Lenovo ThinkSystemサーバーは、多くの企業が信頼して導入している高性能サーバーです。しかし、その優れた性能に反して、以下のようなトラブルが突如として発生することがあります。
- サーバーが突然起動しなくなった
- RAID構成が崩れた、またはRAIDが認識されない
- 保存データが読み込めなくなった
- ソフトウェアの動作が不安定・クラッシュする
こうした症状が現れた場合、内部ではすでに深刻な障害が進行している可能性が高く、データへのアクセスが完全に失われるリスクも否定できません。
突然の障害でも、あきらめる前に「正しい手順」と「的確な対応」があれば、データ復旧の可能性は十分に残されています。
本記事では、Lenovo ThinkSystemサーバーに多く見られる障害を原因別に分類し、それぞれに対して適切な復旧方法を、専門家の視点から一切省略なく詳しく解説します。
もし読み進めても「自力での対応は難しい」と感じた方は、初期診断とお見積りは完全無料・24時間365日対応で承っております。まずはお気軽にご相談ください。
目次
ThinkSystemサーバーの故障原因
Lenovo ThinkSystemサーバーは企業の中核を担う機器ですが、長期使用によって起動不能やRAIDエラー、アクセス障害などのトラブルが発生することがあります。
主な原因は次の通りです。
ソフトウェアやファームウェアの不具合
ハードウェアに問題がなくても、サーバーが起動しない場合は、ソフトウェアのエラーやファームウェアの不具合が原因になっていることがあります。
たとえば、Windowsではブルースクリーン(BSOD)が表示されたり、Linuxではカーネルパニックが起きたりすることがあります。これらは、ドライバの不具合やアップデートのミスなどで発生します。
ファームウェア(機器を制御するプログラム)が古かったり、互換性がないものに更新されていたりすると、起動時にエラーが出ることもあります。
Lenovoは「XClarity Essentials」や「UpdateXpress System Pack(UXSP)」という更新ツールを提供しており、これらを使うことで、必要なソフトウェアやファームウェアを正しく保つことができます。
RAID構成の崩壊・設定トラブル
RAIDとは、複数のHDDを組み合わせて安全性や性能を高める仕組みです。ThinkSystemサーバーでは、RAID 5やRAID 6、RAID 10といった構成がよく使われます。
しかし、1台でもディスクが故障するとRAIDの構成が崩れることがあり、データが読めなくなったり、起動できなくなることがあります。
特にRAIDコントローラ(RAIDを制御するパーツ)が壊れた場合は、ドライブ自体は正常でも、構成情報が消えてしまうためアクセスできなくなるケースもあります。
RAIDに関するトラブルは、無理に再構築すると逆にデータを壊す可能性があるため、専門的な知識が必要です。構成情報が消えている場合は、誤った順番やパラメータで再構成するとデータの復元が非常に困難になります。
電源トラブルや温度・湿度の問題
サーバーの電源ユニット(PSU)が壊れると、そもそも起動すらできません。雷や落電、停電などが原因で、電源が不安定になることもあります。
また、サーバー室の温度や湿度が高すぎる、もしくは低すぎると、機器が過熱したり、内部に結露が起きてショートしたりすることもあります。ファンにホコリが詰まっていると冷却がうまくいかず、マザーボードや電源がダメージを受けることもあるため、定期的な清掃やエアフローの確認も大切です。
こうした環境要因のトラブルは、ハードウェア故障を引き起こす根本原因となるため、意外と見落とせません。
ハードウェアの故障(HDD、メモリ、マザーボードなど)
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サーバーに使われている部品の中でも、HDD(ハードディスク)やメモリ、マザーボードは特に故障しやすい傾向があります。
たとえば、次のような症状が現れることがあります。
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HDDの故障
「カチカチ」「ガリガリ」といった異音がすることがあります。こうした異音が出ている状態で通電を続けると、磁気ディスクがさらに損傷し、データの復旧が難しくなるリスクが高まります。 -
メモリ(RAM)の障害
サーバーが勝手に再起動を繰り返す、エラー画面が頻繁に表示されるといった不具合が発生します。 -
マザーボードの故障
電源を入れてもまったく反応しない状態になることがあります。
こうしたトラブルを迅速に特定するために、ThinkSystemサーバーには「XClarity Controller(XCC)」という診断ツールが標準搭載されています。このツールを使えば、どの部品に問題があるのかを効率的に確認できます。
ただし、部品の異常を検知した時点での早期対応が非常に重要です。放置や自己判断での操作を続けると、データへのダメージが進行し、復旧可能性が大きく低下します。そのため、異常を感じたら速やかに専門業者へ相談することが推奨されます。
当社では、サーバーに関するデータ復旧にも対応しています。以下の強みを活かして、最適な復旧プランをご提案します。
- 46万件以上の相談実績(2011年以降)
- 一部復旧を含む復旧件数割合91.5%
(内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績) - 障害状況を正確に診断し、スピーディに対応
初期診断とお見積りは無料で、24時間365日体制で対応しています。大切なサーバーデータを守るためにも、異常を感じた際はお早めにご相談ください。
ThinkSystemサーバーのデータ復旧・復元方法
ThinkSystemサーバーに障害が発生した場合、まずやるべきは正しい原因の把握と、誤った操作を避けることです。再起動や再構築を軽率に行うと、元のデータを取り返しのつかない状態にしてしまう恐れがあります。ここでは、ハードウェア障害やRAID崩壊、ファームウェア破損などの状況別に、具体的な復旧手順を解説します。
ハードウェア構成・ファームウェアの復旧
サーバーの構成情報(起動順、RAID設定、ネットワーク設定など)はIMMやXCCに保存されています。これらが破損した場合、OSやデータに影響がなくてもサーバーが起動しないことがあります。
- XClarity Controller(XCC)にアクセスし、構成バックアップの有無を確認
- バックアップがある場合、「復元」メニューから設定をインポート
- ない場合は、マニュアルに従ってRAID構成やネットワーク設定を再入力
- ファームウェアの更新が必要な場合、UpdateXpress System Packを使用して最新化
OSやアプリケーションデータの復元
ハードウェアが無事でも、OSがクラッシュして起動できないことがあります。BSODやカーネルパニックが表示されたら、まずは復元ポイントやリカバリモードを活用しましょう。
- Windows:セーフモードで起動し、「前回正常起動時の構成」を選択
- Windows:インストールメディアから修復モードに入り、スタートアップ修復やsfc/scannowを実行
- Linux:古いカーネルを選択して起動。必要に応じてupdate-initramfsやfsckを実行
- いずれも復元できない場合、バックアップからのOSイメージ展開を検討
RAID構成の復旧とトラブル対応
RAID構成の問題は、誤操作によって取り返しのつかない損失を招くことがあります。特に「再構築」や「初期化」を実行する前に、必ずすべてのドライブをクローンしてから対処を行う必要があります。
- RAID再構築を行わず、すべてのディスクを取り外す
- 各ドライブのセクターイメージを取得し、オリジナルには一切書き込まない
- RAID ReconstructorやDiskInternalsなどのツールで仮想RAIDを作成
- ストライプサイズ・パリティ順序を解析し、正しいパラメータで仮復元を実施
RAID 5/6の場合、パリティ情報からの再構築には高度な技術が必要です。コントローラの設定情報が失われている場合、プロのサポートを受けることが安全です。
エンタープライズ向けバックアップからの復元
VeeamやCommvaultなどを利用している場合、仮想マシン単位・ファイル単位・システム全体の復元が可能です。構成に応じた復元方法を選択しましょう。
- バックアップ対象サーバーと時点(リストアポイント)を選択
- ポイントインタイムリカバリで、障害前の状態へ復元
- 必要に応じて「別の場所への復元(アウトオブプレース)」を選択
- リストア後、アプリケーション動作確認と整合性チェックを実施
不変リポジトリ(変更不可なバックアップ)を活用することで、ランサムウェアによる破壊からも復旧可能です。
プロのデータ復旧サービスに依頼する場合
物理的なHDD障害や、RAIDの複雑なトラブル、過去の誤操作がある場合は、データ復旧の専門業者に相談することが最も安全です。
- RAIDコントローラが壊れて構成が不明になっている
- 複数台のHDDでエラーや異音がある
- 自分で再構築・修復ツールを試したが改善しない
- 機密性の高い業務データが失われている
これらの問題を放置すると、次のような深刻なトラブルにつながります。
- RAID全体が崩壊し、すべてのデータにアクセスできなくなる
- 起動できず、業務やサービスが止まる
- 復旧までにかかる時間とコストが膨れ上がる
特に、RAID障害やファームウェアの不整合は、自己流で対応するとデータが完全に消えてしまうこともあります。
当社では、初期診断・お見積もりは無料です。いつでもご相談をお待ちしています。少しでも異常を感じたら、今すぐご連絡ください。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーの強み
デジタルデータリカバリーは、「データ復旧専門業者14年連続データ復旧国内売り上げNo.1」の実績を持つデータ復旧業者です。データ復旧の技術力として、「データ復旧率最高値95.2%」を誇っています。
また、データ復旧業者の最後の砦と言われる所以として、「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」の実績を信頼いただいています。他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーの復旧技術であれば復旧できたという事例も多数ございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。