- RAID-Zを採用しているサーバでエラーが出て起動しない
- ZFSの構成に詳しい担当者が社内にいない
- ストレージの状態を確認したいが、どこに依頼すべきかわからない
RAID-Zの障害は、通常のRAIDとはまったく異なるアプローチが求められます。
本記事では、RAID-Zで起こりやすい障害のパターンと原因、そして被害を最小限に抑えるための適切な対処法をわかりやすく解説しています。なお、私たちはZFS対応の専門診断を行っております。大切なデータを守るためにも、まずは今すぐご相談ください。
目次
RAID-Zとは何か

RAIDとは、複数のHDDを1台のドライブとして認識・表示させる技術です。その中でもRAID-Zは、ZFSファイルシステムを採用し、複数のストレージ(HDDやSSD)にデータをブロック単位で分散して書き込む構成が特徴です。
RAID-Zの主なメリットには、以下のような点が挙げられます。
- 大容量データの効率的な管理が可能
- ディスクの一部が故障してもデータ消失を回避できる構成
- 書き込み時の整合性確保による信頼性の向上
しかし、RAID-ZはZFSという特殊なファイルシステムを採用しているため、わずかな判断ミスが致命的な結果を招く恐れがあります。実際に、社内のIT担当者では対応しきれず、誤った処置によって業務データや顧客情報が完全に消失した事例も報告されています。
特に以下のようなケースでは、一般的な復元ソフトでは対応が難しく、慎重な対応が求められます。
- RAIDアレイの構成情報の破損
- 複数ディスクの同時故障
- ZFSの論理構造に起因する障害
RAID-Zで異常が発生したとき最も重要なのは、「状態を見誤らず、手を加える前に専門診断を受けること」であり、復旧の可能性を少しでも高めたい場合には、ZFSの構造に精通した専門家による初期対応が不可欠です。
当社では、ZFSファイルシステムやRAID-Z構成に対応した専任チームを備え、これまでに数多くのRAIDトラブルを解決してきました。
初期診断とお見積りは無料で、24時間365日対応しています。RAID-Zに異常が見られた際は、できるだけ早く専門家に相談いただくことが、データを守る最善の手段となります。
RAID-Zに異常が発生する原因

ZFSのRAID-Zは高度なデータ整合性機能を備えていますが、それでも完全ではなく、特定の状況下ではストレージプールが異常を起こすことがあります。
ここでは、その原因をタイプ別に整理してご紹介します。
接続機器や電源のトラブル
ディスクが論理的には正常でも、接続や電源の問題で認識されなくなるケースがあります。
- SATA/SASケーブルの抜けや断線
- 電源ユニットの故障や過電流
- HBAカードやマザーボードのポート障害
ZFSやOSの不具合・操作ミス
ソフトウェア側の問題や人的ミスも、RAID-Zのプール異常を引き起こします。
- zpool/zfsコマンドの誤使用(誤detach・誤replaceなど)
- ZFSモジュールのバグやOSのドライバ不良
- パーティション操作による構成破壊
外的要因(温度・振動・停電など)
ハードウェアに直接関係する外的環境要因も、プール障害のリスクを高めます。
- 高温状態(通気不良、冷却不良)
- サーバー筐体の振動や衝撃
- UPS未使用での停電・瞬断によるデータ破損
これらの原因によってRAID-Zのプールが「DEGRADED」や「FAULTED」などの状態になった場合、早急な対応が必要です。
ディスクの物理障害・劣化

RAID-Zを復旧するときの注意点
RAID-Zを復旧するときの注意点には以下のものがあります
- 本体サーバを操作しない
- 自身でリビルドをしない・単体接続を試みない
- データ復元ソフトを使わない
本体サーバを操作しない
RAID-Zの本体サーバに異常を発見した場合は、本体への操作を速やかに止めてください。パソコンなど周辺機器を介したサーバの利用も止めることが理想的です。むやみに操作を行うと、状況が悪化し、復旧難易度があがる恐れがあります。
自身でリビルドをしない・単体接続を試みない
リビルドには高度な専門知識が必要になるため、サーバに関する知識がない、あるいはサーバ管理がブラックボックス化している場合、自身でリビルドをしてはいけません。
また安易に単体接続を試みると、「接続後に誤ってデータを消去する」などのトラブルにより復旧難易度が上がってしまう可能性があります。仮にリビルドに失敗した場合、サーバに保存されたデータが全て消去される恐れがあります。
データ復元ソフトを使わない
サーバにデータ復元ソフトを使うことはおすすめできません。復元ソフトが対処できるのは軽度のシステムエラーに限られ、中~重度のシステムエラーや物理的な破損には対応できないからです。
もっともRAID‐Zは特殊なファイルを使用するため、対応するデータ復元ソフトはごくわずかです。サーバに異常を発見した場合、まずは社内SEやデータ復旧業者などサーバの専門知識のある方に相談しましょう。
RAID-Zのプール異常に対する復旧方法
RAID-Zで発生する障害への対応は、その状態や原因により異なります。ここでは、代表的な異常パターンごとに、ZFSで実行できる対処法を詳しく解説します。
障害ディスクの交換とリシルバリング手順
RAID-Zの冗長性内に収まる障害であれば、ZFSのreplace機能で復旧可能です。
- zpool status -v で障害ディスクを特定し、デバイス名を確認します。
- 必要に応じて zpool offline <プール名> <デバイス名> を実行して、対象ディスクをオフライン化します。
- サーバーの電源を切り、新しいディスク(容量同等以上)に物理交換します。
- zpool replace <プール名> <旧ディスク> <新ディスク> を実行して、リシルバリングを開始します。
- zpool status で進捗を確認し、完了後にプールが ONLINE になっているかを確認します。
接続や電源トラブルの切り分けと対処方法
物理的にディスクは無事でも、認識エラーが出る場合は接続系を重点的に確認します。
- SATA/SASケーブルや電源ケーブルが緩んでいないか確認し、必要に応じて交換します。
- 別のポートやHBAカードに挿し替えて、ディスクが正しく認識されるかを試します。
- 接続を変えても解決しない場合、zpool offline/online で再認識させるか、replace を検討します。
zpool scrubによるチェックサムエラー修復
軽度なデータ破損であれば、ZFSのself-healing機能により修復可能です。
- zpool scrub <プール名> を実行して、整合性チェックと自動修復を開始します。
- scrub中はディスクI/Oが増えるため、アクセスが少ない時間帯に行うのが理想です。
- zpool status で scrub 終了とエラーの有無を確認します。
プールがFAULTEDになった場合の対応
冗長性を超えるディスク障害やメタデータ破損がある場合は、慎重な判断が必要です。
- zpool import -F <プール名> で強制インポートを試みます(読み取り専用になる可能性あり)。
- 一部のデータを救出できる可能性があるため、すぐに別ストレージへバックアップを行います。
- 操作が不安な場合、専門業者へ相談することを強く推奨します。
zpool importが失敗する場合の対処法
zpool import に失敗する場合は、ディスク検出の問題やキャッシュファイル破損が考えられます。
- lsblkやfdisk -lで、ディスクがOSに認識されているか確認します。
- zpool import -d /dev/disk/by-id/ など、対象ディスクパスを明示して再試行します。
- /etc/zfs/zpool.cache をリネームしてzpool importを再実行(注意が必要)。
データを守るために最も重要なこと

RAID-Zは強力な冗長性を備える一方で、「万能」ではありません。誤操作や複数障害には弱く、リカバリが困難なケースもあります。障害の予兆を逃さず、日頃から次の対策を意識してください。
- zpool status や S.M.A.R.T.情報の定期監視
- UPSや冷却装置による障害予防
- ZFSプールとは別系統での定期的なバックアップ
もし障害が発生し、自力での復旧が難しい場合は、初期診断無料の専門業者への相談が最も確実です。当社では、ZFSやRAID-Zを含む高度なストレージ構成の復旧にも多数の実績があります。迅速かつ確実な対応で、大切なデータを守ります。
「RAID-Zプールに異常を感じたら、今すぐご相談ください。診断無料・24時間365日対応。重要データの復旧は時間との勝負です。」
デジタルデータリカバリーは、一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績)を誇ります。これまでに46万件以上の相談実績(期間:2011年1月以降)を持ち、官公庁や法人1万社以上と取引するなど確かな信頼と実績があります。少しでも不安を感じたら、まずはお気軽にご相談ください。診断とお見積もりは無料、24時間365日対応しています。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーの強み
デジタルデータリカバリーは、「データ復旧専門業者14年連続データ復旧国内売り上げNo.1」の実績を持つデータ復旧業者です。データ復旧の技術力として、「データ復旧率最高値95.2%」を誇っています。
また、データ復旧業者の最後の砦と言われる所以として、「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」の実績を信頼いただいています。他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーの復旧技術であれば復旧できたという事例も多数ございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。