや機器(NASやプリンタなど)に接続できないときに表示されます。
Windows 11の最新アップデート(24H2)では、古い機器との通信に使われていた「SMB 1.0」が無効になり、一部のNASやプリンタで接続エラーが起きやすくなっています。また、パスワードなしの「ゲスト接続」も使えなくなったため、設定を見直す必要があります。
大切なデータにアクセスできないまま放置すると、業務に支障が出たり、データを失うリスクもあるため注意が必要です。
- NASや共有フォルダにアクセスできない
- 「ネットワークパスが見つかりません」と表示される
- Explorerで\\NAS名 にアクセスしても反応しない
- 古いプリンタ・ファイルサーバーが表示されなくなる
同じエラーでも、原因はさまざまです。「ネットワークパスが見つかりません(0x80070035)」というエラーを解消するには、状況に合った正しい対処が必要になります。誤った操作をすると、トラブルが悪化し接続が不安定になる可能性もあります。
このエラーは、見た目の挙動だけでは原因を特定しにくく、自己判断では誤った対応につながるケースが多く見られます。正確な原因を把握して確実に回復させるには、専門知識を持つ技術者の診断が重要です。
当社では相談から初期診断まで24時間365日体制で無料でご案内しています。ぜひ気軽にご相談ください。
Windows 11 24H2でエラー0x80070035が出る主な原因
このエラーは、Windows 11 24H2の仕様変更により発生するセキュリティ強化が主な要因です。NASや共有サーバーがSMB2.0以上に対応していない場合や、設定の再構成が必要になるケースがあります。
SMB 1.0が完全無効化された
Windows 11 24H2ではSMB 1.0が標準で削除されました。古いNASやネットワーク機器がSMB1.0のみ対応していると接続不可になります。NASの設定画面で「SMB2.0以上」を有効化し、再起動後に接続を試してください。
ゲストアクセスが制限された
Windows 11では認証なしの「ゲストアクセス」が禁止されました。NASや共有フォルダにアクセスする際は、Windowsと同じユーザー名・パスワードを登録してログインする必要があります。
SMB署名・暗号化の強制
SMB署名(データ改ざん検知)や暗号化が必須化され、古い機器では通信が遮断されます。NAS側で署名を有効にするか、ファームウェアを更新してください。
ネットワークプロファイルがパブリック
アップデートによってネットワーク設定がリセットされ、「パブリック」モードになることがあります。「設定 → ネットワークとインターネット → プロパティ」で「プライベート」に変更すると共有機能が有効になります。
ファイアウォール設定・共有権限の不一致
ファイアウォール設定の変更でポート445が閉じられているとSMB通信が遮断されます。共有先PCやNASで「Everyone」へのアクセス権を再確認し、必要に応じてポートを開放してください。
NASや共有ストレージの障害・破損
エラー「0x80070035(ネットワークパスが見つかりません)」が出る原因として、NASや共有ストレージの障害や破損が考えられます。
「急にアクセスできなくなった」「他のPCでは見えるのに、自分のPCからだけ見えない」といった場合は、ストレージの不具合やファームウェアの問題、長時間の稼働による劣化が原因かもしれません。
こうしたトラブルは身近に起こりうるもので、無理な再接続や再起動は状態を悪化させるおそれがあります。異常に気づいたら、早めに専門業者に相談することが安心につながります。
当社では、相談から初期診断まで24時間365日無料でご案内しています。まずはお気軽にご相談ください。
【要注意】自力対応が招くデータ損失のリスク

「NASや共有フォルダにアクセスできない」――そんなトラブルに直面したとき、まずは自力で何とかしようと対応する方が多いと思います。
設定を何度も変更したり、誤って初期化を行ってしまうことで、大切なデータにアクセスできなくなることがあります。特に機器本体やストレージに異常がある場合、自力での対応が状況を悪化させるリスクがあるため注意が必要です。
専門業者であれば、正確な診断に基づいて最適な方法で復旧を進めるため、データ消失を最低限に抑えることができます。中でもデジタルデータリカバリーは、以下の理由から多くの方に選ばれています。
- 相談実績46万件以上(2011年1月~)の豊富な対応経験に基づき、個人・法人問わず幅広いトラブルに対応
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- 他社で「復旧不可」とされた機器の対応実績が7,300件越えにものぼり、独自の復旧技術を保有
大切なデータを守るには、まずは自力対応よりも専門的な判断が欠かせません。操作を誤る前に、まずは当社にご相談ください。
エラー0x80070035「ネットワークパスが見つかりません」の解決方法
ここからは、実際に接続を回復するための設定手順を紹介します。NAS・共有フォルダの種類に応じて、順に試していきましょう。
共有機器に同一ユーザー名とパスワードを設定する
Windows 11 24H2ではゲストアクセスが制限され、NASや共有先PCとの認証が一致していないとアクセスできません。NASや共有PC側にWindowsと同じユーザー名・パスワードを登録して接続を試みましょう。
- NASまたは共有先PCの設定画面を開きます。NASの場合は管理者アカウントでログインします。
- 「ユーザー管理」または「共有ユーザー」メニューを開きます。
- Windowsにログインしているユーザー名と同じ名前で新しいユーザーを追加します。
- 同じパスワードを設定して保存します。
- Windows側から再度「\\NAS名」または「\\共有PC名」でアクセスし、認証が通るか確認します。
ネットワークプロファイルをプライベートに変更する
ネットワークが「パブリック」設定だと共有通信が制限されます。「プライベート」に変更することで共有フォルダやNASにアクセスできるようになります。
- 「スタート」メニューから「設定」を開きます。
- 「ネットワークとインターネット」を選択します。
- 現在接続中のネットワーク(例:Wi-Fi名やイーサネット)をクリックします。
- 「ネットワークプロファイルの種類」を「プライベート」に変更します。
- 設定を閉じ、再度NASや共有フォルダにアクセスして確認します。
SMB2.0以上を有効にする
古いNASや共有機器がSMB1.0しか対応していない場合、Windows 11 24H2では接続できません。NAS側の設定でSMB2.0以上を有効にし、必要に応じてファームウェアを更新してください。
- NASの管理画面にログインします(例:QNAP、Synology、BUFFALOなど)。
- 「ファイル共有」または「SMB設定」「Windowsファイルサービス」メニューを開きます。
- 「SMBプロトコル」設定で「最小SMB2.0」または「SMB3.0」を選択します。
- 設定を保存してNASを再起動します。
- Windows 11側から再度アクセスして、接続が回復したか確認します。
レジストリで一時的にゲストアクセスを許可する
古い機器と一時的に通信する必要がある場合、レジストリを編集して制限を緩和します。
- 「Win + R」キーで「regedit」と入力し、レジストリエディタを開きます。
- 以下のキーに移動します:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\LanmanWorkstation\Parameters
- 右側の画面で以下の値を追加または変更します:
AllowInsecureGuestAuth
(DWORD値:1)
RequireSecuritySignature
(DWORD値:0) - 設定を保存して再起動します。
ファイアウォールと共有設定を見直す
Windows 11 24H2ではアップデート後にファイアウォール設定や共有許可が初期化される場合があります。共有フォルダがブロックされていないか、ポート445などの通信が遮断されていないか確認しましょう。また、共有先のアクセス権限が正しく設定されているかも重要です。
- 「スタート」ボタンをクリックし、「設定」→「プライバシーとセキュリティ」を開きます。
- 「Windows セキュリティ」→「ファイアウォールとネットワーク保護」を選択します。
- 画面右側で「アプリをファイアウォール経由で許可」をクリックします。
- 一覧から「ファイルとプリンターの共有」があることを確認し、プライベートネットワークのチェックがオンになっているか確認します。
- チェックが外れている場合は「設定の変更」をクリックしてチェックを付け、「OK」で保存します。
- 続いて共有先のフォルダを右クリックし、「プロパティ」→「共有」タブ→「詳細な共有」をクリックします。
- 「このフォルダーを共有する」にチェックを入れ、「アクセス許可」をクリックします。
- 「Everyone」が追加されているか確認し、なければ「追加」→「Everyone」と入力→「OK」を押します。
- 「Everyone」のアクセス許可で「読み取り」または必要に応じて「変更」にチェックを入れ、「適用」をクリックします。
- 設定をすべて閉じてから、もう一度ネットワーク共有にアクセスして通信が回復するか確認します。
専門業者に相談する
これらを試してもエラーが解消しない場合、NAS内部のファイルシステムやストレージに障害が発生している可能性があります。この状態で何度も接続を試すとデータ破損のリスクがあります。
デジタルデータリカバリーは、これまでに46万件以上の相談実績(※1)を持ち、一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(※2)という高い成果を上げています。初期相談・診断は無料で、24時間365日対応していますので、NASやサーバー障害でお困りの際はぜひご相談ください。
※1 期間:2011年1月以降
※2 内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
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よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
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電話番号:0800-333-6302
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復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。