バックアップ運用を安定かつ効率的に行うために、見落とせない存在がArcserve UDPなどで利用される「復旧ポイントサーバ(Recovery Point Server/RPS)」です。
- バックアップデータの重複排除や圧縮を自動的に実行
- 複数のノードからのバックアップを集中管理
- 復旧処理を迅速化し、業務停止時間を最小限に抑える
こうしたRPSの仕組みを理解せずに運用してしまうと、ストレージの無駄遣いやリストアの遅延を引き起こす原因になり、災害対策としてのバックアップの信頼性が損なわれる可能性もあります。
本記事では、Arcserve UDPにおけるRPSの基本構成や内部の仕組み、そして導入によって得られるメリットを、実践的な視点でわかりやすく解説しています。
「運用効率を上げたい」「バックアップの品質を高めたい」と感じている方は、24時間365日、無料でご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
目次
復旧ポイントサーバ(RPS)の基本機能
復旧ポイントサーバとは、主にArcserve UDP環境において、バックアップデータの保管や重複排除、レプリケーションなどを担うコンポーネントです。RPSを導入することで、バックアップ運用の効率化とコスト削減が実現可能となります。
バックアップデータの保管先として機能
RPSは「データストア」と呼ばれる保存領域を複数作成でき、そこに各エージェントから送信されたバックアップデータが格納されます。物理・仮想サーバ、NAS、Linuxサーバなど、さまざまなバックアップ対象に対応しており、バックアップポリシーに基づいてデータの世代管理が可能です。
重複排除機能によるストレージ最適化
RPSは重複排除(グローバル・データ・デデュープ)機能を備えており、複数のバックアップジョブ間で共通するデータブロックを自動的に省略します。これにより、保存容量を削減しつつ、より多くのリカバリポイントを保持できます。
遠隔地へのバックアップデータ転送(リモートRPS)
Arcserve UDPでは、RPS間でバックアップデータをレプリケーション(複製)することが可能です。これにより、災害対策(DR)やBCP(事業継続計画)における「遠隔地保管」を自動化できます。例えば、本社から支社へデータを送信したり、クラウド環境に同期する構成も可能です。
各種ストレージ・OSに対応した柔軟な構成
RPSは、Linuxサーバの継続的増分バックアップや、SMB/NFS経由で接続するNASのバックアップにも対応しており、Windows Serverや専用アプライアンスを含む多様な環境と連携できます。
ただし、RPSは多機能なバックアップ保管基盤である一方で、運用や管理を誤ると、バックアップが正しく取得されていなかったり、いざというときに復元できなかったりするリスクもあります。特に、設定ミスや管理の不備が原因で、大切なデータが失われるケースも少なくありません。
そのため、定期的な検証と診断によるバックアップ環境の見直しが重要です。当社では、初期診断を無料で実施し、24時間365日対応の体制を整えています。データ保護に不安がある場合は、早めのご相談をおすすめします。
【要注意】メーカーや修理業者に依頼することのリスク

トラブルに直面したとき、多くの方がまずメーカーや修理業者への依頼を考えるかもしれません。確かに本体の修理や部品交換は可能ですが、HDDやSSDなどの記憶媒体の初期化・交換によって、データは全て消えてしまいます。
失いたくないデータを守りたい場合は、メーカーや修理業者ではなくデータ復旧の専門業者に相談するのが確実です。デジタルデータリカバリーではデータを保ったまま、故障した機器に対応できます。以下の3つの点で多くの方に選ばれています。
- 相談実績46万件以上(2011年1月~)の豊富な対応経験に基づき、個人・法人問わず幅広いトラブルに対応
- 一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(※内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績)という業界トップクラスの技術力
- 他社で「復旧不可」とされた機器の対応実績が7,300件越えにものぼり、独自の復旧技術を保有
大切なデータを守るには、メーカーや修理業者ではなく当社にご相談ください。
復旧ポイントサーバにおけるデータリスクと注意点
RPSは多機能なバックアップ保管基盤である一方、適切に運用・管理されていない場合は、逆にデータ損失やリカバリ不能といった重大なリスクを招く可能性があります。以下に、代表的なリスクとその対策ポイントを紹介します。
データストアの破損によるバックアップ全体の消失
RPSに保存されているバックアップは、データストア単位で構成されています。ストレージ障害やファイルシステムの破損が発生すると、対象のバックアップすべてが読み込めなくなる恐れがあります。
対策として、データストアの冗長構成(RAID、定期的なバックアップ複製)や、RPS自体の多重化(セカンダリRPSとのレプリケーション)を推奨します。
重複排除誤作動によるリカバリ不能
RPSはブロック単位の重複排除を行いますが、構成ミスやソフトウェアの異常により、本来必要なブロックが削除されると、対象データの復元ができなくなります。
重複排除設定の変更は慎重に行い、アップグレードや障害発生時はデータ検証を実施してください。
レプリケーション不備による災害対策の破綻
遠隔RPSとのレプリケーションに失敗していると、災害時に復元可能なデータが存在しない事態になります。ログ監視やレプリケーション結果の定期確認が重要です。
バージョン不整合や誤設定による復元不可
RPSのソフトウェアバージョンとクライアント側のバージョンが不一致だと、バックアップデータの互換性に問題が生じ、復旧ができない可能性があります。更新の際は十分な検証とバックアップを行ってください。
ランサムウェア感染によるRPS領域の暗号化
RPSがWindowsサーバ上で構築されている場合、ランサムウェア感染によってバックアップ領域まで暗号化されるリスクがあります。バックアップ自体が機能を失い、復旧手段を絶たれる可能性があるため、対策が欠かせません。
アクセス制御やネットワーク分離、スナップショットの活用など、多層的な保護を講じることが重要です。それでも復旧が難航するケースはあり、専門的な対応が求められます。
当社では、46万件以上の相談実績(2011年1月以降)と官公庁・法人1万社以上との取引経験を活かし、信頼性の高い復旧支援を提供しています。
Arcserve環境のBMRトラブルにも対応可能です。初期診断とお見積りは無料、24時間365日体制でご相談を受け付けています。
なぜデジタルデータリカバリーでは復旧困難な機器の復旧事例が多いのか
デジタルデータリカバリーはこれまで数々の復旧に成功してきました。復旧事例が多いのには、理由があります。
業界トップクラスの実績

私たちデジタルデータリカバリーは、14年連続で国内売上No.1(※1)。累計46万件以上(※2)の相談実績をもとに、あらゆるデータトラブルと向き合ってきました。
「データが戻ってくるかどうかは、最初の診断で決まる」
そう言っても過言ではありません。
最大の強みは、その“症例データの蓄積数”。
すべての相談内容を電子カルテのように管理し、障害のパターンと復旧手法を社内でデータ化。
これにより、問題の切り分けが圧倒的に早くなり、対応スピードと成功率の向上につながっています。
その結果、48時間以内に対応を完了した件数は全体の約80%。
一部復旧を含む復旧件数割合は91.5%(※3)と、業界でも高水準の成果を出し続けています。
国内最高峰の復旧設備

復旧の成功事例の多さは、デジタルデータリカバリーの技術力の高さを象徴しています。復旧成功の要因として、次の点が挙げられます:
- 蓄積された知見に基づき、障害箇所を正確に特定
- 最新技術を駆使した独自の復旧手法を開発
- 精密な環境での復旧作業(専用クリーンルーム完備)
これらの要素が、他社では対応が難しいケースでも「不可能を可能に」しています。
「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」ですので、他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーでは復旧できる可能性もございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
※1:データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと、 第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(集計期間:2007年~2020年)
※2:期間:2011年1月1日~
※3:2023年10月実績。一部復旧:完全復旧に至らなかったが、一部復旧できた場合。完全復旧:復旧希望データを100%復旧できた場合。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。