Synology NASで「ボリュームが劣化(Degraded)」と表示された場合、すでにRAID構成の一部ディスクが正常に動作していない可能性があります。
- ボリュームのステータスが「Degraded」に変わっている
- ストレージマネージャーに「修復が必要」と表示されている
- 読み込み・書き込み速度が急に低下した
この状態を放置すると、残されたディスクに過剰な負荷がかかり、二次障害が発生 → RAID全体の崩壊 → データ消失という最悪の事態につながる可能性も。
今すぐに原因を特定し、必要なバックアップ・対処を行うことで、大切なデータを守るチャンスが大きく広がります。本記事では、「Degraded」表示の原因と放置によるリスク、そして適切な初期対応の流れをわかりやすく解説しています。Synology NASの警告にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ボリューム劣化(Degraded)の主な原因
ボリューム劣化は、RAID/SHRの冗長性が失われた状態を示します。1本のドライブが異常を起こすだけで、システム全体の安定性が損なわれることがあります。代表的な原因は以下の通りです。
ドライブの物理故障・SMARTエラー
不良セクタの増加やSMART異常により、1台のドライブが「異常」扱いとなるケースがあります。RAID1やSHR-1、RAID5などでは、この時点で冗長性が失われるため、放置すると障害が連鎖するおそれがあります。
ドライブの取り外し・接触不良
ベイの接点不良や抜き差しミス、振動などで一時的に認識が途切れることがあります。その瞬間にRAID構成から外れるため、システムは「劣化」と判断します。再認識しても内部的には再構築が必要な場合があります。
ベイ/基板側の不具合
ドライブを交換しても同じスロットでエラーが再発する場合、NAS側のベイやSATAコントローラに問題がある可能性があります。複数ドライブで同一ポートの異常が繰り返される際は、ハードウェア側の点検が必要です。
停電・強制終了などの影響
突然の電源断や強制終了によって、RAID構成情報が正しく書き込まれず、劣化表示になるケースもあります。特に電源トラブル後に「ストレージプールが劣化」と表示される場合は、データ破損のリスクがあります。
このようにボリューム劣化は一時的なものから物理的な故障まで幅広く、正確な原因を見極めることが重要です。状況により、誤った修復操作がデータを失う原因になる場合もあるため、慎重に対応しましょう。
【要注意】自力対応が招くデータ損失のリスク
社内サーバやRAID、NAS、業務用PCが停止したとき、自力で解決しようと不用意に操作を行うのは逆効果です。むしろ状況が悪化するケースも多く、次の経営リスクに直結します。
- 納期遅延や業務停止などが生じ、社内外からの信頼を損なう
- 想定外の復旧費用や負担が雪だるま式に増える
- 誤った判断により取り戻せたはずのデータを失い、復旧が不可能になる
特に内部データやシステム領域に問題が及んでいる場合、正常に動かなくなり、復旧の難易度は一気に上がります。最優先すべきは、これ以上の不用意な操作を止めることです。判断を誤らないためにも、早急にデータ復旧の専門家に相談することが重要です。
早い段階で「専門家」に相談することが重要
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※1:2011年1月~
※2:2025年9月実績。一部復旧:完全復旧に至らなかったが、一部復旧できた場合。完全復旧:復旧希望データを100%復旧できた場合
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RAID・NASの障害は、専用機器と技術を用いた正確な診断が欠かせません。そのため、専門のデータ復旧業者による初期診断を受けることが、最も安全で確実な方法です。
ボリューム劣化(Degraded)時の対処法
劣化状態のNASを扱う際は、まずデータ保全を最優先に考える必要があります。以下では、Synology DSM 7を想定した安全な手順を紹介します。
まずバックアップを取る
まだアクセスできるうちに、重要なデータを外付けHDDや別のNASへコピーしておくことが推奨されます。再構築中に障害が進行すると、データが完全に失われるおそれがあるため、最初にバックアップを取ることが基本です。
- DSMに管理者でログインし、「File Station」を開きます。
- 重要な共有フォルダを選択し、外付けHDDまたは別NASへコピーします。
- バックアップ完了後、外部メディアを安全に取り外します。
劣化状態と故障ドライブを特定する
DSMの「ストレージマネージャー」で、どのドライブが異常を示しているか確認します。異常なドライブを特定し、交換の判断材料とします。
- DSMにログインし、「ストレージマネージャー」を開きます。
- 「ストレージプール」や「ボリューム」タブでステータスが「劣化」と表示されていることを確認します。
- 「HDD/SSD」タブで各ドライブの状態を確認し、「異常」「警告」「オフライン」と表示されたものを特定します。
S.M.A.R.T.テストを実行する
疑わしいドライブに対してS.M.A.R.T.テストを行い、物理的な障害かどうかを確認します。
- 「ストレージマネージャー」で対象ドライブを選択します。
- 「健全性情報」を開き、「拡張テスト(Extended)」を選択します。
- テスト完了後、結果にエラーや再配置セクタがある場合は物理障害の可能性が高いと判断されます。
故障ドライブを交換する
物理的な異常が確認されたドライブは、同容量以上でSynology互換リストに掲載されている新品ドライブと交換します。ホットスワップ対応モデルでは、稼働中でも安全に交換可能ですが、複数台を同時に入れ替えるのは避けましょう。
- 該当ベイのドライブ番号を確認します(例:「ドライブ1:異常」など)。
- NAS前面のベイレバーを開き、異常ドライブを慎重に取り外します。
- 新しいドライブを装着し、確実にロックした状態で再度DSMにログインします。
- システムが自動的に「未割り当てドライブ」として認識したことを確認します。
ストレージプールを修復する
ドライブ交換後は、RAID構成を再構築(リビルド)して冗長性を回復させます。修復処理中はNASへの大きな書き込みを避けることで、再構築の失敗を防げます。
- DSMの「ストレージマネージャー」→「ストレージプール」を開きます。
- 劣化中のプールを選択し、右上の[︙]メニューから「修復(Repair)」を選びます。
- 交換済みドライブを追加し、リビルドを開始します。
- 再構築完了後、「ストレージプール」および「ボリューム」のステータスが「正常」になっていることを確認します。
修復中に再びエラーが増えたり、異音が発生する場合は、複数のドライブで物理的障害が進行している可能性があります。無理に再起動や再構築を繰り返すと、データが完全に消失する危険があります。
また、RAID1・SHR-1・RAID5構成で2本以上のドライブにエラーが出ている場合は、すでに冗長性を超えた障害となっているため、自力修復は避けるべきです。電源を落とし、専門業者に相談することで、データを救える可能性が残ります。
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