- RAID管理画面に「degraded」の表示が出ている
- ストレージの容量は見えているが、挙動が不安定
- ディスクを交換したが復旧しない
- 突然一部のデータにアクセスできなくなった
このような症状が現れた場合、RAID構成が破損した「degraded状態」に陥っている可能性があります。
RAIDのdegraded表示は、“データ損失の一歩手前”ともいえる重要な警告です。この状態で運用を続けると、残されたディスクにも負荷がかかり、二次障害を引き起こすリスクが急激に高まります。
しかし、焦ってディスクの差し替えや再構築を自己判断で行うと、本来復旧できたはずのデータすら失われる恐れがあります。重要なのは、正しい順序で状況を確認し、慎重に対応することです。
本記事では、RAIDがdegraded状態になる主な原因と、データを守るために必要な解決策を、専門家の視点からわかりやすく解説します。
もしも今まさにdegradedの表示が出てお困りなら、当社の無料診断サービス(24時間365日対応)をご利用ください。リスクが拡大する前に、早めの相談で被害を最小限に抑えましょう。
目次
RAIDとは?
RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数のHDDやSSDをまとめて構成し、速度向上やデータ保護を実現する技術です。NASやサーバーなどで広く使われています。
- RAID0:データを分散して高速化(冗長性なし)
- RAID1:2台に同じデータを保存し、片方が故障しても復旧可能
- RAID5/6:データとパリティを分散し、冗長性を確保
RAIDアレイの冗長性とは
RAIDの冗長性とは、HDDが1台壊れても他のディスクからデータを復元できる仕組みです。システム停止を避けながらデータを保護できます。
代表的な冗長構成:
- RAID1:片方のディスクが壊れても運用可能
- RAID5:1台の障害に対応できるパリティ(復元情報)構成
- RAID6:2台までの同時故障に対応可能
※RAIDはあくまで可用性を高めるもので、バックアップの代用にはなりません。
RAIDがdegraded状態になる原因
RAIDのdegraded状態は、1台以上のHDDやSSDに障害が発生した際に表示される警告です。見た目にはシステムが動作していても、裏ではデータ保護の仕組みが機能していない状態です。
このまま運用を続けると、次のトラブルが発生した時点でデータが完全に失われるリスクが高まります。以下に代表的な原因を示します。
電源障害やシステムトラブル
停電や電源ユニットの不具合、またはOSやRAIDソフトのクラッシュにより、RAIDの制御が正常に行われなくなることがあります。
誤ったディスク交換や取り外し
稼働中のRAIDからHDDを不用意に抜いたり、手順を誤って交換した場合も、RAIDが構成を維持できず、degraded状態となります。
RAIDコントローラの故障
RAIDを制御する専用ハードウェア(RAIDカードやマザーボード上のコントローラ)が故障すると、正常なRAID管理ができず、degradedになるケースがあります。
ディスク容量や構成の不一致
RAID構築時に異なる容量のディスクを混在させた場合や、交換ディスクのスペックが不適切だった場合にもdegradedが発生することがあります。
ハードディスクの故障や経年劣化
RAIDアレイを構成するディスクのうち1台が物理的に壊れたり、寿命による劣化でアクセス不能になった場合に、degraded状態に陥ります。無理な使用や自己修理は状況を悪化させるため、物理障害が疑われる場合は適切な診断と専門業者に相談することをおすすめします。
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RAIDがdegradedになったときの対処法
RAIDのdegraded状態は放置するほどリスクが高まります。以下の対処法を順に確認し、安全にRAIDアレイを正常状態へ戻しましょう。
データのバックアップ取得
まずは最優先でデータのバックアップを行います。degraded状態ではRAIDの冗長性が失われており、もう一台の故障で全データが失われる恐れがあります。
- 外付けHDDやネットワークドライブを接続
- RAIDボリュームから重要なデータを速やかにコピー
- バックアップ対象に不足がないか確認
故障ディスクの特定
RAID構成ソフトやBIOS、専用管理ツール(Intel RST、MegaRAIDなど)を用いて、どのディスクが故障しているのかを確認します。
- RAID管理ツールを起動
- 構成メンバーの状態を一覧で確認
- 「FAILED」「OFFLINE」「MISSING」などと表示されたディスクを特定
ディスクの交換
特定された故障ディスクを、新品の同容量・同等スペックのディスクに交換します。ホットスワップ対応機種であれば、電源を入れたまま交換可能です。
- 交換ディスクを準備(容量・回転数などスペックを確認)
- ホットスワップが可能か取扱説明書で確認
- RAID管理ツールで交換を指示(または自動認識される)
RAIDリビルドの実施
新しいディスクを組み込んだら、RAID管理ソフトでリビルド(再構築)を実行します。処理には数時間かかる場合があり、完了まで操作を控えることが推奨されます。
- RAIDツールで「Rebuild」または「Resync」を選択
- 新しいディスクを対象にリビルドを開始
- 進捗状況をモニタリングし、完了を確認
すべてのディスクの状態確認
リビルド後も油断は禁物です。他のディスクに劣化や不良セクタがないか、SMART情報などを使ってチェックします。
- SMART情報やベンダー提供ツール(CrystalDiskInfoなど)で確認
- 不良セクタの数、温度、使用時間などを確認
- 異常があれば予防的なディスク交換を検討
専門業者への相談
RAID構成が複雑だったり、複数のディスクに障害が発生している場合、自力での対応は非常にリスクが高くなります。誤った操作によって、復旧できたはずのデータまで失ってしまう可能性があります。大切なデータを確実に守るためにも、安全を最優先し、早めに専門のデータ復旧業者に相談することをおすすめします。
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NAS・サーバーのデータ復旧(復元)の成功を左右するのが正しい初期診断です。初期診断では、機器の状態をエンジニアが確認し、原因を突き止めます。この時の診断が間違っていると対処法を誤り、データを正確に取り出せなくなってしまいます。 初期診断により異常箇所を特定し、ファイルシステムの解析やデータ構成の再築など論理障害や、NAS・サーバー内蔵HDD(ハードディスク)の物理的な障害を復旧していきます。
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Q:会社で使っている機器なので情報漏えいが心配です。預ける前に機密保持誓約書を出してもらえますか?
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