RAID1構成で片方のディスクが故障し、交換後も再構築されない、さらに誤操作で正常ディスクまで認識されなくなる。このような状況ではRAID全体が危険に晒されています。
LinuxのRAID1は高い冗長性を持ちますが、mdadmの誤操作により構成情報を失えば、正常なディスクのデータまで失う恐れがあります。再構築には正確な手順が不可欠です。
本記事では、Ubuntu/CentOS/Debian対応のRAID1復旧手順を詳しく解説しています。
作業に不安がある場合は、RAID復旧に特化した専門業者による24時間365日対応の無料診断をご活用ください。誤った初期対応は致命的です。
目次
RAID1障害の概要と復旧の流れ
- RAID1を構成している片方のディスクが故障した
- システムは動いているが、ディスクの異常通知が出ている
- ミラーリング環境なのに突然アクセスできなくなった
このような症状が見られる場合、RAID1の冗長性はすでに失われており、残された1台のディスクに依存する不安定な状態です。
片方が無事でも「すぐには問題ない」と油断しがちですが、放置すれば冗長性を失ったまま運用を続けることになり、残りのディスクに障害が発生した瞬間、全データが完全に失われるリスクが高まります。
大切な業務データや個人情報を守るためには、違和感や異常を感じた時点での早期対応が鍵です。RAID障害は構造が複雑なため、誤った復旧作業は取り返しのつかない事態につながる恐れがあります。
当社では、RAID障害に特化した無料初期診断とお見積りを24時間365日体制で行っております。安全かつ確実な復旧の第一歩として、まずはお気軽にご相談ください。
ステップ1:RAIDアレイの状態確認
RAIDの現在の状態を把握することから始めます。代表的なコマンドは以下の2つです。
cat /proc/mdstat
を実行し、RAID全体の状態を確認します。正常な状態では[UU]
と表示されます。[U_]
など片方のUが欠けていれば障害が発生しています。mdadm --detail /dev/md0
でRAIDデバイスの詳細を確認します。「State : degraded」「removed」などの表示が故障ディスクの兆候です。
ステップ2:故障ディスクの取り外し
特定された故障ディスクは、まずソフト的にRAID構成から切り離す必要があります。これにより、安全に物理取り外しが可能になります。
mdadm --manage /dev/md0 --fail /dev/sdX
で障害ディスクをFail状態にします。mdadm --manage /dev/md0 --remove /dev/sdX
でRAIDから除去します。- シャットダウン後、安全にディスクを物理的に交換します(ホットスワップ非対応機では必須)。
ステップ3:新ディスクの準備とRAIDアレイへの追加
交換用のディスクは、元のディスクと同じパーティション構成にする必要があります。既存ディスクから構成を複製する方法も利用できます。
- 新ディスクを接続し、
lsblk
やfdisk
で認識を確認します。 fdisk -l /dev/sdX
やsfdisk -d
で元ディスクのパーティションを確認し、新ディスクへ同様に作成(またはコピー)します。mdadm --manage /dev/md0 --add /dev/sdX1
でRAIDに追加します。
ステップ4:リビルドの進捗と完了確認
RAIDに新ディスクを追加すると、自動的に再同期(リビルド)が開始されます。進捗状況は以下の方法で確認できます。
cat /proc/mdstat
で進捗状況(例:recovery = 55.9%)を確認します。mdadm --detail /dev/md0
で「recovering」状態と進捗率が確認できます。- 完了すると再び
[UU]
となり、RAIDが健全な状態に戻ったことを示します。
ステップ5:安全な復旧のための注意点と運用ベストプラクティス
RAID復旧を成功させるためには、作業の確実性だけでなく、その後の運用にも気を配る必要があります。
- 誤って正常ディスクを除去しないように、RAID状態を必ず事前に確認する。
- 新ディスクは同等以上の容量で、同じパーティション構成にする。
- MBR形式ではパーティションIDをfd、GPTではRAIDフラグ/GUIDを必ず設定。
- 再同期中は電源断や高負荷を避け、可能であればUPSを使用。
- 必要に応じてGRUBやEFIブート設定を復元。
mdadm --monitor
の設定とMAILADDRによる通知環境を整備する。- 定期的にスクラブ(整合性チェック)を実施し、潜在的エラーを未然に検知する。
- RAIDはバックアップの代替にはならない。別途バックアップを徹底する。
RAID構成の復旧は、一つの操作ミスが重大なデータ損失につながるリスクがあります。業務用サーバーなど重要データを扱う環境では、自力での対応に固執せず、専門業者への早期相談が賢明です。
当社はRAID1再構築や障害解析に多数の実績があり、正確な初期診断と最適な復旧手順をご案内します。365日・24時間対応、緊急時も安心です。
▶ 復旧成功率91.5%(完全復旧57.8%)
▶ 相談実績46万件超・官公庁・法人1万社以上と取引
▶ 15,000種以上の障害DBで迅速対応
「故障ディスクが分からない」「作業に不安がある」場合も、まずは無料相談をご活用ください。データ保全の第一歩は、正確な判断と迅速な行動です。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーの強み
デジタルデータリカバリーは、「データ復旧専門業者14年連続データ復旧国内売り上げNo.1」の実績を持つデータ復旧業者です。データ復旧の技術力として、「データ復旧率最高値95.2%」を誇っています。
また、データ復旧業者の最後の砦と言われる所以として、「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」の実績を信頼いただいています。他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーの復旧技術であれば復旧できたという事例も多数ございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。