突然NASが起動しなくなり、LEDがまったく点灯しない、あるいは「SYSTEM BOOTING」の表示のままフリーズする──このような症状に直面した場合、QNAP QGDシリーズでは特に注意が必要です。
- 電源を入れてもLEDが点灯しない
- 「SYSTEM BOOTING」の画面から進まない
- ネットワーク上にNASが認識されない
QGDシリーズは、NASとPoEスイッチが一体化した構造のため、一般的なNASよりも障害が複雑に見えることがあります。電源系・マザーボード・HDD・システムのいずれか、または複数が同時に影響しているケースもあるため、安易な再起動やHDD抜き差しは状態を悪化させる恐れがあります。
本記事では、QNAP QGDシリーズが起動しない場合に考えられる主な原因とその見極め方、自分で安全に確認できるポイント、そして業者に相談すべき判断ラインを明確に整理してご紹介します。
少しでも復旧に不安がある方は、24時間365日対応の無料診断をご活用ください。初動を誤らず、データを守る第一歩になります。
目次
QNAP QGDシリーズが起動しない主な原因
起動不能の原因は大きく分けて「電源・ハードウェア系」「ストレージ・RAID・ファームウェア系」「設定・周辺要因」の3つに分類されます。まずは、それぞれの特徴と危険性を把握しておきましょう。
電源・ハードウェア障害
電源ユニットやACアダプタの不良、マザーボードや基板の障害、冷却系統の異常などで、LEDが点灯しない、または起動途中で停止するケースがあります。QGDシリーズではスイッチ機能を内蔵しているため、NAS部は起動してもスイッチ側だけ再起動を繰り返すなどの症状が出ることもあります。
こうした場合、電源ラインの異常や過熱による保護動作が疑われます。電源を何度も入れ直すと基板への負荷が蓄積し、故障を進行させるおそれがあります。異常音やLED点滅のパターンを確認し、取扱説明書と照らし合わせて判断することが重要です。
設定・周辺機器による要因
ファームウェア更新途中の停止、外部デバイスの接続トラブル、一時的なハングなど、設定や周辺要因が起動を妨げる場合もあります。この場合、再起動で一時的に改善することがありますが、何度も電源を入れ直す行為はリスクがあります。
また、UPSやLANケーブル経由での電力供給、PoE機能などが複合的に関係している場合もあり、症状の切り分けには慎重な観察が求められます。 特に「SYSTEM BOOTING」のまま固まる症状は、DOM破損やRAID異常を伴っていることもあり、軽視できません。
単なる設定ミスであれば復旧は容易ですが、ハードやストレージ障害を伴う場合は自己修復を試みることで状態を悪化させるおそれがあります。安全を重視するなら、一度通電を止めて専門業者に診断を依頼することをおすすめします。
ストレージ・RAID・ファームウェアの異常
HDDやSSDの物理障害、RAID情報の破損、DOMやファームウェア領域の破損などが発生すると、「SYSTEM BOOTING」表示から進まない、またはBIOSまで到達しないといった症状が見られます。特にRAID構成を組んでいる場合、誤操作で構成情報を上書きすると復旧が困難になります。
QNAP製NASでは、DOM(Disk On Module)にシステム領域が格納されており、この領域の破損によっても起動が停止することがあります。USBブートによる書き戻し手順が用意されていますが、BIOS画面が出ない場合はハード障害を伴うケースが多いため、無理な操作は避けるべきです。
特に、障害発生後に通電を繰り返すとHDDが劣化し、RAIDの整合性が崩れるリスクが高まります。重要データを含む場合は、速やかに電源を切り、専門業者への診断を依頼するのが安全です。
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※1:2011年1月~
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QNAP QGDシリーズが起動しないときの対処法
ここでは、QNAP QGDシリーズが起動しないときに、自分で安全に試せる確認手順と、絶対に避けるべき危険な操作について解説します。重要データがある場合は、操作を最小限にとどめることが大切です。
電源・LED・ビープ音の確認手順
まず最初に、電源とLED表示、ビープ音の有無を確認します。電源ケーブルやACアダプタの接続不良など、単純な要因であるケースもあります。
- 電源ケーブル、ACアダプタ、電源タップをすべて差し直します。
- 別のコンセントや電源タップに接続し、LEDが点灯するかを確認します。
- 起動時に短音・長音などのビープ音が鳴るかを確認し、取扱説明書のパターンと照合します。
LEDやビープ音のパターンにより、電源系・マザーボード系・ストレージ系のどこに問題があるかをおおよそ判断できます。LEDが全く点灯しない場合は電源ユニットの不良、ビープ音が途中で止まる場合はメモリやストレージ側の異常が疑われます。
HDDを外した状態での起動確認
HDDまたはSSDをすべて一時的に取り外し、本体のみで起動を試すことで、ストレージ側の障害を切り分けることが可能です。HDDを装着したまま再起動を繰り返すと、RAID情報の破損につながる場合があります。
- NASの電源を完全に切り、数分間放電します。
- すべてのHDD/SSDを取り外し、本体のみを残します。
- 再度電源を入れ、BIOS表示やビープ音、LED点灯パターンが変化するか確認します。
本体のみで起動動作が進む場合は、ストレージまたはRAID構成に問題がある可能性が高いです。逆に変化がない場合は、マザーボードや電源ユニットの故障が疑われます。 この段階で起動に変化がなければ、それ以上の通電は控える方が安全です。
DOM(ファームウェア)破損時の対応
起動時に「SYSTEM BOOTING」のまま止まる場合や、BIOSが表示されない場合は、DOM(Disk On Module)の破損が関係していることがあります。この場合、公式のリカバリ手順に従い、USBブートディスクを作成して再書き込みを行う方法が一般的です。
- 正常なPCでQNAP公式サイトからリカバリ用イメージ(dom.img)をダウンロードします。
- USBメモリにイメージを書き込み、NASのUSBポートに接続します。
- BIOSでUSBを起動優先に設定し、DOMへ再書き込みを実行します。
ただし、BIOSが表示されない、あるいはUSBからのブートができない場合は、基板やメモリ障害を伴っている可能性があります。 その場合は、無理な操作を続けず、QNAP認定サービスセンターまたはデータ復旧業者に相談することが推奨されます。
やってはいけない危険な操作
障害発生後に以下の操作を繰り返すと、障害を悪化させるおそれがあります。
- 電源の入り切りを何度も繰り返す:通電ストレスにより基板やHDDが劣化します。
- RAID再構築や初期化を試みる:データ領域が上書きされ、復旧が困難になります。
- HDDをPCに直結して復旧ソフトを使用する:RAID情報を破壊するリスクがあります。
QNAPのRAID構造は特殊であり、誤った再構築や初期化を行うとデータが失われる危険性があります。 状態を悪化させないためにも、異音やエラー表示がある場合は速やかに電源を切り、専門業者への相談を検討してください。
正確な診断を行うには、専門の技術と環境が必要です。誤った操作によってデータが消失する前に、専門業者への相談を検討してください。
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