QNAP(キューナップ)製のNASは、個人向けのコンパクトモデルから、法人向けのタワー型・ラックマウント型まで、多彩なラインナップを展開しています。
- 電源がまったく入らない
- 電源ランプが点滅を繰り返している
- ビープ音が何度も鳴り続ける
- 起動プロセスが途中で止まる
こうした症状が見られる場合、NAS内部ではすでに深刻な障害が発生している可能性が高く、安易な再起動や自己判断での対応はデータ消失のリスクを大きく高めます。
QNAP製NASに保存されているデータを安全に取り戻すためには、障害の内容に応じた的確な対処が必要です。本記事では、症状別に考えられる原因と正しい対応方法について、専門的な視点から詳しく解説します。
もし、すでに異常が見られ、自力での解決が難しいと感じているなら、まずは24時間365日対応の無料診断をご利用ください。状況に応じた最適なアドバイスを、経験豊富な専門家が提供します。
目次
QNAP NASの赤ランプが示す状態とは

QNAP NASが赤ランプになったときの対処法は次の通りです。
赤点灯への対処:システムエラーの確認と電源断
NASの赤ランプが点灯している場合、システム自体の深刻なエラーが発生している可能性があります。HDDエラー、ファン停止、RAID異常など、物理・論理両面のトラブルが考えられるため、即座の対応が必要です。
- 前面のステータスLEDが赤点灯していることを確認
- QTSにログイン可能なら、システムログやディスク状態を確認
- アクセス不可、異音がある場合は直ちに電源を落とす(電源ボタンを短押し、反応がなければ5秒長押し)
赤点滅への対処:RAID縮退モードの扱い方
赤点滅(0.5秒周期)はRAIDの縮退モードを示し、HDD1台が故障したことを意味します。即時対応すれば、データ消失を回避できる可能性が高くなります。
- QTSからRAID構成状態を確認し、縮退中のディスクを特定
- NASをシャットダウン後、該当HDDを交換(同容量・同等品)
- QTSで「リビルド」を選択し、慎重に進める(他のHDDも劣化している可能性に注意)
赤・緑交互点滅の際の対応方法
赤と緑のLEDが交互に点滅する場合、RAID構成変更やファームウェア更新など、システムが一時的に操作中であることを示します。
- QTSにログインして、現在実行中の処理(例:RAID再構築、ファーム更新)を確認
- 処理が完了するまでNASに触らず放置(数十分〜数時間かかる場合あり)
- 異常がなければ自動復旧されるケースが多いため、通電維持しつつログを監視
ファン異常の対処:冷却不良の早期対応
ビープ音3回(5分ごと)と赤ランプの点灯が同時に発生した場合、ファンの異常が疑われます。内部温度の上昇により、HDDや基板の破損リスクが高まるため早急な対応が必要です。
- NASを直ちにシャットダウンし、設置環境の通風性を確認
- 背面または内部ファンの回転有無を確認(目視または静音環境下で耳を当てる)
- 故障している場合は純正ファンへ交換し、動作を確認したうえで通電
容量逼迫時の注意点と緊急対応
長いビープ音2回と赤点灯が同時に現れる場合、NASの容量が逼迫している可能性があります。システム障害やデータ書き込みエラーにつながるため、空き容量の確保が急務です。
- QTSにログインし、「ストレージ&スナップショット」から容量使用状況を確認
- 不要ファイルの削除、スナップショットの整理を実施
- 不要なアプリのアンインストールやログファイル削除で応急処置
電源関連エラーへの基本対処
電源投入後すぐに赤ランプと長いビープ音が発生する場合、電源供給の問題や強制終了によるエラーが疑われます。
- 電源ケーブルとACアダプタの接触確認、別のコンセントに差し替えテスト
- UPS(無停電電源装置)を使用している場合は経路や出力を再確認
- 強制終了を避けるため、電源ボタンを短く押す操作で終了を徹底
異音がする場合の緊急対応
「カチカチ」「カラカラ」といった異音がHDDから発せられている場合は、ヘッドクラッシュやスピンドルモーターの不具合など、物理的故障の可能性が非常に高い状態です。
- 即座に通電を停止し、電源を切る(音が継続するほどダメージが進行)
- HDDを取り外さず、そのままの状態で保管(静電気やホコリから保護)
- 物理障害対応の専門業者に診断・復旧を依頼
異臭がする場合の処置と注意点
焦げ臭いにおい、または電気部品が焼けたような異臭がする場合、基板のショートや電源部の焼損など深刻な障害が発生している恐れがあります。
- ただちに電源ケーブルを抜き、火災の危険を回避
- 筐体が異常に熱い場合は冷却後に慎重に触れる
- 電源再投入や分解はせず、状態を保ったまま復旧業者に相談
管理画面にアクセスできないときの対応
QTSにアクセスできない場合、ファームウェアの破損やRAID情報の読み込み失敗、あるいはネットワーク障害が考えられます。
- NASとPCを直接LANケーブルで接続し、固定IPでアクセスを試みる
- Qfinder Proを使ってNASの状態をスキャン
- それでも表示されない場合は、ディスク障害またはファームウェア破損が疑われるため、復旧の専門家に相談
QNAP NASが赤ランプになったときの対処法
赤ランプが点灯または点滅した際には、以下の対処法を慎重に実行することが重要です。正しい対応によって、データ復旧の可能性を高めることができます。
赤点灯への対処:システムエラーの確認と電源断
QNAP NASが赤く点灯した場合、システムエラーの発生や、HDD・RAID構成に異常が生じている可能性があります。このようなときは、誤操作によって状態を悪化させないよう慎重に対応する必要があります。
- QNAP NASのフロントパネルや管理画面(QTS)にアクセスし、システムログや警告メッセージを確認します。ここに異常HDD番号やRAIDのステータスが記録されていることがあります。
- NASの電源ボタンを長押ししてシャットダウンを行い、その後、電源ケーブルを抜いて完全に通電を止めます。誤って再起動を繰り返すと状態が悪化するため、慎重に対応してください。
- NAS筐体からHDDを取り外し、それぞれのラベル番号と取り外した順番をメモして記録します。異音や熱などの異常がないかも確認してください。
赤点滅への対処:RAID縮退モードの扱い方
赤色の点滅(0.5秒間隔)はRAID構成の縮退モード(Degraded)を示す警告です。HDDの1台が故障し、RAIDの冗長性が失われている状態であり、慎重な判断が求められます。
- QNAPのQTSにログインし、「ストレージ&スナップショットマネージャー」を開いて、RAID構成の状態を確認します。「Degraded(縮退)」と表示されている場合、どのHDDが故障しているかが表示されます。
- 可能であれば、RAIDリビルドを行う前に、重要なデータを外部ストレージにバックアップします。これにより、万一のリビルド失敗に備えることができます。
- 故障したHDDを交換する際は、NASの電源を完全に落としてから作業を行い、新しいHDDを取り付けた後、管理画面から「RAIDリビルド」操作を実行します。
赤・緑交互点滅の際の対応方法
赤と緑の交互点滅は、ファームウェアの更新や起動中の異常処理を意味することがあります。電源断や強制終了は避け、まずは状態の確認を行います。
- QNAP公式サイトやマニュアルを参考に、LEDの点滅パターンに対応するエラーコードや意味を確認します。
- NAS本体からシステムブザーが鳴っている場合は、その回数やパターンもエラー診断の手がかりとなります。
- ファームウェア更新中である可能性があるため、しばらく時間を置いて待機し、NASが自動で起動を完了するか観察します。
ファン異常の対処:冷却不良の早期対応
QNAP NASのファンに異常がある場合、本体温度が上昇し、内部機器の劣化やHDDの物理障害を招く可能性があります。冷却機能の異常は、早期発見と対応が重要です。
- NASの背面または内部ファンが動いているかを目視で確認します。回転が止まっていたり異音がしている場合は、異常の可能性があります。
- NAS周囲の通気口にホコリが詰まっていないか確認し、必要に応じてブロアーなどでホコリを除去します。設置場所の通気性も見直します。
- ファン自体の劣化や故障が疑われる場合は、QNAP正規パーツでの交換を検討し、作業が難しい場合は専門業者に依頼することを推奨します。
容量逼迫時の注意点と緊急対応
NASの容量が逼迫すると、システムログイン不能や書き込み不可などのトラブルが発生し、データ損失のリスクが高まります。迅速な対応で障害拡大を防ぐ必要があります。
- QTSにログインし、「ストレージ&スナップショットマネージャー」や「システムステータス」で容量使用率を確認します。90%以上使用されている場合は要注意です。
- 一時ファイル、ログファイル、古いスナップショットなどを削除し、空き容量を確保します。QNAPの「クリーンアップ」機能も活用可能です。
- HDDベイに空きがあれば、新しいHDDを追加し、ストレージプールの容量を拡張します。必要に応じてRAID構成の拡張も検討します。
電源関連エラーへの基本対処
電源ユニットや電源ケーブルに問題があると、NASが起動しなかったり、動作中に突然シャットダウンすることがあります。安定した電源供給を確保することが重要です。
- NASの電源ケーブルが正しく接続されているか確認し、別のコンセントで試すことで電源供給元の問題を切り分けます。
- 雷や停電による影響を防ぐため、UPSの導入を検討します。停電時にも一定時間電力を供給し、安全にシャットダウンが可能です。
- 電源ユニットに焦げた臭いや異音がある場合は、内部の損傷が疑われます。分解せず、速やかに専門業者に依頼することを推奨します。
異音がする場合の緊急対応
HDDからの異音(カチカチ音、ギーという回転音異常など)は、物理障害の兆候です。動作を続けると症状が悪化するため、即座に対応することが求められます。
- 異音が確認できた場合は、すぐにNASの電源を落とし、通電を停止します。物理障害が悪化するのを防ぎます。
- どのHDDから音がしているかを確認し、ラベル番号などと併せて記録します。無理に取り出そうとせず慎重に扱ってください。
- 物理障害が疑われる場合は、速やかにデータ復旧業者に相談し、クリーンルームでの安全な処置を依頼するのが最善です。
異臭がする場合の処置と注意点
焦げ臭い匂いや薬品臭がする場合は、NAS内部でショートや発煙が起きている可能性があります。通電を続けると、火災やデータ損失のリスクがあります。
- 異臭がした時点で、すぐに電源を落とし、電源コードを抜いて通電を遮断します。発煙などがある場合は換気を行い、安全を確保してください。
- 異臭が発生したNASは、通電を再開してはいけません。基板やHDDに損傷が拡がる可能性があります。
- 状態を写真に撮って記録した上で、データ復旧業者に連絡し、専門の処置を依頼することが重要です。
管理画面にアクセスできないときの対応
QNAPの管理画面にアクセスできない場合、ネットワーク設定ミスやファームウェアの不具合、ハードウェア障害などが考えられます。冷静に原因を切り分ける必要があります。
- LANケーブルやルーターの状態、NASのIPアドレス設定を確認し、ネットワーク接続が正常であることを確認します。
- QNAPが提供する「Qfinder Pro」ツールを使ってNASを検索し、IPアドレスを確認・設定変更できるか試します。
- 初期化を伴う「リセット操作」は、設定やデータを失うリスクがあるため、事前に業者へ相談することを推奨します。
当社デジタルデータリカバリーでは、RAIDに特化したアドバイザーが常駐しており、お電話での初期診断を無料で承っています。早めの診断が、データを守る第一歩になります。お気軽にご相談ください。
デジタルデータリカバリーが選ばれる理由
RAID累計ご相談数13,263件

当社に寄せられたRAIDのご相談件数は13,263件を超え、多くのお客様からさまざまなご依頼をいただいております。この多様なご相談から新しい技術の開発を進め、NAS・サーバーの復旧(復元)ノウハウを日々蓄積し、迅速で安全な復旧を可能としています。 NAS・サーバーの復旧は、当社のトップエンジニアが対応します。培ったデータベースと熟練の技術を駆使し、メーカー・機器・RAID構成・ファイルシステム問わずどのようなNAS・サーバーでも復旧(復元)のご対応をさせていただきます。
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実は「別業者が対応できなかった機器が当社でデータ復旧(復元)できた」という実績も多くございます。
NAS・サーバーのデータ復旧(復元)の成功を左右するのが正しい初期診断です。初期診断では、機器の状態をエンジニアが確認し、原因を突き止めます。この時の診断が間違っていると対処法を誤り、データを正確に取り出せなくなってしまいます。 初期診断により異常箇所を特定し、ファイルシステムの解析やデータ構成の再構築など論理障害や、NAS・サーバー内蔵HDD/SSD(ハードディスク)の物理的な障害を復旧していきます。
万全なセキュリティ対策
デジタルデータリカバリーは情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格であるISO27001/ISMSを取得しています。
さらに、診断のために機器をお預かりさせていただくお客様全員に対し機密保持誓約書をお渡ししております。これは郵送時も同様です。
法人様の場合は指定の機密保持成約書に押印させていただくことも可能です。
更に復旧ラボに入る人物全員が、事前に私物を全てロッカーへ入れ、外部委託の警備員を配置した金属探知機のゲートをくぐる必要があります。
このように情報漏えいに対するセキュリティを徹底しております。
全国無料出張サービスで迅速診断!(法人様限定)

当社は厳重なセキュリティで管理されており、規則上、・持ち出しができないサーバーやNAS・物理的に持ち出しが難しい大型サーバーやNASをお持ちの法人様については弊社エンジニアがお客様ご指定の場所まで伺い、診断から復旧作業まで行います。
復旧をご依頼のお客様から喜びの声が続々と到着!
ここではデジタルデータリカバリーにサーバー復旧をご依頼されたお客様の感想を紹介します。
E04エラーが表示されたサーバーの復旧事例
復旧完了の連絡が入り電話でのデータ確認を行なった後、復旧されたデータが入っているハードディスクを送って頂きました。データ確認の電話の時点である程度のデータが戻ってきていることは確認できたものの、自分の目で直接見るまでは全く安心できませんでした。
しかし、納品されたデータを見てみると、診断の際アドバイザーの方に言われたデータの欠損は全く無く、本当に完璧な状態でデータが戻ってきました。その瞬間は数日間の緊張が嘘のように肩の力が抜けました。データの中身を確認してようやく、安心出来ましたし、周りからも「顔色が良くなった。」と言われたくらいです。
他社で復旧できなかったRAIDサーバーの復旧事例
届いたときは、部屋に運ぶときに転んだら、これで全てが終わってしまうという思いがあり、まずそっと運びました。復旧できたデータのリストを見て「あ、本当に戻ってきたんだ!」という思いになり、元のネットワーク上に再配置する準備が整った段階で、全てがやっと無事に収まったっていう、表現のしがたい喜びでいっぱいでしたね。他の先生たちも大喜びでしたね。これはもう言うまでもなく。
朝の打ち合わせというものがあるのですが、そこで「全て失われることなくデータが戻ってくる」という報告を出来ることが嬉しかったのです。皆さん拍手で喜んでいただけました。その様子を見るだけでもデータの大切さが分かると思います。
QNAP製NAS復旧でよくある質問
Q:NAS・サーバーに異常が生じてしまっているが、どのような対応をしたらいいかわかりません…。
A: ご安心ください。NASやRAID機器など、複数台共有で使用するサーバー機器からもデータ復旧実績が数多くあります。「サーバーにアクセスできなくて、仕事が止まっている。どうすればいいかわからないがとにかく何とかしたい!」というお急ぎのお客様は今すぐお電話下さい。最短30分診断、即日復旧も可能です。
Q: まず直るかどうか知りたいのですが、診てもらうのにお金はかかりますか?
A: いえ、かかりません。お客様の機器を実際にチェックしてみて初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、チェックが終わるまでは一切費用は頂いておりません。
※御郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ、機器の返送費用だけご負担頂いておりますのでご了承ください。
Q:会社で使っている機器なので情報漏えいが心配です。預ける前に機密保持誓約書を出してもらえますか?
A: はい、お出しいたします。私たちはお客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、プライバシー・機密情報の保護を最優先に考えております。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。