HPサーバーおよびRAID障害時の症状・原因・自己診断方法

• HPサーバーが突然起動しなくなった
• RAID構成が崩れてデータにアクセスできない
• 警告ランプが点灯してサーバーが停止したまま動かない

このような症状が現れたとき、サーバー内部ではすでにRAIDの異常やストレージ障害が進行している可能性があります。

HP ProLiantなどのサーバーで障害が起きると、業務停止やデータ損失など深刻な影響を及ぼす可能性があります。特にRAID障害では、誤った対応により復旧できるはずのデータが失われてしまうこともあります。

本記事では、HPサーバーに多いトラブルのサインや原因、ユーザーが確認すべきポイントをわかりやすく解説しています。まずは状況を正確に把握し、適切な対応を進めてください。

初期診断は24時間365日無料で対応しております。復旧の可能性を最大限に高めるためにも、今すぐご相談ください。

HPサーバーおよびRAID障害の主な原因

HPサーバーやRAIDでトラブルが起きるときは、いくつかのよくある原因があります。こうした原因を知っておくことで、復旧までの対応がスムーズになります。

間違った対応をすると、大切なデータが消えたり、サーバーがもう二度と動かなくなることもあります。

特にRAIDでは、1台のハードディスクの不具合が、他のディスクにも影響して大きなトラブルになることがあるため、慎重な対応が必要です。

ファームウェアの不備・未更新

HPサーバーやRAIDコントローラーのファームウェアが古いまま使用されていると、既知の不具合が原因で障害が発生することがあります。

たとえば、世代の異なるファームウェアを混在させた場合に電源の誤検出や起動不能といった不具合が報告されています。定期的な更新と公式アドバイザリの確認が重要です。

電源ユニットや電源供給の問題

電源ユニットの劣化や瞬断による不安定な電源供給も、サーバー障害の一因です。冗長構成であっても、一方の電源が故障している状態では障害のリスクが高まります。LEDの異常表示、異臭や異音などが兆候となることもあります。

電源系の不具合は一時的なものではなく、再発の可能性もあるため注意が必要です。

過熱や環境要因

サーバールームの温度や湿度が適切でない場合、冷却が追いつかずに機器が過熱し、HDDやコントローラーに障害が生じることがあります。

特にHDDは50℃、SSDは70℃を超えると故障リスクが跳ね上がります。フィルターの詰まりやファンの故障も影響しますので、筐体内の清掃や空調の管理が重要です。

その他のハードウェア障害

上記以外にも、メモリモジュールの接触不良やシステムボードの不良、RAIDコントローラのキャッシュメモリ異常なども障害の原因となります。POSTコードやiLOイベントログなどを確認し、どの部品が不具合を起こしているかを正確に見極める必要があります。障害部位によっては、交換・修理が不可欠となるケースもあります。

ハードディスクの物理故障

サーバー障害の原因として最も多いのが、HDDの物理的な故障です。

RAID構成を採用している場合、1台の故障だけではすぐにデータが失われるわけではありません。しかし、異常に気づかずに運用を続けると、複数台の同時故障によってRAIDが崩壊し、大規模なデータ損失に発展するリスクがあります。

特に、RAIDのリビルド中はディスクに高負荷がかかるため、他のディスクにも障害が波及しやすくなります。このような状況では、早急かつ的確な対応が求められます。

デジタルデータリカバリーでは、RAID構成に関する高度な技術と豊富な復旧実績をもとに、最適な復旧プランをご提案しています。

これまでに46万件以上の相談実績（期間：2011年1月以降）を有し、官公庁や法人1万社以上との取引経験があります。一部復旧を含む復旧件数割合は91.5%（内、完全復旧57.8%。復旧件数割合＝データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績）と、業界トップクラスです。

初期診断とお見積りは無料で、24時間365日対応のサポート体制を整えています。RAIDに異常を感じたら、重大なトラブルに発展する前に、ぜひご相談ください。

サーバー障害時によく見られる症状

以下にサーバー障害時によく見られる症状を列挙します。

HP ProLiantシリーズなどのサーバーでは、障害時に特有のサインが現れることがあります。こうした兆候を見逃すと、システム停止やデータ消失といった深刻なトラブルに発展する恐れがあります。異常を感じた際は、原因を早急に確認し、必要に応じて専門業者へ相談することが重要です。

ビープ音（警告音）の異常

サーバー起動時に聞こえるビープ音には、障害箇所を示す意味があります。通常とは異なるパターン（例：長音1回＋短音1回など）が聞こえる場合、メモリの挿入ミスやハードウェアの異常が疑われます。

POST（電源投入時自己診断）段階で出るビープコードは、メモリ、拡張カード、CPUなどの障害を判別する重要な手がかりとなります。

LEDインジケータの警告

サーバー本体に搭載されているヘルスLEDは、システムの正常性を示す重要なインジケータです。オレンジ色の点滅は軽度の障害（パーツ冗長性の低下など）を、赤色の点滅は致命的なハードウェア障害を示します。

加えて、HDDやRAIDコントローラーなど各コンポーネントごとのLEDにも異常サインが表示されるため、目視での確認が可能です。

エラーメッセージの表示

障害が発生すると、画面や管理ツール、ログに特定のエラーメッセージが表示されます。たとえば「Drive (Bay) X is Failed」などの表示は該当ディスクの障害を示し、「Operating System not found」はRAID構成が認識されず、ブートディスクが見つからない状態です。これらメッセージは、障害の種類と範囲を判断するうえで重要になります。

ストレージ障害時の物理的兆候

HDDやSSDが壊れかけているときには、「カチカチ」や「カリカリ」といった音が聞こえることがあります。また、本体のランプが赤く光ったり点滅したりするのも、故障が進んでいるサインです。こうした症状に気づいたら、すぐに電源を切って、データを守るための対策を取ることが大切です。

こうしたトラブルに気づかず使い続けると、症状が悪化し、データが完全に失われる危険があります。そのため、異音やランプの異常を確認した時点で、早めの対応が欠かせません。

デジタルデータリカバリーでは初期診断とお見積りは無料で、24時間365日いつでも対応しています。わずかな異変でも、まずはお気軽にご相談ください。

その他の典型的なサーバー異常

電源が全く入らない、突然のシャットダウンや再起動、OSがフリーズする、Windowsのブルースクリーンが頻発するなど、明確なエラーメッセージが出ていなくても、深刻なハードウェア障害の兆候である場合があります。

これらの症状には、電源ユニットの不具合、メモリ障害、熱暴走などが隠れている可能性があるため、総合的な診断が必要です。

HPサーバー障害時の自己診断と対処法

サーバーに障害が発生した場合、すぐに保守業者に連絡する前に、HPEが提供する各種ツールを活用してユーザー自身で状況を確認することが可能です。

正確な状況把握は、復旧までの時間短縮や不必要な機器交換の回避にもつながります。ここでは、代表的な診断手段とその具体的な手順を解説します。

iLOでハードウェアの状態とイベントログを確認する

HPEサーバーに標準搭載されているiLO（Integrated Lights-Out）を利用することで、障害発生時の詳細なログやシステムステータスをリモートで確認可能です。

POST画面とビープコードから障害部位を確認する

サーバー起動直後に表示されるPOST（Power-On Self Test）画面では、ハードウェアのエラー状況がメッセージやコードで表示されます。ビープ音のパターンは各モデルごとに定義されており、マニュアルを参照することで診断の手がかりになります。

Insight Diagnosticsで構成部品を詳細診断する

Insight DiagnosticsはHPE提供のハードウェア診断ツールで、サーバーに搭載された各種コンポーネントの検査が行えます。オンライン版とオフライン版があり、サーバーの状態に応じて適切な方法で起動できます。異常のあるコンポーネントを事前に特定しておくことで、適切な保守対応が可能になります。

ACUまたはSSAでRAID構成の状態を確認する

RAID構成の障害切り分けには、HP Array Configuration Utility（ACU）またはSmart Storage Administrator（SSA）が有効です。これらのツールではRAIDアレイ全体の構成や、物理・論理ドライブのステータス、リビルド進行状況などを詳細に確認することが可能です。

自己診断の結果から障害の場所が特定できた場合、保守契約があるなら、できるだけ早くメーカーに連絡することをおすすめします。

特にRAIDが壊れているようなケースでは、慎重な対応が必要で、誤った操作によってデータがさらに失われる恐れもあります。状況によっては、データ復旧の専門業者に早めに相談することが、データを守るために最も良い判断となります。