NASの初期化は、「最終手段」でありながらも、正しく行えば不具合の解消や譲渡準備、設定のリセットに有効な操作です。しかしその一方で、実行すれば保存されているすべてのデータが完全に消去されてしまうため、慎重な判断と事前準備が求められます。
- 設定を一新したいが、どの初期化方法を選ぶべきかわからない
- NASが不安定で、リセットすれば直るのか判断できない
- 初期化を実行したが、途中でフリーズしてしまった
こうした場面では、目的に応じた初期化の種類や正しい手順を理解せずに操作を進めると、予期せぬエラーや再起動不能といった深刻なトラブルにつながることもあります。
本記事では、NASの初期化が必要になる代表的なシチュエーションと、目的に応じた正しい対処法・準備について、専門的な視点でわかりやすく解説しています。
データ消去のリスクに不安がある方や、実行すべきか迷っている場合は、24時間365日受付の無料診断をご利用ください。安全な判断と復旧を専門家がサポートいたします
目次
NAS初期化が必要なシチュエーション
NASの初期化は、単なる再起動では解消しない問題や運用目的の変更時に行われます。以下に代表的なケースを整理しました。
NASが起動しない・アクセスできない場合
設定ミスやファームウェア障害により、管理画面や共有フォルダにアクセスできない状態では、初期化でシステムをリセットする必要があります。
管理者パスワードを忘れた場合
パスワードが不明なままでは設定変更もできません。データを残したまま初期化する「管理パスワードリセット」で対応可能なケースがあります。
譲渡・売却・廃棄する場合
情報漏洩を防ぐためにも、個人情報・業務データを完全に消去し、工場出荷時の状態に初期化するのが鉄則です。
NASの動作不良が続く場合
フリーズやエラー多発、設定リセットで改善しないような深刻な不具合時には、初期化によってOSや設定をクリーンな状態に戻すことが推奨されます。
RAID設定の再構築が必要な場合
RAIDエラーの復旧やボリューム構成の変更を行う際には、一度RAID設定を初期化し、再構築を行う必要があります。この作業には全データの消去が伴うため、十分な注意が必要です。
事前にバックアップを取っていない場合、初期化によってすべてのデータが失われる恐れがあります。特に、構成情報が不明確なまま再構築を進めると、誤った設定によりデータの上書きや損傷が発生するリスクも高まります。
RAIDの再構築が必要な場面では、自己判断での操作を避け、専門業者に相談することが安全です。正確な構成解析と適切な処置により、データの保全につながります。
NAS初期化前の準備と注意点
初期化は、一度実行すると元の状態に戻すことができない操作です。そのため、実行前には次の準備を必ず行う必要があります。
- 必要なデータはすべてバックアップを取得しておく
- 管理画面で「設定のエクスポート」を行い、構成情報を保存しておく
特に、NASやサーバーが故障・不良により不安定な状態にある場合、バックアップ作業そのものが障害を悪化させるおそれがあります。無理にアクセスを試みたり、途中で処理が止まるような状況では、さらなるデータ損傷が発生するリスクも高まります。
少しでも不安がある場合は、初期化を実行する前に、専門業者に相談し、データの状態や安全な対応方法を確認することが重要です。
【要注意】メーカーや修理業者に依頼することのリスク
「RAID環境を使用していて異常が生じた」――そんなトラブルに直面したとき、多くの方がまずメーカーや修理業者への依頼を考えるかもしれません。
確かに本体の修理や部品交換は可能ですが、HDDやSSDなどの記憶媒体の初期化・交換によって、データは全て消えてしまいます。
失いたくないデータを守りたい場合は、メーカーや修理業者ではなくデータ復旧の専門業者に相談するのが確実です。デジタルデータリカバリーではデータを保ったまま、故障した機器に対応できます。以下の3つの点で多くの方に選ばれています。
- 相談実績46万件以上（2011年1月～）の豊富な対応経験に基づき、個人・法人問わず幅広いトラブルに対応
- 一部復旧を含む復旧件数割合91.5%（※内、完全復旧57.8%。復旧件数割合＝データ復旧件数／データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績）という業界トップクラスの技術力
- 他社で「復旧不可」とされた機器の対応実績が7,300件越えにものぼり、独自の復旧技術を保有
大切なデータを守るには、メーカーや修理業者ではなく当社にご相談ください。
初期化の種類と実行方法
NASにはいくつかの初期化レベルがあります。目的に応じて使い分けましょう。
管理パスワードリセット
パスワードのみを初期化し、データと設定は保持されます。
- 本体背面などにある「RESET」ボタンを5秒程度押し続けます。
- ランプが点滅後、初期パスワードが適用されます（取扱説明書参照）。
- ログイン後、任意のパスワードへ再設定します。
設定リセット（システムのみ）
NASの各種設定（IPアドレスや共有設定など）のみ初期化し、データは残ります。
- 管理画面にログインし、「バックアップと復元」メニューを開きます。
- 「設定のリセット」を選択し、実行を確定します。
- ネットワークなどの初期設定を再入力します。
工場出荷時初期化（完全初期化）
設定とデータをすべて消去し、初期状態に戻します。譲渡・廃棄時は必ずこの方法を使用します。
- 管理画面の「復元」→「工場出荷時設定に戻す」を選択します。
- 必要に応じて「すべてのデータを削除」にチェックを入れます。
- 確認後、初期化が開始されます（数分〜数十分）
RAID再構築
RAIDの論理構成を作り直す操作です。データは完全に失われるため注意してください。
- 管理画面でストレージ管理メニューを開きます。
- RAIDアレイを削除し、ディスクを初期化します。
- 新しいRAID構成（RAID1/5/6など）を再作成します。
NASの初期化は元に戻せない操作です。データが残っている状態で実施すると、復旧は非常に困難になります。操作に不安がある場合や、すでに障害が出ている場合は、無理に初期化を行わず専門業者への相談が最善です。
当社では46万件以上の相談実績（期間：2011年1月以降）をもとに、NASの障害・初期化前相談にも迅速対応しています。
診断・見積は無料、365日年中無休。NASの初期化に迷ったら、まずはご相談ください。
なぜデジタルデータリカバリーでは復旧困難なRAIDの復旧事例が多いのか
デジタルデータリカバリーはこれまで数々のRAIDの復旧に成功してきました。RAIDの復旧事例が多いのには、理由があります。
業界トップクラスの実績
私たちデジタルデータリカバリーは、14年連続で国内売上No.1（※1）。累計46万件以上（※2）の相談実績をもとに、あらゆるデータトラブルと向き合ってきました。
「データが戻ってくるかどうかは、最初の診断で決まる」
そう言っても過言ではありません。
最大の強みは、その“症例データの蓄積数”。
すべての相談内容を電子カルテのように管理し、障害のパターンと復旧手法を社内でデータ化。
これにより、問題の切り分けが圧倒的に早くなり、対応スピードと成功率の向上につながっています。
その結果、48時間以内に対応を完了した件数は全体の約80%。
一部復旧を含む復旧件数割合は91.5%（※3）と、業界でも高水準の成果を出し続けています。
国内最高峰の復旧設備
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※2：期間：2011年1月1日～
※3：2023年10月実績。一部復旧：完全復旧に至らなかったが、一部復旧できた場合。完全復旧：復旧希望データを100％復旧できた場合。
よくある質問
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機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
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来社受付：9:30～21:00
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弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
