Arcserve UDPは、OS・アプリケーション・データを丸ごと保護・復旧できるオールインワン型のバックアップソリューションです。その中でもBMR(ベアメタルリカバリ)は、障害発生後の復旧において非常に強力な手段といえます。
- システム障害後、OSごと環境を復元したい
- 物理サーバを丸ごと別機へ移行したい
- 最小限のダウンタイムで業務を再開させたい
しかし高度な操作を伴うため、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。
- 復旧メディアが起動しない
- NICドライバが未対応でネットワーク接続できない
- バックアップイメージと復元先の構成が一致していない
そこで本記事では、Arcserve UDPのBMRを成功させるための標準手順と、つまずきやすいポイントを原因ごとに整理。トラブル事例をもとに、現場で使える解決策を紹介します。
目次
ベアメタル復旧で起きやすい原因
ベアメタル復旧では、事前準備の不備や構成の違いによって復旧が失敗するケースが多く見られます。以下に代表的な原因を紹介します。
復旧メディアの準備不足
BMRでは、専用の復旧メディア(ISOイメージやUSB)が必須です。事前に作成していない、または作成時に構成設定やドライバが含まれていない場合、復旧自体が起動できません。メディア作成は復旧前の準備段階で必ず実施しておく必要があります。
異なるハードウェア構成への復旧
復旧先が元と異なる機種やディスク構成の場合、ドライバの非互換やパーティション整合性の違いで失敗することがあります。特にRAID構成やUEFI/BIOSの違いがある場合には、拡張モードを使った復旧が推奨されます。
ネットワーク接続や認証の問題
復旧ポイントサーバ(RPS)や共有フォルダに接続できない場合、バックアップデータを取得できず復旧が止まります。特にWindows共有先に接続する際は、ネットワーク構成やアクセス権設定の確認が重要です。
ストレージ構成の差異や空き容量不足
トラブル対処法と復旧手順
以下に、BMR失敗の原因に応じた解決策を具体的な操作手順とともに紹介します。復旧作業に慣れていない方でも、ステップごとに対応できるよう構成しています。
復旧メディアの作成と確認方法
復旧作業は、専用のBMRメディアがないと開始できません。メディア作成はArcserve UDPの管理コンソールから行い、正しく作成されたかを事前に確認しておきましょう。
- Arcserve UDPのコンソールから「ユーティリティ」→「BMR復旧メディア作成」を選択します。
- OSやドライバを選択し、WinPEベースのISOまたはUSBメモリとして出力します。
- 作成後、復旧先のサーバで起動テストを実施し、ウィザードが表示されるか確認します。
異なるハードウェアで復旧する際の注意点
元と異なるハードウェアに復旧する場合、「拡張モード」での対応が必要です。また、適切なドライバが不足していると、起動後のOS動作が不安定になります。
- BMR起動後のウィザードで「拡張モード」を選択します。
- 必要に応じて、パーティションサイズや構成を手動で設定します。
- RAIDドライバやストレージドライバを追加インポートすることで、互換性の問題を回避します。
ネットワーク接続と認証設定の再確認
バックアップイメージが保存されている共有フォルダやRPSサーバにアクセスできない場合、ネットワーク設定や認証情報に問題がある可能性があります。接続先への疎通確認と、適切な認証情報の入力が必要です。
- 復旧メディア起動後、ウィザードの「ネットワーク設定」画面でIPアドレス、DNS情報を手動設定します。
- 「コマンドプロンプト」から ping コマンドでRPSサーバなどへの接続確認を行います。
- ネットワーク接続後、共有先のパスと正しいユーザー資格情報を入力し、接続できるかテストします。
拡張モードでのストレージ再構成
復旧先のストレージ構成が変更されていたり、容量不足の可能性がある場合は、拡張モードでの構成調整が有効です。事前にディスクのパーティション削除や再割当を行うことで、復旧成功率を高めることができます。
- BMRウィザードで「拡張モード」を選び、ディスクの一覧を表示します。
- 旧パーティションが残っている場合は削除し、新たに割り当てを行います。
- バックアップデータに基づき、目的のドライブに復元を割り当てて実行します。
Arcserve UDPによるBMRは、事前の準備とトラブル時の対処法をしっかり把握することで、安定した復旧が可能となります。しかし、複雑な障害や環境差異がある場合は、自力対応では困難なケースも多く見受けられます。
当社では46万件以上の相談実績(期間:2011年1月以降)の確かな成果を誇ります。クリーンルームを完備し、官公庁や法人1万社以上との取引実績もあるため、システム復旧や業務継続において高い信頼を得ています。
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なぜデジタルデータリカバリーでは復旧困難な機器の復旧事例が多いのか
デジタルデータリカバリーはこれまで数々の復旧に成功してきました。復旧事例が多いのには、理由があります。
業界トップクラスの実績

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国内最高峰の復旧設備

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※1:データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと、 第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(集計期間:2007年~2020年)
※2:期間:2011年1月1日~
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。