- RAID1構成のNASやPCが突然認識されなくなった
- HDDは正常に回っているが、Windows上でドライブが表示されない
- RAIDユーティリティで「障害」や「同期エラー」の警告が出ている
こうした状況に陥っても、RAID1(ミラーリング)は冗長性を備えているため、構成を正しく把握し適切に対応すれば、データを取り戻せる可能性があります。
ただし、RAID構成のまま安易にWindowsへ接続すると、RAID情報が上書きされ、復旧が困難になるリスクもあります。安全に進めるには、RAID1の仕組みを理解し、障害の状態に応じた対応が不可欠です。特にソフトウェアRAIDとハードウェアRAIDでは手順や環境が異なります。
この記事では、RAID1構成のNASやPCで起こる障害と、Windows上での復旧方法を解説。自力復旧の手順から、業者に相談すべきタイミングまで実用的に紹介します。
万が一に備え、24時間365日、無料で状況を診断いたします。大切なデータを守るために、まずはお気軽にご相談ください。
目次
RAIDとは?
RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数のHDDやSSDをひとつの論理ディスクとしてまとめ、読み書き速度の向上やデータの冗長性(バックアップ機能)を実現する技術です。特定のRAIDレベルでは、1台のディスクに障害が発生しても、残りのディスクからデータを復元できる仕組みが備わっており、サーバーやNASなど、安定性が求められるシステムで広く利用されています。
- RAID0:データを分散して高速化(冗長性なし)
- RAID1:2台に同じデータを保存し、片方が故障しても復旧可能
- RAID5/6:データとパリティを分散し、冗長性を確保
※RAIDはあくまで可用性を高めるもので、バックアップの代用にはなりません。

RAID1の復旧が必要になる原因
RAID1は信頼性の高い構成ですが、次のような状況で復旧作業が必要になります。
片側HDDの故障
RAID1の最大の利点は「ミラーリング」による冗長性です。しかし、片側のHDDが物理的に故障すると、RAIDアレイ全体が不安定になります。完全に死んでしまったディスクを認識し続けようとすることで、OS側でエラーが頻発することもあります。
RAID構成の破損・解除
RAID構成そのものが崩れてしまった場合、OSからは「異形式」や「失敗」として表示されます。こうなると、HDDが独立したディスクとして認識されるため、RAIDを再構成するか、データを個別に救出する必要があります。
ソフトウェアRAIDの同期不良
項目 | ソフトウェアRAID | ハードウェアRAID |
---|---|---|
制御元 | OS | RAIDコントローラ(専用ハード) |
パフォーマンス | やや低い(CPU依存) | 高い(CPU負荷が少ない) |
コスト | 安価(追加機器不要) | 高価(専用機器が必要) |
柔軟性・移行性 | OS依存で制限あり | コントローラ依存で制限あり |
利用シーン | 個人・小規模環境 | 業務用サーバー・法人NAS |
WindowsのソフトウェアRAID機能を使っている場合、同期の不一致やシステム更新によるRAID管理情報の消失で「冗長の失敗」状態に陥ることがあります。この状態からは、どちらのディスクが最新かを見極めて復旧する必要があります。
これらの原因はいずれも、放置や誤操作によって症状を悪化させる恐れがあります。データ消失やアクセス不能、再起動不能といった二次被害を防ぐためにも、次に解説する復旧方法を正しく理解し、慎重に対応することが重要です。
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RAID1復旧時の注意点
RAID1は比較的安全な構成ですが、復旧作業を誤ると元のデータが完全に消失する可能性があります。以下のポイントに注意してください。
- 復旧中は元のHDDに絶対に書き込まないこと。
- ディスクの順序や接続ポートを変えないよう注意する。
- RAID構成に自信がない場合は、自己判断でリビルドを行わない。
- 重要なデータが含まれる場合は、初期診断を受けてから対応を検討する。
RAIDに関する復旧作業は複雑であり、誤った判断で状況を悪化させることもあります。少しでも不安がある場合は、専門の復旧業者に相談することを強く推奨します。
RAID1の復旧方法
RAID1の復旧は、トラブルの種類によってアプローチが異なります。ここではWindows標準機能を使う方法と、復旧ソフトを使う方法、さらにハードウェアRAIDでのリビルド手順を解説します。
Windows標準機能で復旧する
WindowsでソフトウェアRAID1を構成していた場合、ディスクの管理機能からRAIDを解除し、片側ディスクの状態を確認・再構成することが可能です。
- [スタート] → [コンピューターの管理] → [ディスクの管理]を開きます。
- 「失敗」や「異形式」と表示されるディスクを右クリックし、「形式の異なるディスクのインポート」を選択します。
- ミラーが解除され、それぞれ独立したドライブとして認識されます。
- どちらのドライブが最新かを「プロパティの日時」や「差分比較ソフト(例:WinMerge)」で確認します。
- 正常な方を残し、もう一方を初期化して「ミラーの追加」から再構成します。
復旧ソフトを使ってデータを救出する
ソフトウェアRAIDでは対応が難しい、またはNASやハードウェアRAIDなどのRAID1構成に対応したHDDを使用している場合は、専用の復旧ソフトを利用してデータを救出する方法があります。
- RAID1対応の復旧ソフトを用意します。
- RAID構成に使われていたHDDを、SATA-USBアダプタ等でPCに接続します。
- 復旧ソフトを起動し、RAIDディスクをスキャンして復旧可能なファイルを確認します。
- 復元したいファイルを選択し、必ず別ドライブに保存します(元のHDDへの書き込みは厳禁)。
ハードウェアRAIDでリビルドする
RAIDコントローラ搭載のサーバーやマザーボードを使用している場合は、リビルドによるRAID再構成が可能です。データの上書きや消失のリスクがあるため、リビルド前には必ずバックアップを取りましょう。
- RAIDコントローラの設定ユーティリティ(例:Intel RSTやLSI MegaRAID)にアクセスします。
- エラーを起こしているHDDを取り外し、新しいHDDを同じポートに接続します。
- ユーティリティの「Rebuild」オプションを選択し、健全なHDDから新しいHDDへデータを同期させます。
- リビルド中はアクセスを最小限に抑え、作業完了まで通電を維持します。
もし原因や対処法が当てはまらない場合やデータを無くしたくない場合、無理に操作せず、専門業者に相談を。デジタルデータリカバリーなら、24時間365日年中無休・最短即日復旧が可能です。
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Q:会社で使っている機器なので情報漏えいが心配です。預ける前に機密保持誓約書を出してもらえますか?
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