突然の障害により、プライマリリージョンで稼働していたシステムが完全に停止する──。そんな非常事態に直面したとき、迅速に別リージョンへ切り替え・復元できるかどうかが、事業継続の明暗を分けます。
特にクラウド環境においては、災害・リージョントラブル・通信断といった突発的な障害に備え、事前のリスク対策が極めて重要です。
このようなリスクに備える手段のひとつが、CRR(Cross-Region Replication)の有効化です。CRRを導入しておけば、データをリアルタイムに別リージョンへ複製・保持できるため、
- 待機時間の大幅短縮
- 災害発生時の迅速な復旧
- 重要データの安全確保
といった高可用性・高耐障害性のメリットが得られます。万が一に備えた設計こそが、信頼されるインフラ運用の鍵となります。
CRRの具体的な設定や活用方法についてお悩みの方は、無料で状況を診断いたします。クラウド構成の見直しや設計サポートも承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
目次
リージョンをまたがる復元(CRR)が必要になるケース
Azure BackupのCRRは、単なるバックアップ機能ではなく、想定外の障害時に「どこまで業務を継続できるか」を左右する重要な仕組みです。ここでは、CRRが必要とされる代表的な背景を整理します。
プライマリリージョン障害への備え
自然災害やシステム障害により、プライマリリージョンが一時的に利用できなくなる場合があります。このときCRRを有効化していれば、ペアリージョン(セカンダリ側)にVMやデータベースを復元し、業務を継続することが可能です。復旧までの時間を短縮し、事業停止リスクを抑えられます。
監査・コンプライアンス要件への対応
一部の業種では、「本番リージョンが稼働中であっても、別リージョンでの復元テストを実施する」ことが求められる場合があります。CRRを有効にしておくことで、セカンダリリージョンに復元テストを行い、DR手順を安全に検証できます。
災害時のRTO/RPO短縮
従来はAzure側が災害宣言を行わない限り、セカンダリ側データの利用が制限されていました。CRRを有効化すると、ユーザー主導でセカンダリリージョンへ復元できるため、待ち時間を減らし、業務再開までのRTO/RPOを短縮できます。
これらの仕組みを活用することで、企業はより柔軟で実践的な災害対策を構築できます。早期復旧のためには、ボールト設定やストレージ冗長性を含む全体設計が欠かせません。
ただし、すでにデータ復旧が急がれる状況でお困りの場合は、24時間365日対応の無料診断をご利用ください。状況を迅速に見極め、最適な対応策をご案内します。
Azure Backupのリージョンをまたがる復元の設定と手順
ここでは、CRRを有効化し、セカンダリリージョンで復元を実施するまでの手順を解説します。操作には管理者権限と、ペアリージョン側のリソース作成権限が必要です。
CRRを有効化する
最初にRecovery Servicesコンテナー(ボールト)でCRRを有効化します。この設定により、セカンダリリージョン側のバックアップデータが復元操作に利用可能となります。
- Azureポータルで対象のRecovery Servicesコンテナーを開きます。
- 「プロパティ」→「ボールト設定」を選択します。
- 「クロスリージョン復元」を「有効にする」に設定し保存します。
セカンダリリージョンの環境を準備する
復元先となるペアリージョンに必要なネットワーク・ストレージをあらかじめ用意します。CRRでは「ステージング用ストレージアカウント」が必要になることがあります。
- ペアリージョンに仮想ネットワークとサブネットを作成します。
- 必要に応じてストレージアカウントを作成します。
- 作成したリソースがセカンダリリージョンに正しく割り当てられているか確認します。
セカンダリリージョンで復元を実行する
バックアップインスタンスを選択し、セカンダリリージョンへの復元を実施します。ジョブ進行状況はAzureポータルの「ジョブの監視」から確認できます。
- Recovery Servicesコンテナーでバックアップインスタンスを選択します。
- 「セカンダリリージョンへの復元」をクリックします。
- 復元タイプ(新規VM作成、ディスクのみなど)を選び、回復ポイント・ネットワーク設定を指定します。
- 復元を実行し、ジョブの完了を待ちます。
リージョン障害やシステムトラブルは予期せず発生することがあります。CRRを適切に設定しておくことで、復旧の遅延やデータ損失を抑えることが期待できます。重要なデータを守るためには、バックアップ構成の定期見直しも欠かせません。
ペアリージョン以外で復元が必要な場合の対応策
Azure BackupのCRRは、ペアリージョン間でのみ復元が可能です。そのため「任意の別リージョンに復元したい」「DRサイトを独自設計したい」といった要件に対応するには、追加の手段を検討する必要があります。
Azure Site Recovery(ASR)の利用
ASRを併用することで、任意のリージョンにVMをレプリケートし、災害時に指定したリージョンへフェールオーバーすることが可能です。CRRがカバーできない非ペアリージョン間のレジリエンス強化に適しています。
- Azureポータルで「Site Recovery」を有効化します。
- 対象VMを選択し、レプリケーション先リージョンを指定します。
- フェールオーバー設定と復旧計画を作成し、動作をテストします。
- 定期的にテストフェールオーバーを行い、復旧手順を検証します。
サードパーティ/自社バックアップの併用
要件によっては、Azure Backupと併用してバックアップデータを別リージョンやオンプレミス環境に複製する構成も有効です。これにより、Azure障害の影響を受けにくい多層防御を構築できます。
- Azure Backupとは別のストレージ(例:BLOB、オンプレミスNAS)にコピーを保持します。
- データの整合性確認と暗号化ポリシーを設定します。
- 復旧テストを定期実施し、手順の確実性を確認します。
新リージョンへのリソース移行
既存リージョンのボールトを他リージョンへ移行することはできません。そのため、新リージョンへリソースを移動する際は「Azure Resource Mover」を用い、移行後に新しいRecovery Servicesコンテナーを作成し直す必要があります。
- Azure Resource MoverでVMやネットワークを新リージョンへ移動します。
- 新リージョンにRecovery Servicesコンテナーを作成します。
- 新しいボールトでバックアップを再構成します。
- 旧リージョンのボールトには過去のバックアップデータを保持します。
リージョンをまたがる復元は、単なるバックアップ機能ではなく、事業継続計画(BCP)の根幹を支える要素といえます。Azure BackupやASRを適切に組み合わせることで、災害発生時にも迅速な復旧と業務継続を実現できます。
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